平成28年度 神奈川県生活習慣病対策委員会 がん・循環器病対策部会の審議結果

掲載日:2019年1月9日
審議会等名称 神奈川県生活習慣病対策委員会 がん・循環器病対策部会

開催日時

平成29年2月9日(木曜日) 18時00分から20時00分

開催場所

万国橋会議センター4階403号室

(役職名)出席者

相原陽子、今井澄江、大川伸一、佐々木秀弘(副会長)、高野靖悟、成松宏人、水嶋春朔(部会長)、南出純二 (五十音順、敬称略)

次回開催予定日

未定

問い合わせ先

健康増進課 健康づくりグループ 担当 島田
電話045-210-4784(直通)
ファクシミリ 045-210-8857
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下欄に掲載するもの

議事録

議事概要とした理由

 

審議経過

議題

各分科会の開催状況等について

特定健診・特定保健指導の実施状況について

<事務局より資料1、2について説明>

(水嶋部会長)

循環器疾患等分科会を担当しておりますが、特定健診の受診率は市町村ごとにばらつきがあり、1位は藤沢市ということでした。一方、三浦市は市外での受診制限が影響している可能性があるということでした。資料1の神奈川循環器救急レジストリーは、急性心筋梗塞を中心とした罹患の発生を把握したいと行われた疾病登録で、県内の心筋梗塞の推定患者数が4,000から5,000いるのに対し、現在登録数は1,500件と、全体の3分の1の状況のため、これから登録協力機関を増やしたいとのことでした。

(大川委員)

特定健診受診率は全体的に増えている一方、特定保健指導が減っていることについては、何かありますか。

(水嶋部会長)

実態を裏付けるデータはないですが、去年も対象だった方が、今年も対象となっている場合、行かないケースがあると思います。また、特定保健指導の動機的支援が、1回20分なのに対し、積極的支援は3から6ヶ月の長期に及ぶことから、参加者に抵抗があることや、提供場所が少ないことなどが考えられます。

(佐々木副部会長)

神奈川県は全国的に低率なので、市町村にがんばってもらわないといけませんね。

(事務局:健康増進課)

分科会では、特定健診から、特定保健指導へつなげる体制整備が必要であるという意見がありました。

(水嶋部会長)

協会けんぽの報告では、企業で働く被保険者は、労働安全衛生法に基づく事業主健診のデータをみなしで持ってくるため、実施率が67.9%までいくが、被扶養者は31%と低いため、あわせると全体も低くなってしまうとのことでした。被扶養者は、夫の事業所の健診ではなく、地元で見つけなければならないため、受診率向上のための連携が必要だと思われます。また、健診実施率を上げる取組みとして、協会けんぽの話では、いくつかの自治体在住者を対象に、特定健診を受けると定期預金の金利を優遇するキャンペーンを行ったところ、実施率が少し上がったそうです。

今井委員いかがですか。

(今井委員)

積極的に受ける人は少ないと思います。ただ、がんについては気にしているため、きっかけがあれば良いのだと思います。

(水嶋部会長)

特定健診とがん検診が1日で終わればいいでしょうね。

 

がん検診の実施状況について、がん検診受診促進のための主な取組みについて

<事務局より資料1、3、4について説明>

(水嶋部会長)

資料1について質問ですが、胃がんリスク検診の定義は何でしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

国のガイドラインでは、胃がん検診は、バリウム検査になりますが、リスク検診は胃がんになるリスクを血液検査などで判定します。ピロリ菌検査と、ペプシノーゲン検査を組み合わせたものです。市町村では広く行われているわけではないですが、いくつかの自治体は実施していて、横須賀市はリスク検診のみです。

(水嶋部会長)

国は、リスク検診でよいとは言ってないと思います。

(事務局:がん・疾病対策課)

言っていないですが、気軽に受けられるため、多くの方に来ていただけるという面はあります。ただ、その後の精密検査が内視鏡検査になり、そこから医療保険の対象になるため、検診の費用が節約できるわけではありません。市町村が広く行うのがいいのかは、まだガイドラインにも載っていませんし、判別しがたいです。

(佐々木副部会長)

ほぼ精密検査を受けることになりますか。

(事務局:がん・疾病対策課)

はい、リスク検診の場合は、半数は要精検になります。

(佐々木副部会長)

私は、バリウム検査は無意味だと思っていて、内視鏡検査がやはりいいと思います。

(事務局:がん・疾病対策課)

国もガイドラインを変えて、今まで40歳以上は毎年バリウム検査としていたものを、50歳以上2年に1回の内視鏡検査も認めています。

(佐々木副部会長)

今は9割以上ヘリコバクター・ピロリ菌です。

(事務局:がん・疾病対策課)

ピロリ菌の除菌で死亡率は下がると思いますが、まだ対策型検診として死亡率低下の結果は出ていません。

(佐々木副部会長)

毎年、早期胃がんがかなり見つかっているので、バリウム検査だけでなく、内視鏡検査もデータや結果が出ればより認められると思います。

(事務局:がん・疾病対策課)

ただ、内視鏡検査の受け皿がないのが現状です。一方で何も検査しないのは不安な方も多いでしょうから、今あるバリウム検査を受けている状態なのだと思います。八王子市などは、リスク効果の研究を大規模にやっていると聞いています。国もがん検診の指針を検討する中で、有効な検診方法の研究は行われています。

(水嶋部会長)

時代ごとにも変わるのでしょうが、がん検診の有効性の評価はずっと議論されていますね。

(成松委員)

リスク検診を対策型検診としてやるかどうか、議論があります。リスク検診からがんが見つかる方が結構いますが、市町村や保険者向けには、まだエビデンスがなく、リスク検診を対策型検診としては勧めず、バリウムと併用で行っている自治体が多いというのが現状です。検診をどう評価するか市町村から相談を受けますが、エビデンスが十分でない検診を対策型検診として行っていくのであれば、その評価を事後できっちり行っていくのが重要だと思います。あと、陰性の方をフォローするには、レジストリーがないと無理ですが、神奈川県は地域がん登録を有している数少ない県であるため、これを活用して、評価が定まっていない検診については評価を行い、エビデンスを出して住民へ返していくことが大切です。

(大川委員)

評価が定まっていないものを市町村がやるのは、慎重でないといけません。研究段階ということを説明し、住民にとって良いものかどうか示した方がよいのではないでしょうか。

(水嶋部会長)

ぜひ情報提供をお願いします。

(相原委員)

がん検診の精度管理について、集約しているものがあれば教えてください。

(事務局:がん・疾病対策課)

国がチェックリストを更新した等ありますが、チェックリストの活用の方法までは国からは示されていません。チェックリスト通りに実施できればいいのですが、市町村には負担があると思います。

(成松委員)

資料4p.3で、がん検診受診率向上モデル事業の、ソーシャルマーケティングについて、具体的事案は何かありますか。

(事務局:がん・疾病対策課)

申し訳ないですが、国立がん研究センターで作成している資材が、具体的にどういったものかは把握しておりません。

(佐々木副部会長)

クーポン券は、今年度はどこの市町村も、子宮頚がんは20歳、乳がんは40歳だけになっているようですが、5歳刻みの検診を行っている市町村もありますが。

(事務局:がん・疾病対策課)

国の事業としてはやれることにはなっていますが、費用のこともあります。来年度は国は5歳ごとではなく、初回の方に限るようです。

(佐々木副部会長)

クーポン券は、6年前に始まって1周したからでしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

はい、受診勧奨にウェイトを置いていこうとしているのだと思います。

(佐々木副部会長)

クーポン券で実施率は上がると思うのですが。

(事務局:がん・疾病対策課)

クーポン券は、送ることでお知らせもできるし、費用の面でもハードルが下がると思います。県からは受診率向上になる事業について、国に予算要望はしています。

(水嶋部会長)

受診率向上モデルで、コール・リコールが効果的というのは定まったと思いますので、自治体ができるよう展開していけるといいと思います。

(事務局)

今、ソーシャルマーケティングについて、国立がん研究センターのHPを見たところ、がん検診の普及プログラムの資材として、パンフレット、リーフレット、圧着はがき等があるようで、市町村で利用できるものはこちらで確認できます。

(今井委員)

資料3p.5の、精検受診率で、目立って低い市町村について、要因は何でしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

いくつか要因はありますが、市町村は要精検は把握していても、その後精密検査を受けたかは把握できていないところがあり、その分が不明扱いとなります。そのため、分母が大きいまま、実施率が低くなってしまっています。

(今井委員)

何か手立てを考えたりはしているんでしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

資料を市町村に見せるなどして、お願いはしています。

(水嶋部会長)

表だとよくわからないため、グラフやランキングにしてはどうでしょうか。

(大川委員)

資料3p.1で、平成24年と25年の対象者数が同じなのはなぜですか。

(事務局:がん・疾病対策課)

対象者数を5年に1回の国勢調査から算定しているためです。

(大川委員)

実際の受診率より、少し変わるということでしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

はい、多少変動があると思われます。

(大川委員)

検診率を上げるには、講演会などで市民に、がん検診で早期に見つかって助かった人はこのくらい、というのを示して、実感がわかないと難しいのではないでしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

がん登録の分析で、発見動機のうち、がん検診が何%なのかというものがあります。また、今までがん検診の案内は一般の方に読みにくいものだったので、がんセンターに協力いただいて、一般の方も見やすいリーフレットを作成しました。さらに、県内20ヶ所の中学でがん教育が始まっており、子どもから親に伝えて広まれば、受診率が向上するかと思われます。例として相模原市の中学では、市の検診予定表を渡しています。

(大川委員)

がんセンターでも講演会で、女子高生対象に女性のための講座をやり、アンケートを取ると、実際の効果のほどはわかりませんが、「親に伝えます」という回答はいただきます。

(成松委員)

精度管理は大変な作業ですが、国のガイドラインでも、地域でのがん登録を使えるものは、使った方が良いとしており、リスク検診のように新しい評価にも、活用してほしいのですが、今後の方針はありますか。

(事務局:がん・疾病対策課)

制度は今後も検討します。

(大川委員)

資料3p.7の標準化発見比で、各がんの予測発見数と、実際の発見がんが、胃がん、大腸がんはかなり数値が近いですが、肺がんは予測の半分以下、逆に子宮頚がんは予測の2倍以上見つかっており、この原因は何でしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

発見がんが100ないと、数値が上下してしまうため、あまり意味がないと言われています。また、がんのある集団に、検診がきちんと行われているか、ということもありますので、あくまで参考値として見ていただければと思います。

(大川委員)

対象を年代等もっと絞って、効率よく調べることはできないですか。

(事務局:がん・疾病対策課)

検診対象者が、全員受けたらという前提の数値なので、検診受診率がこれほど低い中では、あまり信頼できる数値とは言えません。

(大川委員)

予測数と発見がんが近いのは、たまたまの数値ということでしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

はい。ただ、肺がんは、生存率が低いこともあり、検診で見つけるのは他のがんに比べて難しいです。

(大川委員)

肺がんを検出するならCTでないといけないということでしょうか。

(事務局:がん・疾病対策課)

国でも検討しており、分科会でも、たしかに肺がんはCTで見つかるものの、治療の必要のないものまで見つかってしまい、対策型検診としてはどうなのか、という話がありました。

(水嶋部会長)

資料3p.3左上の年齢階層別のグラフで、子宮頚がんだけは20歳から検診対象となり、20代が他の年代より要精検率が高いのに対し、乳がんを除いた他がんは年と共に上昇傾向です。子宮頚がん検診で20代が高い原因として、リスクがある人が受けているためか、または神奈川県が都市部ということもあって、若年化が進んでいる等が考えられますが、それならば20、30代の人の検診受診率をあげる対策が必要です。P.7で子宮頚がんの標準化発見比が、20代が高めという特徴がありますが、これについて分科会で議論はありましたか。

(事務局:がん・疾病対策課)

精検受診率は低いため、アナウンスをしていこうという話はあったのですが、子宮頚がんの標準化発見比について議論はありませんでした。

(水嶋部会長)

要精検率が高い一方、精検受診率が低いということは、そのまま進行している人がいるかもしれません。地域がん登録で、その結果、がんで亡くなったと今後つながる可能性も考えられます。

(事務局:がん・疾病対策課)

精検受診率が低いのは、精検実施状況の未把握が一因としてありますので、必ずしも進行しているかどうかはわかりません。

報告事項

神奈川県悪性新生物登録事業の実施状況について

<事務局より資料5、参考資料2について説明>

(水嶋部会長)

資料5p.52、53で、県内で部位ごとに、県平均と比べた罹患率が載っています。子宮頚がんは県西地域が高い等、地域差が県内でもありますね。

(事務局:がんセンター)

補足として、p.72の受診の動機をご参考ください。

(水嶋部会長)

表7では臓器ごとに特徴がありますね。前立腺がんは、PSA検診はやっていますか。

(事務局:がんセンター)

国の勧める検診には入っていませんが、人間ドッグではあるようです。

(大川委員)

検診を行う事業課側はこれでいいと思いますが、住民としては検診で命が助かるかどうかが重要です。なかなか難しいですが、実感でわかるよう伝えることが大事です。

(事務局:がん・疾病対策課)

県で作成した「受けましたかがん検診」というチラシで、5年生存率のグラフを載せています。

(大川委員)

グラフでもわからないと言われてしまうことがよくあるので、更に工夫が必要だと思われます。

(事務局:がんセンター)

あらゆる機会で検診の大切さを伝えるようにはしているのですが。

(水嶋部会長)

市民向けの教材を作るといいのではないでしょうか。

(高野委員)

未病外来というのをやっていて、がん予防に取り組んでいるのですが、未病という言葉があまり出てこないですよね。がんになる前の未病の改善という、県の色が出ていないのは残念だと思います。がんにおいても未病という考えは大切で、生活習慣病と同じように、がんにならないようにどうするか、ということに取り組むべきではないでしょうか。

(水嶋部会長)

検診は二次予防として、未病が何次かはわかりませんが、入れてみてもいいかもしれませんね。

(成松委員)

がん教育全体のリテラシーを上げることが重要だと考えます。

 

以上

 

会議資料
資料1神奈川県生活習慣病対策委員会がん・循環器病対策部会各分科会開催状況等について[Wordファイル/63KB]
資料2平成22から26年度特定健診・特定保健指導実施状況[Excelファイル/190KB]
資料3平成24年度がん検診実績報告書[Excelファイル/334KB]
資料4がん検診受診促進のための主な取組みについて[Wordファイル/161KB]
参考資料1神奈川県生活習慣病対策委員会部会設置要綱[Wordファイル/31KB]
※資料5、参考資料2は、リーフレット及びホームページ掲載が困難(冊子)なため、掲載しておりません。

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