土地収用のあらまし

掲載日:2020年4月2日

憲法第29条は、第1項で「財産権は、これを侵してはならない。」として私有財産権を保障していますが、一方第3項では、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」としています。このことを具体的な手続として定めたのが、「土地収用法」です。土地収用法は、私有財産権と公共の利益との調整を図り、国土の適正で合理的な利用に寄与することを目的として、公共の利益となる事業(以下「公共事業」といいます。)に必要な土地等の収用又は使用の要件、手続、効果、損失の補償等について定めています。

 

収用とは、特定の公共事業のために、正当な補償の下、権利者の意思に関わりなく、土地等の所有権をはじめその他の権利を移転又は消滅させることをいい、使用とは、土地等に使用する権利を設定し、又は権利を制限することをいいます。使用も収用とほぼ同じ手続により行われますので、ここでは収用について説明します。

 

道路、公園、河川、鉄道、上下水道等の公共事業のために新たに土地などを必要とする場合、その事業を行おうとする者(以下「起業者」といいます。)は、土地所有者や関係人と話し合い、合意すれば任意の売買契約を結んで必要な土地を取得します。

 

しかし、補償金の額について合意ができなかったり、土地の境界や所有権について争いがあるなどの理由で、話合いにより土地を取得できない場合があります。このような場合、起業者は、土地収用法に基づいて、国土交通大臣又は都道府県知事による事業認定を受けた後、収用委員会に対して収用の裁決申請をすることができます。

 

収用委員会は、起業者から裁決の申請がされると、起業者、土地所有者及び関係人の意見を聴くため審理を開催したり、調査等の手続を経て、収用する土地の範囲、補償金の額などについて裁決します。

 

このような手続を経て、起業者は裁決に従って、土地所有者や関係人に補償金を支払い、必要な土地などを取得し、公共事業のために使うことができるようになります。

 

なお、都市計画事業の場合は、都市計画事業の認可又は承認を受けていれば、収用委員会に対して収用の裁決申請をすることができます。

 

このページの先頭へもどる