青少年支援・指導者育成の今後の方向性について (育成指針の参考資料-1)  

掲載日:2018年3月12日

1 青少年を取り巻く社会状況

2 青少年育成をめぐる今日的課題

3 青少年育成の方向

4 青少年指導者養成推進にあたっての課題

5 「かながわ青少年指導者養成総合計画」の見直し

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1 青少年を取り巻く社会状況

  • 高度経済成長は、経済的な豊かさと多くの利便性をもたらしたが、一方、都市化の進行による子どもの遊び場の減少、ライフスタイルの変化は、地域社会における人間関係の希薄化をもたらし青少年の行動、生活、意識にも大きな影響を与えてきた。
  • 核家族化、少子化が進行し、親の過保護・過干渉の傾向の中で、青少年の依存心が助長され、青少年が家庭や地域社会での人間関係を取り結ぶことを苦手にさせていることや社会的自立していく時期を以前より遅らせる状況を生じさせている。
  • 青少年自身が抱えている課題について、多様な価値観をもって学校や地域の活動に主体的に参画する中から、その解決を図り成長していく例は数多くある。
    一方、人間関係の希薄化、身近な遊び場の減少、学歴偏重社会を反映した生活の変化などの影響で、青少年自身が地域活動やボランティア活動などをするきっかけをなかなか見出せない状況が生じており、青少年の成長に欠かすことのできない成長段階に応じた多様な体験の場や機会が失われてきている面もある。
  • 急激な情報化社会の進展は、青少年の日常生活の中に、様々な多くの情報をもたらすとともに、友人・仲間とのコミュニケーション手段にも大きな変化をもたらした。こうした情報化社会は、有益な情報のみならず青少年にとって有害と思われる情報など、いわゆる情報の洪水が生じている。
  • また、ゆとりある教育を目指す学校完全週5日制の実施によって、趣味の活動や地域活動、ボランティア活動などにゆとりを持って積極的に取り組む子どもたちがいる一方で、増えた休みをどのように過ごしたら良いかとまどい、主体的に活用できない子どもたちもいるなど、子どもたちの日常生活の過ごし方にも様々な状況が生じてきている。

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2 青少年育成をめぐる今日的課題

(1)青少年の多様な体験学習の促進

  • 前記のような青少年を取り巻く社会状況の中で、今大切なことは、青少年自身が人間関係を取り結ぶ力を高めたり、積極的に社会的自立を図っていくことである。そのためには、家庭や地域において、成長段階に応じた自然や人々とのふれあいなどの体験の場や機会、同世代間、異世代間との交流の機会が多様に用意されていることが必要である。
  • また、このような青少年の多様な体験学習を促進するために必要な環境づくりとともに、支援・指導に関わる大人や小学生・中学生世代の子どもたちの視点で接しやすい身近な世代の若者の育成を、県・市町村・青少年関係団体が連携し、それぞれに応じた役割を果たすように取り組むことが重要となってきている。

(2)人間関係・社会適応から遠ざかる青少年への対応

  • 価値観の多様化や急激なライフスタイルの変化、バブル経済崩壊後の長引く経済不況、高度情報化などにより、ますます、社会は複雑多様化している。青少年を取り巻く社会環境についても、いじめ、不登校、ひきこもり、薬物乱用、性非行などの青少年問題を浮き彫りにするとともに、青少年のこころや行動にも大きな変化をもたらしている。
  • 特に、精神的にも居場所のない青少年の増加、自分と他者の人間関係、自分と社会とのつながりを苦手とする、あるいは避けようとするなど一般社会へうまく適応・参加できない社会的不適応の青少年の増加等、新たな青少年の問題を生じさせており、これらの問題解決への取り組みが必要となっている。

(3)学校、地域・青少年関係団体の日常的な連携

  • 青少年が成長段階に応じた多様な体験を深め、活動を展開していくためには、学校における総合学習の取り組み、地域・青少年関係団体の青少年関係事業への取り組みなどの情報を相互に提供し合い、青少年の体験学習を促進していく環境づくりへの取り組みが大切になる。
  • さらに、体験学習に青少年が主体的に参画していき、活動を展開していくためには、学校、地域・青少年関係団体が有する人材の相互活用が積極的に行なわれることが必要となってくる。

(4)情報化社会における情報選択能力の育成と環境づくり

  • 高度情報化社会は、人々の生活に利便性と発展をもたらす光の部分と、情報判断に未成熟な青少年に有害と思われる情報の氾濫などをもたらす影の部分の二面性をもたらしている。
  • こうした状況の中で、青少年自身がパソコンや携帯電話等の情報機器に対する適切な対応の仕方を学んだり、情報を的確に取捨選択する能力を育てていく環境の整備が求められる。
  • 特に、高度情報化社会がもたらしている影の部分に対しては、家庭においては子どもへの有害情報に対する啓発、関係業界においては、自主規制の強化など提供者の良識ある取り組み、さらに地域社会においては、地域住民が一体となって青少年の育成にとって有害な環境を排除する取り組みが求められる。

(5)地方分権に基づく役割分担とニーズに即した役割の実施

  • 平成12年4月に「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(地方分権一括法)」が施行され、地方分権が推進される中で、住民に身近な地域の行政は、主体的に市町村で行なう方向が出され、都道府県から市町村への事務移譲などが進められている。
  • 青少年行政にあっても、この基本方向に基づいて、県・市町村に加え民間団体等の役割分担を見直しながら、一層の連携強化を推進していくことが求められている。
  • また、時代を反映して、青少年をめぐる問題も多様化しており、県・市町村・民間団体が取り組む青少年育成においても、それに対応できるニーズを的確に捉え、役割を果たしていくことが求められている。

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3 青少年育成の方向

  • 前述した「1 青少年を取り巻く社会状況」「2 青少年育成をめぐる今日的課題」に対応できるよう、県の「かながわ青少年プラン21」や「児童の権利に関する条約(国連で1989年採択、日本で1994年批准)」、国の「青少年育成大綱」策定にあたって設置された「青少年の育成に関する有識者懇談会」の報告書などを基に、青少年育成の方向を以下のように捉えた。

(1) 青少年が自ら「生きぬく力(新しい時代を切り拓くたくましさと創造力)」と「共感する心(他者を思いやり、支えあう心)」を育むために、「新たな社会状況の中で生じる青少年問題への対応」、「成長段階に応じた多様な体験学習の促進」の課題に取り組む。

(2) 青少年を、保護・教育を受けるだけの存在としてとらえるのではなく、自分の意見を持ち、自らを表現し、他者を理解し、他者に働きかけ、家族や社会のため自ら行動する能動的、積極的な側面を併せ持つ「青少年観」への転換を図る。

(3) 青年期に「自立した大人」へ円滑に移行できるよう、乳幼児期から連続性を持って能動性を尊重し促進することによって、「青少年の社会的自立」を支援していく。

(5) 特に青少年を、地域活動等社会形成にあたって貴重な役割を果たす一員として捉え、青少年の参画を積極的に促進するとともに、大人の青少年への関わり方や若者の子どもへの関わり方として、指導とともに、青少年の持っている能力や考え方を引き出すための支援を行なっていく観点を重要視する。

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4 青少年指導者養成推進にあたっての課題

(1)県・市町村・青少年関係団体の青少年指導者養成の有効性の検討

  • 従来から、青少年指導者の養成や確保を、県・市町村・青少年関係団体が共通理解のもとに連携してきたが、それぞれの役割に基づく指導者の養成が有効、的確に機能しているかどうか、検討が必要となっている。

(2)人材育成の実態把握と評価

  • 指導者養成のための研修内容が、青少年育成をめぐる今日的課題を捉え、研修対象者のニーズに沿ったものなのかどうか、研修の成果が資質向上や活動に反映されているのかどうか等、的確な研修の評価が求められている。

(3)青少年指導者(青少年指導員、青少年補導員・相談員、子ども会活動や健全育成に関わる育成者など)の捉え方

  • 時代の変遷とともに、地域における青少年の活動も多様化しており、その活動に関わる指導者についても、青少年に対しどのような関わりをする人を指導者と認知するのか、なかなか判断しにくい状況になってきている。
  • また、青少年の成長段階における関わり方として、「指導」という観点だけでなく、「支援」の観点も含めて多様な関わりをしていく必要がある。
  • 現在、青少年の育成に関わっている青少年指導員、青少年補導員・相談員、子ども会活動に関わる育成者、地域の健全育成に関わる育成者を青少年指導者として捉えているが、上記のような状況を踏まえ、青少年指導者の捉え方を改めて見直していく必要がある。

(4)新たな青少年問題に対応する人材育成の連携方策の検討

  • 社会状況の変遷に伴って生ずる、新たな青少年問題に対応していくためには、多様な面から関わっていく支援・指導者が求められる。
  • そうした人材育成のためには、行政機関や青少年関係団体等が連携し、その方策を検討していくことが求められている。

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5 「かながわ青少年指導者養成総合計画」の見直し

  • 以上のような青少年指導者養成推進にあたっての課題解決への取り組みとしては、県・市町村・青少年関係団体で組織されている「神奈川県青少年指導者養成協議会(以下「協議会」という)」のもとに策定された「かながわ青少年指導者養成総合計画」の見直しが必要と考えられる。
  • 平成10年度に改定された「かながわ青少年指導者養成総合計画」は、それまでの青少年主体の青少年活動が活発に展開されるための指導者養成から、「いじめ」「薬物乱用」等の青少年問題に対応できる指導者や青少年の社会参加や体験活動促進のための指導者養成へと、その視点を変えてきた。
  • しかし、現在「社会とのつながりを苦手とする、あるいは避けようとする若者の増加」など新たな青少年問題がクローズアップされてきていることから、従来の「指導」という枠組みのみならず、「指導」の内容を更に幅を広げた「支援・指導」による対応、取り組みが必要となってきた。
  • そこで、青少年の社会的自立をすすめるために、「青少年指導者養成」から「支援・指導者育成」へという方向に沿って「かながわ青少年指導者養成総合計画」を見直すべきと考え検討を行い、「かながわ青少年支援・指導者育成指針」を作成した。

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本文ここまで
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