地下水の窒素汚染を防ぐための土壌管理

掲載日:2018年5月14日
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から農業環境部
地下水の窒素汚染を防ぐための土壌管理

近年、地下水の硝酸態窒素(NO3-N)濃度が環境基準値(1リットル中に10mg)を超える事例が報告されています。その原因として、農耕地にまいた肥料から窒素が溶けて地下に浸透していることが考えられています。

当所では、農耕地からの窒素の溶脱を低下させ、地下水の窒素汚染を防止するために、4年間にわたって土壌の下層から浸透水を採取できる「ライシメーター」を使用して、地下に浸透した水の窒素濃度を調査してきました。その結果、次のことがわかりました。
(1) 肥料から溶けた窒素の濃度(浸透水の窒素濃度)は栽培作物により異なる。(図1)
キャベツ、ダイコン、ラッカセイは栽培の後半には浸透水中の窒素濃度が低下するのに対し、タマネギ、レタス、ハネギは窒素濃度が高まる。

(2) 少しずつ窒素成分が溶け出す被覆尿素を利用すると窒素濃度、窒素溶脱量ともに低くなるため、窒素溶脱を少なくすることができる。(図1,表1)

(3) 牛ふん堆肥を高度化成に加えた場合、高度化成区より窒素濃度、窒素溶脱量ともに増加する。これは牛ふん中の窒素が溶け出すためで、有機物中の窒素量を考慮した施肥が必要となる。(表1)

(4) ソルゴーを栽培すると被覆尿素、牛ふん堆肥加用区の窒素吸収量が多くなり、窒素濃度を著しく低下させる。(表1,図1)

(5) 浸透水の年間平均窒素濃度は栽培作物により異なり、吸肥力の大きい作物を栽培するほど濃度が低くなる。(図1,表1)

以上のことから、農耕地からの地下水の窒素汚染を軽減するには、作物の窒素吸収特性に基づいた作付けを実施し、残った窒素をソルゴーなどの緑肥作物で回収するなど、年間を通じて平均窒素濃度を低くする対策が有効といえます。
図1、施肥条件と浸透水の硝酸態窒素濃度
表1、ライシメーター試験の窒素収支及び浸透水中の窒素濃度
 
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