「果樹の樹体ジョイント仕立てを核とした省力、低コスト栽培システムの開発」成果集

掲載日:2018年2月27日
成果集表紙成果集裏表紙
樹と樹をつなげる発想は、旧園芸試験場(神奈川県二宮町)時代、剪定作業を終えた休憩時間の雑談の中から生まれました。この発想を温め、その後、現在の平塚市上吉沢に農業総合研究所(現農業技術センター)として再編整備された新しい研究圃場の片隅で、「樹体ジョイント仕立て」の研究が産声をあげ、平成18年から農林水産省の新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業(採択時:農林水産研究高度化事業)に採択され、共同研究の展開により大きく飛躍し、ナシの主軸品種である幸水について、その技術をほぼ確立しました。 
 さらに、ジョイント仕立てに関する研究は適用品種や樹種の拡大という新たな研究へ発展し、平成21年から農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業(採択時:新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業)にも採択され、「果樹の樹体ジョイント仕立てを核とした省力、低コスト栽培システムの開発」として全国の公設試験研究機関を中心とした15機関の共同研究によりわが国果樹産業の革新を図ろうとする大型プロジェクトを展開してきました。
 本成果集は、本事業による平成21年からの5年間の各研究機関による研究成果をとりまとめたものです。ナシでは幸水以外の品種への適用検討を行い、ナシ以外の樹種への拡大では、平棚利用以外の立木樹種向けには側枝下垂型と側枝上方誘引型ジョイント樹形を開発し、側枝管理方法と植物ホルモンの関係も調査することにより、8樹種での栽培法を検討しています。そして、ジョイント仕立ての特性を活かして、農薬や施肥量の削減の課題にも取り組み、立木果樹のジョイント仕立てで課題となる支持施設コストの低減も検討しております。
 まだ初期コストや側枝更新等いくつかの課題は残っておりますが、早期成園化と大幅な省力・軽労化を実現するジョイント仕立ては多くの樹種での活用が期待されます。本成果集を活用していただき、全国の果樹産地の再生と経営の安定が図られ、新たな担い手の確保にもつながることで、産地振興の一助になれば幸いです。また、共同研究機関の皆様方へは研究運営および各種取りまとめ等、多大なご協力をいただき深く感謝を申し上げます。

平成26年3月

 実用事業(21001)果樹ジョイント共同研究機関
 代表機関 神奈川県農業技術センター

成果集目次

ジョイント栽培の特徴(ジョイント栽培と慣行栽培の比較)

1.樹体ジョイントによる国内主要果樹の省力・低コスト栽培技術の開発
(1)リンゴの樹体ジョイントによる低樹高栽培技術の確立
(2)リンゴの樹体ジョイントによる平棚栽培技術の確立
(3)リンゴの樹体ジョイントによる中山間地直売型栽培技術の確立
(4)ブドウの樹体ジョイントによる省力・早期成園化、高品質安定栽培技術の開発
(5)カキの樹体ジョイントによる早期成園化、省力・高品質安定生産技術の開発
(6)スモモの樹体ジョイントによる早期成園化、省力化と結実安定技術の開発
(7)ウメの樹体ジョイントによる早期成園化、省力・安全、低コスト栽培技術の開発
(8)モモの樹体ジョイントによる単純・省力・低コスト栽培技術の確立
(9)イチジクの株枯病抵抗性台木を利用した樹体ジョイント仕立ての開発
(10)キウイフルーツの樹体ジョイントによる省力・低コスト栽培技術の開発

2.ナシ産地活性化のための樹体ジョイントによる新品種、高品質品種生産安定技術の開発
(1)二十世紀系短果枝利用型品種のジョイント整枝栽培法確立
(2)樹勢が弱く生産性確保が困難な筑水系高品質品種への適応
(3)樹勢が強く花芽の確保・維持が困難な‘あきづき’への適応による栽培管理技術の確立
(4)側枝の確保・維持が困難な‘南水’への適応による早期成園化

3.立ち木性樹種のジョイント仕立て導入における最適な側枝管理法と低コスト果樹棚の開発
(1)立ち木性樹種ジョイント仕立てにおける最適な側枝管理・花芽着生管理技術
(2)立ち木性樹種ジョイント仕立てにおける低コスト果樹棚の開発

4.ジョイント仕立てに対応した肥料削減技術の開発

5.ジョイント仕立ての樹形を活かした、散布量削減型防除機の開発

担当機関・問い合わせ先一覧


本研究は、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業(旧:新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業)により行いました。
添付ファイルの転載については、これを禁じます。

Adobe Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。