答申第66号

掲載日:2017年12月1日

 答申第66号

                         平成12年11月2日

 神奈川県知事  岡崎 洋 殿

               神奈川県情報公開審査会 会長 堀部 政男

  公文書の閲覧等の請求拒否処分に関する異議申立てについて(答申)

 平成11年2月1日付けで諮問された産業廃棄物処理業の事業範囲変更許
可申請書等一部非公開の件(諮問第77号)について、次のとおり答申します。

1 審査会の結論
  産業廃棄物処理業の事業範囲変更許可申請書及び添付書類、ばい煙発生施
 設変更届出書及び添付書類、特定施設の構造等変更届出書及び添付書類並
 びに、指定工場に係る変更許可申請書及び添付書類のうち、別表3に指定
 する箇所は、公開すべきである。

2 異議申立人の主張要旨
(1)異議申立ての趣旨
   異議申立ての趣旨は、特定の産業廃棄物処理業者(以下「本件法人」と
  いう。)が神奈川県知事(以下「知事」という。)に提出した次に掲げる申
  請書等及びそれらの添付書類(以下「本件公文書」という。)を、知事が
  平成10年11月26日付けで一部非公開とした処分の取消しを求める、
  というものである。
  ア 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」とい
   う。)第14条の2第1項に基づき、平成10年4月15日付けで提出
   した産業廃棄物処理業の事業範囲変更許可申請書及び添付書類(以下
   「本件事業範囲変更許可申請書」という。)
  イ 大気汚染防止法第8条第1項に基づき、平成9年2月24日付けで提
   出したばい煙発生施設変更届出書及び添付書類(以下「本件施設変更届
   出書」という。)
  ウ 水質汚濁防止法第7条に基づき、平成9年12月10日付けで提出し
   た特定施設の構造等変更届出書及び添付書類(以下「本件構造等変更届
   出書」という。)
  エ 神奈川県公害防止条例(現行条例名「神奈川県生活環境の保全等に関
   する条例」)第8条第1項に基づき、平成10年1月20日付けで提出
   した指定工場に係る変更許可申請書及び添付書類(以下「本件変更許可
   申請書」という。)
(2)異議申立ての理由
   異議申立人の主張を総合すると、知事が、「本件公文書は、(1)個人に関
  する情報であって、特定の個人が識別されること、(2)法人固有の技術情報、
  経理情報等であって、公開することにより、当該法人に明らかに不利益を
  与えること、(3)閲覧は可能だが、著作権法第21条により写しの交付が禁
  止されていることから、神奈川県の機関の公文書の公開に関する条例(以
  下、原則として「条例」という。)第5条第1項第1号、第2号及び第7
  号に該当する」とした一部非公開の処分のうち、第2号該当の点について
  は、次に掲げる理由から、条例の解釈及び運用を誤っている、というもの
  である。
  ア 産業廃棄物処理施設が基準に適合したものか、処理が的確に行われて
   いるかは命と健康に直接関わる重要な問題であり、県民は、これらの情
   報を知る権利がある。ダイオキシンをはじめ、産業廃棄物処理のあり方
   は社会問題化しており、環境への影響の大きさにかんがみ、法人固有の
   情報であっても公開すべきである。
  イ 実施機関は、当該産業廃棄物処理施設が廃棄物処理法等に定める基準
   に適合しているものとして許可又は届出されたものであるから条例第5
   条第1項第2号ただし書ア又はウのいずれにも該当しない、としている
   が、自らの処分は正しいものであるという前提に立って閲覧等の請求に
   対する決定を行うのであれば、県民が県政をチェックするという公文書
   公開の本来の目的が形骸化してしまい納得できない。
  ウ 本件法人による被害については住民から再三の訴えがあり、先般実施
   された日米合同モニタリング調査によると、通常の大気汚染の指針値の
   73倍にも上るダイオキシン数値が出ていることが発覚している。仮に
   非公開にせざるを得ないのであれば、実施機関は、産業廃棄物処理施設
   の安全性について県民が安心できる根拠を示す義務があるが、実施機関
   に当該産業廃棄物処理施設の処理能力等について問い合わせても実施機
   関独自の計算根拠は示されず、実際の処理能力及び運営についてはチェ
   ックが行われていないと判断せざるを得ない。
(3)その他
  ア 条例第5条第1項第1号該当の点について
    条例第5条第1項第1号該当の点については、現時点では非公開の決
   定を認める。しかし、今後、情報が明らかになるにつれて、責任を負う
   べき個人が生じる可能性があり、状況の変化が生じた中で、あくまでも
   個人情報だからといって非公開という機械的な判断が正しいかどうかは
   別問題である。
  イ 条例第5条第1項第7号該当の点について
    著作権法の規定により写しの交付は禁じられているが、閲覧は可能で
   あるので、条例第5条第1項第7号該当の点については了承する。

3 実施機関(県央地区行政センター)の説明要旨
  実施機関が本件公文書を非公開とした理由は、次のとおりである。
(1)本件公文書について
   本件公文書は、廃棄物処理法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法及び神
  奈川県公害防止条例の規定に基づき、本件法人から提出されたものであり、
  その内容は、別表1のとおりである。
(2)本件閲覧等の請求に対する諾否の決定について
   本件公文書には、県以外の第三者に関する情報が記録されているため、
  本件閲覧等の請求に対する諾否の決定をするに当たり、第三者情報の取扱
  い要領に基づき本件法人に意見の聴取を行い、その意見を踏まえ慎重に検
  討した結果、次の理由により一部公開の決定を行った。
  ア 条例第5条第1項第1号該当性について
    本件公文書のうち、別表2(1)右欄に掲げる部分は、個人に関する
   情報であって、特定の個人が識別されることから、条例第5条第1項第
   1号本文に該当し、法令等の規定に基づいて提出されたものであるので、
   同号ただし書のいずれにも該当しないと判断した。
  イ 条例第5条第1項第2号本文該当性について
  (ア)本件事業範囲変更許可申請書のうち、別表2(2)右欄に掲げる部
    分(以下「本件排出事業者名等」という。)は、本件法人の営業上等
    の内部情報であって、公開することにより、本件法人、取引先法人及
    び契約先法人に明らかに不利益を与えると認められることから、条例
    第5条第1項第2号本文に該当する。
  (イ)また、本件公文書のうち、別表2(3)右欄に掲げる部分(以下
    「本件廃棄物焼却装置フローシート等」という。)は、当該産業廃棄
    物処理施設の製作及び所有者である本件法人が蓄積した産業廃棄物焼
    却処分等に関する技術上のノウハウ等により構成されており、公開す
    ることにより、本件法人に明らかに不利益を与えると認められること
    から、条例第5条第1項第2号本文に該当する。
  ウ 条例第5条第1項第2号ただし書該当性について
  (ア)同号ただし書ア及びウ該当性について
     本件公文書は、本件法人の事業拡大等に先立ち法令等に基づいて提
    出され、実施機関が許可基準に適合しているものとして許可又は受理
    したものである。よって、本件法人の産業廃棄物処理施設はこれらの
    法令等に基づく大気、水質、騒音、振動等の規制基準を遵守できると
    判断されたものであるから、当該産業廃棄物処理施設に係る当該非公
    開部分は条例第5条第1項第2号ただし書ア又はウのいずれにも該当
    しない。
  (イ)同号ただし書イ該当性について
     本件法人に産業廃棄物の処理を委託している事業者等において、消
    費生活の安定を損なうような著しい支障が生じているとは認められな
    いので、当該非公開部分は条例第5条第1項第2号ただし書イに該当
    しない。
  エ 条例第5条第1項第7号該当性について
    本件事業範囲変更許可申請書のうち、「案内図」、「周辺状況図」及び
   「詳細図」は著作物の複製であり、著作権法第21条の規定により写し
   の交付が禁止されていると認められることから、写しの交付については、
   条例第5条第1項第7号に該当する。

4 審査会の判断理由
(1)答申するに当たっての適用条例の考え方
   神奈川県情報公開条例が平成12年3月28日に公布され、同年4月1
  日に施行されたが、本諮問案件は神奈川県の機関の公文書の公開に関する
  条例(昭和57年神奈川県条例第42号)に基づきなされた処分であるの
  で、当審査会としては、当該条例に基づき本諮問案件を審議することとす
  る。
(2)本件公文書について
  ア 本件公文書は、本件法人が、事業の拡大や設備の設置等のため、法令
   等の規定に基づき実施機関に提出したものである。
  イ 本件事業範囲変更許可申請書は、焼却に係る産業廃棄物の種類を拡大
   するに当たり、廃棄物処理法第14条の2第1項に基づき実施機関に申
   請したものである。
  ウ 本件施設変更届出書は、事業の拡大に伴い炉体及び排ガスの管理を強
   化し、また、排ガス処理施設の設置をするに当たり、大気汚染防止法第
   8条第1項に基づき実施機関に届出したものである。
  エ 本件構造等変更届出書は、雨水排出系統の変更により設備の設置をす
   るに当たり、水質汚濁防止法第7条に基づき実施機関に届出したもので
   ある。
  オ 本件変更許可申請書は、指定施設の更新等並びに稼働時間及び処理量
   の変更をするに当たり、神奈川県公害防止条例第8条第1項に基づき、
   実施機関に申請したものである。
(3)条例第5条第1項第1号該当性について
   条例第5条第1項第1号該当性については、異議申立人が非公開理由説
  明書に対する意見書において、実施機関の「非公開の決定を認める」と明
  言していることから、当審査会は、同号該当性については異議申立ての取
  下げがあったものと判断する。
(4)条例第5条第1項第2号本文該当性について
  ア 条例第5条第1項第2号本文は、「法人その他の団体(国及び地方公
   共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む
   個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより、当該法人
   等又は当該個人に明らかに不利益を与えると認められるもの」は、非公
   開とすることができると規定している。
  イ 閲覧等の請求に係る諾否の決定に関する異議申立てについて、実施機
   関が当審査会に諮問する趣旨は、条例第5条で規定する適用除外事項の
   該当性等を実施機関が改めて判断する際の意見を求めているものと解さ
   れる。したがって、当該諾否の決定後に新たな事実状態等の変動があっ
   たときには、処分時の事実状態等によって判断しなければならない特段
   の事情が存在しない限り、当審査会は新たな事実状態等の変動をも考慮
   して審査・判断できるものと考える。
  ウ 本件排出事業者名等について
  (ア)本件排出事業者名等のうち、「事業計画書のうち、排出事業者名及
    び所在地」は、本件法人の取引先に関する情報であり、法人内部の情
    報であることが認められる。このような取引先に関する情報は、本件
    法人にとっては、相当の価値を有する情報であるため、公開すること
    により、本件法人に明らかに不利益を与えると認められるので、条例
    第5条第1項第2号本文に該当すると判断する。
  (イ)本件排出事業者名等のうち、「土地賃貸借契約書」に記載されてい
    る情報は、法人間における賃貸人と賃借人の権利義務に関する内容で
    あって、本件法人の契約に関する情報であることが認められる。また、
    本件排出事業者名等のうち、「資金計画書」、「確定決算報告書のうち、
    損益計算書及び欠損金処分案」、「納税証明書」及び「相談役及び株主
    等の状況」に記載されている情報は、本件法人の経理に関する情報で
    あることが認められる。このような本件法人の事業経営に関わる法人
    内部の情報は、保護されるべき情報と認めることができる。したがっ
    て、公開することにより、本件法人に明らかに不利益を与えると認め
    られるので、条例第5条第1項第2号本文に該当すると判断する。
  (ウ)株式会社の貸借対照表については、商法第283条第3項の規定に
    より、取締役は貸借対照表又はその要旨を公告することが義務付けら
    れている。そして、小会社については、株式会社の貸借対照表、損益
    計算書、営業報告書及び附属明細書に関する規則第50条で「小会社
    が商法第283条第3項の規定により公告すべき貸借対照表の要旨は、
    資産の部を流動資産、固定資産及び繰延資産の各部に、負債の部を流
    動負債及び固定負債並びに引当金の部を設けたときは引当金の各部に、
    資本の部を資本金、法定準備金及び剰余金又は欠損金の各部に区分し
    て、各部につきその合計額を記載し、剰余金又は欠損金の部に当期利
    益又は当期損失を付記しなければならない」と規定されている。した
    がって、「確定決算報告書のうち、貸借対照表の要旨に相当する部
    分」は、公開しても本件法人に明らかに不利益を与えるとは認められ
    ないことから、条例第5条第1項第2号本文に該当しないと判断する。
  エ 本件廃棄物焼却装置フローシート等について
  (ア)実施機関は、条例第5条第1項第2号本文に該当する理由として、
    本件廃棄物焼却装置フローシート等に記載された情報が本件法人固有
    の技術情報であることを挙げているが、同号本文に該当する技術情報
    であるためには、公開することにより、法人等に明らかに不利益を与
    える技術上の有用な情報であることが必要であると考えられる。
  (イ)本件廃棄物焼却装置フローシート等に記載された情報は、本件法人
    及び製作会社が、産業廃棄物の処理方法について、長年の専門的研究、
    経験等によって蓄積した独自の技術に関する情報であると認められる。
    また、製作会社の情報は、相当の報酬を支払う依頼主だけに使用目的
    を特定して提供する製作会社にとっては重要な財産であると考えられ、
    保護されるべき情報と認めることができる。したがって、本件廃棄物
    焼却装置フローシート等を公開することにより、本件法人及び製作会
    社に不利益を与えると認められるので、条例第5条第1項第2号本文
    に該当すると判断する。
(5)条例第5条第1項第2号ただし書該当性について
  ア 条例第5条第1項第2号本文に該当する情報であっても、同号ただし
   書ア、イ又はウに該当するものは公開することとされている。そこで、
   本件排出事業者名等及び本件廃棄物焼却装置フローシート等が同号ただ
   し書のいずれかに該当するか否かについて検討する。
  イ 同号ただし書ア該当性について
  (ア)同号ただし書アは、「人の生命、身体又は健康を法人等又は個人の
    事業活動によって生ずる危害から保護するため、公開することが必要
    と認められる情報」と規定している。
     ここでいう「事業活動によって生ずる危害」とは、事業を営む者の
    事業活動に起因して、現に発生しているか、将来発生するであろうこ
    とが確実である人の生命等に対する危険及び損害をいうものと解され
    る。
  (イ)本件法人の産業廃棄物処理に係る事業活動については、本件法人の
    産業廃棄物処理施設がダイオキシン汚染を引き起こしている旨が各新
    聞記事により報道されていることが認められる。
  (ウ)県は、平成11年7月から約2か月間、日米合同モニタリング調査
    を実施した結果、基地内の1地点において大気環境中のダイオキシン
    類につき、大気環境指針値を大幅に超える異常な数値を検出したこと
    を受け、同年10月、本件法人に対し、廃棄物処理法に違反している
    として施設の改善勧告を行っており、その内容は、バグフィルターの
    設置により、産業廃棄物処理施設から出る排出ガス中のダイオキシン
    類濃度を大幅に低減する施設改善を早急に実施することとしている。
     本件法人は、これに従い、焼却炉のバグフィルター設置工事を実施
    し、平成12年6月に当該工事が完了している。
  (エ)環境庁及び県が、平成11年12月から約2か月間、基地周辺の大
    気、土壌等について、ダイオキシン調査を実施した結果によると、一
    部でダイオキシン類が検出されたものの、県は、本件法人が原因の可
    能性が高いとの見解にとどまっていることが認められる。
  (オ)また、県は、平成12年4月に本件法人の施設改善後の効果を確認
    するための調査を実施し、産業廃棄物処理施設から出る排出ガス及び
    基地周辺の大気中のダイオキシン類濃度が、施設改善前より低減して
    いることを確認して、調査結果を記者発表している。
  (カ)以上の点からすると、本件法人の産業廃棄物処理施設がダイオキシ
    ン汚染を引き起こしているという可能性はあるものの、現に発生して
    いるとまでは言えず、また、改善勧告に従い、バグフィルターを設置
    したことにより、将来発生するであろうことが確実とまでは言えない
    と解される。したがって、本件排出事業者名等及び本件廃棄物焼却装
    置フローシート等は同号ただし書アに該当しないと判断する。
  ウ 同号ただし書イ該当性について
  (ア)同号ただし書イは、「法人等又は個人の違法又は不当な事業活動に
    よって生ずる消費生活の安定に対する著しい支障から消費者を保護す
    るため、公開することが必要と認められる情報」と規定している。
  (イ)本件排出事業者名等及び本件廃棄物焼却装置フローシート等は、そ
    の内容からして、明らかに同号ただし書イに該当しないと判断する。
  エ 同号ただし書ウ該当性について
  (ア)同号ただし書ウは、「同号ただし書ア又はイに掲げる情報に準ずる
    情報であって、公開することが公益上必要と認められるもの」と規定
    している。
     ここでいう「ア又はイに掲げる情報に準ずる情報」とは、ア又はイ
    には直接該当しないが、それらと同様の趣旨であり、情報の内容も類
    似しているものをいい、生活環境、自然環境の破壊等に関する情報が
    含まれているものと解される。
  (イ)一般的に産業廃棄物処理業は、その事業の性質上、運営状況等によ
    っては周辺住民の生活や自然環境等に大きな影響を与える事業であり、
    運営状況如何によっては、周辺住民等の健康等に直接影響を及ぼす危
    険性がある事業であると解される。
     したがって、このことを踏まえ、公開することによって得られる公
    益と、それによって本件法人が被る不利益とを比較衡量し、具体的に
    検討する。
  (ウ)本件排出事業者名等について
    a 本件排出事業者名等のうち、「事業計画書のうち、排出事業者名
     及び所在地」は、本件法人の取引先に関する情報であるが、既に、
     排出事業者が排出する産業廃棄物の種類及び1か月の量は公開され
     ていることが認められる。
    b 前記(イ)で述べたように、産業廃棄物処理業は、その運営状況
     如何によって、周辺住民等の健康等に直接影響を及ぼす危険性があ
     る事業であることから、本件法人が、どのような排出事業者といか
     なる種類の取引をなすかは、本件法人の事業運営に大きく関わると
     解される。
    c 排出事業者名及び所在地については、産業廃棄物の種類等ととも
     に公開することが、周辺住民等の健康その他の利益に関する公益上
     の要請となっていると解される。したがって、本件排出事業者名等
     のうち、「事業計画書のうち、排出事業者名及び所在地」は、同号
     ただし書ウに該当すると判断する。
    d 本件排出事業者名等のうち、「土地賃貸借契約書」は、本件法人
     の契約に関する情報である。
    e このような情報は、本件法人の産業廃棄物処理施設の基盤たる土
     地貸借権が正当な権原により相当期間継続されているという情報で
     あり、周辺住民等にとっては当該期間において周辺に危害が及ぶこ
     となく、健全かつ安定的に運営が行われているかどうかについては
     利害関係を有すると解される。したがって、本件排出事業者名等の
     うち、「土地賃貸借契約書」は、同号ただし書ウに該当すると判断
     する。
    f 本件排出事業者名等のうち、「資金計画書」、「確定決算報告書の
     うち、貸借対照表の要旨に相当する部分以外の部分、損益計算書及
     び欠損金処分案」、「納税証明書」及び「相談役及び株主等の状況」
     は、公開することによって得られる公益と、それによって本件法人
     が被る不利益を比較衡量すると、本件法人が被る同種業者間におけ
     る競争上の不利益が上回ると言えるので、保護すべき情報と解され
     る。したがって、同号ただし書ウに該当しないと判断する。
  (エ)本件廃棄物焼却装置フローシート等について
    a 近年の住民の環境意識の高まりや環境負荷増大のおそれに対する
     不安の下で、廃棄物処理施設設置をめぐる地域紛争が多発している
     状況を踏まえ、地元住民等の意向が適切に反映され、個々の施設が
     地域ごとの生活環境の保全に十分配慮されたものとなるようにする
     という趣旨から、平成9年に廃棄物処理法が一部改正され、産業廃
     棄物処理施設設置(変更)許可申請書等の縦覧制度が設けられた。
     前記(イ)及び上記縦覧制度が設けられた趣旨からすると、産業廃
     棄物処理施設の設備及び構造に関する情報は、同法の適用を受けな
     いものであっても、公開することが望ましいと解される。
    b 本件廃棄物焼却装置フローシート等が公開された場合、本件法人
     及び製作会社が不利益を被るおそれがないとは言えないが、前記a
     を踏まえて判断すると、公開することが、周辺住民等の健康その他
     の利益に関する公益上の要請となっていると解される。したがって、
     本件廃棄物焼却装置フローシート等に記載されている情報は、同号
     ただし書ウに該当すると判断する。
      ただし、本件廃棄物焼却装置フローシート等に記載されている、
     「担当者、製図者、承認者及び検図者」のうち、個人が識別され得
     るものは、条例第5条第1項第1号に該当するので、非公開とすべ
     きであると判断する。
(6)条例第5条第1項第7号該当性について
   条例第5条第1項第7号該当性については、異議申立人が非公開理由説
  明書に対する意見書において、「閲覧は可能とのことなので承認する」と
  明言していることから、当審査会では、同号該当性については異議申立て
  の取下げがあったものと判断する。
(7)条例第5条第2項該当性について
  ア 条例第5条第2項は、「閲覧等の請求に係る公文書に、部分的に公開
   することのできない情報が記録されている場合において、それらを容易
   に、かつ、公文書の閲覧又は写しの交付を求める趣旨を失わない程度に
   合理的に分離できるときは、公開できない部分を除いて公開をしなけれ
   ばならない」と規定している。
  イ 本件公文書については、当審査会が前記(5)において非公開とする
   ことが妥当であると認めた部分の範囲及び内容にかんがみると、その他
   の情報を分離して公開することは、「容易に、かつ、公文書の閲覧等を
   求める趣旨を失わない程度に合理的に分離できるとき」に該当すると判
   断する。

5 審査会の処理経過
  当審査会の処理経過は、別紙のとおりである。

別表1 文書件名及び添付書類

文書件名 

添付書類

1 産業廃棄物処理業の
 事業範囲変更許可申請
 書(第16号様式)

「産業廃棄物処分業許可証(平成10年3月31日付け及び平成9年9月1日付け)」、「事業予定計画書」、「目次」、「事業計画書」、「定款」、「商業登記簿謄本」、「公図」、「土地賃貸借契約書」、「承諾書」、「案内図」、「周辺状況図」、「詳細図」、「資金計画書」、「確定決算報告書」、「納税証明書」、「産業廃棄物処理業許可講習会修了証」、「技術管理者認定講習修了証書」、「産業廃棄物収集運搬業許可証(平成9年9月1日付け)」、「申告書」、「相談役及び株主等の状況」、「中間処分計画書」、「廃棄物焼却装置フローシート」、「保管する廃棄物(焼却施設)」、「廃棄物処理施設全体図」、「廃棄物焼却設備求積図」、「焼却施設全体の配置図」、「廃棄物処理工程フローチャート(1号炉~3号炉)」、「立面図及び平面図(1号炉~3号炉)」、「側面図(1号炉)」、「本体構造図(1号炉~3号炉)」、「廃棄物押し込み機構造図(1号炉及び2号炉)」、「炉体外形及び投入機構(3号炉)」、「ガス冷却塔構造図(1号炉~3号炉)」、「サイクロン集じん器構造図(1号炉~3号炉)」、「スクラバー及び煙突構造図(1号炉~3号炉)」、「設備の概要説明(1号炉~3号炉)」、「廃棄物焼却装置計算書(1号炉~3号炉)」、「廃棄物焼却設備機器仕様書(1号炉~3号炉)」、「運転・操作要項に就いて(1号炉~3号炉)」、「焼却施設の適正管理」、「焼却施設管理規程」、「運転指導要項」、「焼却工場緊急時連絡体制」、「土地登記簿謄本」

2 ばい煙発生施設変更
 届出書(様式第1)

「遅延理由書」、「ばい煙発生施設の構造(別紙1)」、「ばい煙発生施設の使用の方法(別紙2)」、「ばい煙の処理の方法(別紙3)」、「拡散計算書(1号炉~3号炉)」、「変更計画概要書」、「ごみ焼却装置排ガス測定実績値(過去6回平均値)」、「計量証明書(1号炉~3号炉)」、「測定結果表(1号炉~3号炉)」、「設備の概要説明(1号炉~3号炉)」、「廃棄物焼却装置計算書(1号炉~3号炉)」、「廃棄物焼却設備機器仕様書(1号炉~3号炉)」、「運転・操作要項に就いて(1号炉~3号炉)」、「運転指導要項」、「廃棄物焼却装置フローシート(1号炉~3号炉)」、「焼却施設全体の配置図」、「ガス冷却塔構造図(1号炉)」、「サイクロン集じん器構造図(1号炉)」、「固定発生源監視用煙道排ガス多成分ガス濃度測定装置」、「排ガス洗浄塔及びスタック構造図(1号炉)」、「焼却施設管理規程」、「施設全体図」、「NO-CO-O分析計盤仕様書」

3 特定施設の構造等変
 更届出書(様式第3)

「実施制限期間短縮願」、「1特定施設の構造、使用の方法(別紙1)」、「2汚水等の処理の方法等(別紙2)」、「3汚水及び排出水の汚染状態及び量等(別紙3)」、「4排出水の排水系統別の汚染状態及び量(別紙4)」、「添付図面等一覧他」、「雨水排出系統の変更」、「廃棄物処理施設全体図」、「選別施設等図・集水桝等詳細図」、「選別受入保管施設図」、「破砕受入保管施設図」、「破砕施設図」、「再利用品保管施設図」、「固形減容受入保管施設図」、「収集運搬保管ヤード施設図」

4 指定工場に係る変更
 許可申請書(第7号様
 式)

「指定工場に係る変更概要書(第8号様式)」、「公害防止方法変更計画書(第9号様式)」、「粉じんの処理方法概要書(第3号様式(付表5))」、「悪臭の処理方法概要書(第3号様式(付表6))」、「排水の処理方法概要書(第3号様式(付表10))」、「騒音の処理方法概要書(第3号様式(付表11))」、「振動の処理方法概要書(第3号様式(付表12))」、「廃棄物処理方法変更計画書(第10号様式)」、「廃棄物の処理計画フローシート(第4号様式(付表))」、「廃棄物処理施設全体図」、「第二破砕施設配置図」、「防音壁構造図」、「ニ軸剪断破砕機(WSC-15065型)騒音・振動データー」、「充円錐ノズル/標準形(パンフレットの写し)」、「第2破砕施設処理工程図」、「第二破砕施設処理フローシート図」、「ニ軸剪断破砕機能力計算書」、「ニ軸剪断破砕機機械仕様書」、「取扱説明書(WSC-15065ニ軸剪断式破砕機)」、「破砕施設図」、「WSC-15065ニ軸剪断式破砕機外形図」、「WSC-15065ニ軸剪断式破砕機油圧ユニット外形図」、「ニ軸剪断式破砕機組立構造図」

別表2 非公開とした情報

(1)条例第5条第1項第1号に該当するとして非公開とした情報

文書件名等

非公開とした情報

1 産業廃棄物処理業の
 事業範囲変更許可申請
 書及び添付書類

「事業計画書のうち、従業員、受講者及び環境計量士の氏名等」、「承諾書」、「産業廃棄物処理業許可講習会修了証」、「技術管理者認定講習修了証書」、「申告書」、「相談役及び株主等の状況のうち、顧問及び株主の氏名等」、「焼却工場緊急時連絡体制のうち、従業員の氏名及び電話番号」

2 ばい煙発生施設変更
 届出書及び添付書類

「計量証明書のうち、環境計量士の氏名」、「測定結果表のうち、担当者氏名」、「NO-CO-O分析計盤仕様書のうち、作成者、検討者及び承認者の氏名」

3 指定工場に係る変更
 許可申請書及び添付書
 類

「指定工場に係る変更許可申請書のうち、連絡先担当者氏名」


(2)条例第5条第1項第2号(営業上等の内部情報)に該当するとして非公開とした情報

文書件名等

非公開とした情報

 産業廃棄物処理業の事業範囲変更許可申請書及び添付書類

「事業計画書のうち、排出事業者名及び所在地」、「土地賃貸借契約書」、「資金計画書」、「確定決算報告書」、「納税証明書」、「相談役及び株主等の状況」


(3)条例第5条第1項第2号(技術上のノウハウ等に関する情報)に該当するとして非公
  開とした情報

文書件名等

非公開とした情報

1 産業廃棄物処理業の
 事業範囲変更許可申請
 書及び添付書類

「廃棄物焼却装置フローシート」、「保管する廃棄物のうち、図面」、「焼却施設全体の配置図」、「廃棄物処理工程フローチャート(1号炉~3号炉)」、「立面図及び平面図(1号炉~3号炉)」、「側面図(1号炉)」、「本体構造図(1号炉~3号炉)」、「廃棄物押し込み機構造図(1号炉及び2号炉)」、「炉体外形及び投入機構(3号炉)」、「ガス冷却塔構造図(1号炉~3号炉)」、「サイクロン集じん器構造図(1号炉~3号炉)」、「スクラバー及び煙突構造図(1号炉~3号炉)」、「設備の概要説明のうち、表中の構成、可燃分、水分、灰分、発熱量及び表下部の発熱量、平均成分割合」、「廃棄物焼却装置計算書(1号炉~3号炉)」、「廃棄物焼却設備機器仕様書(1号炉~3号炉)」、「運転・操作要項に就いて(1号炉~3号炉)」、「焼却施設の適正管理」、「運転指導要項」

2 ばい煙発生施設変更
 届出書及び添付書類

「設備の概要説明のうち、表中の構成、可燃分、水分、灰分、発熱量及び表下部の発熱量、平均成分割合」、「廃棄物焼却装置計算書(1号炉~3号炉)」、「廃棄物焼却設備機器仕様書(1号炉~3号炉)」、「運転・操作要項に就いて(1号炉~3号炉)」、「運転指導要項」、「廃棄物焼却装置フローシート(1号炉~3号炉)」、「焼却施設全体の配置図」、「ガス冷却塔構造図(1号炉)」、「サイクロン集じん器構造図(1号炉)」、「排ガス洗浄塔及びスタック構造図(1号炉)」、「施設全体図のうち、スケール」

3 特定施設の構造等変
 更届出書及び添付書類

「選別施設等図・集水桝等詳細図」、「選別受入保管施設図」、「破砕受入保管施設図」、「破砕施設図」、「再利用品保管施設図」、「固形減容受入保管施設図」、「収集運搬保管ヤード施設図」

4 指定工場に係る変更
 許可申請書及び添付書
 類

「第二破砕施設配置図のうち、尺度」、「防音壁構造図」、「第二破砕施設処理フローシート図のうち、機器等の仕様」、「ニ軸剪断破砕機能力計算書」、「ニ軸剪断破砕機機械仕様書」、「取扱説明書(WSC-15065ニ軸剪断式破砕機)」、「破砕施設図」、「WSC-15065ニ軸剪断式破砕機外形図」、「WSC-15065ニ軸剪断式破砕機油圧ユニット外形図」、「ニ軸剪断式破砕機組立構造図」

別表3 公開すべきと判断した箇所

文書件名等

指定箇所

1 産業廃棄物処理業の
 事業範囲変更許可申請
 書及び添付書類

「事業計画書のうち、排出事業者名及び所在地」、「土地賃貸借契約書」、「確定決算報告書のうち、貸借対照表の要旨に相当する部分」、「廃棄物焼却装置フローシート」、「保管する廃棄物のうち、図面」、「焼却施設全体の配置図」、「廃棄物処理工程フローチャート(1号炉~3号炉)」、「立面図及び平面図(1号炉~3号炉)」、「側面図(1号炉)」、「本体構造図(1号炉~3号炉)」、「廃棄物押し込み機構造図(1号炉及び2号炉)」、「炉体外形及び投入機構(3号炉)」、「ガス冷却塔構造図(1号炉~3号炉)」、「サイクロン集じん器構造図(1号炉~3号炉)」、「スクラバー及び煙突構造図(1号炉~3号炉)」、「設備の概要説明のうち、表中の構成、可燃分、水分、灰分、発熱量及び表下部の発熱量、平均成分割合」、「廃棄物焼却装置計算書(1号炉~3号炉)」、「廃棄物焼却設備機器仕様書(1号炉~3号炉)」、「運転・操作要項に就いて(1号炉~3号炉)」、「焼却施設の適正管理」、「運転指導要項」

2 ばい煙発生施設変更
 届出書及び添付書類

「設備の概要説明のうち、表中の構成、可燃分、水分、灰分、発熱量及び表下部の発熱量、平均成分割合」、「廃棄物焼却装置計算書(1号炉~3号炉)」、「廃棄物焼却設備機器仕様書(1号炉~3号炉)」、「運転・操作要項に就いて(1号炉~3号炉)」、「運転指導要項」、「廃棄物焼却装置フローシート(1号炉~3号炉)」、「焼却施設全体の配置図」、「ガス冷却塔構造図(1号炉)」、「サイクロン集じん器構造図(1号炉)」、「排ガス洗浄塔及びスタック構造図(1号炉)」、「施設全体図のうち、スケール」

3 特定施設の構造等変
 更届出書及び添付書類

「選別施設等図・集水桝等詳細図」、「選別受入保管施設図」、「破砕受入保管施設図」、「破砕施設図」、「再利用品保管施設図」、「固形減容受入保管施設図」、「収集運搬保管ヤード施設図」

4 指定工場に係る変更
 許可申請書及び添付書
 類

「第二破砕施設配置図のうち、尺度」、「防音壁構造図」、「第二破砕施設処理フローシート図のうち、機器等の仕様」、「ニ軸剪断破砕機能力計算書」、「ニ軸剪断破砕機機械仕様書」、「取扱説明書(WSC-15065ニ軸剪断式破砕機)」、「破砕施設図」、「WSC-15065ニ軸剪断式破砕機外形図」、「WSC-15065ニ軸剪断式破砕機油圧ユニット外形図」、「ニ軸剪断式破砕機組立構造図」

 ただし、上記指定箇所の中に記載されている「担当者、製図者、承認者及び検図者」のう
ち、個人が識別され得るものを除く。

別紙

                  審査会の処理経過

年月日

処理経過

平成11年2月1日

○諮問

      2月9日

○実施機関に非公開理由説明書の提出を要求

      3月16日

○実施機関から非公開理由説明書を受理

      4月27日

○異議申立人に非公開理由説明書を送付し、非公開理由説明書に対する意見書の提出を要求

      6月1日

○異議申立人から非公開理由説明書に対する意見書を受理

      6月3日

○実施機関に非公開理由説明書に対する意見書を送付

     12月20日

    (第188回審査会)

○異議申立人から意見を聴取

平成12年6月12日

    (第1回部会)

○審議

      7月24日

    (第2回部会)

○審議

      8月7日

    (第3回部会)

○審議

      9月4日

    (第4回部会)

○審議

      9月13日

    (第5回部会)

○審議

     10月16日

    (第195回審査会)

○審議

             神奈川県情報公開審査会委員等名簿

1 神奈川県情報公開審査会委員
                               (平成11.4.1委嘱)

氏名

現職

備考

川島 志保

 弁護士(横浜弁護士会)

部会員

小早川 光郎

 東京大学教授

会長職務代理者

小林 重敬

 横浜国立大学教授

部会員

千葉 準一

 東京都立大学教授

 

堀部 政男

 中央大学教授

会長(部会長を兼ねる)

                                      (五十音順)

2 神奈川県情報公開審査会部会特別委員
                               (平成12.6.12委嘱)

氏名

現職

備考

玉巻 弘光

 東海大学教授

 

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本文ここまで
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