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更新日:2021年8月25日
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新型コロナウイルスの感染が急拡大して入院調整が困難を極める中、入院までの間、酸素投与の応急処置をする「かながわ緊急酸素投与センター」の運営に当たる専門家に状況を聞きました。
神奈川県で、新型コロナウイルスの感染の急拡大が止まりません。
8月に入っても、感染拡大が続いており、1日当たりの新規陽性者数も最多を更新しています。
入院調整が困難を極めているとの報道を見た方から、「県の取組が見えてこない」とのご意見もいただいています。
そこで、応急処置に当たる看護職に状況を聞きました。
(8月5日、8月10日に取材。撮影時の8月5日は、防護具を着用していませんが、センター稼働開始後は、防護具着用での対応となります。)
話を聞いたのは、8月7日から稼働した「かながわ緊急酸素投与センター」の運営に当たる、よこはま看護専門学校校長の長岡 美穂さん、看護師資格を持つ専任教員でもあります。
「神奈川県では、2021年2月、医師により入院が必要と判断された方の搬送先が確定するまでの間、酸素投与の応急処置をする緊急的な施設を、県立スポーツセンター内(藤沢市善行)に設置することとし、必要時にはいつでも開設できる体制をとってきました。幸いなことに、第4波までは、開設に至らずにすみました。」
県立スポーツセンターは、オリンピック、パラリンピック期間、外国チームが事前キャンプを行うことから、その後の感染拡大に備えて、場所を変えたのですね。
「はい。6月から、横浜伊勢佐木町のワシントンホテルでの開設に向けて、ベッドや酸素濃縮装置などの機器の運び込みをするなど、準備を進めてきました。また、感染症の専門家の指導の下、処置エリアとスタッフエリアの区分をしました。」
さらに、長岡さんは、続けます。
「かながわ緊急酸素投与センターを開設するには、機器などのハード面だけではなく、医師、看護師など人員の配置が必要です。県立看護学校3校の専任教員も、看護職としていつでも運営管理に入れるよう、2月からシミュレーションを繰り返してきました。処置エリアで作業する際の防護具の着脱、D-MATや民間派遣からの勤務予定者も交えたリハーサルなども行いました。開設に至らないことを祈ってきましたが、8月7日に、とうとう開設することになってしまいました。」
「さっそく開設初日の7日の夜から、自宅や宿泊施設で療養されていた方で、症状が増悪した方が次々と搬送されてきました。年齢的には若い世代が大多数です。あくまでも入院調整を待つ間の救護施設ですが、酸素投与で少し楽に過ごせるようになる方もあります。」
「計画では、入所翌日には病院へ移れるよう入院調整をすることとしていますが、入院病床がひっ迫してきており、入所された翌日に病院へ移れるとは限りませんでした。」
「当初予定していた人員だけでは手が足りず、急きょ専任教員や看護師資格を持つ県職員に夜勤を含めた応援を依頼することになり、私自身も夜勤のローテーションに入りました。救えるいのちを救うため、専門職が一丸となって対応に当たっています。私は、普段は県の設置した看護学校で校長をしていますが、このような事態にあっては、一人の看護職として、できる限りのことをしたいと考えています。」
「感染は、決して他人事ではありません。まずは、皆さん一人ひとりができることを考えて、ご自身や大切なご家族、ご友人のいのちと健康を守ってください。医療現場の負担を少しでも軽減するためにも、これ以上感染を拡大させないよう、ご協力をお願いします。」
これまでの現場レポート
夏季は熱中症、脳卒中、スポーツ外傷などによる救急搬送が多い季節です。
このまま人流が減らず、新型コロナの感染拡大が続くと、けがや病気などのときに救急車が駆け付けられなくなる可能性があります。
総務省消防庁の発表では、県内3政令市の各消防局での救急搬送困難事案は、次のとおりとなっています。
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