「水上×水中」ドローンによる国内初のブルーカーボン実証を開始します！
―海の森を守る方々を支援する仕組みをつくります―

1　課題

県内の藻場は、地球温暖化による海水温の上昇等に伴い約30年で半減しており、漁業団体等により藻場の保全・再生の取組が進められており、こうした取組を拡大する仕組みとして、ブルーカーボンクレジットの活用が期待されています。しかし、藻場モニタリングの8割以上は、潜水士が実際に潜って測定しているため、船舶と潜水に伴う負担や安全面、測定が天候に左右される等の課題があります。

2　解決手法

（1）連係体制の構築
県の起業家支援プログラム（注記2）で支援し、水中ドローンによるブルーカーボン計測の特許を有する一般社団法人BlueArch（ブルーアーチ）、及びHonda発スタートアップ企業として海洋データ収集に特化した自律型小型モビリティを開発する株式会社UMIAILE（ウミエル）と、県は、藻場の再生に向けた三者協定を本日締結しました。　
（2）実証内容　
水上ドローンを陸上局から中継し、水中ドローンを遠隔制御する手法について、三者で連携して開発します。本水上ドローンは、水中翼を用いた独自の姿勢制御技術により、悪天候でも自律運航が可能であり、天候に左右されない測定手法の構築を目指します。
また、水中ドローンには自律制御プログラムを搭載し、海底に対する自律的な衝突回避機能により操縦を補助することにより、水上ドローンを介した遠隔操縦においても安定した観測が行えるようにします。
本手法を城ヶ島におけるブルーカーボン調査に活用し、地元の三和漁業協同組合城ヶ島支所によるカーボンクレジット創出に繋げることで、地域の藻場再生活動の活性化を目指します。

3　今後の展開

本事業により、安全かつ容易にブルーカーボンの測定手法を構築し、持続可能な藻場保全活動の仕組みづくりに繋げていきます。

 

注記1　ブルーカーボンクレジット
海藻・海草など海洋生態系が吸収・貯留するCO₂量を数値化し、削減効果として取引できる仕組みです。海域の保全・再生を進めながら、地域の新たな収益源として活用できる脱炭素手法として期待されています。

注記2　HATSU起業家支援プログラム
県内の3つの拠点（鎌倉、厚木、小田原）において、起業を目指す方を対象に、有望な起業準備者に対する集中支援プログラム（チャレンジャー制度）を実施するとともに、かながわ発の起業家の創出と各地域における起業家コミュニティの形成に取り組むものです。

《SDGsの推進について》
県では、SDGsの達成にもつながる取組として、持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図るため、脱炭素分野等における科学技術の社会実装を進めています。

 

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