答申第134号

掲載日:2017年12月1日

 

答申第134号

 

                         平成15年3月12日

 

神奈川県知事 岡崎 洋 殿                     

 

 

            神奈川県情報公開審査会 会長 堀部 政男

 

 

    行政文書公開請求拒否処分に関する不服申立てについて(答申)    

 

 平成14年3月25日付けで諮問された食糧費に係る支出関係書類一部非公開
の件(諮問第220号)について、次のとおり答申します。

 

 

 

1 審査会の結論
  食糧費に係る支出関係書類に記載された債権者の指定する振込先口座の金
 融機関名、支店名、預金種別、口座番号及び口座名義人は、公開すべきであ
 る。

2 不服申立人の主張要旨
(1)不服申立ての趣旨
   不服申立ての趣旨は、実施機関が平成13年度に執行した一人当たりの支
  出額が4,000円以上の食糧費に係る支出関係書類(以下「本件行政文書」
  という。)に記載されている情報のうち、食糧費支出に係る債権者(以下「本
  件法人」という。)の指定する振込先口座の金融機関名、支店名、預金種別、
  口座番号及び口座名義人(以下「本件口座番号等」という。)を神奈川県知
  事(以下「知事」という。)が、平成14年3月6日付けで一部非公開とし
  た処分(以下「本件処分」という。)の取消しを求める、というものである。
(2)不服申立ての理由
   不服申立人の主張を総合すると、知事が本件行政文書には、法人の内部
  経理に関する情報であって、公開することにより、当該法人の権利、競争
  上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものが記録されているこ
  とから、神奈川県情報公開条例(以下「条例」という。)第5条第2号に該
  当するとして一部非公開とした処分は、次に掲げる理由から、条例の解釈
  及び運用を誤っている、というものである。
  ア 飲食業者である本件法人の本件口座番号等の情報は、内部関係のもの
   だが、一般的に発行している請求書に記載されている事項であり、その
   管理体制から見て、業者としてこれが公開されることを拒み得る性質の
   ものではなく、公開されることによって本件法人の事業が損なわれると
   は認め難い。
  イ 過去に食糧費支出に係る情報公開に関する訴訟で金融機関の口座番号
   等の情報を非公開としたことを不当とした判決がある。

3 実施機関(県土整備部県土整備経理課)の説明要旨
  実施機関が本件行政文書を一部非公開とした理由は、次のとおりである。
(1)本件行政文書は、実施機関が平成13年度に執行した一人当たりの支出額
  が4,000円以上の食糧費に係る支出関係書類であり、その内訳は、支出命
  令票、請求書及び執行伺票である。
(2)条例第5条第2号該当性について
   支出命令票、請求書及び執行伺票に記載されている本件口座番号等は、
  本件法人の経理事務等に係るもっぱら法人内部の情報であり、公開するこ
  とにより本件法人に明らかに不利益を与えると認められ、条例第5条第2
  号本文に該当する。
   また、同号ただし書にも該当しない。

4 審査会の判断理由
(1)本件行政文書について
   本件行政文書は、実施機関が平成13年度に執行した一人当たりの支
  出額が4,000円以上の食糧費に係る支出関係書類であり、その内訳は、
  支出命令票、請求書及び執行伺票である。
(2)条例第5条第2号本文該当性について
  ア 条例第5条第2号本文は、「法人その他の団体(国及び地方公共
   団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営
   む個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより当該
   法人又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害する
   おそれがあるもの」は非公開とすることができると規定している。
  イ 本件口座番号等は、本件法人がその顧客に対して飲食代金の請求
   書に代金の振込先を指定する趣旨で記載しているものであり、支出
   命令票及び執行伺票の記載は、実施機関がこれをさらに転記したも
   のである。
    したがって、本件口座番号等は、法人等の取引先金融機関におけ
   る口座番号等であり、法人等に関する情報であると認められる。
  ウ 法人等の取引先金融機関における口座番号等に係る情報は、本来、
   当該法人等が事業活動を行う上での内部管理事項に属する情報であ
   って、知らせるべき相手方を限定する利益を有する情報であると考
   えられる。
    しかしながら、当該法人等において当該情報を現実にそのような意
   図の下に管理をしていると認められない場合には、これを公開する
   ことにより、当該法人等の正当な利益を害するおそれはないものと考
   えられる。
    そこで、本件法人における請求書に係る本件口座番号等の情報管
   理の状況について検討する。
  エ 一般的な飲食業者の業務の態様としては、不特定多数の者が常に
   新規にその顧客となり得るのが通例であることからすると、飲食業
   者が通常の取引において、請求書に代金の振込先の口座番号等を記
   載して顧客に交付している場合には、当該情報を内部限りにおいて
   管理することよりも、代金決済の便宜を優先させているものと考え
   られる。そして、当該情報を請求書に記載して顧客に交付すること
   により、これが不特定多数の顧客に知られることを容認して、そう
   した状態に置いているものということができる。
   本件口座番号等は、本件法人が請求書に記載して顧客に交付した
   ものであり、このような情報管理の実態にかんがみると振込先の口
   座番号等を法人等の内部限りで管理し、例外的に特定の顧客に限っ
   てこれを記載した請求書を交付しているといった特段の事情がない
   限り、当該法人等の正当な利益を害するおそれはないものと考えら
   れる。本諮問案件においては、こうした特段の事情は認められない。
  オ 以上のことからすると、本件口座番号等は、これを公開すること
   により、本件法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害す
   るおそれがあるとは認められないため、条例第5条第2号本文に該
   当しないと判断する。

5 審査会の処理経過
  当審査会の処理経過は、別紙のとおりである。

別紙

              審査会の処理経過          

年月日

処理経過

平成14年3月25日

○諮問

   3月28日

○実施機関に非公開等理由説明書の提出を要求

4月23日

○実施機関から非公開等理由説明書を受理

5月2日

○不服申立人に非公開等理由説明書を送付

5月7日

○不服申立人から非公開等理由説明書に対する意見書を受理

12月9日

(第16回部会)

○審議

平成15年1月15日

(第17回部会)

○審議

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


            神奈川県情報公開審査会委員名簿           

氏名

現職

備考

川島  志保

弁護士(横浜弁護士会)

 

小林 重敬

横浜国立大学教授

 

会長職務代理者

 

鈴木 敏子

横浜国立大学教授

 

田中 隆三

弁護士(横浜弁護士会)

部会員

玉巻 弘光

東海大学教授

 

千葉 準一

東京都立大学教授

部会員

堀部 政男

中央大学教授

会長

(部会長を兼ねる)

                     (平成15年3月12日現在)(五十音順)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本文ここまで
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