第9期第1回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その1)

掲載日:2018年8月30日

〔日時〕平成30年8月1日(水曜日) 10時から11時50分まで
〔場所〕神奈川県庁新庁舎5階 第5B会議室

・事務局から、12名の委員中11名の委員に出席をいただいており、会が成立する旨を確認。
・添田人権男女共同参画課長のあいさつ、第9期委員紹介の後、議事を行った。

 

<事務局>
 議事1「会長、副会長の選出について」でございます。審議会規則第4条により「委員の互選により定める」こととなっております。まず、会長の選出から行いたいと思いますが、事務局から案があればお願いします。
(事務局より、岩田委員を推薦)
 ただ今、事務局からの案がございましたが、他にご意見はありますでしょうか。それでは、岩田委員に会長をお願いすることとしてよいでしょうか。
(委員了承)
 それでは、岩田委員に会長をお願いいたします。岩田会長は、会長席に移動をお願いします。
 ここからの議事の進行は、岩田会長にお願いいたします。

 

<岩田会長>
 ただ今、ご選出いただきました岩田と申します。2年間どうぞよろしくお願いします。
 多くの方は前期から引き続き委員をお務めになっていらっしゃいますので、その方々にはどうぞ引き続きということでございますし、また、新しい委員も数人就任されましたので、新しい方にはこれからどうぞよろしくお願いいたします。
 添田課長の最初のごあいさつの中にありましたが、この2年の私たちの審議会の役割は何だろうかと考えてみると、1つは、前期に男女共同参画推進プランの改定という大きな仕事をしました。新しいプランで初めて、プランの進捗状況の評価を、当審議会が行うということになりました。私たちの評価は公表もされるということですので、審議会としてプランの進捗状況をどのように評価していくのか、評価のプロセスや評価結果の公表の仕方など、この審議会で初めて議論することになりますが、それが1つの仕事であるかと思います。
 もう1つの大きな仕事が、今日の議題にもなっている「かながわDV防止・被害者支援プラン」の改定です。このDVプランは、男女共同参画推進プランの一部に溶け込んでいるような位置付けのプランですが、その改定ということで、大変大きな仕事であり、今日、その議論をさせていただきたいと思っております。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、副会長の選出に移りたいと思います。「委員の互選により」ということになっておりますが、もし、ご異議がございませんでしたら、前期から引き続きご就任いただいている松田委員に、副会長をお願いしたいと思います。よろしゅうございますか。
(委員了承)
 それでは、松田さん、よろしくお願いしたいと思います。一言ごあいさつをお願いします。


<松田副会長>
 ただ今、ご指名いただきました松田正樹です。どうぞよろしくお願いします。諸先輩方、各分野の専門家がいらっしゃる中、若輩者ではございますが、指名をいただきましたので、2年間務めさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

<岩田会長>
 どうぞよろしくお願いします。それでは、これから審議を始めたいと思いますが、まず、事務局からご説明いただく事項がありますのでよろしくお願いします。

 

<事務局>
 審議会及び会議録の公開について説明させていただきます。当審議会は、附属機関に当たることから、「情報公開条例」第25条により、会議は原則公開となっています。しかし、会議を公開することにより、当該審議会の公正又は円滑な運営に著しい支障を生ずるおそれがある時などは、非公開とすることができます。
 公開の際の傍聴については、「神奈川県男女共同参画審議会傍聴要領」に基づき実施します。なお本日は、傍聴希望者はいらっしゃいません。
 また、会議録については、「附属機関の設置及び会議公開等運営に関する要綱」第9条に基づき、公開等を行います。

 

<岩田会長>
 今のご説明について、ご質問やご意見はありますでしょうか。それでは、従来どおりですが、当審議会の会議自体及び会議録については、公開することといたしたいと思います。
(委員了承)
 それでは、議事に入りたいと思います。まず「2 かながわDV防止・被害者支援プランの改定」に関連した「県民ニーズ調査の結果」について、事務局からご説明をいただきます。

 

<事務局>
資料1に基づき説明

 

<岩田会長>
 ただ今のご説明に対して、ご質問やご意見はございますか。

 

<神尾委員>
 8ページの「DV被害者相談窓口についての周知度」について、平成24年度調査と29年度調査とで、質問の文言が違っています。特に「情報提供等を受けることができることへの周知度」が24.8%から53.1%へと、この5年間ですごく上がっていますが、質問の文言が違っています。そうすると、当然質問の受け止め方も違うので、単純に増加していると言ってよいのかという問題があるのではないでしょうか。

 

<事務局>
 ご指摘のとおり、24年度と29年度とで、お答えいただく選択の項目が若干変わっている部分があり、全て比較できるものではないというところはございますが、相談窓口については、24年度よりも、よりわかりやすく文言を変更したと認識しております。

 

<神尾委員>
 24年度は「生活保護などの制度の情報提供を受けられる」こととなっていますが、29年度は「支援」も入っています。そして、必ずしも「生活保護など」という文言が入っていないので、全く違う項目というか、比較として記載するのは難しい気がします。
 もし比較するのであれば、5年前の文言にする、例えば「被害者の相談窓口がある」の頭に「DV」を付けるくらいであれば大きな影響はないと思いますが、聞いている項目の表現を変えてしまうと回答者は影響を受けるので、5年後にまた調査を行うのかもしれませんが、5年前と比較するということを考えるのであれば、継続性という観点で質問項目を考えた方がよいと思います。

 

<岩田会長>
 ご意見ありがとうございました。厳密な意味では比較ができないということと、次回の調査の設計時には、今のご意見を十分踏まえ、継続性についてご留意いただきたいと思います。他はいかがでしょうか。この後の議論をする中で、この調査のことについて戻っていただくことは大いにあり得ると思いますので、次の資料のご説明に入りたいと思います。
 事務局から、資料2-1から2-3まで、続けてご説明いただけますか。

 

<事務局>
資料2-1から2-3に基づき説明

 

<岩田会長>
 ありがとうございました。これから約30分、時間を取っておりますので、ぜひ皆様全員から、ご意見を頂戴したいと思います。確認したいのですが、9月に県議会へ報告するわけですね。その時は、資料2-3の骨子(案)のレベルのものを議会へ出すのですか。

 

<事務局>
 議会へ提出する資料は、本日のご議論を踏まえて調整したものとなります。

 

<岩田会長>
 お尋ねしているのは、今日どこまで細かく議論すべきかということです。骨子まででしたら、骨子の作り方やそれぞれの項目の表現まで議論しなくてはならないかと思ったのですが、そこはいかがですか。

 

<事務局>
 資料2-3は、施策の内容から事業案まで、かなり細かく記載しておりますが、本日は、この内容でよいか、という所までお諮りするものではありません。

 

<岩田会長>
 資料2-3は、ご参考として見ていただくということですね。


<事務局>
 今後検討する上で、今の段階からご意見をいただけるのは大変ありがたいですが、今回議会に諮るのは、重点目標の考え方などが中心となってまいります。

 

<岩田会長>
 それでは、資料2-1、2-2を中心にご意見を頂戴し、2-3も、何かお気づきのことがありましたら併せてお尋ねしたいと思います。それでは、どなたからでもご意見をどうぞ。

 

<神尾委員>
 今の計画の課題を踏まえ、次期計画を作るということと思いますが、今の計画の28ページに数値目標がありますが、この数値目標に対して、今の計画はどうであったかということについて、どのようにお考えでしょうか。

 

<事務局>
 現在のプランの28ページに数値目標を記載させていただいており、例えば1つ目の目標は、暴力についてどのように認識しているかということについてです。プラン策定時も記載のとおりの低い状況でございますが、現状も、先程ご説明しました県民ニーズ調査の結果のとおり、目標である100%には達しておりません。目標をそのまま置くかということには議論がございますが、100%に向けてしっかり対策を取っていかなくてはならないということは、今、検討しているところです。
 それぞれの目標について、実際に達成できているかということですが、3番目から6番目の目標は達成しておりますが、1番目と2番目については100%という目標を設定しており、達成できておりませんので、引き続き、しっかり対応していかなくてはならないと考えています。

 

<神尾委員>
 新たな計画の数値目標は、DVの審議会等で話し合われるのでしょうか。今回は、このDVの計画について議論する公の場は特にないんですね。

 

<岩田会長>
 この審議会がその場となっています。

 

<神尾委員>
 私たちが、かながわ男女共同参画推進プランを策定した際に、DVに関する数値目標を掲げなかったでしょうか。

 

<岩田会長>
 数値目標は、この審議会で決めるということと思います。今回は、新しい数値目標の案はご提示いただいておりませんが、私の想定では、1月に、計画の全体について審議にかかり、その時には数値目標も入っていると思いますので、今の段階で数値目標に関するご意見がありましたら、おっしゃっていただければと思います。


<神尾委員>
 重点目標を見ても、今までは「地域における取組み」を特出ししていたのが、重点目標5の中に入ってしまっています。中身は変わらないのでしょうか。今、神奈川県の市町村の数はいくつでしょうか。

 

<松田副会長>
 33です。

 

<神尾委員>
 それでは、あと10市が、関係機関等の連絡会議を設置していないということです。重点目標にも「地域、民間団体、関係機関等との連携」とはっきりと書いてもらいたいです。市民にとって身近なのは市町村で、そのようなところできちんと取り組んでいただくことが大事と思うので、そのあたりを明確に重点目標のタイトルにも入れてもらいたい。また、次期改定へのポイントとして、23市町村で満足するのではなく、あと10市町村で取り組んでいただくことも入れてほしいと思います。

 

<事務局>
 先程、目標値の達成状況について間違ったことを申し上げてしまいました。申し訳ございません。5番目の「配偶者等からの暴力の防止に関する関係機関の連絡会議等を設置している市町村数」について、23市町村を目標にしておりましたが、プラン策定時の14市町村より伸びておりませんので、こちらも未達成となっております。

 

<岩田会長>
 あと、重点目標の書き方ですね。地方自治体や市町村などの言葉を入れた方がいいのではないかということと思います。ご意見ありがとうございます。他の方もどうぞ。

 

<太田委員>
 一時保護の件数が減少傾向にある一方で、県警のDV認知件数が増えていることについて、おそらく被害者の求めるものと、一時保護ができるかということに、実際には乖離があるということかと思います。一時保護されるとスマートフォンが使えないということは、私もよく聞く話です。また、同伴する子どもが大きい場合、子どもが嫌がって難しいということもあるのでは思いますが、どんなことを背景として把握されているのか伺いたいということと、他の自治体での傾向なども、もしわかれば教えていただきたいです。
 資料2-3の中で、一時保護利用者への支援の中に同伴児への支援があり、ここは結構ポイントなのではないかと、相談を受ける中で私も思うことがあります。未就学ぐらいでしたら何とかなりますが、小学校中学年以上では、おそらく無理なんですよね。実際、一時保護の中で、就学以上の同伴児にどのような支援ができているのか、また課題と感じていらっしゃることを伺えればありがたいです。
 最後にぜひお願いしたいこととして、資料2-3 重点目標1に記載の「学校における人権教育の推進」について、若年層から性差別的な意識がすごくできているという実感があるので、低年齢のうちから、DVの根底にある性差別や人権に関する教育を、ぜひお願いしたい。私は息子がいますが、既に色々な意識が入ってきているのをすごく実感しているので、ぜひ小学校低学年からやってほしいという、これは親としてお願いしたいと思います。

 

<事務局>
 一時保護の課題である、どうして施設に入らないのか、また入ってもすぐに退所してしまうのかということについて、退所した方にお聞きしなくてはわからないことではありますが、色々悩まれ、一週間くらいで帰ってしまう方は、DVの心理的な関係性からなかなか抜けきれない。DVに関する心理教育的なものをこちらが説明しても、やはり本人が何回か繰り返さないと、連鎖から抜けきれないのだと思います。暴力を受け、また優しくなり、離れてみるといい人だと思えてしまい、他の親戚も頼れないので、やはり戻りますとなってしまうのが残念なところです。
 また、携帯の問題ですが、チェックさせていただいた上で個別ロッカーに施錠して保管しますが、実際には何台もお持ちで隠し持っていたり、ゲーム機器などにもGPS機能が付いていて、加害者から追跡されてしまうということがあります。今、色々なものが通信できるので、他所へ移っていただくような危険なこともあります。今年度になってから、夜中に保護したところ、数時間後に夫がGPS機能を使いこちらに訪ねてきて、警察を呼んで説得の上、加害者を警察署へ連れて行ってもらい、弁護士を通してやってもらいたいということをお願いしたこともありました。
 若い方は、携帯が手放せないという気持ちはわかるのですが、本当に危険な方については、ご理解いただかないと厳しい状況です。そこまでいかない方についてはどうなのかという問題はありますが、結局、危険な方とそこまでではない方が混在して一時保護を行っているので、携帯の問題は課題ではありますが、安全性を考えると、お願いして預からせていただいているという状況があります。
 同伴児童のことについて、小学生以下の場合は問題ありませんが、男の子の場合は、男性というだけで怖いなど、入所者が意識してしまう場合があるので、中学生は男子部屋を1つ設けています。その他の場合は、親戚に預かっていただいたり、加害者の所にそのままいたりということがありますが、児童相談所に保護となることも多いです。小学生には、非常勤ですが教育指導員を配置しており、学習の機会を設けています。地方の分校ではないですが、教科書も学習の進捗度合いも様々な子どもを一人の先生がみており、子どもの人数が多いと、心理のスタッフが補佐に入り、教育の機会の保証をしています。同伴児童の中には、何の説明もなく無理矢理連れてこられた子もいるので、昨年度の後半から、心理の職員が、親と一緒ではない、子どもとだけの面接を行い、子どもの意思を尊重する方向で、今、取り組んでいます。
 どこの自治体も、一時保護の件数は減少傾向にありますが、東京や神奈川は、中でも減少幅は少ない方で、地方によっては、件数が一桁、二桁というところもあります。その他の様々な社会資源が増えているということもあるかと思いますが、今、一時保護している方は危険な方、また、一時保護の3割はDVではない方となっています。7割はDVですが、1割はデートDVを含め、親や子どもからの暴力など、DVではないけれども暴力被害を受けた方、2割は様々な要因で住むところがなくなったり、家族から追い出された方、また、性風俗などでだまされ被害にあわれた方もごく一部います。そういった形で、携帯の制限をしなくてもいい方と制限をしなくてはならない危険な方とが一緒の所にいなくてはならないという不便さはあるので、そこは今後の課題と思っています。

 

<岩田会長>
 今の話の続きとなりますが、先程、私は間違ったことを言ってしまいました。新しい男女共同参画推進プランの中に、既にDVに関する目標や参考数値があります。目標は「夫婦間の5つの類型の行為について、暴力と認識している人の割合」で、目標値は全て100%となっています。参考数値は「DVの相談件数」と「一時保護件数」の2つです。
 ですから、今度改定するDVプランの数値目標は、もう決まっているということですか。それとも、これをベースに、さらに付け加えることもあり得るということですか。

 

<事務局>
 男女プランでご審議いただいた目標値は入れさせていただくことになると思いますが、DVプランとして更に必要なものがありましたら、追加して入れてまいりたいと思っています。

 

<岩田会長>
 よくわかりました。それでは、目標の議論は1月にさせていただきたいと考えております。
 太田委員の質問に割って入ってしまい申し訳ありませんが、今、ご紹介したとおり、男女共同参画推進プランの参考数値として、一時保護件数が挙がっています。今のご説明は、色々と事情があり困難なことがあって、全国的にも一時保護件数は減少しており、それは仕方のないことであって、手の打ちようがないとも受け止められかねないような内容でしたが、プランの参考数値としているということは、できれば一時保護件数は増やしていかなくてはならないというような問題意識で挙がっているのではないですか。
 もしそうだとすると、件数を増やすために、或いは減少幅を小さくするために、何か手はないのかということを、今回検討する必要があるのではないかと思ったのですが、その点について、もう一度よろしいでしょうか。

 

<事務局>
 一時保護件数が増えた方がいいのか減った方がいいのかということは、簡単に言える話ではなくて、相談も減り一時保護件数も減って、DV相談の潜在的なニーズもなくなるということが、将来的な目標であると思います。ただ今は、特に警察での認知件数が増えていて、相談件数も横ばいになっている。配偶者暴力相談支援センターとしての相談件数自体は、全国的には伸びておらず、警察の方が伸びている状況で、それに対して一時保護が減っているのはどうしてなのかということを、国としても課題と思っており、この7月30日に、困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会が、厚生労働省の方で立ち上がったところです。
 よって、神奈川県だけでなく、全国的にも課題と捉えていて、全国の所長会でも、このことを取り上げ、8月に、厚生労働省とタイアップした研修会と協議を行います。昨年度に国が調査を行っており、それに基づいて国の方でも検討しておりますし、県もDV対策推進会議がありますので、検討を進めていき、できる限りの努力はしたいと思っています。

 

<岩田会長>
 ぜひお願いしたいと思います。警察に訴える件数が増えているのは、暴力が差し迫った状態にある案件が増えているということなので、やはり受け皿としてもっと何か工夫ができないかということを、ぜひ検討していただき、最終案に何か盛り込んでいただければ大変ありがたいと思いました。

 

<白河委員>
 今の件について、子どもも、一時保護所に行った時に携帯を取り上げられるのが苦痛だ、友だちとの関係も断ち切られてしまうということで、今、児童虐待の方で問題になっているんですね。携帯や通信機器の扱いは本当に難しいですが、今の方たちにとっては、情報を得る術でもあるので、取り上げるだけではなく何かできないかということ、また、配偶者は、GPSで追跡できるような機能を入れているわけですよね。ですから、IT機器の専門家たちの助けを借りて、GPSで追跡できないように機能を切るということができないでしょうか。
 今は、ホテルに行っても外国人用の貸しスマートフォンがあるので、新しいアドレスのものを一時的に貸してあげてもよいのではないかと思います。情報検索などもスマートフォンでやっており、それが全てなくなるのはなかなか難しいでしょうから、ITの専門家の力を借りるのはどうかと思いました。
 2点目は学校教育のあり方で、小中高の教育はもちろん重要ですが、文部科学省の下、教えてもいいこととそうでないことがあり難しく、大学では何を教えてもいいので、県の力が及ぶのは大学なのではないかと思いました。大学1年時に、勉強の仕方などを教える共通講座があるので、性教育も含め男女の人権教育をした方がよいのではないかと思いました。女子大でやっているところもありますが、ほとんどデートDVの啓発なんですね。しかし、本当に必要なのは男子大学生への教育であって、巨大なマンモス大学のキャンパスなどもあり、集団レイプなどが発生しても大学の対応は本当におざなりなものなんですよね。やはり男子大学生にもきちんと教育する、1年次の必修科目の中にそういうものを入れていくことが必要と思います。
 私の友人がやっている女性団体は「セクシャル・コンセント・ハンドブック」というものを出しています。「セクシャル・コンセント」とは「同意がないセックスはレイプである」ということです。ハーバードなどもキャンパスレイプが多いので、そのような啓発のために始まったものが日本に入ってきて、大学生にもわかりやすいような冊子になるためのクラウドファンディングをして、今、色々な大学へ啓発と一緒に配っているんですね。そのような民間のものを使うこともできると思います。
男子大学生たちの受け止めは非常に様々ですが、山田昌弘先生が社会学の授業で教えたところ、「女性が交際をOKしたら、全てを受け入れるという意味ではないのか」ということを真顔で発言した男子学生がいたとか、姫野カオルコさんの集団レイプ事件を扱った小説でも、行為に至る意識として「頭の悪い女の子には何をしてもいい」と加害者が言っており、裁判の傍聴結果からもわかることなので、かなりリアルな部分なのではないかと思います。大学生1年次での啓発はすぐにできそうなので、ぜひやってほしいと思います。
 3点目は、このテーマと直接関係があるわけではありませんが、私は国の男女共同参画基本計画重点方針専門調査会の委員です。今、重点方針と女性に対する暴力に関する調査会とがありまして、女性に対する暴力に関する専門調査会の方で、セクハラに関する議案を活発に議論しているんですね。私どもが委員会等で頑張って意見した結果、当時話題になっていた財務省のセクハラ事件等を鑑み、「女性活躍加速のための重点方針2018」の中に、女性に対する暴力は色々ありますが「セクシャル・ハラスメントを含んだ、許しがたい人権侵害である女性に対する暴力」という言葉を初めて入れていただきました。
 なぜかというと、女性に対する暴力というと、どうしても夫婦間DV、デートDV、JKビジネスなどに終始してしまい、セクハラという会社や仕事関連における女性やLGBTの方への性的暴力、SOGIハラスメントなどが、今までの法律では全然防げていなかったということが今回明らかになりましたので、今、国は急いでその対策をしようということで、女性に対する暴力に関する専門調査会では、毎回毎回そのことについて議論をしています。今度は、労働政策審議会でも、セクハラ罪などの法律改正が必要なのか等が議論されます。
 ジュネーブでの今年のILO総会の一番のテーマは「仕事場における暴力の根絶」で、今、世界的なテーマともなっており、企業でも何らかの措置をしなくてはならない。神奈川県も非常に企業が多いところですので、このDV防止プランの中には入らないのかもしれませんが、4月に事務次官が辞任し、セクハラ対策のフェーズがはっきり変わったと思いますし、昨年度に改定した男女共同参画推進プランの中には、セクハラについてそこまで入っていなかったので、もし間に合うのであれば、また、どこで話し合うべきなのかも教えていただきたいです。

 

<岩田会長>
 事務局は、今の3点について何かコメントをされますか。

 

<事務局>
 小中高だけではなく、教育の現場として大学が非常に大事ということ、特に男子学生への教育がポイントというご意見を頂戴しました。デートDVに関する講座は、かながわ男女共同参画センター(かなテラス)で実施しており、今のご提案を生かした形で事業を進められないか、検討させていただければと思います。
 セクハラやLGBTの方も含めた対応について、現在、我々の中でも重い課題と思っており、人権問題としても扱っているところでございます。改定した男女プランの中でも、LGBTへの対応を盛り込んでおります。DV防止については、LGBTの方からの相談も受けている旨明記し、ご案内をしているところですが、国の動向も見ながら、検討してまいりたいと思います。
 また、セクハラについては、非常に問題が大きくなってきているところで、民間も含め県全体でどのようなことをやっていくことができるのかが一つの課題としてございますので、このプランに盛り込むのがよいのかという点を含め、検討していきたいと思います。

 

<岩田会長>
 一時保護施設でのスマートフォン対策については、ご検討いただくということでよろしいですか。

 

<事務局>
 個人的には、IT専門の企業などとタイアップして工夫できるのが一番よくて、女性相談所だけでできる問題ではないと思っているので、できれば、人権男女共同参画課と相談しながら、国へ要望していくことができればと思っています。

 

<岩田会長>
 或いは、自分たちで、県で何かできるか、ですね。3点目のセクシャル・ハラスメントは、DVプランのフレームには入りにくいと思います。予算要求などもこのフレームの外でされると思いますので、その中で強化できるものがないか検討していただき、審議会としては、男女プランのフォローアップをしますので、その中で、セクシャル・ハラスメントの議論をしたいと思います。

 

<吉田委員>
 NPO法人の立場で意見を言わせていただきたいと思います。警察のDV認知件数が増えているということで、実際にDVの連絡をして警察が動いたという話なのでしょうが、その後、この家族はどうなっているのだろうということがとても気になるんですね。警察がその時に来てくれて、逮捕してくれることもあるのでしょうが、その後どうなっているのかなということが気になります。
 私どもの女性会議でも、市の女性相談をやっていますが、どんどん相談件数が減っていき、ほとんど待っているだけの日々です。折角相談員を派遣しているのに、その方も、待っているというのはなかなか忍耐でして。電話がきたり、面談に来た場合には、本当に丁寧に対応しているのですが。神奈川も広いので、エリアによっては、すぐに生活保護に直結してあげなくてはならない所と、所得層は高いけれど深刻なDVがあるなど様々ですが、最近は相談件数が減ってしまっており、基本3人が交代でやっていますが、資源的にももたないと思っています。
 そのあたりを、県の方でももう少し、他の所はどうなのかとか、どうすればいいのか、ですよね。警察に通報してもいいんですが、DVはそれで終わり、ではないので、その後の話を私どももフォローしていきたいので、上手い方法はないかなと思います。

 

<岩田会長>
 今の、相談員を3人置いていらっしゃる団体はどこですか?

 

<吉田委員>
 市から委託を受けて、かながわ女性会議がやっています。以前事件があったため、その市も、相談業務をやめられない事情があるのだと思いますが、私たちの方も、相談件数が減り、相談室でずっと待っているのはむなしいですよ。もう少し意味がある相談室にしたいと思っていまして、メール相談をしてはどうかとか、NPOの中でも色々と議論が出ています。相談員さんは、市役所の職員で女性相談をやっていた方や、生活保護の就労支援をしていた人など、かなり実績がある方たちで、折角機会を与えられてやっているので、もう少し意味のあることをしたいなと。警察のDV認知件数が増えているということは、恐ろしいことですよね。どうなってしまっているのだろうと、少し心配になりました。
 2つ目は、白河委員のお話にもあったとおり、若い人たちへのDV教育というか、男性も、弱い女性を従えることで、やっと自己肯定感を得ることができるというような寂しさ、それから女性の方も、男性から求められたら、自分が愛されているという誤解で自己肯定というような、寂しい状況が日本にはあって、男性も女性も、もっと自らが自分を肯定できるような社会になってほしいと思っています。
 神奈川大学でもジェンダーの授業をやっており、心理学の中でも、DVはどうなのかということで、グループワークを取り入れている授業なので、皆に考えてもらう中で、男性もハッと気がつくようです。やはり、男性も女性も、若い人たちがもっと自己肯定感を持ってもらいたいと思っており、おそらくDVのことを考えるだけのグループワークではなくて、根本的な大事な部分が抜けているのではないかということを、大学の授業の中で感じています。簡単に解決する問題ではないと思いますが。
 そういう意味では、DVを受けた方の話、自分なりに解決した方の話などを聞くと、ご本人も、依存している中でDVを受けていて、そうとはわかっていない中から、自分自身を見出すという、基本的なところですから、そのような現実の話を聞くことも、大学で皆が受けられるといいのかなと。感想めいていてすみませんが、大事なことと思いますので、若い人への教育は入れてほしいと思います。

 

<岩田会長>
 事務局は特によろしいですか。

 

<事務局>
 DVを受けた方のお話を聞くというようなご助言をいただきましたので、考えたいと思います。

 

<吉田委員>
 大学でできるといいと思います。

 

<岩田会長>
 それでは、まだご発言されていない方、松田副会長、どうぞ。

 

<松田副会長>
 端的に4点だけ。まず、資料2-2の2ページ目「改定の方向性」ですが、支持します。3ページ目の、骨子(案)の構成順を入れ替えるとのこと、昨年度に男女プランの改定について検討させていただいた一人として、賛成します。
 2つ目に、資料2-3の重点目標「2 安心して相談できる体制」について、神奈川県は結構努力し、充実を図っていると思っています。例えば、女性の相談員による電話相談は、祝日はやっていないものの、月~金曜と土・日曜はやっていますし、女性の週末ホットラインは、夜9時まで、祝日もやっているので、これは他県に誇れる点です。更に多言語ですが、英語、中国語、ハングル語、スペイン語、ポルトガル語、タガログ語、タイ語などでやっており、これも、他県に比べ神奈川県は素晴らしいと思います。
 3つ目に、重点目標「5 関係機関等との連携」について、県内の33市町村も大切ですが、場所柄、東京都や静岡県とも連携していってほしいと思っています。例えば、今年の4月に川崎市内で、施設にいたお母さんと1歳児のうち、子どもが誘拐される事件が起こりました。2日後に、東京都荒川区で1歳児を連れた男性が見つかり、見つけた警察官と車の助手席に座っていた男性が切りつけられるという事件がありましたが、やはり他県との連携も必要と思います。また、NPOとの連携も大切で、男性への啓発について、平成28年度事業となりますが、県内のNPOが神奈川県と連携して男性向けの加害者プログラムを開催し、男性30名ほどの参加者がありましたので、神奈川県は努力していると思います。以上4点です。

 

<岩田会長>
 ありがとうございました。他にまだ、ご発言なさっていない方はぜひお願いします。

 

<政金委員>
 これまでの経過を十分把握していない中でご質問させていただきますが、次期プランでは「『精神的暴力』への理解のための啓発の強化、DV理解のための啓発」が最初に来るのはいいと思います。ただし、おそらくこれまでも、取組みとして県民への周知や啓発、企業への協力依頼などをなさってきたのではないかと思います。これまでどういうことをされてきて、成果としてこういうものがあり、今回の改定に当たり、新しくこのような啓発の方法や周知をしますということを事務局がお考えであれば、教えていただきたいと思います。
 もう一つは、非常に難しいとは思いますが、資料2-2の4ページで、警察のDV認知件数が増加しているが、県センターへの相談件数が減少していることについて、自分でも腑に落ちないことがあって、想像ではありますが、警察が把握している件数は、いわゆる「暴力」であろうと思っています。相談件数は、5ページの表を見ると、「精神的暴力」が多いのかなと。すると、潜在的にまだまだ隠れているものが相当数あると思われ、そのような中で、啓発・周知が最も重要であろうと考えます。

 

<岩田会長>
 事務局からコメントがありましたらお願いします。特に、ご意見をいただいても、それはとても難しいというものがありましたら、この場でご説明ください。

 

<事務局>
 今までどのような啓発をしてきたのかというお話があり、「DVに悩む女性たちへ」といった啓発資料を作成し配布させていただく、或いはDVの気づき講座を開催させていただくなどの啓発事業を進めてきましたが、精神的暴力については、暴力でありしてはいけないという認識がまだ甘く、なかなかご理解いただけていないのではないかという課題があると思われますので、具体的に、相談を受けている内容を分析し、どのような相談が来ているのかという実態を確認した上で、具体的な啓発資料を作成し、それを広く届くような形で普及していきたいということを、今、考えているところです。今までは、精神的暴力について特化したものを作っておりませんでしたので、今回はそこへ踏み込んでいこうと考えております。
 また、警察で扱われている案件と、相談につながっているものは、全部が重なってくるものではなくて、緊急性があるか、警察の方で介入すべきものか、また、かなテラスの方で受けているような、初期の段階からの様々な相談がありますので、警察の方へ全て行っているわけではございません。相談が届きやすいようにということで、相談窓口の周知には努めており、ご案内カードを作ったり、ホームページを見やすくしておりますが、その辺りももう少し工夫できるところがあるかと思います。

 

<事務局>
 先程、相談につながっていないのではないかという話がありましたが、一昨年度から昨年度は、県で受けているものは少し上がっており、ここ3ヶ月くらいも、前年度比より少し伸びています。その理由はと言いますと、「テレビ番組の特集で取り上げられたのを見て、自分もそうではないかと思い電話した」「そのような場面になったときに、ネットで検索したら見つかったので電話した」などのことで相談が増えるなど、何が効くのかといった決定的な、効果的な手法は持っていませんが、何かすれば掘り起こせるのではないかというような手触り感は持っているので、アイデアを絞り働きかけをすれば、私どもへの相談は増やせるのではないかと思っています。

 

<岩田会長>
 ありがとうございます。それでは、先程お手を挙げた方どうぞ。

 

<松井委員>
 基本的に、骨子(案)のとおりでいいと思っています。啓発や相談窓口の周知度は、実際には100%に達するということはないだろうと思っており、私たちは目指すべき数値とを分けて審議しないと、空回りしてしまうのかなと思います。
 また、DVの定義というか、分類がはっきりしない。はっきりしないから、先程のスマートフォンの問題なども、一律に全部取り上げざるを得ないという状況なのだろうと思われます。このような場面ならばスマートフォンを使っても大丈夫だが、このような場合にはダメという分類ができなければ難しいのではないかというのが私の意見なので、審議会の意見として、携帯やスマートフォンの使用は仕方がないということであれば、場面やケースによって違うのであろうと思われます。
 次期プランの構成を変えるのは、よりわかりやすくなり素晴らしいと思います。
 なお、この問題には、精神疾患や生活の不安定さがかなり密接に絡んでいると私は思っています。プランへどのように入れられるかは難しいとは思いますが、件数等を見ていく中で、絶対に避けて通ることはできず、私たちが思っている一般的なDVとは違う原因がおそらくあるのだろうということを、審議をしていく中では踏まえておかないといけないと考えています。
 最後に質問ですが、男性相談の中で、妻からの言葉で精神的なダメージを受ける、また、子どもの前でDVをやられるのはよくないとの説明がありましたが、これは件数の順位順の説明ですか。それとも「例えば」ということでご説明されたのですか。


<事務局>
 ただ今ご質問がありました男性相談の件は、事例ということでご紹介しました。

 

第9期第1回神奈川県男女共同参画審議会(その2)へ続きます。