湘南一本

掲載日:2018年2月27日
湘南一本
湘南一本
農業技術センターでは、厚木市山際の専業農家、野路稔氏と共同で「湘南一本」を開発・育成しました。やわらかな食感に優れ、他品種とひと味違った食材を食卓に提供できる新品種です。

神奈川県旧園芸試験場で育成された「湘南」は昭和35年の発表当初から、軟らかい、良食味ねぎとして人気がありましたが、分げつ性(葉の基部から枝分かれする性質)が強く、剥きねぎなどでは軟白部が扁平になることから、新しい品種に比べ市場評価の得にくい品種となっていました。

また、葉が太く、折れ易いことも、機械化が進む現代の生産者から敬遠される要因となっていました。


平成元年に県農業改良普及センターより「湘南」を紹介され、栽培をはじめた野路稔氏も上記の弱点には気付いていましたが、同時に、直売での購買者や量販店の反応から、独特の「やわらかさ」に消費者からの手堅い支持も感じていました。

平成3年から、農業技術センターと共同で葉が細く直立する株を選んで少しづつ生産し易い品種に近づけていく、集団選抜による育種を始めました。また、栽培期間を通じて生育が良く、軟白部が良く伸びる性質にも着目して改良が進められました。

10年を経た平成13年、農業技術センターの場内ほ場で実施した特性検定試験では、上記の改良が順調に進んでいることが確認できましが、同時に、分げつ性が強く剥きねぎには向かないこともわかりました。そこで、分げつのしにくい株をさらに選抜し、特性検定試験を再度行った結果、実用可能な品種と判断されました。
湘南一本、圃場での姿、葉がまっすぐのまま
湘南、圃場での姿、葉が折れている


「湘南一本(KNS21)」(左)は「湘南」(右)に比べ葉折れが少ない

新品種「湘南一本」は、甘く柔らかな食感を特徴としており、鍋物やすき焼きなどの食材としてご支持頂けるものと思います。この点では「湘南」の特性を忠実に引き継いだものと言えます。また、「湘南」に比べ葉折れが少なく、収穫期の生育も良く、生産し易さが格段に向上ており、試験栽培に協力頂いた生産者からも好評頂いています。

平成19年8月7日に品種登録(第15544号)されました。地元JA等より地場品種としてデビューしています。