神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)分煙に関する基本的考え方(案)

掲載日:2018年2月27日

1 分煙に対する国の考え方

2 分煙について

3 受動喫煙防止対策関連法令・通知等 関連図

4 受動喫煙防止対策について 

5 新たな職場における喫煙対策のためのガイドラインの策定について

6 正しい分煙とは?

7 快適職場づくり事例集

1 分煙に対する国の考え方

  • 健康増進法第25条は、施設管理者に対し「受動喫煙を防止するために必要な措置」を講ずる努力義務を課している。
  • 平成15年5月の健康増進法施行に伴う厚生労働省健康局長通知では、受動喫煙防止の措置として、全面禁煙と「施設の態様や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策」として分煙を認めている。
  • さらに「その際には、公共性等の当該施設の社会的な役割も十分に考慮に入れて、「分煙効果判定基準策定検討会報告書」(平成14年6月)などを参考にしながら、喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れ出ないよう、適切な受動喫煙防止措置の方法を採用する必要がある」としている。
  • したがって、「分煙効果判定基準策定検討会報告書注)」で述べられている分煙効果判定基準を満たしていることが必要である。
  • なお、この基準は公衆衛生の専門家などによる検討会を設け、受動喫煙を防止するために必要な基準を様々な観点から検討して策定されたものであり、現段階では最も信頼性の高い基準である。

厚生労働省「分煙効果判定基準策定検討会報告書」(平成14年6月より抜粋)

   受動喫煙の健康への影響、公共の場所の分煙の実施方法、分煙が効果的に実施されているかの評価方法、今後の分煙対策のあり方等について検討を行うとともに、分煙効果判定基準を策定し、報告書としてとりまとめたものである。

  • (1)  デジタル粉じん計を用いて、経時的に浮遊粉じんの濃度の変化を測定し、漏れ状態を確認すること。すなわち非喫煙場所の粉じん濃度が喫煙によって増加しないこと。
  • (2)  非喫煙場所から喫煙場所方向に一定の空気の流れ(0.2m/s以上)があること。

2 分煙について

 

1 神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)における分煙基準

  • 喫煙区域のたばこの煙が、非喫煙区域に流れ出てしまっては、非喫煙区域の利用者を、受動喫煙から守ることができない。
  • したがって、この条例における分煙とは、どんな方法でも良いというものではなく、受動喫煙を防止するためには、喫煙区域から非喫煙区域へと、たばこの煙が流れ出ないようにすることが必要である。
  • この条例素案における「規則で定める基準」については、厚生労働省「分煙効果判定基準策定検討会報告書」(平成14年6月)における分煙効果判定基準に基づき設定する。

厚生労働省「分煙効果判定基準策定検討会報告書」(再掲)

   受動喫煙の健康への影響、公共の場所の分煙の実施方法、分煙が効果的に実施されているかの評価方法、今後の分煙対策のあり方等について検討を行うとともに、分煙効果判定基準を策定し、報告書としてとりまとめたものである。

  • (1)  デジタル粉じん計を用いて、経時的に浮遊粉じんの濃度の変化を測定し、漏れ状態を確認すること。すなわち非喫煙場所の粉じん濃度が喫煙によって増加しないこと。
  • (2)  非喫煙場所から喫煙場所方向に一定の空気の流れ(0.2m/s以上)があること。

2 分煙の方法

  • 平成17年度厚生労働省委託事業「効果的な空間分煙対策推進検討委員会」報告書による考察を踏まえ、次のように整理した。

(1)  分煙の基本的な方法

  • 受動喫煙を防止するという条例の目的を踏まえると、喫煙区域から非喫煙区域にたばこの煙が流れ出ないことが重要であり、要点は以下の3点(ア、イ及びウ)である。
ア 喫煙区域と非喫煙区域とを仕切り等で分離する。
  • 壁、パーティション、垂れ壁、ロールスクリーン等による仕切りを設置し、喫煙区域と非喫煙区域を分離する。
  • 喫煙区域と非喫煙区域との間に、適切な大きさの開口部を確保する。
  • 席のレイアウト、店舗の意匠、建築・消防等の法令規制、費用等を考慮して適切な方法を選ぶ。
  • フロア分煙も一般に有効とされている。ただし、煙は当初上昇するので上階を喫煙区域にするなど、非喫煙区域にたばこの煙が流れ出ないように工夫する。
イ 喫煙区域にたばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出するための屋外排気設備(換気扇等)を設け る。
  • 排気効率を上げるために、たばこの煙が喫煙区域全体に拡散する前に排気するよう、店舗等のレイアウトを工夫する。
  • 排気風量と同体積の給気を確保する。
ウ 非喫煙区域から喫煙区域に向かう空気の流れ(0.2m/毎秒以上)が生じるようにする。
  • 開口部の面積に合わせ、必要な排気風量を確保する。
    (開口部を2平方メートル(幅1m×高さ2m)とすると、家庭用の換気扇を2台設置することで発生できる。(平均的な人の歩く早さは1m/毎秒程度))
  • 非喫煙区域へのたばこの煙の漏れを防止するため、空気清浄機、エアコンなどの配置や吹出し口の方向や角度に留意する。

厚生労働省の分煙効果判定基準に基づく分煙概念図

 

(2)  効果的な分煙のための基礎

軸流式換気扇(羽根径20cm、25cm)の写真

1.排気装置の選定
  • 排気装置には、換気扇、天井扇などの排気装置を用いる。

 

2.喫煙区域と非喫煙区域の境界について

 

ア ドア等の設置について
  • 喫煙区域と非喫煙区域の境界の出入口をドアで閉めてしまうと排気効率が低下してしまう。
  • さらに、ドアを開け閉めする動きがフイゴのような作用となり、たばこの煙の漏れの原因となりやすいため、必要な排気風量が確保されている場合は、ドア等を設置せず、常時開放している方が効果的な分煙を行うことができる。

ドア等の設置例

 

スクリーン(のれん)の設置例

イ 喫煙区域と非喫煙区域の境界にドア等を設置しない場合の留意事項
  • 喫煙区域と非喫煙区域の境界の出入口には、ドア等は設置しない方が効果的な分煙を行えるが、その場合、必要な排気風量が確保されていることが前提となる。
  • 排気風量が不足している場合には、出入口にスクリーン(のれん)を設置して開口面積を小さくすることで、0.2m/s以上の気流が確保でき、たばこの煙の漏れを防止することが可能である。
  • これは、下部の開口部分からの空気の供給が確保出来るうえに、上部は出入口の幅で固定されているために漏れも発生しにくい。また、安価である。

空気の流れのイメージ図

 

3.空調等の位置及び喫煙区域と非喫煙区域の配置について

 

ア 喫煙区域と非喫煙区域の配置について
  • 分煙とした施設では、室内の空気が非喫煙区域から喫煙区域に流れるように配置する必要がある。
  • たとえば、施設の出入口附近に喫煙区域を、その奥に非喫煙区域を配置すると、施設の利用者は必ず喫煙区域を通らなければならず、受動喫煙が発生するおそれがある。

喫煙区域と非喫煙区域の配置例

 

イ 空調機器等の配置について
  • 喫煙区域内に設置されたエアコンなどの空調機器や空気清浄機からの風が、非喫煙区域に向いていると、たばこの煙を非喫煙区域に流入させる原因となるので、境界附近の空調機器等からの気流にも留意する必要がある。

空調機の配置例

 

4.分煙効果測定方法

たばこの煙の漏れを確認するには、次の測定方法により行う。

 

デジタル粉じん計の写真

ア 浮遊粉じん濃度測定
  • 喫煙区域と非喫煙区域両方で、デジタル粉じん計を用いて、浮遊粉じん濃度の経時的変化を一定時間毎に測定する。

 

風速測定の写真

イ 風速測定の方法
  • 喫煙区域と非喫煙区域の境界部分の上・中・下部において、風速計を用いて一定時間の風速の平均値を求める。
  • 分煙効果判定基準では出入口の開口部分において非喫煙区域から喫煙区域へ向かう0.2m/s以上の一定の空気の流れを作ることが求められている。
  • 出入口にドアが設置されている場合は、ドアを開けた状態で風速を測定しなければならない。

簡易な確認方法
   なお、日常的に簡易にたばこの煙の漏れを確認する方法としては、蚊取線香等の煙を用い、測定者の視覚と嗅覚によって煙の漏れを確認する方法が有効である。

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受動喫煙防止対策関連法令・通知等 関連図  (参考資料1)

 

保健衛生の取組み

労働安全衛生の取組み

たばこ行動計画検討会報告書(平成7年3月)

 

公共の場所における分煙のあり方検討会報告書(平成8年3月)
分煙の方法として「空間を分ける分煙」を基本とした。

職場における喫煙対策のためのガイドライン」75号通達(旧ガイドライン)(平成8年2月21日)
設備対策
喫煙室又は喫煙コーナーの設置等を行うこと。
有効な喫煙対策機器

  • たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式
  • たばこの煙を除去して屋内に排気する方式(空気清浄装置)

いずれかの方式による
健康増進法施行までに見直し

分煙効果判定基準策定検討会報告書(平成14年6月)
分煙効果判定基準を策定
室内空気汚染対策のうち換気を推奨

健康増進法公布(平成14年8月2日)

今後のたばこ対策の基本的考え方について
厚生科学審議会(平成14年12月25日)

 

「受動喫煙防止対策について」健康局長通知(平成15年4月30日)
概要 法25条に規定する受動喫煙防止に係る具体的な内容及び留意事項を定める通知
受動喫煙防止対策のうち、分煙による場合は分煙効果判定基準を参考にすること。
職場について
労働者のための受動喫煙防止措置については、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」に即して対策を講じることが望ましい。
健康増進法施行までに見直し

健康増進法施行(平成15年5月1日)

 

「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(新ガイドライン)労働基準局長通知(平成15年5月9日)
設備対策
喫煙室の設置を推奨
有効な喫煙対策機器
たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式を推奨
職場の空気環境の基準
喫煙室等と非喫煙場所との境界において、喫煙室等に向かう風速を0.2m/s以上とするように必要な措置を講ずること

「職場における喫煙対策のためのガイドライン」に基づく対策の推進について労働基準局安全衛生部長通知(平成17年6月1日)

平成20年度地方労働行政運営方針について労働基準局長ほか通知(毎年度発出)(平成20年3月31日)

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受動喫煙防止対策について  (参考資料2)

健発第0430003号

平成15年4月30日

各都道府県知事殿
各政令市長殿
各特別区長殿

厚生労働省健康局長

受動喫煙防止対策について

健康増進法(平成14年法律第103号)等の趣旨等については、「健康増進法等の施行について」(平成15年4月30日健発第0430001号、食発第0430001号)により既に通知しているところであるが、同法第25条に規定された受動喫煙防止に係る措置の具体的な内容及び留意点は、下記のとおりであるので、御了知の上、関係方面への周知及び円滑な運用に御配慮をお願いしたい。

1.健康増進法第25条の制定の趣旨

健康増進法第25条において、「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」こととされた。また、本条において受動喫煙とは「室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされること」と定義された。

受動喫煙による健康への悪影響については、流涙、鼻閉、頭痛等の諸症状や呼吸抑制、心拍増加、血管収縮等生理学的反応等に関する知見が示されるとともに、慢性影響として、肺がんや循環器疾患等のリスクの上昇を示す疫学的研究があり、IARC(国際がん研究機関)は、証拠の強さによる発がん性分類において、たばこを、グループ1(グループ1~4のうち、グループ1は最も強い分類。)と分類している。さらに、受動喫煙により非喫煙妊婦であっても低出生体重児の出産の発生率が上昇するという研究報告がある。

本条は、受動喫煙による健康への悪影響を排除するために、多数の者が利用する施設を管理する者に対し、受動喫煙を防止する措置をとる努力義務を課すこととし、これにより、国民の健康増進の観点からの受動喫煙防止の取組を積極的に推進することとしたものである。

2.健康増進法第25条の対象となる施設

健康増進法第25条においてその対象となる施設として、学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店が明示されているが、同条における「その他の施設」は、鉄軌道駅、バスターミナル、航空旅客ターミナル、旅客船ターミナル、金融機関、美術館、博物館、社会福祉施設、商店、ホテル、旅館等の宿泊施設、屋外競技場、遊技場、娯楽施設等多数の者が利用する施設を含むものであり、同条の趣旨に鑑み、鉄軌道車両、バス及びタクシー車両、航空機、旅客船などについても「その他の施設」に含むものである。

3.受動喫煙防止措置の具体的方法

受動喫煙防止の措置には、当該施設内を全面禁煙とする方法と施設内の喫煙場所と非喫煙場所を喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れ出ないように分割(分煙)する方法がある。全面禁煙は、受動喫煙防止対策として極めて有効であるが、施設の規模・構造、利用状況等は、各施設により様々であるため、施設の態様や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策を進める必要がある。その際には、公共性等の当該施設の社会的な役割も十分に考慮に入れて、「分煙効果判定基準策定検討会報告書」(平成14年6月。概要は別添のとおり。本文は厚生労働省ホームページ参照のこと。)などを参考にしながら、喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れ出ないよう、適切な受動喫煙防止措置の方法を採用する必要がある。

なお、完全禁煙を行っている場所では、その旨を表示し、また、分煙を行っている場所では、禁煙場所と喫煙場所の表示を明確に行い、周知を図るとともに、来客者等にその旨を知らせて理解と協力を求める等の措置を取ることも受動喫煙防止対策として効果的と考えられる。さらに、労働者のための受動喫煙防止措置は、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(平成8年2月21日付け労働省労働基準局長通達。見直し作業中。)に即して対策が講じられることが望ましい。

4.受動喫煙防止対策の進め方

(1)都道府県労働局においても職場における受動喫煙防止対策を推進していることから、健康増進法第25条に基づく施策の実施に当たっては、管内労働局との連携を図る。

(2)健康増進法第25条の対象となる施設の管理者は多岐にわたるが、これら管理者を集めて受動喫煙の健康への悪影響や各地の好事例の紹介等を内容とした講習会を開催するなど、本条の趣旨等の周知徹底を図る。この際、職場における喫煙対策推進のための教育については、「職場における喫煙対策推進のための教育の実施について」(平成12年3月31日付け労働基準局長通達)により都道府県労働局が推進していることに留意する。

(3)平成15年度より、国民生活金融公庫の生活衛生資金貸付の対象として、受動喫煙防止施設が追加されていることから、飲食店、旅館等の生活衛生関係営業者に対して、これを周知する。また、都道府県や市町村において、禁煙支援の保健指導、分煙方法の情報提供等を実施している場合、事業者や個人の参加をより一層促すよう努力する。

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分煙効果判定基準策定検討会報告書の概要  (別添)

1.屋内に設置された現有の空気清浄機は、環境たばこ煙中の粒子状物質の除去については有効な機器があるが、ガス状成分の除去については不十分であるため、その使用にあたっては、喫煙場所の換気に特段の配慮が必要である。

2.受動喫煙防止の観点からは、屋内に設置された喫煙場所の空気は屋外に排気する方法を推進することが最も有効である。

新しい分煙効果判定の基準

(1)屋内における有効な分煙条件

判定場所その1〔喫煙所と非喫煙所との境界〕
(1) デジタル粉じん計を用いて、経時的に浮遊粉じんの濃度の変化を測定し漏れ状態を確認する(非喫煙場所の粉じん濃度が喫煙によって増加しないこと)
(2) 非喫煙場所から喫煙場所方向に一定の空気の流れ(0.2m/s以上)

判定場所その2〔喫煙所〕
(1) デジタル粉じん計を用いて時間平均浮遊粉じん濃度が0.15mg/m3以下
(2) 検知管を用いて測定した一酸化炭素濃度が10ppm以下

 

(2) 大気環境全体を視野に入れた場合の条件は(1)に以下の基準を追加。
(1) 大気の環境基準が設定されている浮遊粒子状物質濃度の1時間値が0.2mg/m3を超えないこと
(2) 大気の環境基準が設定されているガス状物質のうち、1時間値があるもの(二酸化硫黄が0.1ppm、オキシダントが0.06ppm)は、その濃度を超えないこと

照会先 :厚生労働省 健康局 総務課
生活習慣病対策室 健康情報管理係
電話 :03-5253-1111(内線2971)
ファクシミリ :03-3502-3099

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新たな職場における喫煙対策のためのガイドラインの策定について (参考資料3)

厚生労働省発表
平成15年5月9日

労働基準局安全衛生部
労働衛生課環境改善室
室長 高橋 哲也
副主任中央労働衛生専門官  早木 武夫
測定技術係長  佐々木正大
電話 03-5253-1111
内線5501, 5506
夜間直通 03-3502-6755

 

新たな職場における喫煙対策のためのガイドラインの策定について

   職場における喫煙対策については、平成8年2月21日付け基発第75号「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(以下「旧ガイドライン」という。)により、その推進に努めてきたところであり、その結果、労働環境調査によると、事業場における喫煙対策の取組みが平成8年には37.3%であったものが、平成13年には67.6%と増加する等一定の成果が得られております。
   今般、本年5月1日から施行された健康増進法(平成14年法律第103号)において、事務所その他多数の者が利用する施設を管理する者に対し、受動喫煙防止対策を講ずることが努力義務化され、また、平成14年6月に、健康局において設置された分煙効果判定基準策定検討会において、分煙のための新たな判定の基準が提示されたところです。
   また、受動喫煙による健康への悪影響については、流涙、鼻閉、頭痛等の諸症状や呼吸抑制、心拍増加、血管収縮等生理学的反応等に関する知見等が得られており、より適切な受動喫煙防止対策が必要とされております。
   これらを背景として、厚生労働省においては、労働者の健康確保と快適な職場環境の形成を図る観点から、一層の受動喫煙防止対策の充実を図るため、旧ガイドラインを見直し、新たに「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(以下「新ガイドライン」という。)を策定しました。

 

〔新ガイドラインにおいて充実を図った主要な事項〕

  1. 設備対策としては、旧ガイドラインでは、喫煙室又は喫煙コーナー(以下「喫煙室等」という。)の設置等を行うこととされていたが、新ガイドラインでは、受動喫煙を確実に防止する観点から、可能な限り、非喫煙場所にたばこの煙が漏れない喫煙室の設置を推奨する。
  2. 喫煙室等に設置する「有効な喫煙対策機器」としては、旧ガイドラインでは、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式又はたばこの煙を除去して屋内に排気する方式(空気清浄装置)のいずれかの方式によることとされているが、新ガイドラインでは、空気清浄装置はガス状成分を除去できないという問題点があることから、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式の喫煙対策を推奨する。
    やむを得ない措置として、空気清浄装置を設置する場合には、換気に特段の配慮をすることが必要である旨を明記する。
  3. 新ガイドラインでは、職場の空気環境の基準に、喫煙室等から非喫煙場所へのたばこの煙やにおいの流入を防止するため、喫煙室等と非喫煙場所との境界において、喫煙室等に向かう風速を0.2m/s以上とするように必要な措置を講ずることを追加する。

〔新ガイドラインの概要〕

<基本的考え方>

  1. 喫煙対策は、労働衛生管理の一環として職場で組織的に取り組み、全員参加の下に確実に推進すること。
  2. 本ガイドラインは、事業場において関係者が講ずべき原則的な措置を示したものであり、事業者は、本ガイドラインに沿いつつ、事業場の実態に即して職場における喫煙対策に積極的に取り組むことが望ましいこと。
  3. 適切な喫煙対策の方法としては、全面禁煙と空間分煙があり、本ガイドラインは、空間分煙を中心に対策を講ずる場合を想定したものであること。

<経営首脳者、管理者、労働者の果たすべき役割>

経営首脳者、管理者、労働者は、協力して喫煙対策に取り組むとともに、それぞれ次の役割を果たすよう努めること。

  1. 経営首脳者は、喫煙対策の円滑な推進のために率先して行動すること。
  2. 管理者は経営首脳者の基本方針の下に対策の円滑な推進のために積極的に取り組み、喫煙者等が守るべき喫煙行動基準に従っていない者に対して適切な指導を行うこと。
  3. 労働者は自ら喫煙対策を推進することが特に重要であることを認識し、喫煙対策について積極的に意見を述べること。

<喫煙対策の推進計画>

喫煙対策の推進計画は、衛生委員会等で検討し、当面の計画及び中長期的な計画を策定すること。

<喫煙対策の推進体制>

喫煙問題を喫煙者と非喫煙者の個人間の問題として、当事者にその解決を委ねることは、喫煙者と非喫煙者の人間関係の悪化を招くなど、問題の解決を困難にする可能性がある。

そのため、事業者の責任の下に次の措置を講じること。

  1. 衛生委員会等の下に喫煙対策委員会を設置し、喫煙対策を具体的に推進するための合意形成の方法の検討、喫煙対策の具体的な進め方、喫煙行動基準等を検討すること。
  2. 喫煙対策の担当部課やその担当者を定め、喫煙対策委員会の運営、喫煙対策に関する相談、苦情処理等の喫煙対策全般についての事務を所掌させること。

<施設・設備の対策>

  1. 喫煙室又は喫煙コーナー(以下、「喫煙室等」という。)の設置に当たっては、可能な限り、喫煙室を設置することとし、喫煙室の設置が困難である場合には、喫煙コーナーを設置すること。
  2. 喫煙室等には、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式である喫煙対策機器を設置すること。
    やむを得ない措置として、たばこの煙を除去して屋内に排気する方式である空気清浄装置を設置する場合には、喫煙室等の換気に特段の配慮を行うこと。

<職場の空気環境>

  1. 浮遊粉じんの濃度を0.15mg/m3以下及び一酸化炭素の濃度を10ppm以下とするように必要な措置を講ずること。
  2. 非喫煙場所と喫煙室等との境界において喫煙室等へ向かう気流の風速を0.2m/s以上とするように必要な措置を講ずること。
    なお、職場の空気環境の測定は、喫煙対策実施の効果を把握するために喫煙対策の実施の前後に行う他、その効果を維持管理するために定期的に行うこと。

<喫煙に関する教育等>

受動喫煙による健康への影響、喫煙対策の内容、喫煙行動基準等に関する教育や相談を行うこと。

<喫煙対策の評価>

定期的に喫煙対策の推進状況及び効果の評価を行い、その結果に基づいて必要に応じて喫煙対策の改善を進めること。

<その他の留意事項>

  1. 喫煙者と非喫煙者が相互の立場を十分に理解すること。
  2. 妊娠及び呼吸器・循環器等に疾患を持つ労働者については、格別の配慮を行うこと。
  3. 喫煙対策の周知を図るため、禁煙場所の表示、ポスターの掲示等を行うこと。
  4. 喫煙対策の事例等の情報を収集し、関係者に提供すること。

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正しい分煙とは?  (参考資料4)

出典:飲食店の分煙対策ポケットブック(全国飲食業生活衛生同業組合連合会)

POINT タバコの煙が流れてこない空間づくり

タバコの煙が流れてこない空間や席。受動喫煙を受けない空間や席が、正しい分煙対策です。タバコが吸えない席(禁煙席)を設けることではなく、タバコの煙が流れてこない環境をつくることが必要です。

喫煙エリアが指定されていても、禁煙エリアにたばこの煙が流れてくる場合(喫煙席の周囲に間仕切りがない等)。非喫煙者の動線上にたばこの煙が流れてくる場合。このような分煙は不完全なもので、違法となってしまいます。

いくら空気清浄機や分煙機が設置されていても、たばこの煙の中の有害物質はほとんど素通りしているので、

  • Point 喫煙場所と禁煙区域を明確に区分する。
  • Point 喫煙場所から禁煙区域にタバコの煙や臭いが漏れない対策をする。
  • Point 喫煙場所の空気環境も良好な状態に保つよう排気設備を強化する。

POINT 分煙対策事例その1 喫煙場所を個室化して、煙を排出する設備を設ける

同一フロア内に喫煙室を設け、排気設備(施設外部に排気する)を強化する方法。ドア1つ分の開口面積に対して、目安として羽根径25cmの換気扇が2台以上必要です。

注)効率よく排気するためには、禁煙室から喫煙室に入っていく空気の流れが必要です。ドアを付ける場合は、ドアは空気の取り入れ口(ガラリ)があるものにしましょう。

喫煙室設置イメージ

POINT 分煙対策事例その2 禁煙・喫煙をフロアで分け、喫煙フロアには排気設備を設ける

2フロア以上の客席等を持つ施設で、1フロアを喫煙可として排気設備を強化し、他のフロアを全面禁煙にすることで、フロアごとで分煙する方法。

注)煙は上にのぼっていくので、たとえば2フロアの施設なら禁煙フロアは1階、喫煙フロアは2階にする必要があります。

喫煙フロア設置イメージ

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快適職場づくり事例集 職場における喫煙対策ガイドラインに対応した 喫煙対策編 (参考資料5)

出典:快適職場づくり事例集「喫煙対策編」
(厚生労働省/中央労働災害防止協会・中央快適職場推進センター)

厚生労働省/中央労働災害防止協会・中央快適職場推進センター

職場における喫煙対策について、厚生労働省では平成8年に「職場における喫煙対策のためのガイドライン」を策定し、推進しましたが、平成15年5月1日から施行された健康増進法において、事務所その他多数の者が利用する施設を管理する者に対し、受動喫煙防止対策を講じることが努力義務化されたこと等を受け、労働者の健康確保と快適な職場環境の形成を図る観点から、屋外排気型の喫煙室の設置等、一層の受動喫煙防止対策の充実を図るため、平成15年5月、旧ガイドラインを見直し、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」を新たに策定しました。

受動喫煙による健康への悪影響については、流涙、鼻閉、頭痛の諸症状や呼吸抑制、心拍増加、血管収縮等の生理学的反応等に関する知見等が得られており、また慢性影響として、肺がんや循環器疾患等のリスクの上昇を示す疫学的研究もあります。さらに、喫煙が脳・心臓疾患発生のリスクを高めるという知見もあること等から、より適切な受動喫煙防止対策が必要とされております。

なお、喫煙室の設置等喫煙場所の確保が困難な場合には、受動喫煙を確実に防止する観点から全面禁煙による対策を推奨しています。

  ガイドラインのポイントについて、事例でご紹介します。

第1ポイント 喫煙室の設置

 喫煙室の例

ガイドラインでは喫煙室の設置を推奨しています。喫煙室は、出入り口以外には非喫煙場所に対する開口面がほとんどない喫煙のための部屋です。開口面は、大きすぎても小さすぎても、必要な風速や排気風量が得られません。

なお、喫煙室の設置が困難な場合には、天井から吊り下げた板等による壁、ついたて等により非喫煙場所に対する開口面を可能な限り小さくした喫煙コーナーを設置します。

写真は、部屋の一角をパーティションで仕切り、奥に換気扇を設けた喫煙室の例。出入り口にのれんをたらして開口面を小さくし、必要な風速等を確保。開放感を出すため、周囲には透明なアクリル板を使用。

 

第2ポイント 喫煙室の空気を直接屋外に排出する方式

 

改修前

 改修前の喫煙室

ガイドラインでは、たばこの煙を直接屋外に排出する方式を推奨しています。

写真は、空気清浄機により分煙対策を実施していたところ、たばこの煙や臭いがフロアに漏れていた喫煙室の写真。

 

改修後

  排気口にたばこの煙を吸い込ませている写真外気排出専用ダクトの写真

天井には排気口(左写真)、天井裏に送風機を設置し、外気排出専用のダクト(右写真)に直結することにより排気口から吸引したたばこの煙を屋外に排出するようにした。

換気扉により屋外に排気している喫煙室

換気扇を縦2機、横2機並べた喫煙室の例

オフィスビルの窓の一部を切り取りアルミ枠を付け、換気扇を設置した。

換気扇を縦4機並べた喫煙室の例

換気扇の設置位置は、部屋のレイアウトや窓の位置により工夫した。

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本文ここまで
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