貯蔵温度で味が変わる?カラシナ‘大山そだち’漬物

掲載日:2018年3月6日

大山そだち
大山そだち

カラシナ‘大山そだち’は、在来種の‘大山菜’を母親、‘清国青菜’を父親として交配した神奈川県の育成品種(研究報告)で、伊勢原市の大山のふもと、子易(こやす)地域で栽培されています。
漬物加工に利用されており、塩だけを使って、手作業で漬ける、ぴりっとした辛味が特徴の漬物「おおやま菜漬け」は好評です。

漬け込み作業
漬け込み作業:塩を振って葉がしんなりするまでよく揉みます

漬け込み作業2
揉み終わった大山そだちと塩を交互に樽に入れて漬けます

‘大山そだち’の収穫時期は11月下旬から2月いっぱいで、加工も同時期に行われています。「おおやま菜漬け」は製造後、冷凍あるいは冷蔵で保管されながら伊勢原市内のJAの直売所を中心に販売されていきますが、人気のためすぐに品切れになるようです。
製造後、さほど時間をおかずに売り切れる「おおやま菜漬け」は、賞味期限が2ヶ月に設定されていますが、今回は長期間の保存をした場合、その品質にどのような変化が生じるかを調査しました。
‘大山そだち’の辛味はイソチオシアネート類によるもので、塩揉みを十分に行うと辛味がよく出ます。
また、‘大山そだち’にはアミノ酸が多く含まれていて、「おおやま菜漬け」はうま味も十分にある漬物となっています。
今回は、製造直後の「おおやま菜漬け」を0℃、-20℃で保存し、食味に関係する上記の成分を中心に分析を行いました。
漬け込み作業によって細胞が壊れ、酵素が反応することによって作られたイソチオシアネート類は、時間が経つと揮発していき、徐々に少なくなります。-20℃保存した「おおやま菜漬け」では、イソチオシアネート類は16週間たってもほとんど減少しませんでしたが、0℃保存した場合には保存開始2週間後には-20℃保存より少なくなっており、その後も徐々に減少しました。

大山そだち漬物保存中のイソチオシアネート類含有量の変化
「おおやま菜漬け」にはグルタミンやアラニン、GABA(γ-アミノ酪酸)などのアミノ酸が多く含まれています。アミノ酸含有量は、0℃保存では製造直後から大きな変動はありませんでしたが、-20℃では保存開始から低下が続き、16週間後には大きく減少していました。

大山そだち漬物保存中のアミノ酸含有量の変化
また、漬け菜の色調は、-20℃保存の方が緑色が良く保たれ、0℃保存では緑色が退色し、べっ甲色に変化していきました。
これらのことから、長期間の冷蔵(0℃)保存では辛味成分が減少してうま味をより強く感じ、冷凍(-20℃)保存では辛味成分が残り、アミノ酸が減少するので辛味をより強く感じる漬物になると考えられます。「おおやま菜漬け」の賞味期限は2ヶ月に設定されていますが、今回の試験結果から、この2ヶ月間でも保存の仕方によって、異なる風味を楽しむことができることがわかりました。
神奈川県で育成したカラシナ品種は‘大山そだち’の他に‘さがみグリーン’研究報告)もあります。‘さがみグリーン’は辛味がマイルドで、相模原市を中心に全県的に栽培されており、こちらも漬物加工に利用されています。最近では学校給食への利用も検討されています。

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