トマト養液栽培における排液量による給液制御

掲載日:2018年2月27日

トマトの養液栽培において培養液の吸収量は日によって大きく変動します。このため日変動に応じることが可能な培養液制御システムの導入が望まれます。ここでは簡易な培養液制御システムとして期待できる水位センサを付与した排出ポンプの稼働回数から計測した排液量に基づく方法(図1)について検討しました。

図1 排液量による給液制御システム

図1 排液量による給液制御システム

排液量に基づく給液制御法は、単位日射量当たりの給液量を生育ステージなどに応じて変更することなく日射量に比例した給液を行うことが可能でした(図2)。また、精密な給液コントロールが必要とされる少量培地耕において、水位センサを付与した排出ポンプの稼働回数から計測した排液量に基づく給液制御法は裂果や尻腐果の発生を低減することができると考えられ、ロックウール耕と同等の収量が確保できることが明らかになりました(表1)。
この制御方法は実用化されおり、平成22年6月現在、制御装置はメーカーから販売されています。


図2 トマト養液栽培における給液量及び排液量の経過
図2 トマト養液栽培における給液量及び排液量の経過

図2 トマト養液栽培における給液量及び排液量の経過

8月6日から8月20日はいずれの試験区とも給液量は400mL/株/日。排液は欠測。
供試栽培システム:鉢用トレイ(縦450mm×横220mm×深150mm、2鉢連結トレイ)に防根透水シートを敷き、パーライトを充填。培地量は2L/株とした。
供試作物:トマト(桃太郎ヨーク)
試験規模:1区14株2反復
栽植様式:株間21cm×畝間200cm、1条振り分け誘引。
耕種概要:播種;2008年7月25日、定植;2008年8月14日、摘心;2008年11月6日、栽培終了;2009年1月20日

表1 収量、尻腐果、裂果発生割合及び果実糖度

 
試験区 総収量
(kg/株)
可販収量
(kg/株)
裂果
(個数%)
尻腐果
(個数%)
果実糖度
(Brix%)
排液制御・少量培地耕 5.37 5.02 0.5 1.6 5.2
給液制御・少量培地耕 4.56 4.15 4.3 2.2 5.5
給液制御・ロックウール耕 5.44 5.17 0.5 2.3 5.3

少量培地耕:鉢用トレイ(縦450mm×横220mm×深150mm、2鉢連結トレイ)に防根透水シートを敷き、パーライトを充填。培地量は2L/株とした。
ロックウール耕:セル苗をロックウール育苗培地(75mm角)に仮植し、2次育苗後にロックウール成形培地(幅300mm×厚75mm)に定植。
給液はともに点滴給液。