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更新日:2025年9月10日
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神奈川県青少年指導者養成協議会 自然体験活動 虎の巻
野外炊事には火が欠かせません。活動の目的にもよりますが、マッチやライター、ガスバーナーなどの便利な火起こし道具を使わずに、敢えて摩擦によって自分の手で火を起こすのも、子どもたちにとっては貴重な体験となります。
その一つの方法として、仲間と協力して火を起こす「ヒモギリ式火起こし」はいかがでしょうか。時間はかかるかもしれませんが、火の貴重さを知るとともに、協力する喜びや達成感が得られます。そして、みんなで苦労して起こした火で作った料理の美味しさは、また格別です。

ヒモギリ式火起こしに必要な道具の一例と、その作り方を紹介します。(単位はcm)
る台の上に下敷きを置いてもよい。その場合は、台の上の人が落ちないように留意する。木くずからできた火種は消えやすいため、火口(ほくち。火種から着火
させる、燃えやすいもの)に着火させるとよい。薪に火をつけるために、「火種→もぐさ→ほぐした麻ヒモ→新聞紙→薪」と順に火を移す方法がある。火起こしの際に手が空いている人がいれば、麻ヒモ(10センチメートルくらいの長さに切ったものを15本程度)を鳥の巣のようにほぐして、火口を作っておく。火種ができたら
飛ばないように軍手をつけた手で火種の後ろを覆い、優しく息をふきかけてもぐさに火をつける。もぐさに火がつけば火種よりも消えにくくなる。
ただ単に火起こしをするのではなく、協力する喜びや達成感が得られる活動として、また、一人だけの力ではなく、複数人で行うことによって、協調性や積極性を育むことができる活動として、今回の方法を紹介しました。
また、キリモミ式発火法などは、子どもの力では体力的に難しいですが、ヒモギリ式は比較的簡単に火を起こせます。
ヒモギリ式発火法の他にも、たくさんの
発火法があります。ここでは簡単に紹介しますが、その歴史や技術などについても調べてみると奥が深いです。
原始的な発火法として、縄文時代や弥生時代の日本では、主に火切り棒を直接手でこするキリモミ式の発火法が用いられたようです。他にはユミギリ式、ヒモギリ式(イヌイット等の北方先住民族)などの発火法や、横木を上下することで火をおこすマイギリ式発火法がありますが、マイギリ式は、江戸時代のなかば過ぎに登場したと言われている、比較的新しい発火法です。その他、ヒミゾ式、ノコギリ式などがあります。
化学変化を利用した発火法の1つに、メタルマッチ(ファイアスターター)があります。湿気のある環境でも簡単に着火でき、また長く使えることから非常用やサバイバル用としてよく使われています。備えあれば憂いなし、1つ用意しておけば、災害時などに役立つかもしれません。
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