2010年センサスからみる神奈川県農業の生産構造の変化

掲載日:2018年5月11日

2010年に発表された世界農林業センサスをもとに、過去のセンサスデータ(5年毎に公表)と比較して神奈川県の農業生産構造の変化をみてみました。センサスでは、農業従事の割合によって農家分類をしていますが、ここでは農業就業人口(下記用語説明参照)をとりあげました。

まずは、2010年の新しいデータから、農業就業人口の年代別の構成を図1でみてみますと、高齢者が半数以上を占めていることがわかります。65歳以上の全国平均の割合は61%ですので、本県の割合は若干低めにはなっておりますが、会社等を退職された世代の方が農業に専従する事情もあって、農業分野では生産者の半数以上を占めている特殊な構造となっています。

図1神奈川県農業就業人口の年代別割合の図

図1 神奈川県農業就業人口の年代別割合

次に本県の各年代毎における増減を詳しくみてみましょう。

図2は、2010年調査が前回の2005年調査に比べてどの程度増減があったか、同じように前回調査と前々回の2000年調査について男女別に比率で示したものです。

全体的には、この5年間(2010/2005)と2005年以前の5年間(2005/2000)ともに、一部の年代を除き各年代減少しており、継続的に減少していることがわかります。

この5年間で唯一増加しているのは60から64歳の男性世代です。この近辺の世代は、水色の楕円の折れ線グラフの形からわかりますように、前回の5年間で増加傾向にあった世代が、そのまま5年後スライドしていることがわかります。団塊の世代の方々が就農し営農していることがわかります。

女性は男性以上に減少率の高さが目立ちます。前回の5年間の減少率と比べるとすべての世代で減少率が高まっています。特に、一般的に女性の労働人口率が最も高いとされる45から54歳の世代が落ち込んでいます。図3はこの10年で10702人(約46%)の農業就業人口が減少したことを示していますが、そのうちなんと74%が女性となっています。

女性の農業就業人口の減少の要因としては、生産人口の減少の他、ライフスタイルの変化、他産業への従事の増加、団塊の世代Uターン就農では定職をもっている等が考えられます。

そして、特に減少率の落ち込みが激しいのが、図2の黄色の楕円で示している男女共に30歳未満の若い世代です。少子化、高学歴化や他産業への従事が要因と考えられます。

図2農業就業人口の年齢別増減率の推移の図

図2 農業就業人口の年齢別増減率の推移

図3農業就業人口と男女割合の図

図3 農業就業人口と男女割合

このようにこの10年間の流れをみると、女性や若い世代の農業への参画が少なくなり家族経営の基盤が小さくなる傾向にあります。

企業参入、新規参入者育成や援農ボランティアの活用等の取組が農業従事者の減少をカバーしようとしていますが、農業の発展には家族経営の基盤を強くすることが重要です。

収益をあげて規模拡大を図っている先進農家の多くには、女性農業者の活躍があり、両親の働く姿をみて子供が就農しています。

こうしたことから、女性や農業後継者が農業へ参画しやすい環境づくりや収入をあげられるまでの支援の充実がますます大切になっています。

 

農業就業人口
15歳以上の農家世帯員のうち、調査期日前1年間に農業のみに従事した者又は農業と兼業の双方に従事したが、農業の従事日数の方が多い者をいう

引用データ
2010年世界農林業センサス
2005年農林業センサス
2000年世界農林業センサス

本文ここまで
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