バリアフリー新法の基準

掲載日:2018年3月9日

建築物、公共交通機関、道路、路外駐車場、都市公園を新設などする場合、それぞれバリアフリー化基準(移動等円滑化基準)への適合が義務付けられ、既存の施設においても、基準適合への努力義務が課されます。その義務付け対象と主な基準は次のとおりとなります。


公共交通機関(旅客施設・車両等)

公共交通事業者が旅客施設を新設・大改良する際や車両を新たに導入する際には、公共交通機関に関するバリアフリー化基準(公共交通移動等円滑化基準)へ適合させなければなりません。また、既設の旅客施設や車両等に対しても、基準に適合するよう努めなければなりません。

旅客施設

【鉄軌道駅】

1)駅の出入口からプラットホームへ通ずる経路について、原則としてエレベーター又はスロープにより、高低差を解消すること(移動等円滑化された経路)。

2)車いすが通るための幅を確保すること。

3)プラットホームと鉄軌道車両の床面とは、できる限り平らにすること。また、プラットホームと鉄軌道車両の床面との隙間は、できる限り小さくすること。隙間や段差により車いす使用者の円滑な乗降に支障があるときは、車いす使用者の乗降を円滑にする設備を一以上備えること。

4)プラットホームにホームドア、可動式ホームさく、点状ブロックその他視覚障害者の転落を防止するための設備を設けること。車両の乗降口が一定している等一定の要件に該当するプラットホームでは、ホームドア又は可動式ホーム柵を設置すること。

5)通路、プラットホーム等に照明設備を設けること。

6)エレベーター、エスカレーター、トイレ、券売機等について、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造とすること。

7)視覚障害者誘導用ブロック、視覚情報及び聴覚情報を提供する設備を備えること。

8)エレベーター、便所等主要な設備の付近には、JIS規格に適合する図記号による標識を設置すること。

9)乗車券等販売所、案内所に筆談用具を設け、筆談用具があることを表示すること。

10)階段の両側に手すりを設置すること。


【バスターミナル、旅客船ターミナル、航空旅客ターミナル】

バスターミナル、旅客船ターミナル、航空旅客ターミナルについても鉄軌道駅に準じた基準とする。



車両等(鉄軌道車両、バス車両、福祉タクシー車両、船舶、航空機)

【共通】

鉄軌道車両、バス車両、船舶、航空機には、視覚情報及び聴覚情報を提供する設備を備えること。

【鉄軌道車両】

1)車いすスペースを設置すること。

2)トイレについて、車いす使用者の円滑な利用に適した構造とすること。

3)列車の連結部にはプラットホーム上の旅客の転落を防止するための措置を講ずること。

4)車両番号等を文字及び点字で表示すること。

【バス車両】

1)低床バス(ノンステップバス、ワンステップバスレベル)とすること。

2)車いすスペースを設置すること。

3)車外用放送装置を設置すること。

4)筆談用具を設け、筆談用具があることを表示すること。

【福祉タクシー車両】

1)車いす等対応車
車いす等使用者の乗降を円滑にする設備を備えること。
車いす等の用具を備えておくスペースを一以上設けること。
筆談用具を設けること。等

2)回転シート車
助手席又は後部座席を回転させるための設備を設けること。
折りたたんだ車いすを備えておくスペースを設けること。
筆談用具を設けること。等

【船舶】

1)バリアフリー化された客席及び車いすスペースを設置すること。

2)トイレについて、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造とすること。

3)1)の客席などからトイレ、食堂等の船内旅客用設備へ通ずる1以上の経路について、エレベーターの配置等により、高齢者、障害者等が単独で移動可能な構造とすること。

4)食堂、売店には、筆談用具を設け、筆談用具があることを表示すること。

【航空機】

1)通路側座席の半数以上に可動式ひじ掛けを装着すること(客席数が30以上の航空機)。

2)トイレについて、車いす利用者の円滑な利用に適した構造とすること(通路が二以上の航空機)。

3)航空機内で利用できる車いすを備え付けること(客席数が60以上の航空機)。


道路

1)道路管理者は、その管理する道路を道路に関するバリアフリー基準(道路移動等円滑化基準)に適合するよう努めなければなりません。

2)生活関連施設間の道路のうち、高齢者、障害者等が通常徒歩で利用する道路を国土交通大臣が指定し、特定道路とします。
道路管理者が特定道路の新設・改築を行う際には、道路移動等円滑化基準への適合が義務付けられます。
特定道路の新設・改築後は、当該基準を維持するように管理することが道路管理者に義務付けられ、また当該道路には道路占用の許可基準の上乗せ措置(新設・改築後の歩道幅員を確保するための措置)も講じられます。
なお、重点整備地区内の生活関連経路を構成する道路については、これまでと同様に、重点的に道路特定事業を実施していくこととします。


※道路移動等円滑化基準とは、幅の広い歩道の設置、歩道の段差解消・勾配改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置、案内標識の設置、エレベーターの設置、バスに乗りやすい歩道の高さの確保、ベンチなどの休憩施設の設置などについて定めた基準です。


信号機等

都道府県公安委員会が基本構想に位置づけられた交通安全特定事業により信号機や道路標識などを設置する際には、次の基準に適合させなければなりません。

【信号機】

信号機については、音響機能、歩行者用青時間延長機能又は経過時間表示機能を付加したもの、あるいは歩車分離方式のものとすること。

【道路標識・道路標示】

反射材料を用いるなど見やすく分かりやすいものとすること。また、横断歩道には必要に応じて視覚障害者誘導用ブロックを設けること。


路外駐車場

特定路外駐車場を設置する際には、車いす使用者用駐車施設を1以上設けるなど、路外駐車場に関するバリアフリー化基準(路外駐車場移動等円滑化基準)に適合させなければなりません。また、既設の特定路外駐車場に対しても、基準に適合するよう努めなければなりません。なお、特定路外駐車場を設置する際は、都道府県知事等に届出なければなりません。


※特定路外駐車場とは、道路の付属物である駐車場、公園施設である駐車場、建築物及び建築物に付属する駐車場を除く路外駐車場であって、駐車の用に供する部分の面積が500平方メートル以上であり、かつ駐車料金を徴収するものです。


都市公園

都市公園において特定公園施設の新設・増設・改築を行う際は、都市公園に関するバリアフリー化基準(都市公園移動等円滑化基準)に適合させなければなりません。また、既設の特定公園施設に対しても、基準に適合するよう努めなければなりません。


※特定公園施設とは、都市公園の出入口・駐車場と特定公園施設及び主要な公園施設との間の経路を構成する園路及び広場/屋根付広場/休憩場/野外劇場/野外音楽堂/駐車場/便所/水飲場/手洗場/管理事務所/掲示板/標識です。

※都市公園移動等円滑化基準とは、園路・広場の出入口、通路・階段・傾斜路に関する幅・勾配、主要な公園施設への接続の確保、車いす使用者用便所・駐車施設・観覧スペースの設置などについて定めた基準です。


建築物

1)誰もが日常利用する建築物や老人ホームなど(特別特定建築物)について一定規模以上の新築等を行う建築主等は、バリアフリー化のための必要な基準(建築物移動等円滑化基準)に適合させなければなりません。また、これらの既存の建築物に対しても、基準に適合するよう努めなければなりません。
なお、対象とする建築物の用途、規模や建築物移動等円滑化基準の内容については、地方公共団体の条例により強化することができます。

2)多数の者が利用する学校、事務所など(特定建築物)について新築等を行う建築主等は、建築物移動等円滑化基準に適合するよう努めなければなりません。

3)バリアフリー化のための誘導すべき基準(建築物移動等円滑化誘導基準)を満たす特定建築物の新築等をしようとする建築主等は、所管行政庁による計画の認定を受けて、さまざまな支援措置を受けることができます。

※特別特定建築物とは、・不特定かつ多数の者が利用する百貨店、劇場、ホテルなど ・主として高齢者、障害者などが利用する老人ホームなど です。

※一定規模以上の新築等とは、建築工事をする床面積の合計が2,000平方メートル(公衆便所については50平方メートル)以上となる新築、増改築や用途変更です。

※建築物移動円滑化基準(最低限のレベル)とは、・車いす使用者と人がすれ違う廊下の幅を確保する ・車いす使用者用のトイレがひとつはある ・目の不自由な方も利用しやすいエレベーターがある などです。

※建築物移動等円滑化誘導基準(望ましいレベル)とは、・車いす使用者同士がすれ違う廊下の幅を確保する ・車いす使用者用のトイレが必要な階にある ・供用の浴室なども車いす使用者が利用できる などです。

※特定建築物の認定の支援措置とは、表示制度、容積率の特例、税制上の特例、低利融資、補助制度 です。


※「バリアフリー新法の解説からユニバーサル社会の実現をめざしてから」から

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