クリーンセンター建設事業に係る実施計画審査意見書

掲載日:2020年4月3日

クリーンセンター建設事業(以下「本件事業」という。)は、秦野市及び伊勢原市で発生する可燃ごみを長期にわたり安全、安定処理を進めることを目的として、秦野市曽屋4624番地の秦野衛生センター(し尿処理施設)廃止後の面積約35,000平方メートルの土地(以下「実施区域」という。)に、1日当たり200トンの可燃ごみを焼却する施設を建設しようとするものである。

事業予定者は両市で組織する一部事務組合「秦野市伊勢原市環境衛生組合」(以下「二市組合」という。)である。また、本件事業は都市計画に定めようとする事業であるため、神奈川県環境影響評価条例に基づく手続を都市計画決定権者である秦野市が行っている。

現在、両市の可燃ごみについては、二市組合が運営する伊勢原清掃工場(伊勢原市三ノ宮)にある1日当たりの処理能力180トン及び90トンの2つの焼却施設で処理しているが、このうち処理能力180トンの焼却施設は稼働以来30年が経過し、老朽化が進んでいるため、その更新施設として、秦野市に焼却施設を建設するものである。現時点では焼却施設の処理方式は決定しておらず、「ストーカ式焼却+灰溶融方式」及び「流動床式ガス化溶融方式」の2方式を検討している。

実施区域は、秦野盆地の東端部となる、伊勢原市との市境に近い市街化調整区域にある。隣接する弘法山公園を含む東側から南側の一帯は県立丹沢大山自然公園特別地域に指定されており、良好な自然環境を有する地域である。西側から北側にかけては秦野市街が広がり、特に西側は市街化の進んだ主に住居系の地域となっている。

本件事業は、住宅地及び自然公園の隣接地に焼却施設を建設するものであるため、工事の実施や施設の供用による周辺環境への影響が考えられる。特に大気が滞留しやすい盆地にあって、弘法山に隣接するなど周辺は複雑な地形であることから、大気環境への影響が懸念される。

したがって、環境影響予測評価書案の作成に当たっては、次の審査結果を十分に踏まえ、適切な対応を図る必要がある。

1 調査、予測及び評価の手法について

(1) 大気汚染

実施区域周辺は複雑な地形であるため、施設の稼働による周辺への影響は、平坦地の場合よりも著しいものとなることが懸念される。 このため、事業者においても、短時間高濃度発生時の拡散シミュレーションや風洞実験を計画しているが、調査及び予測に当たっては次の点に留意すること。

  • 十分に常時監視局等の資料調査を行い、実施区域周辺の上層気象や、地形等による局地気象の特性を把握する。
  • 上層気象観測等の現地調査については、資料調査で得られたデータを活用して、適切な時期等を計画する。
  • 風洞実験及び拡散シミュレーションには、資料調査及び現地調査により得られた情報を適切に反映する。
  • 温度成層の形成による影響も懸念されることから、既存の温度成層風洞実験で得られている知見も活用する。

(2) 悪臭

焼却炉の休止時には、脱臭設備によりピット内臭気の外部への流出を防止するとしているが、施設稼働時のみならず休止時の予測及び評価を行うこと。

(3) 植物・動物・生態系

  1. 現地調査結果に加えて、レッドデータブックの生物調査報告書など蓄積されている既存データも十分に活用し、予測及び評価を行うこと。
  2. 植物相の調査は目視観察により行うとあるが、イネ科など目視観察だけではその場で同定できない植物もあるため、個体数が多い場合は標本を作製するなど、同定漏れのないように調査を行うこと。
  3. 鳥類の調査は各季1~2回実施するとしているが、実施区域は渡り鳥の飛来が想定される丹沢大山に連なる地域にあるため、必要に応じ回数を増やすなど調査を適切な時期に行うこと。

(4) 景観

市中の中高層の建物や近隣からの日常的な景観について、現地踏査で適切な調査地点を設定し、予測及び評価を行うこと。

2 その他

(1) 煙突の高さと位置

大気環境と景観への影響は煙突の高さと位置により異なるが、これらの影響を同時に軽減することは難しい。そのため、風洞実験や拡散シミュレーションによる大気汚染の予測結果とフォトモンタージュによる景観の予測結果から比較検討を行い、予測評価書案にはその検討経過をできるだけわかりやすく記載すること。

(2) 住民への情報提供等

事業者は情報提供や説明会等を実施してきたが、住民からは焼却施設の処理方式への疑問や大気汚染による健康の影響などの意見が提出されている。したがって、今後予測評価書案作成に当たっては、住民の疑問や不安に対して十分な説明を行うこと。特に近隣住民に対しては引き続き情報提供等に努め、一層のコミュニケーションを図ること。

 

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