農業技術センターニュース第23号(2014年3月発行)音声読み上げ用ページ

掲載日:2018年5月14日

刷毛目模様が目を引くスイートピーの新しい品種がデビュー(生産技術部)

早春に生花店の店頭に並ぶスイートピーは、優しい姿と甘い香りが魅力的な切り花です。
ヨーロッパなどでは主にガーデニング用として使われますが、日本では切り花として多く利用されています。
日本での栽培は神奈川県から始まったと言われており、現在でも湘南地域や県央地域などで良質な切り花が生産されています。
当所では、高品質な神奈川県のスイートピーを全国にアピールするとともに、県内の方々に新鮮で美しい花を楽しんでいただけるよう、新たに3品種を育成しました。
「スプラッシュレッド」は白地の花びらの両面に赤色の刷毛目模様があり、「スプラッシュブルー」は濃い青紫色の模様、「スプラッシュパープル」は明るい紫色の模様があります。
白地のキャンバスに色のしぶきが飛んだような色づき方をしていることから、「しぶきがはねる‘スプラッシュ’」と「模様の色」を組み合わせて名付けました。切り花用の品種には花びらに刷毛目模様をもつものは無かったため、ガーデニング用の品種を用いて育成しました。花びらの模様が目を引き、花束のアクセントや、様々なアレンジにも利用できます。
また、シトラス系の香りが強いのも魅力のひとつです。
これまでに吹きかけ模様が特徴のリップルシリーズ3品種も育成しています。自然でおしゃれな色合いが魅力となり、多くの方に楽しんでいただけることを期待しています。
スプラッシュレッド
【品種登録出願第28596号】
スプラッシュブルー
【品種登録出願第27581号】
スプラッシュパープル
【品種登録出願第27580号】

果樹の樹体ジョイント仕立てを核とした省力、低コスト栽培システムの開発(生産技術部)

神奈川県が開発した「樹体ジョイント仕立て」(特許第4895249号)は、栽培管理の省力・簡易化、早期成園化、樹勢の均一化を実現する技術です。当所は他県研究機関等と連携して、「幸水」以外のナシ品種に対する技術拡大と、リンゴ、モモ等他の果樹への技術適用、ナシジョイント仕立ての施肥量、農薬散布量削減に関する技術の開発を軸に研究を行いました。

「幸水」以外のナシ品種に対する適用

栽培特性の異なる二十世紀系や筑水系の品種、「あきづき」や「南水」といった品種についてジョイント仕立ての適用性を検討した結果、各品種で早期成園化や軽労化について「幸水」と同等の効果が実証されました。また、品種ごとの育苗法や仕立て法について留意点を整理しました。

他樹種への技術適用

平棚利用型【リンゴ、ブドウ、モモ、スモモ】の他、主枝から側枝を下方に向けて誘引する下垂型【リンゴ、キウイ】、主枝高を低くして側枝を上方に誘引する斜立型【リンゴ、カキ、ウメ、イチジク】といった各樹種に適した仕立て法を検討し、早期成園化、省力・軽労化の効果を確認しました。また、リンゴとスモモでは、植物ホルモン含量と花芽分化・着果との関係から側枝管理方法を検討し、カキ、ウメ等では新たに必要となる専用棚の低コスト化にも取り組みました。

施肥量、農薬散布量削減に関する技術の開発

ナシでは窒素量を30%削減しても果実生産に影響が無いことを明らかにしました。また試作をした専用防除機により、ナシやウメでは従来の散布方法と比較して散布量を30%減らしても薬液の葉への付着率が低下しないことを明らかにしました。
今後も全国の共同研究機関との連携により、我が国の果樹生産の持続的発展を目指し、残された課題の解決に向けた研究・開発を続けていきます。

※本研究は、平成21年度から農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業により、当所が代表機関として、独立行政法人果樹研究所や他県研究機関、民間企業、大学、生産者と共同で行ったものです。

トマト心腐れ果は摘葉により低減できます(生産技術部)

トマトの心腐果は果実の内部が褐変する生理障害です。
この障害は、外観からは発生の有無を判断できず出荷されてしまう可能性があるため、問題となっています。心腐果発生の原因はカルシウム欠乏という報告がありますが、その発生メカニズムや対策は明らかになっていません。
当所では、養液栽培において低カルシウム濃度の培養液で養液栽培を行うと心腐果が発生することを確認し、この条件で摘葉を行うと心腐果の発生が低減できることを明らかにしました。
【図の解説】無処理区においては約25%程度心腐れ果が発生。摘葉処理区は、無処理区に比べて約15%程度発生率が減少。

農家のための白菜浅漬けの洗浄・殺菌マニュアルを作成(普及指導部)

平成24年8月に北海道で発生した白菜浅漬けによる食中毒を契機に、厚生労働省の「漬物の衛生規範」が改正され、その改正点の一つに原材料を塩素等で殺菌する行程が新たに追加されました。これまで農家の加工所では塩素殺菌の経験が乏しいことから、「具体的作業手順がわからない」、「味やにおいへの影響が心配」との声が聞かれました。
そこで、加工所の設備や作業手順に即し、白菜を実際に使って殺菌・加工を行い、塩素濃度やすすぎ方等の検討を行いました。この結果を基に、食品衛生課等の協力を頂いて平成25年3月に農家向けの具体的な殺菌方法を示した「白菜浅漬けの洗浄・殺菌マニュアル」を作成しました。
なお、このマニュアルはホームページで公開していますので、浅漬けを加工する際の参考にしていただければと思います。
ホームページ

 

全長40センチメートルのコンパクトネギ商品の魅力(企画経営部)

「レジ袋から飛び出ないネギ」として開発されている全長40センチメートルのコンパクトネギについて「買いたくなる特徴」と「価格」について、インターネットアンケートを実施しました。
首都圏在住の20歳代から60歳代の女性に写真と合わせていくつかの特徴を提示したところ、「コンパクトネギは白と緑の部分が両方使える」との特徴を示した時に、最も購入意向が高くなりました。背景には「ごみを削減したい」や「ネギの緑の部分は硬くて食べられない」という意識があり、長ネギの不便さを解消する商品として評価されたことが
わかりました。また、「買いたい」と思う価格を分析した結果、「2本1袋入り」で150円から170円の間が適当な価格帯と考えられました。この結果は、コンパクトネギの販売対策に活用していきます。

新規就農者を対象とした技術支援(家畜用浄化槽の改修)(畜産技術所)

就農して概ね5年以内の方を対象に農業セミナーを開催し、畜産技術の習得支援を行っています。畜舎排水の適正処理は重要な技術の一つで、セミナー生から家畜用浄化槽改修相談があり関係機関と連携して対応したところ、曝気装置が老朽化しており装置更新が必要であることが判りました。そこで、当所では装置の更新に際して曝気方式の選定や資金利用について助言を行いました。さらにセミナー生の改修イメージを具体化してもらうため、県内優良事例の視察を行いました。
浄化槽は日頃の管理が重要で、改修後の稼動状況確認や、適正な運転方法と日々の観察項目について説明
しました。現在、浄化槽は順調に稼動しており処理水の水質も良好に推移しています。また、運転時の電気
料金は改修前と比べ安くなり、経営継続の一助となっています。このように、セミナー生共通のテーマのみ
ならず、個別のテーマにもきめ細かく対応し、安心して経営継承できるよう支援しています。

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa