答申第63号

掲載日:2017年12月1日

答申第63号

                          平成12年11月2日

 神奈川県代表監査委員 石山 富 殿

              神奈川県情報公開審査会 会長 堀部 政男

  公文書の閲覧等の請求拒否処分に関する異議申立てについて(答申)

 平成10年11月20日付けで諮問された住民監査請求関係書類一部非公開の件

(諮問第72号)について、次のとおり答申します。

1 審査会の結論
  職員措置請求に係る受理等についての伺い文書のうち、職員措置請求に関
 する陳述(速記録)の記載内容(関係職員の氏名を除く。)、職員調査結果
 の復命書のうち、盗聴行為の被害者各人に対し裁判所が認容した賠償金額、
 職員措置請求に係る関係人調査についての伺い文書のうち、調査の実施方法
 ・日時・場所及び調査関係人間の弁済金負担方法(端数負担者の氏名を除
 く。)並びに職員措置請求に係る関係人調査についての伺い文書(文書調査
 に係るもの)のうち、事情聴取の理由・方法は、公開すべきである。

2 異議申立人の主張要旨
(1)異議申立ての趣旨
   異議申立ての趣旨は、住民監査請求に基づき作成された次の公文書(以
  下「本件公文書」という。)を神奈川県代表監査委員が平成10年9月10日
  付けで一部非公開とした処分の取消しを求める、というものである。
   (1) 職員措置請求の審査に伴う住民票の交付申請についての伺い文書
    (請求人に係るもの)
   (2) 職員措置請求に係る受理等についての伺い文書
   (3) 職員調査結果の復命書
   (4) 職員措置請求に係る関係人調査についての伺い文書
   (5) 職員措置請求の審査に伴う住民票の交付申請についての伺い文書
    (関係人に係るもの)
   (6) 職員措置請求に係る関係人調査についての伺い文書(文書調査に係
    るもの)
(2)異議申立ての理由
   異議申立人の主張を総合すると、神奈川県代表監査委員が、「個人に関
  する情報であり、特定の個人が識別される」及び「監査の性質上、監査の
  実施方法を公開することにより、円滑な実施を著しく困難にするおそれが
  ある」として神奈川県の機関の公文書の公開に関する条例(以下、原則と
  して「条例」という。)第5条第1項第1号及び第5号に該当するとして
  一部非公開とした処分は、次に掲げる理由から、条例の解釈及び運用を誤
  っている、というものである。
  ア 条例第5条第1項第1号該当の点について
  (ア)盗聴行為をした警察官(以下「関係職員」という。)の氏名・住所
    (以下「氏名等」という。)について
    a 本件盗聴行為は、公権力を行使する公務員がその職務を行うにつ
     いて行ったものであることは、判決(東京高裁平成9年9月26日
     等)が明確に認めている。これを私的行為と同視して「過去の触れ
     られたくない事実」として隠蔽することは許されない。
    b 神奈川県公文書公開審査会答申第12号は、「県の職員の氏名所属
     等は行政の責務として県民の要望に応じて情報を提供することが予
     定されている」ものであるから、条例第5条第1項第1号ただし書
     イに該当するとして公開すべきとしており、神奈川県では公務員の
     職務に関する情報は、個人名であっても公開されている。
    c 本件に関する裁判及び住民監査請求書の中でも、関係職員の氏名
     が掲げられており、実質的に秘密とされるべきものではない。
    d 公務が違法評価を受ける場合には、より厳密に職員氏名等は保護
     を受けないという原則が確立されるべきである。
  (イ)職員措置請求に関する陳述(速記録)の記載内容(以下「速記録」
    という。)について
    a 速記録に思想及び信条等に関する情報があるとは考え難く、仮に
     あるとしても速記録全部がそれに該当するか疑問である。
    b 請求人の陳述の機会(以下「陳述会」という。)は公開されてお
     り、その記録を非公開とする理由はない。
  (ウ)盗聴行為の被害者各人に対し裁判所が認容した賠償金額(以下「賠
    償金額」という。)について
     賠償金額は、判決において明記されており、この判決は一般的な刊
    行物にも掲載され、誰に対しいくらの支払いが認容されたか実名で記
    載されている。そもそも金額自体は個人情報ではないから条例第5条
    第1項第1号に当たらないし、同第5号に当たることも考えられない。
  (エ)関係人調査について
    a 関係人調査の実施方法、回答欄その他当該調査に関する記載につ
     いては、個人情報がどこまで記載されているのか明らかでない。
    b 関係人調査に法的強制力がないために、関係人が調査を拒否でき
     るということは、事実に反する。
    c 氏名等を明らかにしない条件を付して調査を実施した証拠はなく、
     仮にそうだとしてもそれ自体が問題である。
  イ 条例第5条第1項第5号該当の点について
  (ア)関係職員の氏名等を公開すると、関係人が調査を拒絶するようにな
    る程度の非公開理由では不十分である。
  (イ)それぞれの非公開部分について、公開すると監査の円滑な実施を著
    しく困難にすることをうかがわせる具体的事実関係を立証しない以上、
    非公開処分は違法である。
  (ウ)関係人調査の方針、内容等については、公開部分で把握でき、その
    他に格別の「手の内」情報があるとは考えられない。
  ウ その他
  (ア)住民監査請求に係る記録の公開は、税金の使途を監視する監査手続
    が適正に機能したかを検証するために不可欠であり、公開することで、
    当該制度に対する信頼が確保される。
  (イ)住民訴訟を提起する権利について、判例は、「参政権の一種」とし
    ており、その権利行使の過程における議論をみだりに非公開とするこ
    とは、住民の参政権を著しく損なうものである。
  (ウ)一部公開部分以外に頁又は一団の文書ごとに非公開としている部分
    があれば、それを具体的に列挙し、その記載事項を明らかにすべきで
    ある。
3 実施機関の職員(監査事務局総務課長及び同管理担当課長)の説明要旨
  実施機関の職員の説明を総合すると、本件公文書を一部非公開とした理由
 等は、次のとおりである。
(1)事業の内容等について
   本件公文書は、地方自治法(以下「法」という。)第242条第1項の規
  定に基づきなされた住民監査請求(県が関係職員に対して有する求償権の
  行使を怠る事実を改め、県が支払った損害賠償金の補填をさせるよう知事
  に勧告することを請求したもの)を受け、同条第3項の規定に基づき、監
  査委員が行った監査(以下「本件監査」という。)に係るものである。
   本件監査の具体的な方法は、監査委員が指示して提出させた監査説明書
  をもとに、収入関係書類について事実確認を行い、その正確性を担保する
  ため、法第199条第8項の規定に基づき、関係職員に対し関係人調査を行
  った。
(2)条例第5条第1項第1号該当性について
   本件盗聴事件に関する文書について個別に判断した場合、公開の原則よ
  りむしろ条例第2条で規定するプライバシーの保護にウエイトがかかる事
  案であると考えて判断した。
  ア 関係職員の氏名等について
  (ア)関係職員の氏名等は個人に関する情報であって、特定の個人が識別
    される。
  (イ)氏名等が公開されると、関係職員が損害賠償請求事件の判決におい
    て故意により違法な行為を行ったと判示された者等という過去の触れ
    られたくない事実が明るみに出るおそれがあり、関係職員家族の個人
    生活への支障が惹起されることが予想される。
  (ウ)関係職員の氏名等は、事務事業に密接に関連して県民に対して公表
    を予定している情報ではなく、条例第5条第1項第1号ただし書のい
    ずれにも該当しない。
  (エ)判決等が新聞や雑誌等に掲載される場合には、個人名を明らかにし
    ない配慮がなされている。
  (オ)関係職員の行為は、判決において職務として認定されておらず、仮
    に職務に当たるとしても条例の実施機関でない警察の職員としての行
    為である。
  イ 速記録について
  (ア)陳述会は公開していたが、会議の公開とその速記録の公開は別問題
    であり、速記録にプライバシーに関する情報があれば、一部又は全部
    の非公開を個別に判断すべきである。
  (イ)速記録には思想及び信条等個人に関する情報が記載されており、公
    開部分と非公開部分を容易に、かつ、公文書の公開を求める目的を失
    わない程度に分離できないため、全部を非公開とした。
  ウ 賠償金額について
  (ア)賠償金額は、個人の所得に関する情報であるため、非公開とした。
    なお、盗聴の被害者3名の氏名を公開したのは、新聞報道や当該監査
    結果の公表により、既に明らかにされていたためである。
  (イ)判決文や雑誌等に損害賠償金額の記載はあるが、必ずしも公知の事
    実と捉えるべきではない。
  エ 関係人調査について
  (ア)関係人調査は、誰がどのような形で賠償金の弁償をしたかを正確に
    把握するために行ったもので、法第100条に規定される議会の調査権
    に基づく調査や会計検査院の検査とは異なり、関係人の出頭や証言等
    について強制力を有しておらず、関係人の協力なしでは行い得ない。
  (イ)調査に際しては、時間的制約の中で、関係人等からの強い要望を踏
    まえ、第三者に関係人の氏名を明らかにしない条件を付し、協力願っ
    たものである。
(3)条例第5条第1項第5号該当性について
  ア 監査では公文書を主体に検証しているが、状況により事実確認の精度
   を高めるため、関係人調査も実施している。
  イ 関係人の氏名等が公開されると、当該者に係る過去の触れられたくな
   い事実が明らかになるおそれがあり、その家族の個人生活への支障が惹
   起されることなどを危惧し、調査への協力を拒絶され、その結果、監査
   業務の遂行に重大な支障を来すおそれがある。
  ウ 関係人調査の実施方法が公開されると、調査方針及び内容等の「手の
   内」を明らかにすることになり、今後の調査の実施に重大な影響を及ぼ
   すおそれがある。
(4)その他
   「一部公開部分以外に頁又は一団の文書ごとに非公開としている部分」
  は、請求人の住民票と速記録以外に存在しない。
   なお、住民票には個人に関する情報が記載されており、条例第5条第1
  項第1号に該当する。速記録は、前記(2)イで述べたとおりである。

4 審査会の判断理由
(1)答申するに当たっての適用条例の考え方
   神奈川県情報公開条例が平成12年3月28日に公布され、同年4月1日に
  施行されたが、当審査会としては、本諮問案件は神奈川県の機関の公文書
  の公開に関する条例(昭和57年神奈川県条例第42号)に基づきなされた処
  分であるので、当該条例に基づき本諮問案件を審議することとする。
(2)本件監査に至る経緯
   当審査会が調査したところ、本件監査に至る経緯は、以下のとおりであ
  る。
   神奈川県警察の警察官(関係職員)が行った盗聴行為について、その被
  害者が国家賠償法に基づく損害賠償を請求し、平成9年7月、国及び県が
  敗訴した判決が確定したことに伴い、県はその負担分の損害賠償金を被害
  者に支払った。
   このことについて、次の趣旨の住民監査請求がなされ、本件監査が実施
  された。
   神奈川県知事は、支出した損害賠償金につき、関係職員に対して国家
  賠償法第1条第2項の規定に基づき、求償権を行使すべきであるにもか
  かわらず、求償権の行使を怠り、県に損害を与えているので、監査委員
  が、知事に対し、知事が求償権の行使を怠る事実を改め、県が支払った
  金額の補償として、関係職員に求償するよう勧告することを求める。
(3)本件公文書及び非公開部分について
   本件公文書は、本件監査に関し、実施機関の職員が作成し、又は取得し
  たものであり、前記2(1)の(1)から(6)に掲げる文書である。
   このうち、(1)の中の住民票、(2)の中の関係職員の氏名及び速記録、(3)の
  中の賠償金額及び関係職員の氏名、(4)の中の調査の実施方法・日時・場所
  (以下「調査の実施方法等」という。)、調査相手方の氏名等、調査関係
  人・申立書提出者・弁済金支払者の氏名及び調査関係人間の弁済金負担方
  法(以下「弁済金負担方法」という。)、(5)の中の住民票の交付申請先、
  調査関係人の氏名等及び住民票並びに(6)の中の事情聴取の理由・方法、申
  立書提出者・弁済金納付者の氏名、調査関係人の氏名・印影、調査表の回
  答欄の記載及び郵便物受領証・配達証明書の受取人の氏名・都道府県名・
  郵便局名・郵便番号・郵便局証明印(以下「本件非公開部分」という。)
  について、神奈川県代表監査委員が非公開としたことが認められる。
   なお、異議申立人は、本件非公開部分以外に、頁又は一団の文書ごとに
  非公開としている部分があれば、それを具体的に列挙し、その記載事項を
  明らかにすべき旨主張しているが、当審査会で調査した結果、本件非公開
  部分以外に非公開とした部分は存在しないと認められる。
(4)条例第5条第1項第1号本文該当性について
  ア 条例第5条第1項第1号は、個人を尊重する観点から、「知る権利」
   の保障と個人に関する情報の保護という二つの異なった側面からの要請
   を調整しながら、個人に関する情報を原則的に非公開とすることとして
   いる。
    そして、同号本文は、個人に関する情報であって、特定の個人が識別
   され、又は識別され得るもの(以下「個人情報」という。)を非公開と
   することができるとしている。
    したがって、同号本文は、個人情報は明白にプライバシーと思われる
   ものはもとより、プライバシーであるかどうか不明確であるものも含め
   て非公開とすることを明文をもって定めたものと解される。
  イ 本件非公開部分のうち、次に掲げる部分以外は、個人に関する情報で
   あって、特定の個人が識別されることから、条例第5条第1項第1号本
   文に該当すると判断する。
  (ア)調査の実施方法等及び事情聴取の理由・方法
  (イ)弁済金負担方法
     弁済金負担方法のみでは、特定の個人が識別されず、各調査関係人
    の事件への関与の度合いの認識が推察できないので、条例第5条第1
    項第1号本文に該当しないと判断する。
(5)条例第5条第1項第1号ただし書該当性について
  ア 条例第5条第1項第1号ただし書は、個人情報であっても、例外的に
   公開できる情報について規定している。
  イ 本件非公開部分については、同号ただし書アの「何人でも法令の規定
   により閲覧することができるとされている情報」及びウの「法令の規定
   により行われた許可、免許、届出その他これらに相当する行為に際して
   作成し、又は取得した情報」とは認められないので、同号ただし書ア及
   びウに該当しないと判断する。
  ウ 条例第5条第1項第1号ただし書イ該当性について
  (ア)条例第5条第1項第1号ただし書イは、「公表することを目的とし
    て作成し、又は取得した情報」について公開することを規定している。
     ここでいう「公表することを目的として作成し、又は取得した情
    報」は、広報紙等を通じ広く県民に積極的に周知する情報だけでなく、
    条例第2条前段が「公文書の閲覧及び公文書の写しの交付を求める権
    利が十分に尊重されるようにこの条例を解釈し、運用するものとす
    る」と規定している趣旨から考えると、事務事業の執行上又は行政の
    責務として県民の要望に応じて提供することが予定されているものを
    含むと解される。また、公務員の職、氏名等の情報であって、当該公
    務員が分掌する事務又は事業の執行に関するものは、原則として事務
    事業の執行上又は行政の責務として県民の要望に応じて情報を提供す
    ることが予定されている情報に該当すると解される。
  (イ)以下、本件非公開部分の各情報ごとに判断する。
    a 関係職員の氏名等
      関係職員の氏名等は、本件の場合、監査委員が、神奈川県によっ
     て支出された国家賠償法に基づく賠償金が関係職員の負担で補填さ
     れているか否かを調査した結果、関係職員がその負担で県に弁済を
     していることを確認し、監査請求を理由がないものとして棄却する
     に至った一連の文書に記載されているものである。これらは、関係
     職員が分掌する事務又は事業の執行に関して記載されたものではな
     いと認められるので、事務事業の執行上又は行政の責務として県民
     の要望に応じて情報を提供することが予定されている情報には該当
     しないと判断する。
      なお、答申第12号は、特定の職員の配属状況に関する情報につい
     て、県職員録や職員配置表により公表されている情報と同様なもの
     であるとして公開することが妥当であると判断された事案である。
    b 速記録
      監査委員は、本件監査を行うに当たって、請求人の陳述会を開催
     しており、その一部始終について速記録が作成された。これには、
     請求人の氏名及び陳述内容が記載され、その陳述内容には関係職員
     の氏名が含まれている。
      当審査会で調査したところ、陳述会は公開で実施されたことが認
     められるため、その内容を記述した速記録は、原則として公開すべ
     きものと判断する。ただし、陳述内容に含まれる関係職員の氏名は、
     前記aの理由により、同号ただし書イに該当しないと判断する。
    c 賠償金額
      賠償金額は、法律専門誌等に掲載されており、本件の場合には、
     盗聴行為の被害者が公人(政治家)であるため、匿名等の処理もな
     されていない。したがって、当該情報は、何人でも知り得る情報で
     あると認められるので、同号ただし書イに該当すると判断する。
    d 関係人の氏名等
      当該監査は、損害賠償金の弁償の事実を確認するため、関係職員
     に対し、関係人調査を実施しているものであり、前記aの理由によ
     り、同号ただし書イに該当しないと判断する。
    e その他の非公開部分については、事務事業の執行上又は行政の責
     務として県民の要望に応じて情報を提供することが予定されている
     情報ではないので、条例第5条第1項第1号ただし書イに該当しな
     いと判断する。
(6)条例第5条第1項第5号該当性について
  ア 条例第5条第1項第5号は、「県の機関又は国の機関が行う検査、監
   査、取締等の計画及び実施細目、争訟及び交渉の方針、入札の予定価格、
   試験の問題その他の事務又は事業に関する情報であって、当該事務又は
   事業の性質上、公開することにより、当該事務又は事業の実施の目的を
   失わせ、又は当該事務又は事業の円滑な実施を著しく困難にするおそれ
   のあるもの」については、非公開とすることができるとしている。
    この規定は、事務又は事業の性質に着目し、当該事務又は事業の円滑
   な実施を確保する観点から定められたものであり、同号前段は、本来公
   開になじまない性格を有する情報の典型例を示したものであることから、
   これらの情報のほか、これらに類似し、又は関連する情報についても、
   「その他の事務又は事業」に関する情報として、対象となると解される。
    また、公開することにより、反復継続される同種の事業の公正かつ円
   滑な実施を著しく困難にする情報についても、同号後段の「当該事務又
   は事業の実施の目的を失わせ、又は当該事務又は事業の円滑な実施を著
   しく困難にするおそれのある」情報に含まれると解される。
  イ 関係人調査は法的強制力を有しておらず、関係人の協力なしには行い
   得ないことから、その氏名等を第三者に公開しないことを条件に調査を
   実施したことは、監査の目的からみて、法的に許容された範囲内のこと
   と考えられ、一概に不合理とまでは言い切れない。このような条件が付
   されているにもかかわらず、氏名等が公開されると、今後、関係人の協
   力が得られなくなり、調査の実施自体が不可能になるなど監査業務の遂
   行に重大な支障が生ずるおそれがあると認められるので、関係人の氏名
   等を公開することは、条例第5条第1項第5号に該当する。
  ウ 調査の実施方法等及び事情聴取の理由・方法は、通常想定される方法
   等にすぎず、調査方針、調査内容等の「手の内」情報とは認められない
   ため、これらを公開しても監査事務の円滑な実施を著しく困難にするお
   それはないので、当該非公開部分は、条例第5条第1項第5号に該当し
   ない。
(7)条例第5条第2項該当性について
  ア 条例第5条第2項は、閲覧等の請求に係る公文書に、部分的に公開す
   ることのできない情報が記録されている場合であっても、それらを容易
   に、かつ、公文書の閲覧又は写しの交付を求める趣旨を失わない程度に
   合理的に分離できる場合には、部分公開をしなければならないと規定し
   ている。
  イ 当審査会は、本件公文書について、個別、具体的に部分公開すること
   ができるかどうかについて検討したが、当審査会が前記(4)、(5)及び
   (6)により非公開とすることが妥当と認めた部分とそれ以外の部分を分
   離することは、「容易に、かつ、公文書の閲覧又は写しの交付を求める
   趣旨を失わない程度に合理的に分離できるとき」に該当すると判断する。

5 審査会の処理経過
  当審査会の処理経過は、別紙のとおりである。

別紙

                  審査会の処理経過

年月日

処理内容

 平成10年11月20日

○諮問

   10年12月3日

○実施機関に非公開理由説明書の提出を要求

 平成11年2月16日

○実施機関から非公開理由説明書を受理

   11年3月1日

○異議申立人に非公開理由説明書を送付し、非公開理由説明書に対する意見書の提出を要求

   11年3月30日

○異議申立人から非公開理由説明書に対する意見書を受理

   11年7月6日
 (第182回審査会)

○審議

   11年7月12日
 (第183回審査会)

○異議申立人から意見を聴取
○実施機関の職員(神奈川県監査事務局総務課長ほか)から非公開理由説明を聴取

 平成12年2月7日
 (第190回審査会)

○審議

   12年7月18日
   (第1回部会)

○審議

   12年8月14日
   (第2回部会)

○審議

   12年9月4日
   (第3回部会)

○審議

   12年10月16日
 (第195回審査会)

○審議

               神奈川県情報公開審査会委員名簿

                              (平成11年4月1日委嘱)

氏名

現職

備考

川島 志保

 弁護士(横浜弁護士会所属)

 

小早川 光郎

 東京大学教授

 会長職務代理者
 部会員

小林 重敬

 横浜国立大学教授

 

千葉 準一

 東京都立大学教授

 部会員

堀部 政男

 中央大学教授

 会長
(部会長を兼ねる)

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本文ここまで
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