答申第103号~第106号

掲載日:2017年12月1日

 答申第103号~第106号

 

                         平成13年12月19日

 

神奈川県知事  岡崎 洋 殿

 

              神奈川県情報公開審査会 会長 堀部 政男

 

 

    行政文書公開請求拒否処分に関する不服申立てについて(答申)

 

平成12年11月24日付けで諮問された真鶴港再整備計画策定調査報告書に基づく検
討会資料等不存在の件(諮問第152号)、真鶴港臨海部活性化調査報告書に基づく検討
会資料等不存在の件(諮問第153号)、真鶴港活性化計画調査報告書に基づく検討会資
料等不存在の件(諮問第154号)及び真鶴港活性化計画調査報告書に基づく検討会(民
間を除く。)資料等不存在の件(諮問第155号)について、次のとおり答申します。

 

1 審査会の結論

実施機関が次に掲げる文書を存在していないとして、公開を拒んだことは、相当で
ある。

(1)平成8年度港湾修築工事(その1)真鶴港再整備計画策定調査報告書に基づく検
討会議事録及び配布資料

(2)平成9年度港湾修築工事(その1)真鶴港臨海部活性化調査報告書に基づく検討
会議事録及び配布資料

(3)平成10年度港湾修築工事(その4)真鶴港活性化計画調査報告書に基づく検討
会議事録及び配付資料

(4)平成10年度港湾修築工事(その4)真鶴港活性化計画調査報告書に基づく検討
会(民間を除く。)議事録及び配付資料

 

2 不服申立てに係る経過

(1)不服申立人は、神奈川県情報公開条例(平成12年条例第26号。以下「条例」と
いう。)第9条の規定に基づき、平成12年10月25日、神奈川県知事(以下「知
事」という。)に対して、次に掲げる文書(以下「本件文書」という。)に係る行政
文書公開請求(以下「本件公開請求」という。)をした。

  ア 平成8年度港湾修築工事(その1)真鶴港再整備計画策定調査報告書(以下
  「8年度報告書」という。)に基づく検討会議事録及び配布資料

  イ 平成9年度港湾修築工事(その1)真鶴港臨海部活性化調査報告書(以下「9
  年度報告書」という。)に基づく検討会議事録及び配布資料

  ウ 平成10年度港湾修築工事(その4)真鶴港活性化計画調査報告書(以下「10
  年度報告書」という。)に基づく検討会議事録及び配布資料

  エ 10年度報告書に基づく検討会(民間を除く。)議事録及び配布資料

(2)これに対し、知事は、平成12年11月7日付けで、本件公開請求に係る行政文書
を管理していないため、公開を拒む決定(以下「本件処分」という。)をした。

(3)不服申立人は、平成12年11月13日付けで、知事に対して行政不服審査法第4
条の規定に基づき、本件処分の取消しを求めるという趣旨の不服申立てをした。

 

3 不服申立人の主張要旨
不服申立人の主張を総合すると、次のとおりである。

(1)8年度報告書に基づく検討会について

  不服申立人が、平成9年11月に8年度報告書について、神奈川県の機関の公文書
  の公開に関する条例(昭和57年条例第42号。以下「旧条例」という。)第6条の
  規定に基づき、公文書の閲覧等の請求(以下「閲覧請求」という。)をしたところ、
  実施機関は、8年度報告書に基づき国及び県の機関で検討がなされていないため、
  未成熟な情報を公開することにより、県民に不正確な理解や誤解を与えるおそれが
  あり、旧条例第5条第1項第4号に該当するとして一部非公開の決定をした。

  不服申立人が、平成11年4月、当該非公開部分について更に閲覧請求をしたとこ
  ろ、実施機関は、「この報告書に基づき国・県の機関で検討がなされていない」とし、
  また、県西地域の主要産業と生産高の将来予測について、「産業の推移は、まだ関係
  団体のデータとの突き合わせをしていないものであり、特に水産業の扱いは今後の
  検討会で検討し変更の可能性もある」との理由により非公開とした。

(2)9年度報告書に基づく検討会について

  不服申立人が、平成10年7月に9年度報告書について、旧条例第6条の規定に基
  づき、閲覧請求をしたところ、実施機関は、9年度報告書に基づき国及び県の機関
  で検討がなされていないため、未成熟な情報を公開することにより、県民に不正確
  な理解や誤解を与えるおそれがあり、旧条例第5条第1項第4号に該当するとして
  一部非公開の決定をした。

  不服申立人が、平成11年4月、当該非公開部分について更に閲覧請求をしたとこ
  ろ、実施機関は、「この報告書に基づき国・県の機関で検討がなされていない」とし、
  また、石材業及び漁業の将来予測について、「石材生産量、生産額の将来予測は、調
  査委託会社が統計的手法により判断したものであり、石材に関する関係団体・機関
  等と調整したものではなく、今後の予測は計画検討会の重要課題で資料を検討し、
  予測を変更することもある」との理由により非公開とした。

(3)10年度報告書に基づく検討会について

  不服申立人が、平成11年7月に10年度報告書について、旧条例第6条の規定に
  基づき、閲覧請求をしたところ、実施機関は、「この報告書に基づき国・県・真鶴
  町・各関係機関・団体で検討がなされていない。平成11年度において、平成10年
  度の報告書について検討会を予定しており、検討会の結論が出るまでは未成熟な情
  報である」との理由により一部非公開とした。

(4)以上のように、実施機関は、8年度報告書及び9年度報告書の当初の閲覧請求に
おける非公開部分に対する再度の閲覧請求並びに10年度報告書に対する閲覧請求
に関して、非公開又は一部非公開の決定をしたが、それらを非公開とした理由の中
で、検討会の実施を示唆し、そのため審議検討情報に該当するとしていたにもかか
わらず、本件文書を公開請求したところ、検討会は実施していないので本件文書は
存在しないと説明している。このような説明は、到底納得できない。

 

4 実施機関(小田原土木事務所)の説明要旨

実施機関の説明を総合すると、次のとおりである。

(1)真鶴港の再整備に係る委託調査について

  8年度報告書、9年度報告書及び10年度報告書は、真鶴港の再整備に係る計画
  (以下「再整備計画」という。)を策定するために、実施機関が、それぞれ調査会社
  に基礎調査を委託し、当該調査会社が調査の結果を成果品として取りまとめたもの
  である。

  8年度報告書の作成後、再整備計画検討の一要因である石材搬出に伴う環境問題
  が、石材業者の休業により解消されるなどの情勢の変化により、当初の計画の方向
  性が変更された経緯があるものの、10年度報告書は、8年度報告書及び9年度報告
  書の内容を踏まえて、真鶴港及びその周辺の問題点並びに真鶴港の再整備に関する
  課題を整理し、再整備計画の基本方針及びいくつかの施設配置計画ゾーニング案を
  まとめた内容となっている。

(2)真鶴港活性化整備計画検討会について

  実施機関は、上記の基礎調査としての3つの報告書に基づいて、再整備計画の基
  本方針及び施設配置計画ゾーニング案を作成し、これを検討するため、平成11年
  10月、関係機関及び団体による真鶴港活性化整備計画検討会を設置し、3回の検討
  会を実施している。

  これらの検討会の議事録及びその配布資料については、不服申立人からの請求に
  基づき、既に公開しているところである。

  すなわち、平成8年度から平成10年度の調査は、基礎調査の段階であり、基礎調
  査について一定の整理がされた11年度で初めて検討会を開催したものであり、各年
  度の報告書ごとにそれぞれの検討会を実施することは当初から予定していない。

  したがって、各年度の報告書ごとの検討会は実施しておらず、本件文書は存在し
  ない。

 

5 審査会の判断理由

(1)審査会における審査方法等

  当審査会は、本諮問案件の4件については、再整備計画に関する一連の文書であ
  り、また、それぞれが不存在を理由として公開を拒んだ決定に対する不服申立てで
  あることから、併合して調査審議することとする。

  また、神奈川県情報公開審査会審議要領第8条の規定に基づき委員を指名し、指
  名委員は実際に、不服申立人及び当該実施機関の職員から口頭による意見及び説明
  を聴取した。その結果も踏まえて、次のとおり判断する。

(2)本件文書の存否について

ア 8年度報告書、9年度報告書及び10年度報告書は、再整備計画を策定するた
めに、実施機関が、それぞれ調査会社に基礎調査を委託し、当該調査会社が調査
の結果を取りまとめて成果品として提出したものである。

諸情勢の変化により、当初の計画の方向性が変更された経緯があるものの、10
年度報告書は、8年度報告書及び9年度報告書の内容を踏まえて、真鶴港及びそ
の周辺の問題点並びに真鶴港の再整備に関する課題を整理し、検討材料としての
再整備計画の基本方針及びいくつかの施設配置計画ゾーニング案をまとめた内容
となっている。

イ また、実施機関は、平成11年10月、関係機関及び団体で構成される真鶴港活
性化整備計画検討会を設置し、この検討会で、8年度から10年度までの基礎調
査を踏まえた再整備計画の基本方針及び施設配置計画ゾーニング案を示し、関係
者と意見交換を行い、当該事項について、更に同年度中に2回の検討会を開催し
ていることが認められる。

ウ このような経緯からすると、平成11年4月及び同年7月の不服申立人からの
閲覧請求に対して、実施機関が非公開の理由として挙げていた検討会は、基礎調
査を終え、一定の整理がされた段階での検討会、すなわち平成11年に設置され
た真鶴港活性化整備計画検討会を指しているという実施機関の説明は首肯できる。

そして、これとは別に年度ごとの検討会が実施されている事情も認められない
ことから、本件文書は存在しないものと考えられる。

(3)その他

不服申立人は、過去に行った閲覧請求に対する実施機関の非公開理由から、各年
度の報告書ごとに検討会が実施されるものと考え、本件文書の公開請求をしたこと
が認められる。

その際に実施機関から示された非公開の理由を見ると、各年度の報告書ごとに検
討会を実施するかのような誤解を不服申立人に与える表現がなかったとはいえない。

実施機関は、公開請求に係る行政文書の公開を拒む場合、請求者に誤解を与えな
いような理由の記述に努めるべきである。

 

6 審査会の処理経過

  当審査会の処理経過は、別紙のとおりである。

 

 

別紙

             審査会の処理経過

年月日

処理内容

平成12年11月24日

○諮問

     11月24日

○実施機関に非公開等理由説明書の提出を要求

平成13年1月15日

○実施機関から非公開等理由説明書を受理

      1月26日

○異議申立て人に非公開等理由説明書を送付し、非公開等理由説明書に対する意見書の提出を要求

      1月31日

○異議申立人から非公開等理由説明書に対する意見書を受理

      2月9日

○実施機関に非公開等理由説明書に対する意見書を送付

      9月10日
  (第2回部会)

○審議

      9月20日

○指名委員により異議申立人から意見を聴取

○指名委員により実施機関の職員から非公開等理由説明を聴取

     10月17日

  (第3回部会)

○審議

     11月7日

  (第4回部会)

○審議

     12月3日

  (第5回部会)

○審議

 

 

              神奈川県情報公開審査会委員名簿

                            (平成13年4月1日委嘱)

氏名

現職又は前職

備考

川島 志保

弁護士(横浜弁護士会)

部会員

小林 重敬

横浜国立大学教授

会長職務代理者

部会員

田中 隆三

弁護士(横浜弁護士会)

 

玉巻 弘光

東海大学教授

 

千葉 準一

東京都立大学教授

 

堀部 政男

中央大学教授

会長

(部会長を兼ねる)

松井 薫子

元県立高等学校校長

 

                      (平成13年12月19日現在)(五十音順)

 

 

本文ここまで
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