香ノ田採石場増設事業に係る実施計画審査意見書

掲載日:2020年4月3日

審査結果

I(ローマ数字の1) 総括事項

香ノ田採石場増設事業(以下「本件事業」という。)は、小川工業株式会社が、骨材(砂利、砂、砕石など)の安定供給を図り、地域経済に貢献することを目的として、終掘に近づいている既存採石場に隣接する相模原市緑区小倉1906番地2他の面積約38.8ヘクタールの土地(以下「実施区域」という。)に採石場を増設しようとするものである。また、本件事業の実施に当たり、既存採石場の骨材プラント、表廃土石堆積場等を利用することなどから、既存採石場を本件事業の関連区域(以下「関連区域」という。)としている。

実施区域及び関連区域は、相模原市の中央に所在し、相模川右岸の丹沢山地から連なる森林と、相模川左岸の畑地及び市街地との境界部に位置する。

実施区域及び関連区域を含む周辺地域は、小倉山周辺の山林を中心に東側は相模川、北側に相模川水系の串川が流れ、北側から西側にかけて集落と畑地があり、実施区域の南側に小倉山自然環境保全地域及び志田山自然環境保全地域が隣接しており、森林や河川に多種多様な動植物が生息・生育している。また、相模川沿いの県道511号(太井上依知)に並行するように首都圏中央連絡自動車道(以下「圏央道」という。)の建設が進められており、平成25年度中の開通が予定されている。

本件事業は、このように人とのかかわりの中で自然環境が維持されている地域において、現採石事業に引き続き、約30年間という長期間にわたり総量2,327万立方メートルの原石を採取するものである。現採石事業は、周辺地域に対して既に粉じんや騒音などによる生活環境への影響のほか、動植物の生息・生育環境に対し少なからず影響を及ぼしていることから、本件事業の実施に当たり更なる影響が懸念される。また、周辺地域の住民から本件事業に係る環境影響を懸念する意見が寄せられている。

したがって、環境影響予測評価書案の作成に当たっては、この審査結果を十分に踏まえ適切な対応を図るとともに、その影響や対策について現状と比較し、その違いを明示するなど、関係住民等に分かりやすく説明すること。

II(ローマ数字の2) 個別事項

1 事業内容

(1)緑化計画について

生態系を復元することを目的に、外来種中心ではなく在来種・郷土種中心の緑化を実施すること。

2 大気汚染

(1)関係車両の運行による影響について

調査・予測に当たっては、現状を適切に把握するため、大気汚染評価物質濃度の現地調査を実施すること。

(2)粉じんの調査・予測地点の選定について

本件事業の実施において関連区域内の骨材プラントを利用することから、粉じんの調査・予測地点の選定に当たっては、骨材プラントの稼働による影響も適切に把握できる地点を選定すること。

3 騒音・低周波音

(1)圏央道による騒音の影響について

平成25年度中に開通予定の圏央道付近は、当該道路から騒音の影響を強く受けるため、開通時期を考慮し現地調査を実施すること。

(2)発破による低周波音の測定について

発破による低周波音の測定値は、風向や風速の影響を大きく受けるため、その影響を考慮し測定すること。

(3)騒音の調査・予測地点の選定について

本件事業の実施において関連区域内の骨材プラントを利用することから、騒音の調査・予測地点の選定に当たっては、骨材プラントの稼動による影響も適切に把握できる地点を選定すること。

4 振動

(1)振動の調査・予測地点の選定について

本件事業の実施において関連区域内の骨材プラントを利用することから、振動の調査・予測地点の選定に当たっては、骨材プラントの稼動による影響も適切に把握できる地点を選定すること。

5 植物・動物・生態系

(1)植物の調査について

河川敷の植生調査に当たっては、春型の一年生草本植物群落に配慮し、春季の調査を行うこと。

小倉山では、ヒメモエギスゲ、エビネ、イナモリソウなどの絶滅危惧植物の生育が確認されており、ウラボシノコギリシダ、ナガサキシダ、オオヒキヨモギなど、分布の北限付近にあたりこれまで県内では未確認や希少とされる植物の生育情報も寄せられていることから、これらの種の生育に留意して調査・予測を行うこと。

 小倉山では、イズセンリョウやアリドオシなど暖地生の種を含む常緑広葉樹林が見られ、地理分布上特異で重要な植生であると考えられるため、これらの植生の組成と分布及び本件事業による影響を把握すること。

(2)動物の調査について

実施計画書に示されている動物の調査地点と調査ルートでは、実施区域内の生息状況を十分に把握できない可能性があることから、尾根、斜面及び谷などの地形、多様な植生タイプを含めるよう、実施区域内の調査地点やルートを増やすとともに、適切な調査方法を検討すること。

(3)猛禽類の調査について

小倉山北側に位置する津久井城趾城山では、オオタカ、ハイタカ、ミサゴ等の希少な猛禽類が冬季に確認されており、小倉山の周辺地域ではオオタカの繁殖が確認されていることから、専門家に意見聴取し、猛禽類の生息状況に関する調査を検討すること。

(4)昆虫類の調査について

隣接する小倉山自然環境保全地域では、県の天然記念物に指定されているギフチョウの生息が記録されていることから、4月から5月はその成虫に、6月から7月は幼虫と蛹に留意して調査すること。

6 景観

(1)景観調査の参考となる資料について

本件事業の実施区域である小倉山と、関連区域に隣接し特別緑地保全地区指定が検討されている斜面林は、豊かな自然、景観資源の残る小倉地域の背景となる重要な景観であることから、「相模原市景観計画策定基礎調査参考資料」、「相模原市水とみどりの基本計画」も参考にし、景観の調査・予測・評価を行うこと。

 

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