あけみず

掲載日:2020年6月19日
あけみず
日本ナシあけみず育成経過
ニホンナシ‘あけみず’は当センターの前進である旧神奈川県農業総合研究所で育成したニホンナシのオリジナル品種です。多収量で品質良好な極早生品種の育成を目標に、1970年に旧神奈川県園芸試験場で‘新水’に、‘幸水’と‘雲井’の交雑系統を交配しました。1987年に、果実が大きく、品質が良好な個体を選抜し、特性調査を行ったところ、片親で従来の早生品種‘新水’よりも 収穫が1週間以上早く、果実品質が優れていることが認められたので、種苗法に基づく品種登録を出願し、1997年3月に品種名‘あけみず’として品種登録されました。お盆前には収穫できる甘くておいしい赤ナシです。


‘あけみず’の花はやく(雄しべの一部。花粉をつくり、放出する器官)の色が淡い紅色です。‘幸水’や‘豊水’、‘新水’、‘新高’のやくは濃い紅色なので簡単に区別が付きます(下写真参照)。開花期は「新高」と同時期で、‘幸水’や‘豊水’などの品種に比べ早いのが特徴です。本年の開花期は4月5日から14日でした。交雑不和合性については‘豊水’をのぞく主要品種とは不和合性は認められませんでしたが、‘豊水’とはどちらを花粉親にしても不和合性が認められたため、注意が必要です。
花 葯(やく)
‘あけみず’と主要品種の花の違い ‘あけみず’の葯拡大写真
交雑不和合性 異なる品種間で受粉を行ったときに受精が行われず、果実が肥大しない性質。

日本ナシあけみず果実
‘あけみず’の収穫期は従来の早生品種の‘新水’よりも1週間早く、7月下旬から8月上旬です。
なお、主要品種の収穫期は、‘幸水’が8月中から下旬、‘豊水’が9月上から下旬、‘新高’が9月中から下旬です。
果実は円形で果皮色が黄赤褐色、果重は平均320gになります。糖度(Brix)は13%前後、僅かに酸味があり、みずみずしくおいしいナシです。日持ちはやや短く、常温(25℃、湿度90%)で5日程度です。

栽培管理
日本ナシあけみずの樹 ‘あけみず’は、開花期が早く、他品種の生花粉を用いた受粉が難しいので、人工受粉用の花粉を前年から用意しておく必要があります。
摘果については、‘新水’等従来の早生品種と異なり開花が早いため、早期に行うようにしてください。
‘あけみず’の着果特性は母親である‘新水’に似て、えき花芽の発生が少なく、短果枝を主体とした樹体管理になりますので、剪定は‘新水’と同様に短果枝を作るようにします。1年枝の切り返しを弱くし、短果枝を付けるようにして下さい。短果枝は2から3年は着果枝として使用できます。
病害虫防除については、黒斑病に抵抗性を示し、えそ斑点病は非発現性です。黒星病、赤星病に関しても慣行防除で対応可能です。