答申第48号

掲載日:2017年12月1日

答申48号

                         平成8年11月26日

 神奈川県知事 岡崎 洋 殿

               神奈川県公文書公開審査会 会長 原 寿雄

  公文書の閲覧等の請求拒否処分に関する異議申立てについて(答申)

 平成8年3月25日付けで諮問された特定病院からの報告書非公開の件(諮
問52号)について、次のとおり答申します。

1 審査会の結論
  特定病院からの報告書は、別表に掲げる部分を除いて公開すべきである。

2 異議申立人の主張要旨
(1)異議申立ての趣旨
   異議申立ての趣旨は、特定の精神病院(以下「特定病院」という。)か
  ら神奈川県衛生部(以下「衛生部」という。)に提出された報告書(以下
  「本件報告書」という。)を、神奈川県知事が平成8年1月18日付けで
  非公開とした処分の取消しを求める、というものである。
(2)異議申立ての理由
   異議申立人の主張を総合すると、神奈川県知事が「本件報告書は、(1)個
  人に関する情報であって、特定の個人が識別され、又は識別され得ること、
  (2)法人に関する情報であって、公開すると、当該法人に明らかに不利益を
  与えると認められること、(3)法令の定めるところにより明らかに公開する
  ことができないとされている情報であることから、神奈川県の機関の公文
  書の公開に関する条例(以下「条例」という。)第5条第1項第1号、第
  2号又は第7号に該当する」とした非公開の決定は、次に掲げる理由から、
  条例の解釈及び運用を誤っている、というものである。
  ア 本件報告書を公開する必要性について
  (ア)本件報告書は、衛生部と異議申立人等との話し合いを受けて、衛生
    部に提出された。衛生部は、その内容について、異議申立人等に口頭
    で説明をしたが、本件報告書は、事件の概要を明らかにした唯一の文
    書であり、事実を確認するために公開されるべきである。
  (イ)精神病院を外部からチェックするために情報公開が必要である。
  イ 条例第5条第1項第1号該当の点について
    本件報告書には、個人に関する情報として、患者の氏名、生年月日、
   住所、本籍、病名、治療歴、成育歴、病院職員の氏名等が記載されてい
   ると思われるが、こうした情報を公開することが不適切であるならば、
   これらの部分を除いて公開すべきである。
  ウ 条例第5条第1項第2号本文及びただし書該当の点について
  (ア)実施機関は、公開することにより法人に不利益となるような憶測を
    呼ぶとしているが、非公開とした方がかえって不正確な憶測を呼ぶの
    ではないか。
     また、不利益性の有無を判断するに当たっては、法人の性格や特定
    病院が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「精神保健福
    祉法」という。)に基づき公立病院に代えて指定された病院であるこ
    とを考慮すべきである。
  (イ)仮に、本件報告書が第2号本文に該当したとしても、患者が同様の
    被害に遭うことが十分予想されるので、第2号ただし書ウにあてはま
    るのは明白である。
  エ 条例第5条第1項第7号該当の点について
  (ア)精神保健福祉法第53条は、本来、医療行為に従事する者に適用さ
    れるものであり、県の職員に適用することには無理がある。また、条
    例第5条第1項第7号は、明らかに公開することができないとされて
    いる情報を非公開にするとしており、本件報告書の場合、この明白性
    の要件を欠いている。
  (イ)個人情報については第1号により非公開とすれば足りる。
  (ウ)衛生部は、精神保健福祉法第53条にいう正当な理由がないので本
    件報告書を公開しないとしているが、同法が精神病院での患者の処遇
    上の問題について、県に対して報告徴収を義務付け、国民に対して精
    神障害者の社会復帰等への協力を義務付けていることからすれば、誰
    もが精神病院の実態を知る権利がある。
  (エ)異議申立人は、精神病院での人権侵害を明らかにするために公開を
    請求していることなどから、本件報告書を公開することには、精神保
    健福祉法第53条の定める正当な理由がある。
  オ 条例第5条第2項該当の点について
    実施機関は、別の病院から衛生部に提出された経過報告書(以下「経
   過報告書」という。)について、条例に基づき、その一部を公開してお
   り、本件報告書の場合、氏名等を最少限非公開とするにしても、事実経
   過については、経過報告書と同様に、条例第5条第2項の定める合理的
   な分離に該当するとして一部公開すべきである。

3 実施機関の職員(衛生部保健予防課長)の説明要旨
  実施機関の職員の説明を総合すると、本件報告書を非公開とした理由は、
 次のとおりである。
(1)本件報告書について
   本件報告書を取得した経緯及びその後の状況は、次のとおりである。
  ア 平成7年11月2日に、異議申立人から、特定病院で入院患者に係る
   窃盗事件が発生した疑いがあるので、神奈川県(以下「県」という。)
   で調査してほしい旨の請願書の提出があった。
  イ 県は、平成7年11月17日に、精神保健福祉法第38条の6の規定
   に基づき定期的に行っている精神病院の実地指導を行うなかで、特定病
   院を開設している医療法人(以下「本件医療法人」という。)に報告書
   の提出を求めた。
  ウ 平成7年12月28日に、本件報告書が本件医療法人から県に提出さ
   れた。
  エ その後、異議申立人は、県に対し、本件報告書の写しを提供するよう
   求めたが、本件報告書の内容は、県が異議申立人にこれまで口頭で説明
   してきたことと変わりはないとして提供を断った。
(2)精神保健福祉法に基づく指定病院について
   精神保健福祉法では、措置入院患者については、原則として国立又は都
  道府県立の病院で受け入れるとされているが、それだけでは必要な病床数
  を確保できないため、精神保健福祉法に基づき、一定の条件を満たす民間
  病院を指定している。
(3)条例第5条第1項第1号本文及びただし書該当性について
  ア 本件報告書には、被害者とされる患者の氏名、病名、症状、入院期間
   等が記載されている。
    特定の個人が識別される一次的要素は、氏名及び住所であり、原則的
   には、この氏名及び住所を非公開とし、残りの部分を公開することにな
   るが、最も他人に知られたくない個人に関する情報については、氏名及
   び住所以外の部分も含めて全体的に第1号本文に該当する。
  イ 本件報告書に記載された個人に関する情報は、第1号ただし書ア、イ
   又はウのいずれにも該当しない。
  ウ したがって、本件報告書は、全体的に個人に関する情報であって、第
   1号本文に該当するとともに、例外的に公開すべき場合を規定する同号
   ただし書のいずれにも該当しない。
(4)条例第5条第1項第2号本文及びただし書該当性について
  ア 本件報告書を公開することにより、本件医療法人が事件に関与してい
   るとの憶測を与える可能性があり、第2号本文に規定されているところ
   の法人に明らかに不利益を与える場合に該当する。
    なお、本件報告書の内容については、異議申立人に口頭で説明をした
   が、公開することにより、一定の事実が文書という形で確定的に提示さ
   れることになり、見方によっては、本件報告書に記載された事実から勝
   手な憶測を呼ぶと考えられる。
  イ 本件報告書に記載された情報は、第2号ただし書ア、イ又はウのいず
   れにも該当しない。
    なお、犯罪であることが明白であるならば、公益性の観点から本件報
   告書を公開とする余地があるが、本件医療法人は、一貫して事件への関
   与を否定している。また、患者側は、衛生部をはじめとした第三者が関
   与すべきでないとしている。
  ウ したがって、本件報告書は、全体的に特定の法人に関する情報であっ
   て、これを公開することにより当該法人に明らかに不利益を与えると認
   められることから、第2号本文に該当するとともに例外的に公開すべき
   場合を規定する同号ただし書のいずれにも該当しない。
(5)条例第5条第1項第7号該当性について
   本件報告書は、精神保健福祉法第38条の6の規定に基づき特定病院か
  ら県に提出されたものであるが、精神病院の管理者や職員等については、
  精神保健福祉法第53条の規定により職務上知り得た人の秘密について守
  秘義務が課せられており、正当な事由なく漏らすことが禁止されている。
  精神保健福祉法は、県の職員が職務上知り得た情報については直接規定を
  していないが、少なくとも精神障害者の個人の秘密に係る部分については、
  法の趣旨からいって、当然、実施機関としても正当な事由なく公開するこ
  とはできない。
(6)条例第5条第2項該当性について
   本件報告書は、全体的に条例第5条第1項第1号、第2号及び第7号に
  該当するとともに、閲覧等の請求の趣旨を失わない形での合理的分離も困
  難であることから、条例第5条第2項の規定による一部公開になじまない。
   なお、経過報告書については、一部を公開したが、その際も患者の氏名
  のみならず、治療歴、生活歴等を非公開としている。本件報告書は、全体
  的に、経過報告書における治療歴、生活歴等に相当するものと判断される
  ことから、経過報告書の場合と違って、一部を公開することはできない。

4 審査会の判断理由
(1)本件報告書について
  ア 精神保健福祉法第38条の6第1項では、都道府県知事は、必要があ
   ると認めるときは、精神病院の管理者に対し、当該精神病院に入院中の
   者の症状又は処遇に関し、報告を求めることができるとされている。ま
   た、同法の運用上、入院中の患者を処遇する上で必要な場合は、精神病
   院の管理者が患者の金銭を管理することが行われている。
    本件報告書は、本件医療法人から、特定の患者の預金が何者かによっ
   て引き出された事件について、平成7年12月28日付けで衛生部保健
   予防課長あてに提出されたものである。
  イ 本件報告書には、患者の氏名、病名、症状、入院期間、経済的な状況、
   預金額、取引金融機関名及び預金が引き出された具体的な態様に関する
   情報(以下「本件患者情報」という。)、本件医療法人の理事の氏名及
   び行動(以下「本件理事情報」という。)、本件医療法人の職員の行動
   及び当該職員に対する本件医療法人の対応(以下「本件職員情報」とい
   う。)等が記載されていると認められる。
(2)条例第5条第1項第1号該当性について
  ア 条例第5条第1項第1号本文該当性について
  (ア)条例第5条第1項第1号は、個人を尊重する観点から、知る権利の
    保障と個人に関する情報の保護という二つの異なった側面からの要請
    を調整しながら、個人に関する情報を原則的に非公開とすることを規
    定している。
     そして、同号本文は、個人に関する情報であって、特定の個人が識
    別され、又は識別され得るもの(以下「個人情報」という。)を非公
    開とすることができるとしている。
     したがって、同号本文は、個人情報は明白にプライバシーと思われ
    るものはもとより、プライバシーであるかどうか不明確であるものも
    含めて非公開とすることを明文をもって定めたものと解される。
     また、個人に関する情報のうち、特定の個人が識別され、又は識別
    され得る第一義的な要素は、氏名であるが、氏名が記載されていない
    場合であっても、プライバシー性の極めて高い情報については、条例
    第2条後段において「個人の秘密、個人の私生活その他の他人に知ら
    れたくない個人に関する情報がみだりに公にされないように最大限の
    配慮をしなければならない」と規定している趣旨にかんがみ、「特定
    の個人が識別され、又は識別され得るもの」に該当すると解される。
  (イ)本件報告書のうち、本件患者情報、本件理事情報及び本件職員情報
    は、個人に関する情報であって、特定の個人が識別され、又は識別さ
    れ得る情報であることから、条例第5条第1項第1号本文に該当する
    と判断する。
  イ 条例第5条第1項第1号ただし書該当性について
  (ア)条例第5条第1項第1号ただし書は、個人情報であっても、例外的
    に公開できる情報について規定している。
  (イ)条例第5条第1項第1号ただし書ア該当性について
     本件患者情報、本件理事情報及び本件職員情報は、「何人でも法令
    の規定により閲覧することができるとされている情報」とは認められ
    ず、条例第5条第1項第1号ただし書アには該当しないと判断する。
  (ウ)条例第5条第1項第1号ただし書イ該当性について
     条例第5条第1項第1号ただし書イは、公表することを目的として
    作成し、又は取得した情報については公開することを規定している。
     ここでいう「公表することを目的として作成し、又は取得した情報」
    は、広報紙等を通じ広く県民に積極的に周知する情報だけでなく、条
    例第2条前段が「公文書の閲覧及び公文書の写しの交付を求める権利
    が十分に尊重されるようにこの条例を解釈し、運用するものとする」
    と規定している趣旨から考えると、事務事業の執行上又は行政の責務
    として県民の要望に応じて提供することが予定されているものを含む
    と解される。
     一方、同条は、後段において、原則公開を基本とする公文書公開制
    度にあっても、他人に知られたくない個人情報がみだりに公にされな
    いように最大限の配慮をして、この条例の解釈及び運用をする趣旨を
    明らかにしている。
     上記の趣旨に従い判断すると、本件患者情報、本件理事情報及び本
    件職員情報は、当該個人にとっては他人に知られたくない個人情報で
    あることから、行政の責務として県民の要望に応じて提供することが
    予定されている情報とまでは認められない。
     したがって、本件患者情報、本件理事情報及び本件職員情報は、条
    例第5条第1項第1号ただし書イには該当しないと判断する。
  (エ)条例第5条第1項第1号ただし書ウ該当性について
     本件患者情報、本件理事情報及び本件職員情報は、「法令の規定に
    より行われた許可、免許、届出その他これらに相当する行為に際して
    作成し、又は取得した情報」とは認められず、条例第5条第1項第1
    号ただし書ウには該当しないと判断する。
(3)条例第5条第1項第2号該当性について
  ア 条例第5条第1項第2号本文該当性について
  (ア)条例第5条第1項第2号本文は、法人その他の団体(国及び地方公
    共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営
    む個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより、当該
    法人等又は当該個人に明らかに不利益を与えると認められるものは非
    公開とすることができると規定している。
     この規定は、法人等に不利益を与えることを防止する観点から定め
    られたものであり、公開することにより、法人等に不利益を与えるか
    どうかについての判断は、請求の対象となった情報のほか、当該法人
    等の性格、規模、事業活動における当該情報の位置づけ等をも考慮し
    た上で行う必要がある。
  (イ)本件医療法人は、医療法第39条に規定する医療法人であり、精神
    保健福祉法第19条の8に基づき、都道府県が設置する精神病院に代
    わる施設として指定された病院(以下「指定病院」という。)を経営
    している。
     一般に、医療法人は、病院等の経営を主たる目的とするものでなけ
    ればならないが、それ以外の積極的な公益性は要求されない点で民法
    上の公益法人と区別され、剰余金の配当を禁じられる点で株式会社等
    の営利法人と区別されている。
     また、指定病院は、措置入院者の場合、当該患者の医療・保護、人
    権確保等の諸見地から原則的に国立又は都道府県立の精神病院に入院
    させることが妥当であるが、病床が不足しているときに指定されるも
    のである。
  (ウ)本件報告書のうち、本件医療法人の対応について記載された部分
    (以下「本件医療法人情報」という。)については、病院経営におい
    て病院間に競争関係がある現状にかんがみると、公開した場合、本件
    医療法人の公共性を考慮したとしても、本件医療法人に明らかに不利
    益を与えるものと認めることが相当である。
  (エ)したがって、本件報告書のうち、本件医療法人情報については、条
    例第5条第1項第2号本文に該当すると判断する。
  (オ)なお、実施機関は、異議申立人等に口頭で事件の概要について説明
    しているが、条例第5条第1項各号に該当するか否かの判断は、請求
    者が誰であっても同じに判断されるべきものであり、異議申立人から
    の請願により調査した結果を異議申立人側に口頭で説明したという事
    情があったからといって、本件医療法人情報を公開した場合に、本件
    医療法人に明らかに不利益を与えることに変わりはない。
  イ 条例第5条第1項第2号ただし書該当性について
  (ア)条例第5条第1項第2号は、同号本文に該当する情報であっても、
    同号ただし書ア、イ又はウに該当する場合は、公開しなければならな
    いと規定している。
  (イ)条例第5条第1項第2号ただし書ア該当性について
     本件医療法人情報は、特定の患者の金銭管理に関する情報が記載さ
    れたものであることから、「人の生命、身体又は健康を法人等又は個
    人の事業活動によって生ずる危害から保護するため、公開することが
    必要と認められる情報」とは認められず、条例第5条第1項第2号た
    だし書アには該当しないと判断する。
  (ウ)条例第5条第1項第2号ただし書イ該当性について
     本件医療法人情報は、特定の患者の金銭管理に関する情報が記載さ
    れたものであることから、「法人等又は個人の違法又は不当な事業活
    動によって生ずる消費生活の安定に対する著しい支障から消費者を保
    護するため、公開することが必要と認められる情報」とは認められず、
    条例第5条第1項第2号ただし書イには該当しないと判断する。
  (エ)条例第5条第1項第2号ただし書ウ該当性について
     条例第5条第1項第2号ただし書ウは、同号ただし書ア又はイに掲
    げる情報に準ずる情報であって公開することが公益上必要と認められ
    る情報について規定する。
     ここでいう「ア又はイに掲げる情報に準ずる情報」とは、ア又はイ
    には直接該当しないが、それらと同様の趣旨であり、情報の内容も類
    似しているものをいい、生活環境、自然環境の破壊等に関する情報が
    含まれるものと解される。
     また、この規定を適用するか否かについては、公開することによっ
    て得られる公益とそれによって第三者が被る不利益とを比較衡量して
    判断する必要があると考える。
     本件医療法人情報は、入院中の患者を処遇する上で必要な場合に精
    神病院の管理者が患者の金銭を管理している現状において、患者の生
    活環境に関する情報であるといえることから、「ア又はイに掲げる情
    報に準ずる情報」に該当すると認められる。
     また、本件報告書のように、精神保健福祉法第38条の6第1項の
    規定に基づき提出された公文書について県民の要望があったときは、
    この規定が同法の適正な運用を確保し、もって患者の人権擁護にも資
    するという観点から設けられていることにかんがみ、これを明らかに
    すべき場合があると考えられる。
     しかしながら、本件医療法人が一貫して事件への違法な関与を否定
    し、かつ、患者側が実施機関に対し、本件医療法人の責任を問題にし
    ていない状況において、本件医療法人情報を公開することによって得
    られる公益とそれによって本件医療法人が被る不利益とを比較衡量す
    ると、本件医療法人情報は、公開することが公益上必要と認められる
    情報に該当するとまではいえない。
     したがって、本件医療法人情報は、条例第5条第1項第2号ただし
    書ウには該当しないと判断する。
(4)条例第5条第1項第7号該当性について
  ア 条例第5条第1項第7号は、法令の定めるところにより明らかに公開
   することができないとされている情報について規定する。
    ここでいう「法令の定めるところにより明らかに公開することができ
   ないとされている情報」は、明文の規定をもって公開することができな
   いとされている情報のほか、法令の趣旨、目的からみて公開することが
   できないと明らかに判断され得るものを含むと解される。
  イ 精神病院の管理者、職員等は、職務上知り得た人の秘密について、精
   神保健福祉法第53条の規定により守秘義務が課せられている。一方、
   実施機関の職員が職務上、当該秘密を知り得た場合については、同法は、
   規定をしていない。
    しかしながら、本件報告書のうち、本件患者情報については、精神保
   健福祉法の趣旨、目的からみて、実施機関の職員においても、精神病院
   の管理者、職員等と同様に、職務上知り得た人の秘密として、公開する
   ことができないと解するのが相当である。
  ウ したがって、本件患者情報については、条例第5条第1項第7号に該
   当すると判断する。
(5)条例第5条第2項該当性について
  ア 条例第5条第2項は、閲覧等の請求に係る公文書に、部分的に公開す
   ることのできない情報が記録されている場合であっても、それらを容易
   に、かつ、公文書の閲覧又は写しの交付を求める趣旨を失わない程度に
   合理的に分離できる場合には、部分公開をしなければならないと規定し
   ている。
  イ 当審査会は、本件非公開部分について、個別、具体的に部分公開でき
   るかどうかについて検討したが、本件報告書は、別表に掲げる部分を除
   いて、条例第5条第1項各号に該当するとは認められないことから、条
   例第5条第2項を適用して公開することが妥当と判断する。

5 審査会の処理経過
  当審査会の処理経過は、別紙のとおりである。 

別表

条例第5条第1項
各号該当性

当該行等

条例第5条第1項第1号に該当する部分

9行目23字目から36字目まで、10行目4字目から14字目まで、同行21字目から11行目18字目まで、12行目6字目及び7字目、同行11字目から14字目まで、同行21字目から13行目8字目まで、同行22字目及び23字目、14行目10字目から15字目まで、同行20字目から23字目まで、15行目3字目から13字目まで、同行19字目から16行目2字目まで、同行26字目から18行目23字目まで、20行目34字目及び35字目、21行目6字目から8字目まで、同行23字目及び24字目、22行目3字目から6字目まで、同行23字目から23行目5字目まで、同行29字目及び30字目、24行目23字目及び24字目、同行36字目から25行目5字目まで、同行9字目から15字目まで、同行17字目から20字目まで、27行目3字目から28行目20字目まで、同行23字目から31字目まで、37行目11字目及び12字目、同行21字目及び22字目、38行目28字目及び29字目

条例第5条第1項第2号に該当する部分

16行目26字目から18行目23字目まで、27行目3字目から28行目20字目まで、29行目12字目から26字目まで

条例第5条第1項第7号に該当する部分

9行目23字目から36字目まで、10行目4字目から14字目まで、同行21字目から11行目から18字目まで、12行目6字目及び7字目、同行11字目から14字目まで、同行21字目から13行目8字目まで、同行22字目及び23字目、14行目10字目から15字目まで、同行20字目から23字目まで、15行目3字目から13字目まで、同行19字目から16行目2字目まで、17行目22字目及び23字目、18行目5字目から8字目まで、同行13字目及び14字目、20行目34字目及び35字目、21行目6字目から8字目まで、同行23字目及び24字目、22行目3字目から6字目まで、同行23字目から23行目5字目まで、同行29字目及び30字目、24行目23字目及び24字目、28行目23字目から31字目まで、37行目11字目及び12字目、同行21字目及び22字目、38行目28字目及び29字目

備考1 行数は、文字が記載された行を上から数えたものである。

備考2 文字数は、当該行に記載された文字を左から数えたものである。句読点、数字等
   の標記も一文字として数えている。

別紙

                  審査会の処理経過

年月日

処理内容

平成 8.3.25

○諮問

   8.3.25

○実施機関に非公開理由説明書の提出要求

   8.4.25

○非公開理由説明書の受理

   8.5.8

○異議申立人に非公開理由説明書の送付

   8.5.16
 (第139回審査会)

○審議

   8.5.28

○異議申立人から非公開理由説明書に対する意見書の受理

   8.5.31

○実施機関に非公開理由説明書に対する意見書を送付

   8.6.20
 (第140回審査会)

○異議申立人から意見の聴取
○実施機関の職員(神奈川県衛生部保健予防課長ほか)から非公開理由説明の聴取
○審議

   8.8.22
 (第142回審査会)

○審議

   8.10.3
 (第143回審査会)

○審議

   8.10.14
 (第144回審査会)

〇審議

   8.11.21
 (第145回審査会)

〇審議

                神奈川県公文書公開審査会委員名簿

                               (平成7年4月1日委嘱)

氏名

現職

備考

川島 志保

弁護士(横浜弁護士会所属)

 

小林 重敬

横浜国立大学教授

 

原 寿雄

ジャーナリスト

会長

堀部 政男

一橋大学教授

会長職務代理者

若杉 明

高千穂商科大学教授

 

                        (平成8年11月26日現在) (五十音順)

目次にもどる

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
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