有機質資源連用試験

掲載日:2018年3月6日

県内普通畑では、年々堆肥など有機物の利用が少なくなっています。しかし、有機物を使わずに化学肥料のみを使い続けると、長期的には地力が消耗し収量が減ってきます。そのため、この地力を維持、増強するために、有機物の土壌還元による土づくりが必要となります。

そのため、当研究所では県内の代表的な土壌である黒ボク土の畑に牛ふん堆肥など有機物を長期にわたって施用し続けることによって、作物の収量や土壌の化学性などがどのように変わっていくのかを調べています。

試験は、牛ふん堆肥や菜種油かすなど有機物のみを施用する区(有機物単用区)、化学肥料に加えて牛ふん堆肥を施用する区(有機物加用区)、化学肥料のみを施用する区(三要素区)及び化学肥料の各要素を欠如させる区(-N区、-P区、-K区、-Ca区、-Mg区)を設けて、「春キャベツ-スイートコーン」という1年に2作の作型で平成8年から7年間、合計14作栽培しました。

その結果、有機物の長期施用による作物の収量や土壌の化学性への影響が現れました。作物の収量(図1~2)は、キャベツ、スイートコーンとも、有機物を施用した栽培のほうが、化学肥料単独で栽培したよりも増収の傾向がありました(キャベツのH13は定植時の植え痛みによる減収)。


図1 キャベツ収量の推移
図2 スイートコーン収量の推移

また、作物を収穫した後の土壌は、地力の目安となる可給態窒素量が有機物の施用によって増えており、特に有機物単独の施用によって、より多く増えました(図3)。一方、交換性カリやリン酸の量も年々増えていて土壌中に貯まりだしています(図4)。これらのことから、黒ボク土の畑では有機物を長期に連用すると地力が上がりますが、同時に交換性カリやリン酸も土壌中に蓄積していきますので、化学肥料の減肥などの対策が必要です。


図3 可給態窒素の変動(スイートコーン収穫後)
図4 加里含量の変動(スイートコーン収穫後)

有機物を使って地力を維持・増進させるとともに、無駄のない施肥を心がけることが重要です。県では作物別に有機物の施用基準を決めていますので、この基準を参考にして有機物を施用して下さい。また、有機物や化学肥料を施用する前には土壌診断や有機物の成分分析を行い、土壌の中の養分状態や有機物の成分を考慮して、作物に見合った化学肥料の量を決めて下さい。

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