更新日:2024年1月5日

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稲発酵粗飼料(稲WCS)について

  稲発酵粗飼料(稲WCS)

  稲発酵粗飼料(稲WCS、イネホールクロップサイレージ)は、イネの穂と茎葉をまるごと収穫して乳酸発酵させた牛の飼料です。一般的には、ロール状に成型したものをラップフィルムで密閉して乳酸発酵させることが多いです。

   稲WCSの活用

   飼料用イネは、水田の有効活用や飼料自給率の向上のために作付けが推進されています。 耕種農家は水田をそのまま活用して飼料用イネを栽培できるので、施肥、除草、病害虫防除にかかる経費、収穫にかかる労力を削減することが期待できます。また、酪農家は耕種農家と連携して作付けと栽培管理を委託することで、収穫作業のみを担当することで粗飼料(稲WCS)を入手することができます。

  飼料用イネ専用品種

  稲WCSには食用品種も利用できますが、一般的には収量、栄養価、嗜好性の優れた専用品種を利用します。また、食用品種との作業の集中を避けるため、作期分散を考慮して品種を選定します。 県内で栽培実績のある専用品種「つきすずか」は、極短穂で倒伏に強く、茎葉割合が高く糖分含量が高いため、WCSの発酵品質や牛の嗜好性が優れています。

   収穫・調製  

   飼料用イネの収穫は、栄養価やWCSの発酵品質から黄熟期を基本とし、乳酸発酵を促進するために水分含量が70%以下になってから行います。収穫調製は「予乾体系」と「ダイレクト収穫体系」があります。予乾体系では、モア、テッダ・レーキ、ロールベーラなどの畜産農家が所有する牧草の収穫機械を利用して刈取り後に水分含量を調整してWCSを調製します。ダイレクト収穫体系では汎用収穫機械で刈取・細断しながら直ちにWCSを調製します。どちらの場合にも、WCSの品質低下を招かないように乳酸菌を添加するとともに土砂の混入を抑え、保管中はラップフィルムの破損に注意を払うことが必要です。

   助成金の利用

   稲WCS用イネを栽培すると、耕種農家は、水田活用の直接支払い交付金(8万円/10a)、産地交付金(1.4万円/10a)などの助成を受けることができます。

 

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