シキミ害虫クスアナアキゾウムシの防除技術を開発しました

掲載日:2018年3月9日

背景

神奈川県南西部の小田原市、真鶴町および湯河原町では温州みかんの転作作物としてシキミが栽培されています(約34ha)。
シキミの枝は仏事用の供花(香の花)に用いられ、みかん農家の重要な転作作物になっていますが、最近シキミを食べて枯死させるクスアナアキゾウムシが多発して大きな被害が出ています。
当農業総合研究所では、クスアナアキゾウムシの防除法の研究を平成10年から継続しています。その結果、この虫の生態を解明して薬剤に頼らない防除方法を開発しました。

クスアナアキゾウムシ成虫

クスアナアキゾウムシとは?

体長1.5cmほどの黒褐色小型の甲虫(ゾウムシ科)です。春から秋にかけて、樹皮に産卵し、幼虫が幹内に侵入して食害し、成虫は枝の皮をかじり、シキミを枯らしてしまいます。

クスアナアキゾウムシ幼虫(樹皮をはがして撮影)

シキミってどんな植物?

モクレン科の常緑小高木です。寺院や墓地などによく植えられています。
香気があって抹香の原料にもなりますが、果実は有毒です。。
シキミの枝を仏前に供える習慣がありますので、栽培出荷もされています。。
材は寄せ木細工や鉛筆材にも使われます。

シキミ栽培の様子

開発した防除法

農薬に頼らない越冬中の防除

冬の間に、加害されて衰弱したシキミの根元付近に成虫がひそんでいることが明らかになりました。また、幹の中では幼虫・蛹・成虫が越冬していました。
このことから、越冬成虫の捕殺と、枯れかけた木を伐採することにより、この虫を防除できることがわかりました。これは、晩春から秋期にかけてシキミの枝を棒で叩いたり、手で木をゆすって落下する成虫を傘で受ける採集法とともに、有効な捕殺法です。

寄生性の天敵を利用した防除

カビの一種であるバッシアナ菌の胞子を成虫に接触させることにより、高い殺虫効果が得られました。この菌は、森林害虫マツノマダラカミキリの天敵として知られていますが、クスアナアキゾウムシの防除にも有効であることを明らかにしました。今後、生物農薬としての製品化が期待できそうです。

バッシアナ菌により死んだ成虫
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