審議結果(第5回)

掲載日:2018年2月27日
様式3-2

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称第5回 神奈川県公共的施設における禁煙条例(仮称)検討委員会
開催日時平成20年6月17日(火曜日)  18時00分~20時00分
開催場所神奈川県庁舎 12A会議室
(役職名)出席者

(会長)津金 昌一郎、 (副会長)増沢 成幸

金井 正志郎、川上 彰久、古座野 茂夫、崎本 真由美、玉巻 弘光、

中田 ゆり、宮代 良久、守屋 京子、安田 修

次回開催予定日未定
問い合わせ先

保健福祉局保健医療部健康増進課たばこ対策グループ

電話番号         045-210-5025

ファックス番号  045-210-8857

下欄に掲載するもの
  • 議事録全文
要約した理由
審議経過(津金会長) それでは、第5回神奈川県公共的施設における禁煙条例(仮称)検討委員会を開催したいと思います。
審議を始める前に、傍聴を希望されている方が12名いらっしゃいます。傍聴していただこうと思いますが、いかがでしょうか。

(全員了解)

それでは、前回の検討委員会では条例の基本的考え方について検討しました。委員の皆様方からたくさんの意見をいただきました。県では、そうした意見も付記して基本的考え方を公表したところ、パブリックコメントを始め、様々な意見が県に寄せられたようです。これらの意見について、事務局から説明をお願いします。

健康増進課 加藤副主幹より、基本的考え方に対する意見の概要について、
吉川副主幹より事業者と知事との意見交換会の概要について説明。

(津金会長) この内容につきまして、質問はございますか。いろいろな意見があるということです。
パブリックコメントにある条例の目的についての意見例ですが、「そもそも受動喫煙は健康被害をもたらすことが明確になっているのか」とか、「受動喫煙を防止し県民の健康の確保を図るのは間違った認識。受動喫煙とがんの関係は全く証明されていない」などという意見があります。受動喫煙の健康影響に対する認識は、根本的にすごく重要な問題だと思うんですよね。
知事は、受動喫煙の健康影響が基本的にあるということを前提として、県民の健康被害を守るため、条例をつくろうとしていると思うんですけども、これが本当に明確になってないとか、全く証明されていないとか、そういう話になったら、マナーとか、不愉快かどうかとか、そんな問題になるわけですから、当然こうやって条例で強制的にいろいろ規制するとか、そういうのはもちろんなじまないわけですよね。
基本的には、10年前だったら、この点はたぶん論争にはなっていったと思うんですけれども、毎回私が公衆衛生・医学の専門家として言うように、基本的にはもう健康被害は明確であること、確実であるというようなことが基本的に国際的な認識になっていて、それに基づいてWHOが枠組条約をとりまとめたし、諸外国も既に公共の場での禁煙というものを法や条例で実行しているということなので、それらを前提にしていないと全然話がずれてしまうのではないかという気がしました。
ですから、たとえば健康被害があるということを認めた上で、「それによって他人が肺がんになっても吸う権利の方が重要じゃないか」とか、「このぐらい健康被害があっても経済の方が重要じゃないか」とか、そういう意見があれば、それはそれで、ちょっと極端な話にはなるけども、そういう議論というのは成り立つのかもしれないと感じました。受動喫煙による健康被害があるかどうかの前提はすごく重要な問題で、基本的にはここでは健康被害があるという前提の元で話を進めていくと私は理解しているんですけれども、それがその前提ではないという意見があると、たぶん永遠にかみ合わないんじゃないかなというふうに思いました。
ご意見がなければ、次の議題の中でまたいろいろ討論をしていきたいと考えています。
次に、神奈川県公共的施設における禁煙条例(仮称)骨子案策定に向けた課題についてとして、議題に入りたいと思います。事務局からご説明をお願いします。

健康増進課 加藤副主幹より、条例骨子案策定に向けた課題について説明

(津金会長) これから課題に関しまして、皆様方のご意見をいただきながら、議論を進めていきたいと考えています。
まず、禁煙とする施設の範囲について、基本的考え方においては原則的には全面禁煙を目指しているけども、いろいろ喫煙規制の必要性に応じて対象施設を区別して検討すべきか、ということと、その区別に基づいて、段階的に場合によっては施行していくというようなことも考えるべきかということですが、皆様方ご意見を。
代替性というのがよく議論には出てくるんですけども、でも現実問題としては娯楽施設とか、飲食店とか、たばこの煙に曝露したくないと思う人が選ぶということが現状においてはとても難しいということ、飲食店の側も禁煙にすると売上が下がるんじゃないかという心配とか、あるいは実際問題として禁煙にしたけれども、やっぱり売上が下がってしまったんで、やっぱり今は時期尚早だから元に戻したとか、そういう話もいろいろあるかと思います。ですので、結局今の段階ではなかなか選べない、代替性があるとはいえないという状況はありますよね。

(増沢副会長) 県の考えていることは室内禁煙ですか、施設内禁煙ですか。

(津金会長) 基本的に屋内禁煙です。

(堀江課長代理) 室内またはそれに準ずる環境においての禁煙という考えが、基本的考え方で示されております。

(増沢副会長) それによって、たとえば範囲がだいぶ違ってくると思うんですよね。原則は、僕この間も言いましたけど、施設内だと思うんですが、県の考え方で室内ということばを使われたですよね。そこをちょっとはっきりしていただきたいと思っています。

(津金会長) 公共的な場所と、要するに全く個人的に使っている場所では基本的に区別するという考え方だと思いますけれども。
施設の中でも、公共に開いている屋内を基本的には規制をしようというのが今の県の考え方だと思いますけど、よろしいですか。

(堀江課長代理) はい、そのとおりでございます。

(増沢副会長) そうすると施設内禁煙ではないということですね。

(堀江課長代理) 室内またはこれに準ずる環境については禁煙としております。

(増沢副会長) 建物の大きさによってもだいぶ違うと思うんですよね、そういうことができるかできないかということは。ただ一つの言葉だけで室内禁煙で施設内禁煙ではないとなっちゃうと、ちっちゃいところはたぶんそれできないですよね。いわゆる分煙で、事務所の人がたばこ吸えば、必ず入ると思いますが、大きなところはできるんだと思います。だから、そこのところの考えを聞きたかった。あくまで外から来る方が対象だと。

(津金会長) たとえば雑居ビルの中でも、オフィスや住宅スペースとして使っている場所に関しては、基本的には今回の禁煙条例の対象にはしていない。
ですから、雑居ビルというのを施設と考えれば、施設内禁煙という意味ではないということですよね。

(増沢副会長) 飲食店で、食べる人のところは禁煙ですよね。従業員のところは禁煙ではないというふうに理解していいんですか。

(堀江課長代理) 基本的考え方の段階で整理させていただいたのが、施設と申しましても、たとえば一つのビルでもたとえばマンション部分、それから店舗部分をそれぞれ別の区分としてとらえております。雑居ビルの中でマンション部分はあくまで対象外と考えております。
店舗などの個々の施設を対象としておりますけれども、この中で不特定多数に開かれた部分は適用しまして、そうではないいわゆるバックヤードと言われている休憩室だとか、事務室等々、これについては適用除外と、こういう考え方を示しております。

(増沢副会長) そうすると、県の施設でも、県の職員の方が休憩するところは喫煙可能というふうに理解していいんでしょうか。

(堀江課長代理) この条例では規制しないという考えでございます。

(津金会長) 前回も言いましたけど、大本には健康増進法があるということですね。
たとえば、施設の利用しやすさに着目した区分で、マージャン、パチンコ店、バー、会員制施設となって、この会員制施設になると、どちらかというと公共に開かれた施設ではないというふうに定義できるので、そのほかのとはちょっと意味合いが違うような気もするんですけど、どうなんでしょうか。

(堀江課長代理) ここで示させていただいておりますのは、誰でも入れる、つまり受動喫煙の曝露の可能性が高いところほど喫煙規制の必要性が高いのではないかと。そうではなくて、限られている、あまり公共に開かれていない施設ほど、その必要性は若干薄いのではないか、そういう区分が可能ではないかという問題意識から書かせていただきました。
これも、こういう問題意識を出させていただいた根拠としましてはパブリックコメントを含めて、誰でも入れるところとそうでないところでは規制のあり方も異なるのではないかという意見が見られたということでございます。

(津金会長) マージャン、パチンコ、バーというのは基本的には18歳未満の利用が禁止されている意味でということで、会員制というのは、そういう枠ではないんだけれども、特定の人が利用するという意味ですよね。それも含めて施設の利用しやすさに着目した区分として挙げられているということですね。
利用者の年齢に着目した区分としては、要するに青少年保護の観点から、18歳未満の利用できるような場所に関しては、そうじゃないところと分けて考えるべきじゃないかということ。
それから、施設規模に着目したというのは、小規模か、大規模かというようなこと。このことは、分煙という話になるとより出てくる話です。さっきの意見でも不思議に思ったのは、小規模だとなかなか対応が難しいというけれども、禁煙だったら小規模の方が対応しやすいですよね、かえって完全分煙の方が対応しにくいですね。
それから、次の段階的施行に関しては、実際の例として、フランスではカフェとかそういうものは1年間施行が後になって、その間にいろいろ周知するというようなことが行われたと。それから香港もそうなんですか。

(堀江課長代理) 香港も3段階での施行しております。まず、役所関係。その次としましてレストラン等。第3段階としましてバー、ナイトクラブ、麻雀店を対象としております。

(津金会長) 基本的には全部を禁煙にするんだけど、それに向かって段階的にずらしながらやっていったというやり方が諸外国においてはあるということですので、そういうようなことも考えられるのではないかということですね。

(川上委員) 最初に申し上げましたように、たばこは一本も吸ったことがないので、たばこない方がいいんですが、出身母体が中央会といいまして、経営者の団体から私推薦をされて出ておりますので、経営者の立場でしゃべらせていただきますと、もうちょっと経営者にやさしくしてほしいなと。いきなり禁煙条例が出てきたんで、もやの中に入っちゃってるんですよ、今経営者は。まるっきり見えない。このもやをもうちょっと晴らしてもらえないものか。内心ではわかってるんですね、たばこはよくないということを。料理も折角おいしいものをつくったのに、たばこの味で消えちゃうではないか。でも言えない。うちの商売だめになったらどうなるのというところで、もう少し時間をかけてよく説明してほしい。
私も最初は分煙だったんです。でも、4回5回ここに入ってると、会長がおっしゃったように、会社がその設備をするってのまたお金かかってたいへんなんですね。
ですから、逆に言うと、隣も禁煙になっていれば、その方がいいんですけれども、もやの中にいるから、商売がだめになって食えなくなったらどうなるのか。前回のときにびしっと言われちゃったんで、経済より健康ですって、ずっと頭に残ってるんですね。それを言われちゃうとやっぱり反対になっちゃうんですよ。ですから、もうちょっとやさしく、時間がないから、もうみんなに説明はこれで終わるんですというんじゃなくて、みんなほんとに先が見えないんで、経営者としては非常に困っています。
会長は医学の専門家でいらっしゃる。でも、経営者は経営の専門家であるけど、医学の専門家じゃないんです。ですから、ほんとに悪いのっていうのがまだ実感としてわかってない。そこら辺をもうちょっと、時間をかけて、丁寧に説明をして、啓発をしていただいた方がいいんじゃないかなと、経営者の立場ではそう思うんです。

(津金会長) そうですね。最初前提の問題で私も言いましたように、やっぱり受動喫煙による健康影響がまだ十分周知されていないので、これをもうちょっと周知するというようなこと、テレビとか新聞とか、県のいろいろな広報として徹底的に皆さん方に知識を普及するというような期間というのは、やっぱり必要のような気がしますね。
皆さん方が、受動喫煙というのは健康被害があること、人前でたばこを吸うことは人を傷つける行為であるということを理解した上で、禁煙条例に関して議論をするということも重要だと思います。

(玉巻委員) まずこの範囲の問題について、先ほどの副会長のご指摘もあった部分に敷衍(ふえん)して、ちょっと細かい話なんですけれども、たとえば飲食店だけからなる雑居ビルがあるといったときに、この条例の規制対象となるエリアというのがどういうエリアが具体的に確定されるのか、これゆくゆくは当然罰則がつくという形になるわけですから、その適用範囲が明確にならないと、罰則をかけるなんていう話にはならないわけですから、この範囲、ここからここはオッケー、ここからこっちはアウトっていう線引きができないといかんと思うんですけども、そのへんまずちょっと教えていただきたいんです。
要するに、規制対象施設だけが入居する雑居ビルという状況で、当然その施設のバックヤードは個別の施設ごとにありますよと、ところが雑居ビルだから、その雑居ビルを利用する人のためのパブリックスペースとしてのたとえば洗面所がある、あるいは階段がある、エレベータホールがある、こういう状況であるということなんですけど。

(堀江課長代理) 例を挙げられました入口、ロビー、通路、それからトイレ等々、不特定多数の者が利用し得る部分、これにつきましてはやはり原則禁煙というのが基本的考え方でございます。店舗に入った部分も禁煙でございますが、基本的考え方では、その中の適用除外施設としましていわゆるバックヤード部分、飲食店でいいますと厨房であるとか、事務室であるとか、そういうものが該当すると、つまり適用除外であるという考え方でございます。

(玉巻委員) 分かりました。それはそれで結構です。
段階的施行という話なんですが、フランスや香港で例があるということで、それはそれで早く条例を根付かせる戦略としては非常にいい戦略かなというふうには思うんですが、適用が先送りになる施設について、果たしてほんとにうまく線引きができるんだろうかということは、なかなか難しいのかな。うまく適用が先送りになるところとスタートライン、あるいは早期に適用されるところとで差が出てくる、そのことについて当該事業者、その事業者自身が不利だと思う部分があったとして、その不利だと思う事業者が納得できるようにどうやって説明していくのかということが十分できるのかなというのは、これはまた非常に難しいのかなという気がします。ただし、それはやらざるを得ないんだろうというふうな気がいたします。
ただ、そのときに、これは別の論点にもなってしまうんですが、先ほどご案内いただきました、意見聴取の際の県の回答の中で、6月13日の意見交換会の県の回答の中で、完全分煙という考え方もあるし、こういう考え方もあります、県がそういう考え方を取ってるとは言ってない、事実としてそういう考え方があるよという指摘をしているだけではあるわけですが、果たしてほんとに分煙というスタイルというのはあり得ないのかなというのは、私自身としては未だに引っかかりのあるところで、また同じ話だろうというふうに思われる方が大勢いらっしゃるとは思うんですが、私自身喉が弱いので、禁煙を徹底すべきだというふうな個人的な思いはあるんですが、現実に何度も、これは前回も前々回も申し上げたことですけれども、成人男子の喫煙率が非常に高いということで、休める場所ってあるのか、こういう問題は出てくると思うんですね。
先日来いくつかのメディアが報道していますけれども、建物内禁煙を建物管理者が自主的にやっている、その結果として建物から追い出される喫煙者がどこへ行くか、路上に行っちゃうわけですが、たとえば横浜の駅前だと路上はアウトだ。そうするとどこへ行くかというと、その近辺の公園に行っちゃうという形で、都会の中の公園が喫煙場所になって、公園利用者が副流煙被害を受けていると、これは何とかせないかんと。
ところが、公園というのはどの条例でも適用対象外になっちゃって、結局のところそこが逃げ場所になっている。公園管理者がもちろんそこを禁煙にすればいいんでしょうけれども、現実にはそういう形に公園管理者がまだ踏み切ってない。それをどうするのか。
そもそもそんなことが起きてくるのは、ゆっくりたばこを吸いたい人間が現実に何千万人かいる、その何千万人かに現実に吸う場所を用意せずに追い出していくからそういうことになっちゃうんだというふうな思いがあるわけです。
もちろんそれは愚かな行為をやってる人間だから駆逐されてしかるべきだと、こういう価値観もあるんだろうとは思うんですけれども、現実にそうも言っていられない。
そうすると、段階的に禁煙を徹底していくというのも一つのアイディアではありますけれども、施設によっては分煙を認める、分煙か禁煙かどっちか選びなさい、こういう選択肢、喫煙可という選択肢はこれはもうやめるべきかなというふうには思うんですが、禁煙なのか分煙なのか、これは事業者の経営判断で自由に選んでいいですよというぐらいのことは検討の余地はないのかな。これは私何度も言ってきているんですけども、おそらくそこの検討会にて採用には至らない意見なんだろうとは思うんですが、そういうふうに思います。
もう一つ、先ほど会長が、医学者の立場から見て、喫煙あるいは受動喫煙というものが発がんのリスクがある、あるいは疾病の誘因である、あるいはもっと端的に原因であるということは、これはもう証明されてるんだというふうにおっしゃいましたし、私は専門家ではないので、そうですかというふうに伺うしかないんですが、たばこ事業者やなんかの弁を若干ホームページやなんかをチェックしましたところ、多数の論文が発表されていて、その多数の論文のうち有意な健康被害の原因たるものだというふうに言っている論文は少数派だ、統計誤差の範囲内に収まっている論文の方が論文の数としては多いというようなことを主張している事業者もいる。これは存否という点でいうと、事実としてそういう意見があるということなわけです。
そうすると、先ほどのパブコメの中に表れてきた意見というのは、医学的に一蹴されるべき意見だというふうにほんとに言い切っちゃっていいのかなというのは、若干疑問を感じないではない。
確かに私自身が副流煙にちょっとさらされただけでむせ込んでしまう。これは健康被害であることは間違いないわけですから、健康被害がないなんていうことは断じてあり得ないと思うんですが、発がんのリスクというふうな形で非常に狭くとらえたときに、ほんとにどうなのかというのは素人としては是非会長にご教示いただきたいところだという、そういうことです。
ちょっと長くなりましたが、以上です。

(津金会長) まず、基本的には分煙では健康被害を起こさないレベルにするのは困難であるということが科学的に証明されているから、分煙ではだめで、禁煙にしなさいということであり、それがWHOのガイドラインでも示されているということです。
それから、受動喫煙の発がん性に関しては、これはほんとに最後の深刻な健康被害ですね。その前にいっぱい早産とか、子どものSIDS(乳幼児突然死症候群)とか、喘息とか、呼吸器機能低下とか、心筋梗塞とか、もう少し早期に影響の出る明らかな健康被害というのはもっとたくさんたくさんあります。受動喫煙と肺がんに関して決着ついたのは、ここ数年の話ですね。
さっき言われたように、夫からの受動喫煙の影響が統計の誤差を越えて認められた論文は55の報告があるうちの7報告、12.7パーセントです。だけれども、55の報告中48の報告が、基本的には相対危険度が1よりも大きい、要するにリスクを高めるというようなことを報告しています。
それから、疫学研究における関連性においては、バイアスとか、交絡要因とか、偶然とか、因果関係と競合するいろんなことが起こり得るんですけども、そういうような可能性をすべて考慮に入れた結果、それから統計的な誤差範囲とかを考慮に入れた結果、私が決めたのではなくて、世界の専門家、要するに国際がん研究機関、米国公衆衛生総監に対する報告書、それからカリフォルニアEPA(環境保護庁)などのすべての報告書が、受動喫煙は確実に肺がんの原因になるということを、ここ数年以内に結論付けています。
それから、我が国の学術会議も、受動喫煙が肺がんの原因であるということを明らかにしているので、受動喫煙の発がん性については、科学的には決着しています。
毎回同じこと言いますけれども、それに基づいて世界保健機関が、受動喫煙による健康影響の科学的根拠に基づいて、受動喫煙防止のためのたばこ規制枠組条約を出していて、それに日本政府は批准しているのですね。これは、要するにそういう科学的根拠も含めて受動喫煙の健康被害を認めていて、それを防止しなきゃいけない、受動喫煙もそうですし、もちろん自分が吸うたばこの方がずっとわるいのですけれども、それ全部含めて日本政府は批准しているということも非常に重い事実だと考えます。ですから、科学的にも、政治的にも、受動喫煙の健康被害に関しては決着していると、その前提で皆さん方、是非お考えいただきたいと思います。
それから、確かに自分自身が吸う方がずっとずっと健康影響が大きいですね。ですから、吸わない人に対するたばこを吸う人の肺がんのリスクは、日本では少なくて5倍程度なのですけども、欧米では10倍とか20倍高いのですね。そういう5倍とか10倍というのは、統計学的な有意差が検出しやすく、100例とか200例とかの肺がん症例を用いて研究するだけで、すぐに検出できます。
ところが、受動喫煙の影響というのは確かに小さいのです。相対危険度として、夫が非喫煙者に比べて、夫が喫煙者である場合は肺がんのリスクは1.3倍とか1.4倍ぐらいです。1.3倍のリスクというのが、統計学的有意差を持ってリスクだと言うには、ものすごく大規模な研究をしないと検出できないのですね。
ですから、今まで発表された数多くの報告に基づいて、それを全部統合して、より安定した数字を出すということに基づいて、統計学的有意に30パーセント程度のリスクであるという結論が出ているということです。

(玉巻委員) 今のご説明、非常によく分かりました。
ただ分煙の話に関しましては、分煙はあり得ないということはあり得ないというのは、私のやっぱり今でも変わらない認識です。
というのは、たとえば危険なウイルスであるとか、細菌であるとかの実験をしている施設に人間が入って現にやっているわけですね。そこから漏れないように遮断するということは現にできているし、やっている。もしも漏れるんだったら、そういう実験できないと、こういう話になるわけです。
もちろん、それはコストの問題があるから、そんなコストかけた分煙なんてあり得ないよということにはもちろん経済原則としてはなるわけですけれども、分煙はあり得ないかと言われてしまうと、それはあるんだというふうに認めないといかんのじゃないか。
たとえば事業者が、1億円の費用かけてうちは分煙をやりますと言ったときに、その分煙は分煙ではないから禁煙しなさいというふうには言えないんじゃないかというふうに私は認識してるということなんです。
さらに、これは制度設計の困難な問題で、これは同じことの繰り返しになるんですけど、バックヤードをオッケー、規制の対象にしませんてやっちゃってるわけですよね。その部分は分煙であることは明確な事実なんです。にもかかわらずパブリックな部分は分煙だめだ、バックヤードの分煙はオッケーだと。これは以前安田委員が、一般大衆が入るところは一般大衆を保護する人がいない、バックヤードの部分は労使関係で保護の要求をする人がいるから、そこは規制対象外にしたとしても、自主運営で規制がかかる可能性があるので、それは条例の適用対象外にしても問題は生じないという趣旨のご発言をされた。それは制度論としてはそうなんだけれども、事実としては分煙をやってることは間違いない。それをパブリックな部分で分煙を認めないってやっちゃったら、何でバックヤードの部分は禁煙オッケーなんですか、その質問には応えてないんですよね。
そこをやっぱり事業者を納得させるためには、私は納得させるんじゃなくて、分煙で事業を営みたいという事業者が納得できる理屈をきちっと用意しなきゃいけない。ここのその辺の理屈というのは、それは制度の選択としてやるんですという話であって、理屈でこうなりましたということではないんですね現状。
制度の選択としてやりましたということであれば、それはそれで私はいいということは1回目から言っているんですが、事業者の側はまだそこを納得してないようにこのパブコメやなんかを見ていると思える。その部分をさてどうしますかということはやはり詰めておかないと、事業者の協力が得られないどころか、反発されて、折角芽を出しかけている条例案が根こそぎひっくり返されることになっちゃったら困るんじゃないかということを心配していると、こういうことなんです。

(津金会長) バックヤードの部分は、適用除外なのでバックヤードで喫煙してくださいというふうにとらえられちゃうと、とても困るのですけども、基本的に健康増進法は努力義務ではありますけれども、職場なども含めて禁煙にすることが、罰則はないのですけども、法律で義務づけられていますので、そこをやっぱり事業者の皆様方もしっかり踏まえて、何でそういう場所を禁煙するのかということをわかっていただいて、やっぱり職場とか、バックヤードの部分も自発的に禁煙にすべきと考えていただけることを期待します。今ここでは、県としてできることとしての部分の禁煙をまずやるわけで、できないとこの部分は当然、広報とかそういうのを通じながら、事業者へ浸透するように、そういう広報は当然し続けていただきたいと希望します。

(安田委員) 1点目、受動喫煙の因果関係については会長のご説明のとおりでよろしいと思いますし、私は逆に仮にその部分が疫学的に証明されていなかったとしてもこの条例は存在する意義があると思っています。何故かと申しますと、やはり喫煙の問題というのは、世界の合意形成の歴史を見ていく中で、条例というのは、神奈川県としての一番望ましい、多様な人たちが共存するに相応しい政策を示すことだと思うんですね。
実際、これだけ喫煙という問題が社会問題化しているという事実がありますし、それから世界の動きを見ればWHOの批准の問題とか、あるいは日本での健康増進法の施行がある。たばこの製造販売に携わる事業者である方々も、たばこのパッケージのところに、はっきりとは書いておりませんが、リスクがあるというような表現が含まれているわけですね。
疫学的な研究には制約もありますので、そこで仮に因果関係が明確でないという結果になっていたとしても、今の社会においては一定程度の条例で何がしかの見識を示していくということについては意義があるだろうと思います。
ただ、一方で分煙の問題については、私もその存在は認めるべきだと考えております。やはりこの問題は、前回も言わせていただきましたが、受動喫煙から守るための条例という形、位置付けになっておりますが、もう少し具体的に言えば、ETS(環境たばこ煙)の曝露というものをいかに防ぐかということだと思います。
ETSの曝露をいかに防ぐかという問題については、まず第1に、前回も申し上げましたが、固定的、継続的な関係の中で強いられる場所、つまり職場とか家庭内、これが最も優先されるべきです。それから、公共の場所でいえば、やはり屋外のスペースですね。これについては特に空気というのをコントロールすることはできませんし、スペースもコントロールすることできませんから、やはり路上喫煙の問題が野放しになってしまうというのは非常にリスクが高いものだと思います。
そういった優先順位の高い場所が他に存在する中で、受動喫煙が健康影響に及ぼす度合、リスクが極小であると思われる公共的施設における屋内の問題について、なぜ条例化するのかということについては、やはり不特定多数の方々が来る場所で、代替性がない中で、受動喫煙がトラブルを生じさせる可能性があるということです。
それから、がんという罹患の形で示されなかったとしても、化学物質過敏症の方もいらっしゃれば、受動喫煙によって頭が痛くなったり目眩がするとか、そういった急性影響というのは当然あります。以前、厚生労働省の研究で、様々な迷惑・不快と感じるものの中での受動喫煙の位置付けを調査しましたところ、迷惑度、不快さが相応に高かったという結果が出ましたけども、そういった急性影響も含めて一定程度の基準を条例によって示しておくことは必要だと思っています。
ただ、先ほど言ったように公共の場所での受動喫煙の健康影響の度合いというものは、急性影響のものを含めなければ、発がんリスクという中では極小なものですから、全面的、画一的に禁煙というのは、私自身は賛同できないなというように考えています。
今のところパブコメとかアンケート結果を見る限り、まず、行政に期待されていることは、公共の場所での喫煙所の設備とか、喫煙者のマナー向上のための意識啓発とか、そういったものが条例による規制よりも優先順位として上位に挙げられておりますので、そういうものも含めて、一定のコモンセンスを条例として示すことは重要ですけれども、喫煙する人と喫煙しない人を分断するのではなくて、やはりそれぞれの方が共存してよりよい社会を形成していくためのコモンセンスを示していくということですから、今現在の神奈川県の状況からすれば、ある程度事業者の方々の自発的な選択といいますか、裁量の余地というものを残しておくことが必要ではないかなと思います。
ただ、今回非常にいいなと思ったのは、パブリックコメントの中で禁煙サポーター制度というアイディアがございましたけど、これは非常にいいと思うんですね。こういう形であまり行き過ぎた規制とか強制という話ではなくて、様々な方々の社会参画の中で自主的にいろいろ取り組んでいかれる、そういった環境を整備する、そのためのまずは基本となるガイドラインを示すということで、私自身は基本的にはまず公共的な施設については区別して考えるべきだろうと考えておりますし、第1ステップとしては開設者が公設、公立であるところ、それから代替性がない医療機関といったところ、つまりアンケート調査の結果で示された、禁煙への支持率が5割とか6割以下にとどまっているような飲食店とか、あるいは娯楽施設、そういったものは区別しても、あるいは分煙ということも含めて区別することも必要なのではないかと考えております。

(津金会長) 一つ訂正しておきたいことは、科学的な因果関係において、疫学的な証拠というのは、因果関係構成の一つの構成要素であって、すべてではないということです。
ただ、疫学的な証拠があるということが、人における因果関係を決定づけるためには、非常に重要な構成要素となっていますが、それはすべてではなくて、当然、疫学の話もあれば、ほかの科学的な証拠を全部総合的に集めて因果関係が評価されているのであって、疫学的に証明されている、証明されていないという話ではなく、受動喫煙と肺がんとの因果関係はあると判定されているという状況であるということは認識していただきたいと思います。
それから、実際問題としては、これも何回も言っていますけども、やっぱり家庭での受動喫煙とか、それから職場での受動喫煙の方が、受動喫煙の曝露としては大きいのですけれども、ここで飲食店とか娯楽施設など、次に受動喫煙が大きい場所を規制の対象から外したり、分煙とか少しトーンダウンさせたりしたら、狭小の中の狭小のところしか規制できずに、結果として県民の健康を守るという意味では全く役に立たない、ほとんど意味がない条例になってしまうというふうに、私は思います。

(安田委員) 条例という形が最善の策かどうかということは議論して然るべきだと思います。受動喫煙の機会を極小化することが重要ですから、たとえばそれは飲食店のエントランス付近に分煙しているかいないかとか、そういったものの表示があるだけで、非喫煙者の入店とETSの曝露から回避できるわけですね。
ですから、そういうことも含めて、条例というものが果たして本当に最善の策なのかどうか、それしかないのかどうかということも含めて段階的導入という問題は総合的な観点から判断されて然るべきだと思うんですね。

(玉巻委員) 今の会長あるいは安田委員のご発言に関連して申し上げますと、ほんとに一番危険なのが家庭内であることはこれもう間違いないんですよ。
これは統計上の数字は私は知りません、中田委員に教えていただきたいんですが、受動喫煙で喫煙者である夫から被害を受けて肺がんで死んじゃう主婦が日本に年間何人いるのか。それと、突然突拍子もないこと申し上げますけれども、火事で焼け死ぬ人がいったい何人日本に1年間でいるのか。おそらく中田委員によると発がん死の方が多いんですよね。
そうなると、何を申し上げたいかというと、これは土俵の話になって、土俵の話はやめてくれというふうに事務局側は思われるんだと思うんですが、今消防法と火災予防条例に基づいて、個人の自宅の寝室については火災報知器を付ける義務が法律上今あるんですよね。ただ罰則がないだけで、義務はもう課せられている。新築家屋であれば、必ず火災報知器が予め設置されていて、その施行前の建物は、自治体によって条例の施行時期のタイムラグがあって、まだ施行されてないところ、されているところあるんだけれども、火災による焼死ということを防ぐために火災報知器を寝室等に付けなさい、それを法律上の義務としている。
受動喫煙の発がん死のリスクがそれより大きいんだとすれば、禁煙条例によって家庭内禁煙ということの規制をかけることは法律論としては当然にあっていいんです。保護法益は火災死よりも遥かに大きいんだという立証があるんであれば。でも、それをやらないという決断をともかく神奈川県は今回してるわけですよね。
ですから、会長がおっしゃるように、禁煙をし、分煙をし、段階施行をするんだったら、ほんとに規制の対象というのは極小化、あるいはさらにもっと誤解を恐れずに言えば矮小化されてしまうということがあったとしても、これは一つの種を蒔く段階だからしょうがないんだというふうに割り切って、いかに大きく成長させるかなというふうなことで行かざるを得んのかなという気がするんですけれども。
私の個人的な本音で言うと、ほんとに職場から、あるいは家庭から、家庭内で禁煙だ、あるいは家庭内で分煙だ、さらにそれをもっと極端に進めれば、喫煙行為を禁止する、要するにたばこを非合法化するというふうな話になるんだろうと思うんですけど、極端に言えばそこまであり得る話ではあるんですよね。
でも、それはやらないという決断をしてるわけでしょう今は。というふうに私は認識してるんですけど。

(津金会長) 県としてはやれるところをやるということだと思いますけれども。当然家庭は難しいと思います。

(中田委員) 皆様こんばんは。皆様の意見を聞いてからと思って、ちょっと遅くなってしまいました。今日私が用意させていただきました資料はDVDに焼いておりますので、あとで皆様にお配りいたします。マスコミの方も必要な方はおっしゃっていただけたらと思います。この中には、室内で分煙されたときに、どのように煙が流れていくのかということがわかる動画が入っておりますので、是非ご覧になっていただけたらと思います。つまり、分煙というのはやっぱり煙が流れるということですね。
私の資料の14ページをご覧いただけますでしょうか。条例の禁煙化レベルということで、段階を書いてみました。今議論になっているのは飲食店などの分煙か禁煙かというところで、ここで議論しているわけなんですね。日本も批准しておりますたばこ規制枠組条約が求めている達成レベルというのはレベル4、建物内あるいは敷地内禁煙ということですね。ここで、レベル2で飲食店が分煙になった場合、煙はやっぱり漏れてしまいますので、かなりレベルが低い条例になってしまうのではないかということで、私はすごく危惧いたします。
1ページ目をご覧ください。この条例の案に関する現状の課題として主に三つ挙げられます。特に今回皆様にお伝えしたかったのは、玉巻先生がおっしゃっていたバックヤードについてです。バックヤード、それは更衣室、休憩室、事務所などですが、条例の対象に入らないということでしたので、5月に大急ぎで飲食店、事務所などを調査をしてまいりました。休憩室で喫煙した場合、禁煙の客席にいかに煙が流れていってしまうのかというのをグラフにしてみました。これは一例なのですが、休憩室、それから事務室というのはきちんと設計された喫煙室ではありませんので、換気扇がない、そして窓もないようなところが多いのです。ですから、当然煙は流れていってしまう。人の出入りがあったり、空調によって禁煙の客席の方に、またはパブリックスペースに流れていってしまうという例がありました。問題は、たばこ煙の濃度が喫煙室の中でこれ以上上がってはいけないという法定評価基準値を超えていたということです。バックヤードに喫煙者がいれば禁煙部分へかなり高い濃度が流れていってしまいますので、私はバックヤードを条例の対象に入れないということは大きな問題だと思います。
3ページをご覧ください。年間の死亡者数なんですが、やはり受動喫煙は交通事故やアスベストの被害者よりも遥かに多いと報告されています。
そして、4ページ5ページ、世界各地で禁煙が進んでいるということです。
6ページ7ページ、これはいろんな各国で出している禁煙推進ポスターです。
9ページ目、健康増進法というのは、私的空間以外の場所を受動喫煙防止を謳っていますけれども、こういった法律があるにもかかわらずなぜ受動喫煙対策が遅れてしまっているかというと、やはり増進法に罰則がない、努力規定のみということだと思います。ですから、バックヤードを対象外にしてしまうと、やはり健康増進法で規制をかけるのはなかなか難しいのではないでしょうか。バックヤードでたばこを吸わせてしまうと、やはり禁煙席に漏れるということが考えられます。先ほども津金先生おっしゃいましたけれども、「がんと戦う力強い政策」ということでこの条例が打ち立てられてようとしているわけなので、もしあまり甘いものになってしまうとがんと戦えない条例になるのではないかということがとても心配です。
なぜ法律による規制が必要なのか。これは各業界の自主的な対策ではうまくいった例が一つもないんですね。自主的ではどうしても不完全な分煙になってしまう。それから、煙が漏れない分煙は不可能であるということですね。玉巻先生がおっしゃってましたけれど、また、川上先生が経営者の立場でおっしゃってましたけれども、やはり完全分煙をしますとお金がものすごいかかる。きちっとした分煙をしようとすると、350万円から1000万円。これはいったい誰が出すのだろうか、そして県はそれをサポートできるのだろうかというところでとても引っかかります。そして、完全分煙とはどのような分煙なのかというのが分からない経営者がたくさんいると思いますので、いい加減な分煙が増えてしまわないかということが心配です。この写真はジョンソン・エンド・ジョンソンという会社で行っている完全禁煙の例なのですが、喫煙室の設置に350万円、維持費に年間1000万円かかっています。また、一人喫煙者を雇いますと、年間約50万円の労働力の損失になるという計算があるんですね。これは経営者の立場からぜひ川上先生にもお考えいただきたいと思うのですが、喫煙者はどうしてもニコチン補給をしますので、その間の時間労働力の損失ということで、諸費用をいろいろと計算しますと、1年間で100人の喫煙者がいる職場で6350万円の損失になるという計算です。
それから、次のページは職場の完全禁煙化の効果などを図にしています。なぜ分煙ではだめなのかということは、これまでも何度もお話ししたと思います。
24ページ、25ページ目からなんですけれども、飲食店はやはり一般の職場に比べてたばこ煙の濃度が高くなっていますので、だからこそ各国で飲食店の完全禁煙化が進んでいるわけです。受動喫煙によって多くの従業員が亡くなっているという調査結果もあります。日本の現状、対策の多くは不完全分煙ですね。禁煙タイム(時間分煙)ではどうなのかという議論があるんですけど、禁煙タイムといいますのは、禁煙タイムのみでしたらきれいな空気を保てるのですが、喫煙タイムに入りますと非常に汚い空気になりますし、次の日にそのたばこの煙は持ち越されますので、禁煙タイムにもたばこの煙が存在することになります。
そして30ページ、フロア別分煙ですね。上が喫煙フロア、下が禁煙フロアの場合どうなるかということで、31ページの上をご覧ください。禁煙・喫煙フロアのたばこ煙の濃度にかなり差がありますので、分煙がきちんとできていると見えるかもしれませんけれども、一番下のラインの煙のない空気環境、これは0.01という数値なんですが、この煙がない状態から比べますと、やはりたばこの煙が禁煙フロアにも存在するということがわかります。この中に心筋梗塞の方や妊婦、赤ちゃん連れがいらっしゃることもあり、問題になるわけですね。
37ページ目をご覧ください。たばこ会社の言い分について、下の方のページですが、ほかの先進国では全面禁煙法が一般の人々から支持され、法令遵守レベルは100パーセントに近いということがわかっています。たばこの煙がない環境というのは、実はたばこを吸わない人たちだけでなく、たばこを吸う人にも支持されているということが分かっています。
38ページ目をご覧ください。たばこ会社は、禁煙法をつくりますと、レストランやパブの経営を窮地に追い込むというように主張するのですが、中立公正で厳しい査読を受けた研究の中で、禁煙法が経営に悪影響を与えていることを証明しているものは一つもありませんでした。そして、世界的に見て、接客業界の販売と雇用のデータは、禁煙法施行の前後に変化なし、またはよい結果を出しています。ばらばらに事業主が自主的に禁煙化した場合、もちろん周囲は喫煙可能な店もありますので、顧客が流れたり売上も一時的に下がったりなどがあるかもしれませんけど、全部平等に法律によって禁煙化すると、経営に悪影響を与える状態はなかったという研究結果が出ています。また、禁煙法を施行した国々で、禁煙法によってサービス産業全体が経済的なマイナス効果を被ったという証拠はありませんでした。
ということで、完全な禁煙化が受動喫煙対策として最も効果的で、最も経済的な対策ということが言えるのではないかと思います。日本も国際レベルに合わせた厳しい条例をここで考えてみてはいかがでしょうか。
知事も国際条約(たばこ規制枠組条約)を守りたいとおっしゃっています。
すべての県民を守るためには、やはり分煙ではだめで、禁煙を推進するべきなのではないかと考えております。

(津金会長) 今のプレゼンテーションも含めまして、何かありますでしょうか。

(金井委員) 私も最初からお話をしてますけれども、県民の健康を守るために、こういった条例を制定することは賛成ですよ。だけど、私はいつもお話をしてますけども、健康とか医療とかいう論点は、ここの委員さんみんなわかってると思うんです、ほんとに健康に影響があるということは。問題なのは、やっぱり県民の合意形成というところを大事にしなきゃいけないんじゃないかというのを前回も言わせてもらいました。
そういった意味では、今回のパブコメの意見というのは、やっぱり新聞にも出てましたとおり、拮抗の状況なわけですよ。
でありますから、そういった意味では、やれるところからやるというところの範疇の中では、やっぱり飲食店や何かについてはもう少し時間を置いて議論をし、また説明をし、今先生がおっしゃったようなことは、そういった方たちが理解いただければ必然的にもっと条例制定が促進される方向にいくかと思うんですけども、残念ながら今のところはきょうの報告にありますとおりです。
先生たちが非常に健康医療の論点を主張されます。私もたいへん勉強になります。だけど、私からは、やっぱり経営者の立場というのもあるんですね。やはり今日もパブコメでありましたとおり、やっぱり全面禁煙になると小さい飲食店は客が来なくてつぶれてしまうということなんですよ。そうすると、いずれは客が戻りますよという意見がありましたよね。しかし、今経営者の実態を私なんかは先生よりか知っているつもりです。暫くするとお客が戻りますよという感覚ではつぶれてしまうんですよ。
いわゆるたばこは、税収が減るけども、健康被害も減るという論点だけじゃなくて、地域の経済的な停滞もやはり僕は影響していくと思いますね。
そういうことになると、地方財政の影響も出てくるんですよ。少なくともたばこの税金だけじゃありません。地域経済の停滞をもたらす地方財政の影響って出てきますよ。そのためにやはり医療費であれ、福祉費であれというところで絶対影響を持ってくるわけですから、その度に財源どうするんだというと、法人2税の超過課税みたいな形でそういったところにまたしわ寄せがきてしまうというのを非常に経営者心配していますよ。そういう観点からいくと、やはり今日のパブコメの意見もあるように、私は先ほどどなたか言いましたとおり、私の店は禁煙にしようという場合の禁煙サポーター制度などを設けながら、ただ単に指くわえてお任せしますよじゃなくて、そういう制度を醸し出しながら、そういうお店が増えていく、そしてそのことが全県民的に少なくとも、100パーセントは無理だと思いますけども、促進へ向けた合意形成を早く取っていくということが大事だなと、こういうふうに思っておりますので、経営者の団体から出てきてる立場で、そういった実態の話を含めて、意見として出させていただきます。

(中田委員) 各国でも、ほかの国でも、禁煙化により事業がつぶれるんではないか、経営が悪化するんではないかとすごく心配されたんですね。蓋を開けてみれば、経済的にもマイナスはなかったという結果が出てるので、ほんとにそれがつぶれるかどうかというのは、実際にやってみなければわからないような気がいたします。

(川上委員) 時期的に悪いんですよ。原材料がどんどん高騰しているでしょう。それじゃなくてもたいへんな時代に、またこれもかよみたいな、さっきお話したようにだんだん真っ暗になってきちゃって。だから、そこら辺のところを説明を。

(中田委員) 私自身は、たとえばフランスの例みたいに、飲食店は1年間の猶予を持たせて、その間に段階的に進めていくというのは可能かなと思ってるんですね。
それから、イギリスの禁煙法の例なんですけど、非常にやり方が上手だったなと思いますのは、受動喫煙の害に関する知識を普及させるために猶予期間を1年間取ってるんですね。十分に国民の意気を揚げたというか、意識を高めたわけです。何をしたかというと、テレビ討論会に喫煙派と禁煙派を呼んで、がんがん討論させて、それをオンエアしたり、多くの参加者を募って、国民の話題にしてしまった。それから、コマーシャルや新聞で受動喫煙の害についてほんとに毎日のように流した。テレビでも禁煙(受動喫煙防止)のコマーシャルを流した。それからクイットラインといいまして、禁煙したい人のサポートをするシステムがあるんですよね。やめたい人はここに電話してくださいという情報を、毎日毎日テレビで流した。
そういうふうにいろいろな切り口でどんどん話題を提供し、家庭や職場でも吸うのはやめましょうとか、そういうのも含めまして、県民全体を啓発していくというのはとても大事なのではないかと思っています。

(津金会長) そういう意味では受動喫煙の健康被害に関するいろんな問題の認識、ここにいらっしゃる方はこういう機会を通じてご理解いただいてきたとは思うのですけれども、それでもやっぱり経済が大事だと言われる方はもちろんいらっしゃるだろうし、わかった結果としてはやっぱり経済よりも健康を取らないといけないという方もいらっしゃるでしょう。受動喫煙防止の徹底によって、吸える場所が少なくなれば喫煙率も下がり、それにより医療費も下がり、経済的にもいい影響を与える可能性もあるだろうし、当然意見というのはいろいろ賛否両論なのですね。経済的な打撃を言われる意見もあれば、そうじゃない意見だってあったということで、圧倒的にみんな経済のことばっかり言っているわけじゃないというような現状もあるわけですね。
それから、受動喫煙の一番の問題は、たとえばお酒、肥満などいろいろ体に悪いものはほかにもいっぱいあるんですけど、これは他人に対して危害を加えるってこと、他人に対する健康被害を与えるということで大きな違いがあって、自分で被害とかそういうものを認識しながら吸うことに関しては、ここでは一切それに関しては規制するつもりはないわけです。あくまでもたばこを吸わない人が受動喫煙によって被害を受けるのを最小限にすることと、それから知らないで他人に健康被害を与えてしまうということを最小限にすることを防止しようとするわけですから、こういう形で条例でしか規制できないと思います。他人のいる公共的な場で喫煙をする行為は、他人へ健康被害をもたらす行為という問題だから、条例で規制をするのであろうと私は理解しています。

(川上委員) 資料の3ページ目で、年間の先ほど死亡者数、交通事故と、アスベストと、受動喫煙とあるんですが、交通事故は亡くなられた方わかりますよね。受動喫煙の1万9000人から3万2000人と幅があるんですが、これはどうやって調べたのか、受動喫煙で亡くなった方というのはどうやって数を出したんですか。

(中田委員) 人口から計算した数字ですから、推計ですね。

(津金会長) 受動喫煙を受けない人に比べて、受動喫煙を受けることによる病気になる相対危険度がいくつかという数値がありますね。それから、受動喫煙を受けている人がだいたいその集団の何パーセントぐらいいるかというようなことがわかると、その病気における受動喫煙に起因して起こったと推定される割合が何パーセントぐらいかというのが出てきます。それに対して、例えば年間のその病気による死亡数に掛け合わせると、受動喫煙によってもたらされた死亡数は推計できます。
たとえば肺がんだったら、ざっと今計算すると、女性の肺がん死亡数が年間1万7千ぐらいですか。そのうち非喫煙者の肺がんが80パーセント、その15~20パーセントぐらい、3000人ぐらいの女性の肺がん死が受動喫煙によるもの。正確ではありませんがそういう規模で受動喫煙が原因で過剰に肺がんにより亡くなられていると推定できます。
中田委員の資料にある1万9000から3万2000というのは、男性の肺がんとか、心筋梗塞とか、ほかの病気への影響も結構ありますので、そういう数を含めて推計されているのかと思います。
私としては、ちょっと多いのじゃないかなという気もしなくはないですけども、おそらく毎年1万とか2万ぐらいの方は受動喫煙によって過剰に亡くなられているというふうに考えてもよろしいのじゃないですか。

(川上委員) たばこがなくなるとこれだけ死ななくなるんですか。

(津金会長) たばこがなくなったらもっと、10万とか、そういうオーダーで早死にする方を防げると思います。

(中田委員) 35ページの上の方ご覧ください。イギリスの禁煙法は高い効果がありまして、禁煙法が施行されたことにより16万5000人が禁煙に成功しているんですね。これは前年度の禁煙者数より非常に多かったということです。喫煙者は実は8、9割はたばこをやめたがってるということがわかっていますが、そのやめるきっかけをつくる、実は喫煙者にとっても体にいい、健康を守る法律だと思います。禁煙法によりたばこはよくないという社会規範もできますし、未成年がたばこに手を出しにくい社会になりますので、いろいろなメリットが考えられるんじゃないかと。
玉巻先生が非常に喫煙者の立場を心配してくださっているのですが、禁煙条例は喫煙者をいじめる条例ではないと思うんですね。屋内で吸うとやはり問題ですし、吸う場所はあるわけですから、常識的に他の国のように屋外で吸うということになれば、それが当たり前の社会になっていく、そして受動喫煙の被害がなくなっていくと考えられますが、いかがでしょうか。

(玉巻委員) こういう場所でこの指摘をするのが相応しいかどうか疑問なんですけど、この建物の1階の入口、屋外で吸っているんですよね、屋内から追い出された結果。私あそこ通るのに非常にいやなんですよ。あそこ通っただけでむせちゃうことがある。
要するに、今やってる室内禁煙というのは、ああいう状態つくっちゃうわけですよね。それが果たしてほんとにいいのかな。要するに喫煙可能、遮断された喫茶店でくたびれたサラリーマンがたばこ吸う分には、周りの人間全然影響受けないですよね。いや、これは分煙できない、影響受けるんだというのが中田委員の持論なので、そうなんですかというふうにお聞きするしかないんですが、私はそれは分煙可能だというふうに考えてますので、たとえばこの本庁舎の1階の外側のところ金魚鉢にしちゃった方が私はいいと思う。屋外でああいうふうに自由に吸わせて、ここを喫煙場所ですよという指定をしてあるというのは、建物の中は守られてるけれども、その建物に入るための人間にとってものすごい迷惑なんです。
それが今駅の周辺で、たとえば横浜駅前どうなってるか。JTが設置した特定の場所がある。そこの周辺というのは煙もくもくですよね。たとえば新宿の西口駅前、ロータリーの前のところもそうなんですが、新宿区が指定した場所で、あそこは路上禁煙の対象エリアではないということになってるんだけども、小田急のデパートに入ろうと思ったら、あそこ通るしかないんですよ。
ああなっちゃっていいのかということなんです。それはやっぱり私はまずいんじゃないか。だったら、やっぱり現に何千万人かの営業職のサラリーマンがたばこ吸ってる以上、その人たちが吸える場所を確保して、ほかの人に影響を与えるところは厳に謹んでください、そこでやっちゃったら罰則かけますよと、こういうスタイルの方が制度設計としてはよろしいんじゃないですかということを私は繰り返し言っている、こういう話なんです。

(津金会長) 喫煙室を設けるとか、そういう形になるのですかね。そうすると今度はたぶんそれこそお金がかかるとか、そういう問題があって、結局なかなかできないというようなところの問題も出てくるのではないかなという気はします。

(中田委員) 確かに建物外のすぐ下で吸わせるのは問題だと思います。というのは中に入ってきますし、そこを通る人はたくさんいますので、受動喫煙を浴びてしまいます。本来ですとあの喫煙所はもっともっと建物から離れたところに何かちょっと小屋でもつくり、喫煙者はそこへ行った方がいいと思います。

(津金会長) 県庁舎入口前を通るときにちょっといやですよね。神奈川県は、こういう条例を検討しているときに、ああいうところをあまり周りの方に見せない方がよろしいかと思いますので、もう少し後ろに持っていかれることを考えた方がよろしいかなと思います。
それから、さっきレベル1、レベル2、レベル3、レベル4の話があって、最終的にレベル4を目指すのだという話ですけど、今回もしレベル1で終わってしまったらなかなか先に行かないですよね。せめてレベル2ぐらいまで行かないと、レベル3、レベル4まで行くのは、敷地内まではなかなか難しいかと思うけども、そこら辺はどうかなという気が個人的にはします。
それから、今たばこの増税の問題とかいろいろあるので、これからもしかしたら喫煙率というものが今後変わってくるというような、社会的背景の変化というものも出てくるかもしれませんね、今後。
だんだんもう時間なくなったのですけど、2番目の禁煙規制以外の施策とか、それに関しては喫煙所を設けるという方法もあるだろうし、完全分煙に関しては一つの当然選択肢として検討すべきものではもちろんあるだろうし、普通の分煙というか不完全分煙というのはもう、たぶんそれは誰も考えないでいいのだとは思います。お金をかけても完全分煙ということを許す。そうすると、大きくて資金力があるお店だけが完全分煙ができて、そうじゃないところが窮地に陥るという可能性はやっぱり秘めているのじゃないかなという気はしますね。
たとえばこの神奈川県庁舎の外のところだって、喫煙所を設けるなどして、もう少し外に漏れないようにする。空気は外で薄まるとはいえども、もうちょっと工夫するのも一つの案かもしれません。飲食店に関してもそういう喫煙所を設けるということも選択肢としてはもちろん考えられるのだろうと思いますけれども、WHOのガイドラインとしては、基本的には屋内完全禁煙を目指しなさいというのがガイドラインであって、日本政府はそれに批准していて、その方向に向わなければいけないという現実的な問題もあります。
それから対象施設の範囲に戻りますけれども、たとえば路上をやめさせるべきだとか、屋外もやめさせるべきだとか、職場も対象にすべきだとか、そういう意見もあったということで、課題としてはやっぱり挙げておいた方がいいんじゃないかなという気がします。
それから実効性の確保と罰金に関しては、これに関してはいつもなかなかあまり異論が出ずに、基本的に罰金とすべきか過料にすべきかという議論に関してはあんまりないですけども、このへんはどうなんでしょうかね。

(宮代委員) 施設管理者にもその責任を取らせるという話がございましたので、喫煙者の責任なのか、施設管理者の責任なのか、そこら辺をはっきりするためにも、刑事罰じゃなければ、訴訟を起こしてやらなきゃ私はわからないと思うので、是非ともこれは刑事罰にしていただいた方がいいのかなと思ってます。

(玉巻委員) もう何回も発言してますので、繰り返しになっちゃうんですが、事業者に対しては刑事罰でいいと思うんです。ただ、喫煙行為者に対して刑事罰っていうと、これはもう抜くに抜けない伝家の宝刀になっちゃう可能性が高くなるので、過料の形で、過料収受員を路上に配置してじゃないですけれども、立入調査をさせてというふうにやらないと実効性は上がらないというふうに思います。

(津金会長) 県民への普及啓発はどのように進めるべきかというようなことで、最終的には全面的な禁煙を目指すために、県民の理解を促進する。非常にこのプロセスは大事なんじゃないかなというふうにつくづく、特にパブリックコメントを見ていても感じます。
それから、やっぱり当然家庭とか職場という、ほんとの県民を守るという意味の本体である部分に関しても普及啓発などをさらに進めるということは、極めて重要だろうというふうに考えます。
意見の中にも出ていましたけど、名前の話ですね。禁煙条例(仮称)というのがずっと続いていますけど、名前の中で確か受動喫煙防止条例とか、そういう名前にしたらどうかというご意見とかもあったと思いますけど、確かに禁煙というよりは、さっき言ったように、健康被害から県民を守るという目的においても、受動喫煙防止条例とか、そういうような方がいいのかなというように私は感じましたけれども、皆様方のご意見いかがでしょうか。

(安田委員) 会長ご指摘のとおりだと思います。
禁煙というのはあくまで手法の一つで、目的はやはり受動喫煙の防止ですから、それを明示的に出すべきだと思います。

(津金会長) 名前に関してはいついじるのか、骨格案のところでそろそろ名前がいじられてきてもよろしいわけなのでしょうかね。
今まで名前に関しては仮称ということでずっとやってきましたけれども、いずれにしても最終的に条例が決まるまでは仮称というのはずっと続くと思いますけれども、受動喫煙防止とか、そういうふうに言った方が、目的というものがはっきりしていいのかなという気はします。

(古座野委員) 先ほどの中田委員さんのお話、たばこを吸う立場でありますが、そのとおりであると思います。
今、条例の名称の話がありましたし、県民の皆さんに受動喫煙によってがんなどが多くなっていることを前面に出されること、またこれから条例を県議会に提案されるに当たりましても、そういうことを前面に出される方がよいと思う。だからこそ禁煙条例を全国に先駆けてやるんですよ、今までも県としてそういう説明をされてこられたわけですが、なお一層、説明、啓発に努められることが必要であると思います。私自身も本当に家を出てからたばこを吸えるのは、車で海老名駅に到着して電車に乗るまでの時間、この時間以外に喫煙できるのは、県庁の入口だけ。この県庁周辺のファミリーレストランなどでも店内に禁煙と張り紙表示され、喫煙を制限されているように思います。

(崎本委員) 何人かの方がおっしゃっていましたが、受動喫煙によって健康の被害が明確になっていることが、私は県民の一人として、この委員になっているからこそ知ったのであって、他の多くの県民の方はあまり知らないと思います。この度用事があり、ある専門学校に行きましたら、受動喫煙がどのような被害を与えているかというポスターが貼ってあり、とても分かりやすかったのです。そういう分かりやすいものを、新聞やテレビ、県の情報紙などでもっともっと情報を知らせていくべきだと思います。そうすれば、受動喫煙をなくしていくことを、皆さん納得できるのではないかと思います。
現在県民の意見をたくさん聞かれていますが、今後もこういう機会をたくさん設けていくべきだと思います。今後、受動喫煙による健康被害についての情報提供を時間をかけてやっていくと、県民の意見もどんどん変わっていくような気がいたします。そうして県民が納得した上で徐々に禁煙の方に向けていった方がよいと思います。
バックヤード部分の件に関してですが、今回はこの部分に関しては公共的施設に含まれないため禁煙対象になっていませんが、私はこのバックヤード部分を禁煙にすべきだと思います。せっかく他の部屋を禁煙にしても、このバックヤード部分から煙が流れてくるのは確かですから。先日送っていただきました弁護士さんの相談の例を見ましても、喫煙者が強者になり、禁煙者が弱者になっているような気がいたしました。
あと、禁煙とする施設の範囲ですが、喫煙規制の必要性に応じて優先度の高い施設から施行する段階的施行が一番適当ではないかと考えています。香港などのように段階を追って、最後に禁煙に持っていくというのがベストではないかと思います。
最後に、前回も申し上げましたが、屋外に喫煙場所を設ける、これが一番よい方法ではないかと考えています。

(津金会長) 健康影響に関しては、当初からこの条例をつくろうと言われた知事が、基本的に健康影響が確実であると、要所要所で発言されていますけれども、それが確実だから、県民を健康被害から守るのだという発言をされています。それでこういうことをやっているわけですから、そこがほんとに前提、それが出発点になっているということを全県民というか、皆さま方も共通認識するということは大事だと思いますね。
だから、知事がそういう認識に立ってこういう条例をつくろうとしているわけだから、逆に実質的な健康被害を守れないような骨抜きの条例になってしまったら、後々になって、いろいろな問題になるのではないかなと私は懸念いたします。

(守屋委員) 健康被害をもたらすことが明らかであるということであったならば、たばこの価格、この点はいかがなものでしょうかと思います。手頃に自動販売機で買えるというような価格はいかがなものかと思うんですけれども。
あと、未成年者について一緒に考えていただけたらと思うんですね。手頃に買えるというのもまた余計に増すことにもなるかと思いますので、そのへんのところを、皆さんいろいろおっしゃったことも、私も禁煙には大賛成ですけれども、それに関して元のたばこの自体の価格、これはたばこの税金の面とかいろいろあるかと思いますけど。

(津金会長) たばこの価格は県でどうこうなる問題でなく、国のレベルだと思いますけど、ちゃんと国もそういうことでそういう議員連盟ができて、たばこの価格を1000円にするとか、価格を上げるというような具体的な検討に入っています。そういう意味でもそこらへんが検討されている状況の中で、たばこに関する環境も今後変わってくるんではないかなという気がします。

(古座野委員) 現在、マイルドセブンが1箱300円ですが、189円17銭は税金なんですね。実たばこ価格は110円83銭となっていると思います。

(津金会長) 新聞などに最近よく税金とたばこの価格のグラフが出ていますけれども、諸外国ではもう税金だけで800円とかそのぐらいになっているところもありますよね。たばこの価格を上げるということはとても大事なことだと前々から思っていましたし、そういうこともずっと言われていて、それが現実になるということは非常に重要なことではないかと思います。
たばこを吸うという行為は、自分や他人に対して深刻な健康影響をもたらします。もちろん自分がリスクを知りながら吸っている人もいるでしょうが、知らない人もいるので、やっぱりどのような健康影響があるかを正しく知らせるということも大事だと思います。がん対策として、喫煙率を下げることが、がん死亡率の減少に有効であることは間違いないわけなのですけれども、劇的に喫煙率を下げるために一番重要なのはたばこの価格を上げることであって、次には吸う場所を少なくすることであろうと思います。

(崎本委員) 神奈川県のことではないので申し上げなかったのですが、私もたばこの価格を上げるのに大賛成なんですね。
24人たばこを吸う方がある場所にいらっしゃって、1000円になったらどうなるかという意見が出たんですね。全員やめるって言っていました。2箱吸う方が1カ月に6万になり、家賃と同じぐらいの価格になるということだったんですね。もし1000円になるとしますと、今回、もし完全分煙を認めたとすると、かなりのお金をかけて施設を造ったら、結局意味がなくなると思います。ですから、完全分煙はちょっとやめた方がよいのでは、という意見です。

(玉巻委員) 先ほど条例の名称の話にまで話が及んだので、そうであるならちょっと私も一言述べたいなと思ったんですが、それは要するに受動喫煙の防止に関する条例ということに名称を切り替えていった方がインパクトが小さい、より中身が理解される、それはそのとおりだと思うんですね。そうだとすると、これは一つのアイディアではあるんですが、公共的施設における禁煙条例ということになってるんですが、そのときに公共的施設における受動喫煙の防止に関する条例ということになっちゃうのか、枕詞を取るのか。私は取っておいた方が戦略的にはいいんじゃないかと思うんですね。
要するに単的に受動喫煙による健康被害の防止に関する条例というような名称にしちゃったら、実質の中身はスタートラインでは公共的施設、しかもそれはファーストステップで非常に狭いかもわかんないけども、先々はどこまででも発展できる可能性が出てくるんですよ。
公共的施設におけるっていうふうに枕詞をつけちゃうと、その条例の改正によって適用対象を広げるとしても、公共的施設を逸脱することはできなくなっちゃうんですね。
そうすると、それより広げたいというときには全く新たな立法をしないといけないということになる。枕詞取っておくと、全く新たな立法じゃなくて、条例の中身の改正で済んじゃうというようなことがあるので、もしも条例の名称まで手をつけるんであれば、そこまで視野に入れて検討された方がいいかなというふうには思います。
もう一つは、当然ここは法律議論の場ではないので、当然という部分はあるんですが、最終的に実際に条例ができて、実際に規制のかかる事業者が出てきたときに、その事業者が、当該条例そのものを、たとえば営業の自由の侵害だなどという形で、いきなり条例の効力の否定を主張するような訴訟を起こすということだって、理屈の上ではあり得ないわけではないんですね。
そういう訴訟が行政訴訟として成立するかどうかということは大いに議論のあるところなんですが、許されないわけではない。現に処分性が認められた事案も、条例に関してストレートに争った事案で、本案審理に入ってしまった事案もあるにはあるんですね。
そうすると、本件も条例案を細かく詰めていくときに、万が一そういう訴訟を起こされたときに、その訴訟に持ちこたえられるだけの理屈を提示できるかどうかというところまで十分詰めておかないといけない話なんだということは、我々も認識しておかないといけない。その辺の細かい理屈というのは後で法制部局で議論する話で、ここで議論する話ではないんですけれども、そういうことは認識しておかないと、荒っぽい議論だけで、私ども中身としてはいいことだからどんどんやるべきという基本のスタンスではあるんですが、訴訟を起こされたときにどうなるの、と。
私も法律家の端くれとして、仮に訴訟起こされても、負ける心配は全くないと想像するんですけれども、起こされるリスクはある。起こされちゃったときに、一応応訴しないといけないという負担はかかるんだ。そうであるとすると、起こされないような形できちっと理屈を詰めておかないと、どんなに理屈詰めたって起こされることはあるから、無駄な努力だというふうに言われれば、そういう面は否定し切れないんですが、荒っぽいことやっちゃうと、寝た子を起こしちゃう部分もある、訴訟リスクという観点に立つと。そういう認識は是非我々自身もですが、事務局サイドは当然持ってくれていることではあるんですが、念押しをしておきたい、こういうことです。

(津金会長) そこらへんは事務局が十分お考えいただけると思いますけど。

(安田委員) この後、本日の議論も含めた上で、事務局で条例案を、名称を含めて形にしていただけるかと思いますけども、事務局に一つお願いといいますか、コメントさせていただきたいことがございます。
私自身は喫煙推進派でも、禁煙推進派でも、どちらに与するものでもなく、基本的には社会政策や公共政策に関する多少の積み重ねがある中で、一点気づいたことをご説明申し上げます。
この条例は、神奈川という社会に対して非常にインパクトを与えるものでございます。当然皆様は保健福祉部としていろいろ対応なさっているかと思いますが、この条例は保健福祉部の所管に留まるものでなくて、広い意味での神奈川という社会全体に対して非常にインパクトがあるものです。皆さんご存知のように、これは釈迦に説法かもしれませんが、現在地方への税源委譲などの流れの中で、今の社会形成はどのように進んでいるかというと、地方自治体とか政策立案者の裁量性を高めていく、あるいはその中での県民や住民といった経済主体の方々の裁量とかインセンティブを高めて活力ある社会をつくっていくという方向に変わってきています。
ですから、そういう意味からすると、このインパクトのある条例が神奈川の社会において何かを分断する形になってしまっては、本来の意味をなさなくなると思います。当然ながら、やはり社会というのはいろんな属性、経済的裕福さとか、人種とか、あるいは趣向とか、そういったものを含めて多様な方々から構成されるものですので、その神奈川という社会の中で今どこが最も重要な合意形成のポイント、ラインとして相応しいのかどうかということを是非ともご議論、ご認識いただいた上で、そういった観点からぜひ条例案というものを検討いただきたいと思っております。
もう一点付け加えるならば、喫煙の問題とか禁煙の問題を論ずるときに、社会的な弱者は誰であるか、という議論がよくございます。当然それは選択の余地のない、自分でなかなか行動を起こしにくい未成年者や幼児といった幼い方々、親御さんの行動に伴い従っていかざるを得ない方々でもありますし、あるいは化学物質過敏症の方々などの健康上の問題を抱えている方々、そういった方々がまず第一義的であって、優先的に保護されるべきだと思います。ただ一方で、既に喫煙率というものがこれだけ下がっている中で、社会の構成を便宜的に喫煙する人と喫煙しない人で大きく二分して考えた場合、実は喫煙者の方が既にマイノリティなんですね。ですから、そういった多様な方々が共存する社会をいかにつくっていくのか、そのときに県として一番望ましいコモンセンスをどこに置くべきかという今回の条例化に関しては、やはり県の見識が問われると思いますので、ファーストステップとしてどのようなものが適切なのかということも含めて、賛否が拮抗しているような、こういったパブリックコメントの結果などの県民の方のご意見を無駄にすることなく、皆様の方でお考えいただければと思います。

(津金会長) そろそろ時間になりましたので、いろいろ議論はあるかと思いますけれども、一応ここら辺で本日の議論は終了したいと思います。
事務局から何かありますか。

健康増進課 吉川副主幹から、今後のスケジュールと各委員への要望書について説明。

(吉川保健福祉部長) 県の取組やスタンス、これからの予定などについてご説明させていただきます。
今後の予定としましては、今週から6月議会が始まります。この常任委員会において今回のご意見も含めて報告し、そこでまたご議論いただきたいと考えております。その上で今後は条例化に向けて検討を重ねて参ります。
先ほど安田委員から何点かお話がございましたが、1つ大事な視点は、保健福祉部が所管しておりますが、特定課題担当理事が今日出席しておりますように、全庁的な特定課題として体制を組みました。この問題は各部局に関わるものもありますから、全庁の部局長の会議で議論を進めております。庁内会議ですので、外部の方は加わっておりませんが、全庁の課題として取り組んでおります。
もう1つ、先ほどお話がありましたが、条例化に向けては県民の合意形成が大事だと考えております。特に法的な検討をきちんとして、説明していく必要があると考えております。これにつきましては、玉巻先生のご助言などをいただきながら、内部で検討を進めております。訴訟に対してもきちんと対応しなくてはいけないと考えております。
なお、今後も県のたよりや新聞紙面を使って受動喫煙の健康影響を伝えていきたいと思います。こうした点が理解され、県民合意がされた上で条例化を進めていきたいと思っております。

(津金会長) これで第5回神奈川県公共的施設における禁煙条例(仮称)検討委員会を閉会します。
お疲れ様でした。

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