神奈川県内の牛ふん堆肥の特性調査

掲載日:2018年3月9日

背 景

1999年に「家畜排泄物の管理の適正化および利用の促進に関する法律」という法律が制定されました。

畜産経営の大規模化に伴い、家畜排泄物(牛、豚、鶏のふん尿)の不適切な処理が行われることがあります。

この法律は、環境を考慮した畜産業の育成のため家畜排泄物の適正な処理保管、堆肥としての有効利用の推進を定めたものです。

 

法律の内容の概略は以下のようなことです。

1,家畜排泄物の保管処理をおこなう場所(施設)はコンクリート等汚水が浸透しないような床を設けること。

2,屋根等をつけることによって雨によって家畜排泄物の成分が流出しないようにすること。

3,家畜排泄物の堆肥としての有効利用を推進すること。などです。

 

(詳細を知りたい方は、農水省のホームページ等に情報がありますのでそちらをご覧ください。)

 

この法令に則した家畜ふんの処理法として、神奈川県内では、牛ふんについては、プラスチックハウス内に生ふんを広げ、装置による撹拌、天日や送風等により乾燥発酵させるハウス乾燥法(写真1,2)が普及しています。

 

写真1 乾燥処理をおこなうハウス(実施例)

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そこで、当センターでは、県内でハウス乾燥処理によって生産されている牛ふん堆肥の成分特性の調査を、神奈川県畜産研究所及び各地区事務所と共同で行いました。

写真3のように現地畜産農家(今回は乳牛)を巡回し、堆肥を採取し、分析を行いました。

 

写真3 畜産農家の巡回調査風景

写真3 畜産農家の巡回調査風景
 

分析の結果は表1のようになりました。また、比較の対照として成書に記載されている代表的な牛ふん堆肥の成分値を示します。

 

表1 ハウス乾燥牛ふん堆肥の成分値

表1 ハウス乾燥牛ふん堆肥の成分値
 

表2 成書に記載されている牛ふん堆肥の成分値

表2 成書に記載されている牛ふん堆肥の成分値
 

堆肥に含まれる肥料成分のうち主なものは、窒素、リン酸、カリです。今回測定を行ったハウス乾燥で作成した牛ふん堆肥では、窒素2.5%、リン酸2.2%、カリ3.8%で、窒素、リン酸に比べ、カリの含まれる割合が高くなっていました。

これは、カリウムは水に溶けやすい成分であるので屋根のついたところで堆肥化すると雨によるカリ成分の流亡がないためと考えられます。

 

また、堆肥に含まれる炭素と窒素の比率(含まれる炭素量÷含まれる窒素量(C/N比といいます))が低いほど堆肥に含まれる窒素成分のうち植物が利用できるものが多くなります。

今回測定を行ったハウス乾燥で作成した牛ふん堆肥では、C/N比は20以下のものがほとんどでした。

 

このため、次のことに注意して使うことが必要です。

 

1 ハウス乾燥処理で製造された牛ふん堆肥は、カリが多いため、利用時には、カリ肥料の使用量を減らすことができます。

2 ハウス乾燥処理で製造された牛ふん堆肥は、肥料成分が多いため、利用にあたっては、供給される肥料成分を考慮して使用することが必要です。

3 使い方は神奈川県の作物別肥料施肥基準を参考にして下さい。

 

牛ふん堆肥もその作り方により性質の異なる場合があります。  分析値をみて使いましょう。

本文ここまで
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