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更新日:2022年12月23日

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令和5年春のスギ・ヒノキ花粉飛散量は多い
令和4年度県内スギ雄花の着花量調査結果まとまる

2022年12月23日
記者発表資料
(県政・厚木・大和・相模原・平塚・藤沢・秦野・小田原記者クラブ同時発表)

自然環境保全センター(厚木市七沢)では、令和5年春のスギ・ヒノキ花粉飛散量を予測するため、県内のスギ林30箇所とヒノキ林40箇所で花粉を飛散させる雄花の着花量調査を実施し、結果をまとめました。

1 調査結果の概要

今回のスギ調査では、スギ林30箇所の着花点数の平均値は77.8点となりました。この値は、昨年の37.8点および過去26年間の平均45.8点を上回り、過去最高の値となっています(図1)。
一方、ヒノキ林40箇所の着花点数の平均値は59.8点となりました。この値は、昨年の40.7点、過去11年間の平均45.1点を上回り、11年間で2番目の値になりました(図2)。
スギ・ヒノキは猛暑であると雄花の着花量は多くなる傾向にあります。令和4年夏の7月は猛暑、8月は平年を下回る気象条件でした。7月の猛暑と前年がやや少ない年となったことが、雄花の着花量が多くなった要因と推定されます。
今回の調査結果から、令和5年春の花粉飛散量は、スギ・ヒノキともに前年(令和4年春)に比べて大幅に増加し、例年よりも多い大量飛散が予測されます。

 

図1県内スギ林30箇所の平均着花点数の年変化(26年間の平均値45.8点)のグラフ

 

図2県内ヒノキ林40箇所の平均着花点数の年変化(11年間の平均値45.1点)のグラフ

 

2 調査の概要

(1)  スギ
① 調査期間 令和4年11月1日から同月24日まで
② 調査地 県内の森林地帯を次の4地域に区分し、合計30箇所を調査しました。

地域 調査地 箇所数
県北部 相模原市緑区 6箇所
県央部 厚木市、愛川町及び清川村 9箇所
県北西部 秦野市、松田町及び山北町 6箇所
県西部 小田原市、南足柄市及び山北町の一部 9箇所

 

③ 調査方法
各調査箇所のスギ林において40本のスギを抽出し、双眼鏡又は望遠鏡を用いて、1本ごとに着花状況を次の4ランク区分により点数化し、その合計値を本数で除した平均値を調査箇所ごとの着花点数としました。

雄花の着花状況 着花点数
木全体に着花が著しく多い 100点
木全体に認められるか部分的に多い 50点
着花が部分的に認められるか少ない 10点
着花が認められない 0点

 

(2)  ヒノキ
① 調査期間 令和4年12月2日から同月7日まで
② 調査地 県内の森林地帯を次の4地域に区分し、合計40箇所を調査しました。

地域 調査地 箇所数
県北部 相模原市緑区 8箇所
県央・湘南部 厚木市、秦野市、伊勢原市、清川村 9箇所
県北西部 南足柄市、松田町、山北町 9箇所
県西部 小田原市、箱根町 14箇所

 

③ 調査方法
各調査箇所のヒノキ林において見通しのよい10本を調査木とし、双眼鏡又は望遠鏡等を用いて、1本ごとに着花状況を観察して次の6ランク区分により点数化し、その合計値(100点満点)を各調査林分での着花点数としました。

雄花の着花状況 着花点数
木全体に密度が非常に高く着花が非常に多い 10点
木全体に密度が高く、着花が多い 5点
木全体に着花するが密度が低い、一部の枝に着花が多い 2点
一部の枝に着花するが密度も低く少ない 1点
一部の枝に着花するがまばらで非常に少ない 0点
雄花がほとんどないか着花が認められない 0点

 

調査スギ林の状況(清川村煤ヶ谷 土山峠付近 令和4年11月18日撮影)

葉の先端の黄色味かかって見えるのが雄花、3本とも全体によく着花しています。

 

 

花粉を飛散する雄花の着花状況(南足柄市大雄町 令和4年11月14日撮影)

米粒大のスギ雄花が多く着いています。

 

 

調査ヒノキ林の状況(山北町中川 令和4年12月7日撮影)

樹冠のやや薄い黄緑色の部分(右から2本目等)に多く雄花が着いています。

 

 

調査ヒノキ林の状況(相模原市緑区長竹 令和4年12月2日撮影)

枝先の半円形の部分が雄花です。

 

3 参考資料

 

問合せ先

神奈川県自然環境保全センター

研究企画部長 大貫(おおぬき)電話046-248-0323

研究連携課長 増子(ますこ) 電話046-248-0321

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