セレウス菌
特徴
自然界に広く分布している土壌細菌
セレウス菌は人の生活環境や自然環境に広く分布し、農作物などを汚染しています。
- 自然環境中では芽胞として存在し、適度な栄養や温度等により発芽し増殖します。
- 芽胞は通常の加熱処理では死滅しません。
- この菌は、毒素を産生し、毒素の違いにより「おう吐型」と「下痢型」の症状を呈します。
原因
食品中での菌の増殖が要因
いろいろな食品中で増殖し、毒素により「おう吐」や「下痢」を起こします。
- おう吐型 食品中で産生された毒素を摂取(黄色ブドウ球菌様食中毒)
- 下痢型 腸管内で増殖する過程で産生された毒素(ウエルシュ菌様食中毒)
食品
軽い腹痛と下痢
おう吐型と下痢型食中毒の原因食品にはそれぞれ特徴があります。
- おう吐型 米飯、チャーハン、ピラフ、オムライス、スパゲッティー、焼きそばなど。
- 下痢型 食肉製品、スープ、ソース、プリン、生クリーム、弁当など。
症状
頻発するおう吐、下痢
症状の回復は一般的に早く、一両日中に回復します。
- おう吐型 潜伏時間1から5時間(平均2から3時間)後に、吐き気、おう吐の症状。
- 下痢型 潜伏時間8から16時間後に、下痢、腹痛の症状。
予防
食品への汚染を防ぐことは困難
食品中のセレウス菌(芽胞)を死滅させることと発芽を抑制し、増殖を防ぐことが基本です。
- 一度に大量の米飯類や麺類などを調理し、作り置きしない。
- 大量に調理したあまりものを、翌日再調理することは避ける。
- 調理の際は十分に加熱し、調理した食品は放置せず、早めに食べる。
- 調理した米飯類は、保温庫(60℃以上)で保温する。また、冷蔵保存する場合は、小分けして速やかに冷蔵保存(10℃以下)する(発育温度帯の10から50℃で保存しない)。