食品添加物としての次亜塩素酸水(殺菌料)について

掲載日:2020年7月17日

食品添加物とは、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程において食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
厚生労働省において、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全性の確保に努めています。

 食品添加物として使用される次亜塩素酸水(殺菌料)

食品添加物としての次亜塩素酸水は、殺菌料の一種であり、調理器具や容器、野菜・果物等の殺菌方法として大量調理施設衛生管理マニュアル(厚生労働省)に規定されています。

■ 分類

食品衛生法第12条に基づき、厚生労働大臣が指定した、指定添加物※に該当します。

※食品添加物は、安全性と有効性を確認後、厚生労働大臣が指定した「指定添加物」、長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」、「天然香料」、「一般飲食物添加物」に分類されます。

■ 定義

塩酸又は塩化ナトリウム水溶液を電解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液である。本品には、強酸性次亜塩素酸水(0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽(隔膜で隔てられた陽極及び陰極により構成されたものをいう。)内で電解して、陽極側から得られる水溶液をいう。)、弱酸性次亜塩素酸水(適切な濃度の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽内で電解して、陽極側から得られる水溶液又は陽極側から得られる水溶液に陰極側から得られる水溶液を加えたものをいう。)及び微酸性次亜塩素酸水(適切な濃度の塩酸又は適切な濃度の塩酸に塩化ナトリウム水溶液を加えて適切な濃度に調整した水溶液を無隔膜電解槽内で電解して得られる水溶液をいう。)がある。

■ 性状

無色の液体であり、においがないか、又はわずかに塩素のにおいがある。

■ 含量・pH

  強酸性次亜塩素酸水 弱酸性次亜塩素酸水 微酸性次亜塩素酸水
含量 有効塩素20~60mg/kg 有効塩素10~60mg/kg 有効塩素10~80mg/kg
pH 2.7以下 2.7~5.0 5.0~6.5

■ 使用基準等

主要用途 使 用 基 準
対象食品 使用量の
最大限度
使用制限
殺菌料 基準なし 基準なし 最終食品の完成前
に除去すること

■ 使用上の注意点

(1)使用前にpH、有効塩素濃度等を確認すること

(2)有機物等の存在下では殺菌力が低下することが報告されていることから、あらかじめ飲用適の水で食品の汚れを洗浄除去した後、次亜塩素酸水を使用すること

(3)使用後は、食品を飲用適の水で十分に洗浄すること

(4)次亜塩素酸水の生成時には、微量の塩素ガス及び水素ガスが発生することから、生成装置の作動中は十分な換気を行うこと

(5)上記の他、食品調理施設等における衛生管理の一環として次亜塩素酸水を使用する際には、大量調理施設衛生管理マニュアル(厚生労働省)を準用するなど、適切な方法で使用すること

■ 安全性

食品安全委員会の評価において、「最終食品の完成前に除去される場合、安全性に懸念がないと考えられる」とされています。

 食品添加物以外の次亜塩素酸水

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、次亜塩素酸を主成分とする酸性の溶液が「次亜塩素酸水」として販売等されていますが、これは食品表示法に基づく「食品添加物」である旨の表示がなく、上記で定義する食品添加物には該当しません。

食品添加物としての次亜塩素酸水は、塩酸又は塩化ナトリウム水溶液を電気分解して生成された次亜塩素酸を主成分とする水溶液(pHと有効塩素濃度が一定範囲にあるものに限る)ですが、食品添加物以外の次亜塩素酸水には独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公表した「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)」によると、電気分解でない方法で製造されたものもあります。

なお、食品添加物以外の次亜塩素酸水は食品に使用することは食品衛生法では認められていません。

食品添加物以外の次亜塩素酸水の詳細は独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)経済産業省で公表された最終報告等をご確認ください。

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