神奈川県にはどんな有機農業経営が多いか?

掲載日:2018年5月14日

都市農業における有機農業経営は、生産者と消費者が近接しているため信頼関係が構築しやすく、有機JAS認証の必要性は限定的であると推測されますが、その実態は明らかではありません。
そこで、県内における有機農業経営について、有機JAS認証の取得の有無や栽培作目、出荷先に着目して類型化することにより、県内に多い有機農業経営のタイプを探りました。

方法

旧農業振興課(現農政課)が、平成21年度県内の有機農家を対象に実施したアンケート調査(注1)のデータ(84件)を用いて、下記の項目を因子として階層的クラスター分析(注2)という手法を用いて分析しました。

(注1) 本調査は、平成21年4月1日現在、県内において通年で有機農業に取り組んでいるほ場の面積が10a以上又は過去1年間の有機農業による農産物の販売金額が15万円以上の農業者を調査対象としています。農政課より別途結果が公開されています。
平成21年度神奈川県有機農業実態調査結果報告書(PDFファイル223KB)

(注2) 個体間の類似度あるいは非類似度(距離)に基づいて、最も似ている個体から順次に集めてかたまり(クラスター)を作っていく方法

因子

因子の図
(注3) 回答者の48%が複数の野菜を栽培し、39%がキウイを栽培していることから、それぞれ因子として採用しました。

結果

分析の結果、大きく6類型に分類されました(表1)

表1 クラスター分析による県内有機農業経営の分類


各類型の有機栽培面積シェア及び有機農産物販売額シェアを見ると、最も割合が高いのは(B)複数野菜-消費者直販型でした(図1、2)。

図1 各類型の有機栽培面積シェア図2 各類型の有機農産物販売額シェア

図1 各類型の有機栽培面積シェア(%) 図2 各類型の有機農産物販売額シェア(%)
(回答者の合計 56.8ha) (回答者の合計 約1億5,000万円)
 

また、各類型の特徴を見ると、(A1)非JAS認証-団体出荷型および(A2)JAS認証-団体出荷型は全面有機栽培の実施農家割合が低い一方で、(B)複数野菜-消費者直販型のそれは高く、経営の一部で有機農業に取り組むキウイ栽培経営と経営全体で有機農業に取り組む野菜栽培経営の違いが際立ちました(図3)。

図3 全面有機栽培の実施農家割合の図
図3 全面有機栽培の実施農家割合(%)
注:「全面有機栽培の実施農家割合」とは、経営耕地全体で有機栽培に取り組んでいる農家の割合を示しています。

有機農業を始めたきっかけについて、類型別に見ると、(A1)非JAS認証-団体出荷型および(A2)JAS認証-団体出荷型は「消費者の要望」の割合が高い一方で、(B)複数野菜-消費者直販型や(D1)水稲単作-消費者直販型は「自分や家族の健康のため」の割合が高く、類型によってきっかけに大きな違いがあることがわかりました(図4)。

図4 有機農業を始めたきっかけ
図4 有機農業を始めたきっかけ回答率(%)(複数回答あり)
注:D1には、野菜単作や水稲・果樹複合も含まれる。

今後は、これらの類型を念頭に置きつつ、都市農業の特徴を活かした有機農業経営のあり方を提示していく予定です。

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