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更新日:2023年9月5日

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セミナー「脱炭素社会への展望~2050年のゼロエミッション社会を考える~」を開催しました!

脱炭素社会に向けて、「私たちの暮らしはどう変わるのか」、「一人ひとりができることは何か」について、本セミナーをとおして考えました。

神奈川県では、2050年の脱炭素社会の実現に向けて、温室効果ガスの排出削減等の取組を進めています。
今回、県民の皆様に将来の脱炭素社会について一緒に考えていただくため、2020年2月3日(月曜日)に神奈川県と公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)と共催でセミナーを開催しました。

日時

2020年 2月3日 (月曜日)

18時30分から20時30分まで

会場 神奈川県庁本庁舎大会議場
参加者数 145人
主催 神奈川県、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)

チラシ「脱炭素社会への展望~2050年のゼロエミッション社会を考える~」(PDF:391KB)

配付資料

本セミナーで使用した資料を掲載しています。

開催結果

1 基調講演「脱炭素社会のエネルギー展望」

荻本 和彦氏 (東京大学生産技術研究所特任教授)

資料(PDF:5,930KB)に基づき、2018年の北海道地震や2019年の台風15号、19号による停電を踏まえ、電力・エネルギーの基本的な仕組みや将来的な多彩な活用の可能性等について御講演いただきました。

基調講演1 基調講演
 

2 プレゼンテーション「脱炭素社会 205X年 日本」

川上 毅氏 ((公財)地球環境戦略研究機関 統括研究ディレクター)

資料(PDF:2,416KB)に基づき、現在研究中のレポートから、脱炭素社会の実現の可能性や、脱炭素社会における社会変化などについて御講演いただきました。

プレゼンテーション

3 神奈川県からの情報提供「2050年脱炭素社会の実現に向けて」

小林 幸文(神奈川県環境農政局環境部長)

資料(PDF:1,156KB)に基づき、2050年の脱炭素社会の実現に向けた県の取組について情報提供しました。

県発表

4 パネルディスカッション「脱炭素社会への展望~2050年のゼロエミッション社会を考える~」

《パネリスト》
  • 荻本 和彦氏(東京大学生産技術研究所 特任教授)
  • 菅原 秀一氏(大和ハウス工業(株) 営業本部営業推進部エリパワー商品東京販売推進室)
  • 星野 智子氏((一社)環境パートナーシップ会議(EPC) 副代表理事)
  • 川上 毅 氏((公財)地球環境戦略研究機関 統括研究ディレクター)
  • 小林 幸文 (神奈川県環境農政局環境部長)
《司会》
  • 大塚 隆志氏 ((公財)地球環境戦略研究機関 コミュニケーション共創担当ディレクター)

(概要)

パネルディスカッションでは、2050年と現在の暮らしとのギャップを認識しつつ、2050年に描く姿に到達するには、それぞれの主体がどのように取り組むことが必要なのか、私たち一人ひとりにできることは何かを議論しました。

パネル2 パネル4

 

  • 菅原氏資料(PDF:3,010KB)
    [これまでの取組]
    ・創業100周年になる2055年までの目標として「環境長期ビジョン"ChallengeZERO2055"」を制定し、その中で「気候変動の緩和と適応」を最重要テーマとして掲げている。
    ・RE100(再エネ)、EP100(省エネ)、SBT(CO2削減)などの取組にも手を挙げ、自社活動の中で脱炭素を推進している。
    [2050年に描く姿]
    ・2050年の世界は、首都圏など資源が乏しいエリアでは、都市型の発展をしていて、郊外型の資源が豊富なエリアでは、エネルギーをその場所で生み出せるようになり、情報通信技術、特にAIの発達により、街同士でエネルギーなどを融通し合える世の中になっていると想像している。
    ・そのためには、産官学の連携が不可欠であるとともに、技術革新が進んでいくことが重要である。
    ・目下できることとしては、(1)SDGs、ESGトレンドをフォローの風としてとらえること、(2)日々の活動の中の「無駄」「矛盾」「余白」に「新たな価値があるのでは」と考えることだと思っている。

 

  • 星野氏
    [これまでの取組]
    ・企業、行政とNPO/NGO、市民をつなぐような中間支援を行ったり、環境省と国連大学が共同で運営している地球環境パートナーシッププラザの運営に携わり、環境やSDGsなどの情報発信やセミナーを開催している。
    ・そのほか、NGOのネットワークとして、SDGs市民社会ネットワークでもSDGsの情報発信を行っている。
    [2050年の描く姿]
    ・時代が変わっていく中で、時間をシェアするワークシェアリングやモノのシェアリングなどが進んでいくのではないかと考えている。今の若者であるミレニアル世代、SDGsネイティブといった言い方もするが、そういった若者にとってはシェアリングは当たり前の感覚になっている。
    ・大量生産、大量消費する時代ではなくなっている中で、製品の精度はもちろん上げていくのだが、量を出さずに、長く使用できるものを作っていくことが大事になる。
    ・また、生産を仕事にするのではなく、旅行や余暇・文化活動に時間を費やしていく時代が来てもよいと思っている。文化を楽しむことでそれがビジネスにつながればと思っており、あまり環境負荷を与えずに、経済が回るような世界を将来のイメージとして持っている。
     
  • 荻本氏
    [エネルギーに関して需要側が果たす役割について]

    ・現在の日本のエネルギー源の問題は、電力会社やガス会社などを始めとして供給側の議論が多いが、将来を変える可能性の半分は需要側にあり、需要側がどういう選択をしていくかが重要である。需要を変える時には、供給側から提供される的確な情報や様々な選択肢に基づき、使う側が判断することが重要である。つまり、情報を出す方と受け取る方が工夫してこそ、需要側が変わっていき、新しいエネルギーシステムに移行していくことができる。
     
  • 川上氏
    [これまでの話を聞いて思うこと]

    ・本日の参加者は企業の方が多いということなのでお願いになるが、企業の中で2050年委員会のようなものを立ち上げていただき、2050年をどういう社会として捉え、どうすることで社会から愛される企業となっていくのかといったところを議論いただきたい。その結果をお知らせいただけると研究者側としては非常にありがたい。
     
  • 神奈川県(小林部長)
    [これまでの話を聞いて思うこと]

    ・再生可能エネルギーが増えてきており、余剰の部分について水素を使って貯蔵したり、CO2と水素を使ってメタンガスができるというイノベーションもある。今の段階では夢物語ではあるが、CCS(CO2回収・貯留)は難しいところもあるので、CCU(CO2分離回収利用)のような技術が一気に進んでいくような世の中を目指していきたい。
    ・未来の姿を示すことが非常に大切であると感じている。30年後の世の中を脱炭素社会にするにはどうすればよいかということを考えて、皆様と連携し実現していきたい。

    《来場者へのメッセージ》
  • 神奈川県(小林部長)
    ・これまでも行政は様々な課題に直面して解決してきたが、今回の問題も決して解決できないものではないと思う。本日のセミナーを皮切りに将来のビジョンを示しながら、皆様と一緒に30年後の世界が明るいものになるように取り組んでいきたい。
  • 星野氏
    ・自分たちの暮らしという中では、衣食住のほか、「学ぶ」と「遊ぶ」をサスティナブルにしていくことを皆様と一緒にチャレンジしていきたい。
    ・その際に、行政や企業にリクエストする縦の軸と自分だけでなく周りも誘い広げていくという横の軸を伸ばしていくことを提案したい。
  • 菅原氏
    ・非財務目標のビジネス化がSDGsなどでも言われている内容で、今まで廃れていたような価値の部分にスポットが当たっている。今までスポットが当たっていなかった部分にスポットが当たるとそれが価値になっていくと考えている。関係性やつながりなど個別に分散しがちな世の中なだけに、その間の部分にスポットを当てると、もしかしたら身近なところから変わるヒントがあるのでないかと思っている。
  • 川上氏
    ・本日報告した内容はまだ完成ではないが、こういうものをたたき台にしながら、産官学、NPO、若者世代などと連携しながら、2050年に向けた取組を進めていきたいと思う。
  • 荻本氏
    ・これから取り組む次の一歩が正しく、その先につながるものであってほしいと思う。確かに2050年の議論は重要であるが、遠い2050年の議論だけでなく、次の一歩を、様々な方が間違いない選択をして歩んでいくことができれば、素晴らしい2050年になるのではないかと思う。
  • 大塚氏
    ・IGESは、持続可能な未来を引き寄せる研究をしている機関であると自負している。これからも引き続き、本日のような形での情報発信、あるいは、神奈川県をはじめとする自治体、企業など多様なステークホルダーの皆様と一緒に考えていく機会を創出していきたいと考えている。
 
 

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