喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育

掲載日:2020年2月14日

これからの喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育は、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、望ましい行動に結びつけるための指導が必要であり、正しい判断のもとに行動に移せる実践力を育てることが目標となります。

また、喫煙・飲酒・薬物乱用は絶対に許さないという意識の高揚を図るとともに、喫煙・飲酒・薬物を勧められた時に断る勇気の大切さや、自分自身を大切にする気持ちの育成なども併せて指導していくことが大切です。

 


ポスター画像:平成20年度中学生の部最優秀作品

 


喫煙・飲酒・薬物乱用の基礎知識とデータファイル

解説

【喫煙・飲酒・薬物乱用防止の名称について】

神奈川県では、薬物等乱用防止に向けた取り組みの中で、青少年に対しては、喫煙・飲酒が薬物乱用へのゲートウエイドラッグであるとの認識をより強調する意味から、平成13年度より喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育と呼んでいます。(文部科学省の定義する薬物乱用防止教育には、喫煙・飲酒も含まれています。)

【ゲートウエイドラッグとは、なにか?】

ある薬物Aを乱用すると、結果的に次の薬物Bの乱用につながりやすくなる場合、薬物Aは薬物B乱用への入り口または、門戸開放という意味で、一般的にゲートウエイドラッグであるといいます。喫煙・飲酒が薬物乱用のゲートウエイドラッグであるということは、未成年者の喫煙・飲酒経験者が全て薬物乱用者になるというわけではなく、薬物乱用常習者における過去の既往のうち、未成年時の喫煙や飲酒の経験を経て薬物乱用に至るという関連性が高いという研究による指摘がなされています。

【危険ドラッグとは、なにか?】

人の身体に危害をおよぼすおそれのある指定薬物が正規の製品と偽って販売される場合があります。それらの製品は「合法ハーブ」や「脱法ハーブ」等と呼ばれています。覚せい剤や大麻に化学構造を似せて作られた物質等が添加されているため、使用すると身体にどんな影響が出るのかわかりません。使用したことによる健康被害も発生しており、大変危険です。また、それらの危険ドラッグは、麻薬等の乱用につながる「ゲートウェイドラッグ(入門薬)」となるおそれがあります。指定薬物に指定された物質が含まれたものを所持したり使用したりするだけで法律(医薬品医療機器法)により罰せられます。

→保健福祉局薬務課ホームページ「危険ドラッグについて」

【神奈川の児童生徒における喫煙・飲酒・薬物乱用の動向】

平成30年の児童生徒の検挙補導状況について、喫煙、飲酒は前年からともに半減しましたが、薬物については増加しました。特に高校生における大麻の増加傾向が見られています。
違法ドラッグやMDMA等の合成麻薬などの乱用も含めて、青少年への薬物乱用の拡大が危惧されていることからも、防止教育の一層の推進が求められております。そのような中、スマートフォンを始めとする新たな情報機器・サービスが急速に浸透していることなどを背景に、青少年への薬物乱用の広がりも懸念されています。

本県においては、学校内で緊急対応が必要とされる場合に備えて、平成23年3月改定の「喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育指導資料」内に掲載し、各校に周知しています。

【神奈川県の薬物乱用防止教室実施状況】

国の定める第4次薬物乱用防止5ヵ年戦略において、「薬物乱用防止教室は、学校保健計画において位置付け、すべての中学校及び高等学校において年1回は開催するとともに、地域の実情に応じて小学校においても開催に努める。」とされていることから、薬物等に関する専門的な知識を有する警察職員、麻薬取締官OB、学校薬剤師等の協力を得ながら、各校に薬物乱用防止教室の実施をお願いしています。

神奈川県の公立学校における平成30年度の実施率は、小学校62.6%、中学校(中等教育学校前期含む)96.6%、高等学校(中等教育学校後期含む)97.8%となっています。

今後の目標として、小学校においては、薬物乱用防止教室が60%以上となっており、一定の成果をあげていますが、引き続き、教育事務所及び市町村教育委員会と連携を図りながら、さらに高い実施率を目指して学校に働きかけを行います。

また、中・高等学校においては、90%を超える実施率となっており、引き続き、100%実施を目指すとともに、実施内容の工夫に重点をおき、薬物乱用防止教室が生徒にとって有意義な機会となっているか点検しながら、教室を実施していきます。


指導者用コーナー

1.喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の必要性

青少年の健全育成については、学校・家庭・地域社会と連携し、喫煙・飲酒・薬物乱用防止に向けて、積極的に取り組むことが必要です。

平成21年度に実施した県内の児童生徒の意識・実態調査結果において、高校生の薬物乱用の経験率は、前回、平成13年度の結果に対して減少傾向を示したものの、薬物乱用の経験者が見られることは極めて憂慮すべき状況です。

このようなことから、次世代を担う青少年の健全育成を図る上でも、喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育は、きわめて重要なことであると考えます。

2.喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の目標

従来行われていた喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育は、健康の害や恐怖心をうえつける等の指導が中心でしたが、これからは、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、望ましい行動に結びつけるための指導が必要であり、正しい判断のもとに行動に移せる実践力を育てることが目標となります。

また、喫煙、飲酒、薬物乱用は絶対に許さないという意識の高揚を図るとともに、喫煙、飲酒、薬物を勧められた時に断る勇気の大切さや、自分自身を大切にする気持ちの育成なども併せて指導していくことが大切です。

3.喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の実践

学校における喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育は、学習指導要領に基づき、小学校では、「体育」の保健領域の時間、中学校では、「保健体育」の保健分野、高等学校では科目「保健」の時間を中心に行います。また、道徳や学級活動など特別活動の時間に位置づけ、計画的・継続的に行う必要があります。

<小学校体育:保健領域の例>

小学校は、6年生の「病気の予防」の単元で、喫煙、飲酒、薬物乱用などの行為は、健康を損なう原因となることを理解できるようにすることや自分の健康は自分で守るという意識を高めるために、喫煙、飲酒、薬物の勧めに対する断り方をロールプレイング等により学習していきます。

<中学校保健体育:保健分野の例>

中学校は、3年生の「健康な生活と疾病の予防」の単元で、喫煙、飲酒、薬物乱用による心身への影響について正しい理解を身につけ、様々な誘惑や自分自身の甘さから手を出すことがないように、適切な意志決定と行動選択ができる力を身につけていきます。

なお、学習指導要領の改訂前には、シンナー等の有機溶剤を取り上げていましたが、改訂後は高等学校で取り扱っていた覚せい剤や大麻を例として取り扱うことになりました。

また、喫煙、飲酒、薬物乱用の心身への影響ばかりでなく、心理社会的な要因や喫煙、飲酒、薬物乱用の行為をしないためには、どのような考え方や行動をすればよいのかなど、場面を設定したり、疑似体験を通して、適切な対処法についても学んでいきます。

<高等学校保健体育:科目保健の例>

高等学校では、1、2年生で「健康の保持増進と疾病の予防」の中で、喫煙、飲酒、薬物乱用に適切に対処するため、心身の健康への深刻な影響について学習するとともに、自らが正しい判断のもと、行動に移せるような実践力の育成を目指します。

また、ケーススタディーにより、薬物乱用の心理・社会的要因や社会に与える影響等について話し合い、自尊感情の強化とともに、健全な社会づくりへ目を向けるなど、健康に関わる意志決定と行動選択には、個人の知識、価値観、心理状態、人間関係、社会環境等が関係していることを具体的に指摘できる力を養うことが大切となります。

4.まとめ

このように、喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の推進には、児童生徒を取り巻く周囲の環境が、大きく関わっています。今後は、ますます家庭や地域社会、関係機関との連携が大切となっていきますが、とりわけ児童生徒の主体的な判断と望ましい行動に移す実践力の育成が、重要なポイントとなりますので、「喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育指導資料」の効果的な活用により、喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の確実な実践を期待します。


 

学校における薬物乱用防止

事例集

指導資料


 

基礎知識

薬物乱用防止教室各種様式(PDF形式)

 

緊急対応マニュアル(再掲)

喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育配布資料等


関連情報

指導資料

依存症専門医療

少年非行防止・薬物乱用防止

薬物乱用防止啓発教材

関連リンク

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