webnews22号 お茶畑から肥料はどれくらい出て行くの?

掲載日:2018年5月14日
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お茶畑から肥料はどれくらい出て行くの?
津久井試験場

硝酸態窒素の環境基準化(注)に伴い、茶栽培においても肥料に含まれる硝酸態窒素による環境汚染が問題になっています。そのため茶畑から硝酸態窒素がどれくらい地下水等に流れ出ているか(溶脱)を調査する必要があります(モニタリング調査)。このモニタリング調査では、通常、ポーラスカップという装置で土壌養液を吸引して調査したり、暗きょ排水や畑の下の湧水などを調査する方法が取られています。しかし、これらの方法では窒素の濃度は測定できますが、畑から流れ出る水の量がわからないため、窒素の溶脱量は把握できません。

写真:埋設型ライシメーター写真:埋設途中
埋設型ライシメーター
埋設途中

そこで、当試験場では、プラスチック製タンクを使って埋設型ライシメーター(土壌浸透水を集める装置:写真)を作り、茶園のうね間の地下60cmに埋めてモニタリング調査を行っています。この装置によってタンク内にたまった浸透水の量が把握できるため、窒素の溶脱量の推定もできます。
平成13年度の調査では、肥料を現行の量で施用した場合(55kg/10a)と減量して施用した場合(41kg/10a)とでは、回収した浸透水の硝酸態窒素濃度には差が見られました。この結果から推定したところ、肥料を減らすことにより、地下60cm層での窒素溶脱量も減少している(14.7kg/10a→10.6kg/10a)ことがわかりました。
今後はさらに調査を続け、季節による変動など、茶園における窒素溶脱の実態を解明し、環境負荷の低減に役立てたいと考えています。
(注)硝酸態窒素は、平成11年2月に環境庁の告示により環境基準値を設定され、その値は10mg/L以下とされました。
 
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※ 農総研ニュース22号本誌における当記事には訂正箇所が2箇所ありましたのでお詫び申し上げます。
(1)タイトル:誤「お茶畑から堆肥はどれくらい出ていくの?」→正「お茶畑から肥料はどれくらい出ていくの?」
(2)写真左側説明:誤「埋蔵型ライシメーター」→正「埋設型ライシメーター」
本文ここまで
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