答申第79号

掲載日:2017年12月1日
 

 答申第79号

 

                         平成13年8月28日

 

 

神奈川県教育委員会

委員長 櫻井 義英 殿

 

 

           神奈川県情報公開審査会 会長 堀部 政男

 

 

  公文書の閲覧等の請求拒否処分に関する異議申立てについて(答申)

 

平成11年7月21日付けで諮問された公立中学校教員の体罰に係る事故報告
書等一部非公開の件(諮問第82号)について、次のとおり答申します。

 

1 審査会の結論
  公立中学校教員の体罰に係る事故報告書の非公開部分のうち、別表に掲げ
る部分は、公開すべきである。

2 異議申立人の主張要旨

(1)異議申立ての趣旨

異議申立ての趣旨は、特定の市教育委員会(以下「市教育委員会」とい
う。)から神奈川県教育委員会(以下「県教育委員会」という。)に提出さ
れた2件の体罰に関する事故報告書(平成9年3月25日付けで回覧したも
の(以下「3月文書」という。)及び平成9年7月24日付で回覧したもの
(以下「7月文書」という。また、3月文書と7月文書を併せて、以下「本
件公文書」という。)に記載されている情報のうち、県教育委員会が平成
11年5月28日付けで一部非公開とした処分の取消しを求める、というも
のである。

(2)異議申立ての理由

異議申立人の主張を総合すると、県教育委員会が本件公文書には個人に
関する情報が記録されており、公開することにより特定の個人が識別され、
又は識別され得ると認められること、また、反復継続される同種の事業の
公正かつ円滑な実施を著しく困難にするおそれがあると認められることか
ら、神奈川県の機関の公文書の公開に関する条例(以下、原則として「条
例」という。)第5条第1項第1号及び第5号に該当するとした一部非公開
の処分は、次に掲げる理由から、条例の解釈及び運用を誤っている、とい
うものである。

ア 条例第5条第1項第1号該当の点について

  (ア)実施機関は、体罰を行った教諭の氏名、年齢、担当教科、担当学年・
組等の情報は非違行為を犯したという他人に知られたくない個人識別
情報であるために、非公開であるとしている。異議申立人としては、
加害教諭の氏名までは公開を求めるものではないが、年齢、担当教科、
担当学年等は、公開すべきである。体罰は、学校教育法第11条で明確
に禁止されており、体罰の根絶への施策の充実を図っていくためにも、
年齢、担当教科及び担当学年は秘密にすべきではなく、学校の暴力行
為防止への日常的な取組を知る上でも重要な情報である。また、これ
らの情報を公開しても個人が識別されることはない。

(イ)条例第5条第1項第1号では、県民に説明する責務を全うするとい
う観点から公務員が分掌する事務又は事業の執行に関する情報は、公
開するとしている。また、他の容易に取得し得る情報と照合すること
により特定の個人が識別されるものは個人情報に該当するとされてい
るが、一般生活人にとって「容易に」とはどこまでの範囲を指すのか
よく分からない。

(ウ)実施機関は、本件公文書は被害生徒の氏名、組、住所等を非公開と
しているが、学年及び年齢については、3月文書では公開し、7月文
書では、非公開としている。実施機関は、最近では1学年のクラス数
が3クラス以内の場合は、個人の特定度が高くなるから学年及び年齢
を非公開にすると説明している。これらの実施機関の説明には、一貫
性がなく納得できない。体罰事件の目撃者を含む関係当事者ならば当
然に知っている情報の伝達を抑止することは不可能である。学年及び
年齢を公開しても個人を識別することは不可能であり、特定されない
ことは明白である。原則どおりに公開すべきである。

(エ)体罰を行った教諭に対する校長意見及び市教育委員会の見解に非公
開部分があるが、体罰事件の事実行為情報と密接なつながりがあり、
全体として体罰情報を構成するものと考えられる。したがって、真に
体罰を行った教諭のプライバシーを不当に侵害する情報といえない限
り公開すべきである。これらの情報は、県民が体罰事件を的確に知る
手掛かりを与え、教育行政への信頼を実現させるためにも必要不可欠
な情報である。

イ 条例第5条第1項第5号該当の点について

  (ア)実施機関は、校長意見及び市教育委員会の見解に係る非公開部分を
公開することにより、校長の率直な評価や見解を得ることができなく
なるなど市教育委員会の事務の円滑な実施を著しく困難にするおそれ
があると説明するが、県教育委員会は、その責任と権限においてその
ようなことのないように指導すべきである。

  (イ)公開しないことを前提に聴取した内容を基に作成された報告書であ
るとするならば、犯罪性を有する体罰事件の調査方法については取引
性が明らかであり、懲戒処分制度の運用は信用できない結果になり、
公正でないものとなる。

(ウ)体罰を受けて不登校になったり、転校を余儀なくされる実例が数多
くある学校現場の情報を適正に公開することにより、被害者救済への
施策を考え、充実させていくことができるのである。

 

3 実施機関(教育庁管理部教職員課)の説明要旨

実施機関が本件公文書を一部非公開とした理由は、次のとおりである。

(1)本件公文書について

県教育委員会は、市町村立学校職員給与負担法第1条及び第2条に規定
する職員(以下「県費負担教職員」という。)が学校教育法第11条で禁止
されている体罰を行った場合、服務監督権を有する市町村教育委員会から
「市町村立学校県費負担教職員人事事務の手引き」に基づき、「体罰に関す
る事故報告書」を提出させ、懲戒処分等の人事上の措置を検討し、実施し
ている。本件公文書は、市教育委員会が県教育委員会に提出した市立中学
校教諭が行った2件の体罰に係る事故報告書である。

(2)条例第5条第1項第1号該当性について

ア 本件公文書中、体罰を行った教諭の氏名、年齢、担当教科、担当学年・
組、校務分掌等の情報は、公開することにより、体罰を行った教諭が識
別され、又は識別され得る情報であり、また、体罰を行った教諭にとっ
て当該教諭が学校教育法によりに禁止されている非違行為を犯したとい
う他人に知られたくない情報であるため、条例第5条第1項第1号に該
当する。

イ 3月文書中、被害生徒の氏名、組、住所等に係る情報は、公開するこ
とにより、当該個人が識別され若しくは識別され得る情報、又は当該個
人にとって他人に知られたくない情報であるため、条例第5条第1項第
1号に該当する。

ウ 7月文書中、被害生徒の氏名、学年・組、住所、部活動等に係る情報
は、公開することにより、当該個人が識別され若しくは識別され得る情
報、又は当該個人にとって他人に知られたくない情報であるため、条例
第5条第1項第1号に該当する。

エ 被害生徒の学年及び年齢については、一般的には、公開しても当該個
人が識別されないため、3月文書に記載されている当該情報は公開して
いるが、7月文書に記載された当該情報については、体罰の現場に居合
わせた生徒の学年別人数が記載されており、その人数が少数であること
から、被害生徒の学年及び年齢は、被害生徒が識別され、又は識別され
得る情報であり、条例第5条第1項第1号に該当する。

オ 本件公文書中、被害生徒の保護者の氏名、続柄、発言内容等に係る情
報は、公開することにより、当該個人が識別され若しくは識別され得る
情報、又は当該個人にとって他人に知られたくない情報であるため、条
例第5条第1項第1号に該当する。

カ 本件公文書中、体罰を行った教諭以外の関係教諭の氏名等の情報は、
公開することにより、体罰を行った教諭が識別され、又は識別され得る
情報であるため、条例第5条第1項第1号に該当する。

キ 3月文書中、被害生徒以外の関係生徒の組及び氏名の情報は、公開す
ることにより、当該個人が識別され、又は識別され得る情報であるため、
条例第5条第1項第1号に該当する。

ク 3月文書中、被害生徒が診察を受けた病院名は、公開することにより、
当該個人が識別され、又は識別され得る情報であるため、条例第5条第
1項第1号に該当する。

ケ 本件公文書中、体罰を行った教諭及び被害生徒に対する校長の評価に
係る情報は、当該個人にとっては、他人に知られたくない情報であるた
め、条例第5条第1項第1号に該当する。

コ 本件公文書中、体罰を行った教諭に対する市教育委員会の評価に係る
情報は、当該個人にとっては、他人に知られたくない情報であるため、
条例第5条第1項第1号に該当する。

(3)条例第5条第1項第5号該当性について

ア 本件公文書中、「校長意見」の部分には、体罰に対する校長の意見が記
載されているが、体罰を行った教諭に対する評価及び懲戒処分等の人事
上の措置に対する見解の部分の情報は、公開することにより、教諭の監
督、指導及び評価を行う立場にある校長の事務の円滑な実施を著しく困
難にするおそれがある。

また、県教育委員会としてもこれらの情報を公開することにより、校
長の率直な評価及び見解を得ることができなくなり、懲戒処分等の人事
上の措置の検討及び実施を著しく困難にするおそれがあるので、条例第
5条第1項第5号に該当する。

イ 本件公文書中、市教育委員会の見解の部分には、体罰を行った教諭に
対する市教育委員会の見解に係る情報が記載されているが、体罰を行っ
た教諭に対する評価及び懲戒処分等の人事上の措置に対する見解の部分
の情報は、公開することにより、教諭の服務監督権を有する市教育委員
会の事務の円滑な実施を著しく困難にするおそれがある。

また、県教育委員会としてもこれらの情報を公開することにより、校
長の率直な評価及び見解を得ることができなくなり、懲戒処分等の人事
上の措置の検討及び実施を著しく困難にするおそれがあるので、条例第
5条第1項第5号に該当する。

 

4 審査会の判断理由

(1)答申するに当たっての適用条例の考え方

神奈川県情報公開条例が、平成12年3月28日に公布され、平成12年4
月1日に施行されたが、本諮問案件は神奈川県の機関の公文書の公開に関
する条例(昭和57年神奈川県条例第42号)に基づきなされた処分である
ので、当審査会としては、当該条例に基づき本諮問案件を審議することと
する。

(2)本件公文書について

ア 県教育委員会は、県費負担教職員が学校教育法第11条で禁止されてい
る体罰を行った場合、体罰に関する事実、発生後の措置等を的確に把握
するために、「市町村立学校県費負担教職員人事事務の手引き」に基づき、
服務監督権を有する市町村教育委員会から「体罰に関する事故報告書」
を提出させ、懲戒処分等の人事上の措置を検討し、実施している。

イ 本件公文書は、市教育委員会が県教育委員会に提出した市立中学校教
諭が行った2件の体罰に係る事故報告書で、教職員課において、それぞ
れ平成9年3月25日付け及び平成9年7月24日付けで回覧されたもの
である。

ウ 本件公文書中、体罰に関する事故報告書の具体的記載事項は、次のと
おりである。

(ア)発生日時

(イ)発生場所

(ウ)体罰を行った教職員の職、氏名、年齢、性別、担当教科、担当学年・
組及び校務分掌

(エ)被害児童・生徒の氏名、学年・組、年齢、性別、住所、保護者の氏
名及び続柄

(オ)体罰の発生経過と概要

(カ)体罰の発生後の措置

(キ)校長意見

(ク)市教育委員会の見解

エ 上記ウに掲げる項目のうち、実施機関が非公開としたのは、次に掲げ
る情報である。

(ア)体罰を行った教諭の氏名、年齢、担当教科、担当学年・組、校務分
掌その他体罰を行った教諭が識別され得る情報

(イ)3月文書のうち、

  a 被害生徒の氏名、組、住所、診察を受けた病院名その他被害
生徒が識別され得る情報

  b 被害生徒以外の関係生徒の組及び氏名

(ウ)7月文書のうち、

  a 被害生徒の氏名、学年・組、年齢、住所、部活動名その他被害生
徒が識別され得る情報

  b 被害生徒以外の関係生徒の学年

(エ)被害生徒の保護者の氏名、続柄、発言内容等

(オ)関係教諭の氏名等

(カ)体罰を行った教諭に対する校長の意見及び市教育委員会の見解

(3)条例第5条第1項第1号該当性について

  ア 条例第5条第1項第1号本文該当性について

  (ア)条例第5条第1項第1号は、個人を尊重する観点から、「知る権利」
の保障と個人に関する情報の保護という二つの異なった側面からの要
請を調整しながら、個人に関する情報を原則的に非公開とすることを
規定したものである。そして、同号本文は、「個人に関する情報であっ
て、特定の個人が識別され、又は識別され得るもの」(以下「個人情報」
という。)を非公開とすることができるとしている。

したがって、同号本文は、個人情報はプライバシーに当たるものは
もとより、プライバシーであるかどうか不明確であるものも含めて非
公開とすることができることを明文をもって定めたものと解される。

(イ)また、条例第2条後段で「個人の秘密、個人の私生活その他の他人
に知られたくない個人に関する情報がみだりに公にされないように最
大限の配慮をしなければならない」と規定している趣旨にかんがみ、
明らかに他人に知られたくないと認められるものについては、非公開
とするものと解される。

  (ウ)さらに、氏名等を削除したとしても、それ以外の部分の情報から、
又はそれ以外の部分の情報と容易に取得し得る他の情報とを照合する
ことにより、特定の個人が推測できるものであれば、当該部分につい
ては非公開とするものと解される。

(エ)学校等では、教職員名簿等の資料を作成しており、当該学校等にお
いて閲覧、写しの入手が可能であるが、これらの資料には、教職員の
氏名、担当教科、校務分掌等が記載されていることが認められる。

  (オ)以上のことを総合的に判断すると、本件公文書中、実施機関が非公
開とした情報のうち、次に掲げるものは、特定の個人が識別され、又
は識別され得る情報であると認められる。

    a 体罰を行った教諭の氏名、年齢、担当教科、担当学年・組、校務
分掌その他体罰を行った教諭が識別され得る情報

    b 被害生徒の氏名、組、住所、部活動名その他被害生徒が識別され
得る情報

    c 被害生徒の保護者の氏名、続柄、発言内容等

    d 被害生徒以外の関係生徒の組及び氏名

    e 関係教諭の氏名等

したがって、これらの情報は、条例第5条第1項第1号本文に該当
すると判断する。

(カ)次に、3月文書中、実施機関が非公開とした情報のうち、被害生徒
  が体罰を受けたことにより診察を受けた病院名について検討する。

     病院の通院患者に関する情報については、病院名が公開されても、
通常、その病院の多数の患者の中の誰が被害生徒であるかを特定する
ことができるとは考え難い。さらに、容易に取得し得る他の情報と照
合することにより、被害生徒を推測することも一般的には困難と考え
られる。

     したがって、病院名は、特定の個人が識別され、又は識別され得る
情報であるとは認められず、条例第5条第1項第1号本文に該当しな
いと判断する。

  (キ)7月文書中の被害生徒の学年、年齢及び被害生徒以外の関係生徒の
学年について検討する。実施機関は、本件公文書には現場に居合わせ
た生徒の学年別人数が記載されており、人数が少数であるため公開す
ると特定の個人が識別され、又は識別され得る情報であり、条例第5
条第1項第1号に該当すると説明している。しかしながら、学年につ
いては、人数が少数であったとしても、その学年に属する多数の生徒
の中の誰であるかは、一般には知り得ないから、特定の個人が識別さ
れ、又は識別され得る情報であるとは認められない。

また、被害生徒の年齢については、年齢と学年は、一般的に相関関
係にあると解されることから、学年が公開されれば、学年に対応する
年齢は推測され得る性格のものであると認められる。

したがって、被害生徒の学年、年齢及び被害生徒以外の関係生徒の
学年は、条例第5条第1項第1号本文に該当しないと判断する。

  (ク)体罰を行った教諭及び被害生徒に対する校長の意見並びに体罰を行
った教諭に対する市教育委員会の見解について検討する。

これらの情報のうち、氏名等体罰を行った教諭及び被害生徒が識別
され得る情報を除けば、その他の部分は、通常、特定の個人が識別さ
れ、又は識別され得る情報であるとまではいえず、条例第5条第1項
第1号本文に該当しないと判断する。

  イ 条例第5条第1項第1号ただし書該当性について

  (ア)条例第5条第1項第1号本文に該当する情報であっても、同号ただ
し書ア、イ又はウに該当するものは、公開するとされている。

(イ)本件公文書に記載されている情報は、同号ただし書アの「何人でも
法令の規定により閲覧することができるとされている情報」及びただ
し書ウの「法令の規定により行われた許可、免許、届出その他これら
に相当する行為に際して作成し、又は取得した情報であって、公開す
ることが公益上必要と認められるもの」には当たらないと解されるの
で、同号ただし書ア及びウには該当しないと判断する。

  (ウ)条例第5条第1項第1号ただし書イ該当性について

a 条例第5条第1項第1号ただし書イは、「公表することを目的と
して作成し、又は取得した情報」は広報紙等を通じて広く県民に積
極的に周知する情報だけでなく、条例第2条前段が「公文書の閲覧
及び公文書の写しの交付を求める権利が十分に尊重されるようにこ
の条例を解釈し、運用するものとする」と規定している趣旨から考
えると、事務事業の執行上又は行政の責務として県民の要望に応じ
て提供することが予定されているものを含むと解される。

b 教諭の体罰行為は、学校教育法第11条により行ってはならない非
違行為であるが、生徒に対する指導の過程でなされた行為であるこ
とから、教諭の職務の執行に関する行為であり、当該行為に関する
情報は、公務員が分掌する事務の執行に関する情報であると解され
る。

 しかしながら、本諮問案件については、教育現場に与える影響を
考慮すると、当該情報を公開した場合、当該教諭と被害生徒以外の
生徒との信頼関係に支障を与えるなど教育現場に混乱を来すおそ
れがあるばかりでなく、教諭として今後教育活動を継続する上でも
大きな障害となることが予想される。

したがって、本諮問案件では、教諭の氏名、年齢、担当教科、担
当学年・組、校務分掌及び関係教諭の氏名等体罰を行った教諭が識
別され得る情報は、行政の責務として県民の要望に応じて提供する
ことが予定されているものとまではいえず、条例第5条第1項第1
号ただし書イに該当しないと判断する。 

c また、次に掲げる情報は、「公表することを目的として作成し、又
は取得した情報」に該当せず、条例第5条第1項第1号ただし書イ
に該当しないことは明らかである。

(a)被害生徒の氏名、組、住所、部活動名その他被害生徒が識別さ
れ得る情報

(b)被害生徒の保護者の氏名、続柄、発言内容等

(c)被害生徒以外の関係生徒の組及び氏名

(4)条例第5条第1項第5号該当性について

  ア 条例第5条第1項第5号は、「県の機関又は国等の機関が行う検査、監
査、取締等の計画及び実施細目、争訟及び交渉の方針、入札の予定価格、
試験の問題その他の事務又は事業に関する情報であって、当該事務又は
事業の性質上、公開することにより、当該事務又は事業の実施の目的を
失わせ、又は当該事務又は事業の円滑な実施を著しく困難にするおそれ
のあるもの」は、非公開とすることができるとしている。

  イ 本号に例示されている情報は、該当する情報の典型的な例を示すもの
であり、「その他の事務又は事業に関する情報」には、これらに類似し、
又は関連する情報も含まれるものと解される。

  ウ 校長意見及び市教育委員会の見解には、体罰を行った教諭や体罰防止
への取組等に関して述べられていることが認められる。実施機関は、こ
れらの情報のうち、体罰を行った教諭に対する評価及び懲戒処分等の人
事上の措置に対する見解の部分を公開することにより、教諭の監督、指
導及び評価を行う立場にある校長や教諭の服務監督権を有する市教育委
員会の事務の円滑な実施を著しく困難にするおそれがあると説明してい
る。

また、これらの情報を公開することにより、県教育委員会としても校
長及び市教育委員会の率直な評価及び見解を得ることができなくなり、
懲戒処分等の人事上の措置の検討及び実施を著しく困難にするおそれが
あるので、条例第5条第1項第5号に該当すると説明している。

  エ しかしながら、校長が意見を述べること及び市教育委員会が見解を述
べることは、本来、校長及び市教育委員会が分掌する事務の執行に関す
るものであるといえる。また、本件公文書の校長意見及び市教育委員会
の見解の内容にかんがみると、当該部分が公開されたとしても、このこ
とにより、直ちに校長及び市教育委員会の率直な評価及び見解を得るこ
とができなくなるとまでは解されず、実施機関が行う懲戒処分等の人事
上の措置の検討及び実施を著しく困難にするおそれがあるとは認められ
ない。

したがって、条例第5条第1項第5号に該当しないと判断する。

(5)条例第5条第2項該当性について

  ア 条例第5条第2項は、閲覧等の請求に係る公文書に、部分的に公開す
ることのできない情報が記録されている場合において、それらを容易に、
かつ、公文書の閲覧又は写しの交付を求める趣旨を失わない程度に合理
的に分離できるときは、公開できない部分を除いて公開をしなければな
らないと規定している。

  イ 本件公文書については、当審査会が前記4(3)において非公開とす
ることが妥当であると認めた部分の範囲及び内容にかんがみると、その
他の情報を分離して公開することは、「容易に、かつ、公文書の閲覧等を
求める趣旨を失わない程度に合理的に分離できるとき」に該当すると判
断する。

 

5 審査会の処理経過

  当審査会の処理経過は、別紙のとおりである。

 

 

別表

 

該当文書

該当行字等

3月文書

10行目1文字目から4文字目まで

29行目5文字目から最後まで

全部

 10

2行目3文字目から4行目9文字目まで 

4行目15文字目から6行目最後まで

12行目1文字目から13行目最後まで

 12

25行目15文字目から18文字目まで

 13

26行目1文字目から3文字目まで

26行目5文字目から29行目最後まで

7月文書

 3

「4被害児童・生徒」の「学年」及び「年齢」

 5

12行目7文字目及び13文字目

 6

1行目10文字目及び16文字目

 8

5行目6文字目から11行目最後まで

 10

2行目5文字目から4行目20文字目まで

4行目26文字目から6行目最後まで

12行目1文字目から13行目最後まで

 

 備考1 行数は、文字が記載された行を上から数えたものである。

 備考2 文字数は、当該行の記載のある文字について左から数えたものであ
る。句読点及び「・」、「( )等の表記は一文字として数えている。

 

別紙

               審査会の処理経過

年月日

処理内容

平成11年7月21日

○諮問

      7月28日

○実施機関に非公開理由説明書の提出を要求

      8月16日

○実施機関から非公開理由説明書を受理

      8月18日

○異議申立て人に非公開理由書を送付し、非公開理由説明書に対する意見書の提出を要求

     11月4日

○異議申立人から非公開理由説明書に対する留意見書を受理

     11月5日

○実施機関に非公開理由説明書に対する意見書を送付

平成12年10月31日
 (第4回部会)

○異議申立人からの意見聴取

     12月26日

 (第5回部会)

○審議

平成13年1月30日

 (第6回部会)

○審議

      3月27日

 (第7回部会)

○審議

      4月17日

 (第8回部会)

○審議

      5月14日

 (第9回部会)

○審議

      6月11日

 (第10回部会)

○審議

      7月9日

 (第11回部会)

○審議

      8月13日

 (第199回審査会)

○審議

 

 

           神奈川県情報公開審査会委員名簿

 

                        (平成13年4月1日委嘱)

氏名

現職又は前職

備考

川島 志保

弁護士(横浜弁護士会)

 

小林 重敬

横浜国立大学教授

会長職務代理

田中 隆三

弁護士(横浜弁護士会)

部会員

玉巻 弘光

東海大学教授

 

千葉 準一

東京都立大学教授

 

堀部 政男

中央大学教授

会長

(部会長を兼ねる)

 松井 薫子

元県立高等学校校長

 部会員

                  (平成13年8月28日現在)(五十音順)

 

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa