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更新日:2020年6月1日
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次の審議会等を下記のとおり開催した。
第17回神奈川県不妊治療支援検討委員会
令和2年2月5日(水曜日)午後7時から午後8時10分
神奈川県庁新庁舎1階健康医療局会議室
神藤 次郎(相模原市こども・若者未来局こども家庭課長)、高井 昌彦(神奈川県医師会 理事)【副委員長】、丹野 久美(横浜市こども青少年局こども福祉保健部こども家庭課 親子保健担当課長)、東條 龍太郎(神奈川県産科婦人科医会 監事)【委員長】、中野 眞佐男(神奈川県産科婦人科医会 副会長)、眞鍋 伸一(川崎市こども未来局こども支援部こども保健福祉課長)、森 明子(聖路加国際大学大学院看護学研究科 教授)、森田 佳重(横須賀市こども育成部こども健康課長)、湯村 寧(横浜市立大学附属市民病院総合医療センター 部長)
健康増進課、担当者名 母子保健グループ
議題(1)不妊に悩む方への特定治療支援事業実施状況等について
資料1「令和元年度不妊に悩む方への特定治療支援事業実施状況」について事務局から説明。
東條委員:議題1について、事務局から報告がありました。ご質問等はありますか。
東條委員:平成28年度から令和元年度までの給付件数について報告がありましたが、数値からこの事業は伸びていると理解してよいですか。
事務局:経年数値から神奈川県所管域については、若干減少傾向にあります。今年度分は年度途中の実績ですが、昨年度の同時期と比較し、ほぼ同数の状況です。人口構成等に違いがあるため横浜市や川崎市は、異なるかと思われます。
東條委員:分娩数も減っているということはあるかと思いますが、横浜市立大学附属市民総合医療センターでも、治療件数は減少しているのですか。
湯村委員:治療件数は把握していませんが、どちらの病院においても減少傾向ときいています。
東條委員:申請件数が伸びていくことを期待します。
議題(2)不妊に悩む方への特定治療治支援事業に係る医療機関の指定状況について
資料2-1「不妊に悩む方への特定治療支援事業に係る医療指定期間の指定状況について」について事務局から説明。
資料2-2「第13回不妊に悩む方への特定治療支援事業指定医療機関に関する審査会審査結果について」について事務局から説明。
東條委員:議題2について、事務局から報告がありました。ご質問等はありますか。
中野委員:指定医療機関に対する苦情といったようなものはありますか。
事務局:新規指定医療機関に対して、指定前の段階で、患者さんからの相談事例がありましたが、指定後の苦情はありません。
中野委員:新規指定医療機関は慣れていない部分もありますので、保健福祉事務所等と連携して、そのあたりをしっかりサポートしてください。
森田委員:指定医療機関で、顕微授精を実施していないところがありますが、これは、設備的な理由によるのですか、あるいは人的な理由によるものですか。
眞鍋委員:両方の理由が考えられます。
事務局:指定医療機関への申請の段階で、指定を受ける治療方法として、「体外受精及び顕微授精」、「体外受精のみ」、「顕微授精のみ」から選択できることになっています。
森田委員:横須賀市内には指定医療機関がないため、指定医療機関について情報を得たいと考えています。
東條委員:制度の初期の頃には困難なこともあったが、現在は問題なくやっていただいています。
中野委員:指定医療機関の廃止の報告があったが、そういった医療機関では、凍結受精卵の管理をどうしているか把握していますか。患者が納得する方法が考えられていますか。
事務局:神奈川県所管域においては、休止の指定医療機関はありますが、廃止はありません。委員ご指摘の点は、指定医療機関に係る審査会の検討事項でもありましたので、指定医療機関の現地調査の際に、ヒアリングを実施しました。各医療機関とも、廃止の際の受精卵の具体的な預け先まで決定していませんでしたが、提携先の病院、あるいは患者が望む医療機関に移管することを想定していました。
中野委員:この点についてもクレーム等がないようにやっていただきたいです。
東條委員:大災害が起きた時のことなどを考えると、検討委員会として意向をまとめられればさらによいと考えます。受精卵の扱いは非常に大きな問題であり、場合によっては訴訟の対象となることも考えられます。時宜をみて議題とすることも必要と考えます。
議題(3)令和元年度神奈川県不妊に悩む方への特定治療実施要綱の改正について
資料3「令和元年度神奈川県不妊に悩む方への特定治療実施要綱の改正について」について事務局から説明
東條委員:議題3について、事務局から報告がありました。ご質問等はありますか。
中野委員:いわゆる「成育基本法」と特定治療支援事業との関わりについてどのように考えていますか。政府がかなりの財政措置をするようにきいていますが、この事業も該当するのですか。
事務局:現在この助成事業は、国庫補助二分の一、県負担二分の一の枠組みで実施しています。「成育基本法」はまだ基本方針の詳細が明らかになっていませんが、今後、この助成事業との関連等を確認していきます。
中野委員:法律には、地方公共団体の責務が書き込まれているので、遅きに失することがないようお願いします。
湯村委員:がん患者妊孕性温存治療費助成事業との関係で確認です。凍結精子を解凍し、顕微授精を行った場合、その治療は、不妊治療の助成対象とはならないのですか。
事務局:がん患者妊孕性温存治療費助成事業を利用して凍結した精子を、がん治療後に使用して体外受精を行った場合、特定不妊治療の助成の要件を満たしているのであれば助成対象となります。
湯村委員:凍結保存した精子を使うしかない場合、特定不妊治療の助成を利用できるということですか。
事務局:特定不妊治療の助成の要件を満たしているのであれば対象となります。
湯村委員:横浜市立大学附属市民総合医療センターでの精子凍結は、約350件あり、このうち凍結精子を使用する人は15~16人程度です。卵子凍結は、年間15~16件という状況が3~4年続いており、これまでに凍結卵子を使用した人は2人です。
議題(4)不妊・不育相談センターについて
資料4「不妊・不育専門相談センターについて」について事務局から説明。
東條委員:議題4について、事務局から報告がありました。ご質問等はありますか。
中野委員:不妊・不育相談センターの相談場所が不便でアクセスがよくありません。医師と面談できるテレビ電話等を活用できれば、相談者の負担も軽減されると思われます。
湯村委員:スカイプを使えれば、家庭にもあるタブレットにデータを示して相談に応じることができます。
中野委員:場所と時間帯が改善されれば相談件数が増加すると考えます。
事務局:相談会場に来られない方には、電話での相談も受けています。テレビ電話、スカイプ等での実施については、今後、検討していくことも必要かと考えております。
中野委員:この相談は相談者の表情等を見る必要もあります。電話の声だけではわからないことがあります。
事務局:相談者数が少ない男性不妊相談の開催場所等については、昨年度も指摘されており、来年度に向けて会場や曜日の設定について今後検討する予定です。
湯村委員:横浜市では、男性不妊の相談を土曜日に実施して効果をあげているようです。開港記念会館のような交通の便利な施設を借りられないのでしょうか。
事務局:県としては、政令指定都市・中核市以外の地域で、アクセスのよい会場を確保したいと考えています。
東條委員:30歳代前半の相談者と比較すると、30歳代後半の相談者が少ないです。不妊・不育については、なるべく早くから十分な理解をもって、日常生活も送っていただきたいと考えます。広報が不足しているのではありませんか。
事務局:必要な方に、適切な情報をどう届けるかが課題と認識しています。広報については検討の余地があると考えます。
高井委員:ウェブサイトでの広報は実施していますか。
事務局:県のホームページ、特設Webサイト「丘の上のお医者さん」にリンクを張るなどしています。あわせて連携企業へのちらし配布を実施しています。
東條委員:30歳代後半の男性の相談件数が少ないです。本来的にいえば40歳代に入る前に相談などを受けてがんばっていただきたい。
議題(5)妊娠・出産に関する正しい知識の普及啓発について
資料5「妊娠・出産に関する正しい知識の普及啓発について」について事務局から説明。
東條委員:議題5について、事務局から報告がありました。ご質問等はありますか。
高井委員:中学校、高等学校へ出向いての健康教育は、教育委員会から要望があり、実施しているのですか。
事務局:健康教育は、学校からの依頼によるものであります。
高井委員:中学生、高校生のときに、妊娠、出産、不妊についての話を一度は聞いておくことが大切です。教育現場でも必要とされているので、教育委員会と連携して実施することが望ましいと考えます。
事務局:教育委員会への働きかけを行い、実施回数を増やせるようにしたいと思います。
高井委員:養護教員はこういった問題に熱心ですので、要望があるのではないかと感じています。
事務局:連携がうまくとれているところを参考に、広げていきたいと考えています。
東條委員:特設Webサイト「丘の上のお医者さん」は、どのような理由でつけたのですか。
湯村委員:このサイトのコンセプトは、丘の上にあるかわいい病院で、若い男女が、体の悩みや男女の違いについて相談して、解決していくストーリーです。そしてライフプランも考えていきましょうとつながっていきます。ネーミングは、なじんでおり、私としてはよいと考えています。関連して、横浜市が実施した男性を対象としたライフプランニングの講演会で講師を務めました。
横浜市:大学祭の実行委員会に働きかけ、若い世代のセルフケアやライフプランニングについての講演会を実施しました。
湯村委員:男性も正しい知識をもてば、不妊治療の効率が上がると考えます。
事務局:「丘の上のお医者さん」については、現在、相当数のアクセス数があります。利用の状況を見ながら、今後、内容等は検討したいと思います。
中野委員:子宮を失い出産できない原因の一つとして、子宮頸がんがあります。ワクチン勧奨は難しいとしても、検診の普及啓発は可能と思います。私の医院でも、定期接種としてのワクチン接種は残念ながら圧倒的に少ない状況です。
事務局:子宮頸がんワクチンについて、情報提供等、啓発活動が可能と考えます。
中野委員:ワクチンの勧奨が難しくても、検診を勧めることはできます。
森田委員:積極的勧奨を中止した当時の児童・生徒が、成人式を迎える時期にきています。横須賀市では、成人式に普及啓発のためティッシュを配りました。好評でしたので来年も実施する予定でおります。
中野委員:20歳以上であれば、ワクチン接種を自分の意思で受けられるのですか。
事務局:定期接種以降は、本人が接種を受けます。なお、定期接種の期間(小学6年生から高校1年生相当)は無料です。
中野委員:定期接種の期間が過ぎても何等かの補助があればよいのですが。
高井委員:この検討会で議論すべきかどうかはありますが、母子保健分野においてとりあげたい問題と思います。
高井委員:特定不妊治療の助成要件の合計所得金額が夫婦あわせて730万円未満であることは、全国共通の制度ですか。
事務局:国の要綱で決まっています。
高井委員:730万円を超えている人への助成を東京都が行っていますが、どのようにしているのですか。
事務局:国の要綱の上限を超えている方への助成について、東京都は独自事業として国庫補助対象外で実施していると聞いています。
湯村委員:男性不妊治療への助成があっても、30歳代後半で共働きの場合、上限を超えてしまうケースがほとんどです。
事務局:30歳代の共働きの夫婦の場合、上限を超えてしまうケースが相当あるかとは思います。
高井委員:法律上の婚姻をしている夫婦だけでなく、事実婚の夫婦も助成の対象にしていただきたいです。少子化対策に有効な事業となるのでぜひ検討していただきたいです。
事務局:生まれた子どもの権利や事実婚の確認をどうするか等の課題があります。実施している自治体の状況を伺っているところです。県としても現在、相当の財政負担をしている状況で、さらに上乗せすることは財政的課題があります。事実婚を対象とすることについて、国も検討課題として議論をしていますので注視してまいります。
横須賀市:横須賀市では事実婚についてのパートナーシップ宣誓証明制度を導入したことに伴い、その証明を受けた方は、特定不妊治療の助成の対象としました。課題もあるので実施してみないとわからない部分もありますが、来年度の予算要求をしています。
高井委員:事実婚を認めれば申請が増え、お子さんが生まれ、少子化対策に有効な事業と考えています。
事務局:今後、横須賀市の状況を教えていただければと考えます。
議題(6)その他
東條委員:事務局で用意している報告等がありますか。
事務局:特にありません。
東條委員:本日の議題全般について、あるいはその他、関連して意見等があればご発言ください。
横須賀市:横須賀市では、特定不妊治療の所得要件よりも年齢要件が厳しいとの声があります。43歳を過ぎての治療実績は、厳しいといえるのですか。
湯村委員:体外受精についていえばそうです。
東條委員:成功例もありますので、どうしてもという強い希望があるならば行うことはあります。このあたりは、行政も含めてどこまでサポートしていくかによります。ほかに意見がないようでしたら、本日の議題は終了します。進行を事務局にお返します。
事務局:委員の皆様、ご審議ありがとうございました。本日の結果を踏まえ、県として事業を実施して参ります。これをもちまして、第17回神奈川県不妊治療支援検討委員会を閉会します。
会議資料
(第17回神奈川県不妊治療支援検討委員会)資料1(PDF:288KB)
(第17回神奈川県不妊治療支援検討委員会)資料2-1(PDF:851KB)
(第17回神奈川県不妊治療支援検討委員会)資料2-2(PDF:197KB)
(第17回神奈川県不妊治療支援検討委員会)資料3(PDF:283KB)
(第17回神奈川県不妊治療支援検討委員会)資料4(PDF:240KB)
(第17回神奈川県不妊治療支援検討委員会)資料5(PDF:694KB)
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