川崎火力発電所2号系列2軸,3軸設備増設計画に係る環境影響評価方法書に対する知事意見

掲載日:2020年4月3日

川崎火力発電所2号系列2軸,3軸設備増設計画(以下「本件事業」という。)は、東京電力株式会社(以下「事業者」という。)が将来的な電力需要の増加への対応、また、化石燃料の使用削減による低炭素社会の実現への貢献及び低廉な電力供給を図るため、川崎市川崎区千鳥町5番1号の面積約28万平方メートルの区域(以下「実施区域」という。)において、摂氏1,600度級コンバインドサイクル発電設備を増設(出力71万キロワットの発電設備を2軸設置)するものである。

本火力発電所は、平成5年に当時の発電設備の更新に当たり、摂氏1,500度級コンバインドサイクル発電方式の出力50万キロワット発電設備6軸、出力合計300万キロワットとする計画(以下「当初計画」という。)を策定し、順次建設工事に着手した。現在、1号系列1軸から3軸は営業運転中、2号系列1軸は建設工事中(平成25年2月営業運転開始予定)である。

2号系列2軸及び3軸については、事業者が更なる熱効率向上の検討を進めた結果、既存の発電設備と比較して、より高効率かつ発電電力量当たりの二酸化炭素排出量を約4パーセント削減可能な摂氏1,600度級コンバインドサイクル発電の採用が可能との見通しが得られたことから、当初計画を見直し、現状(1号系列1軸から3軸及び2号系列1軸が稼働している状態、出力合計200万キロワット)に対する増設として環境影響評価手続を実施するものである。

なお、当初計画については平成6年から10年にかけて「発電所の立地に関する環境影響調査及び環境審査の強化について」(昭和52年通商産業省省議決定)に基づき、環境影響評価手続を実施済みである。

実施区域は、川崎臨海部の京浜工業地帯の一角に位置しており、東側が大師運河、南側が京浜運河に面している。また西側には、ちどり公園がある。実施区域を含む周辺は主に工業専用地域に、一部が商業地域に指定されている。

実施区域周辺は、これまで窒素酸化物等の総量を削減するため固定発生源対策やディーゼル車排出ガス規制等の取組が進められてきている地域である。大気汚染に関する環境基準は達成されつつあるものの、未だ本県、川崎市及び横浜市の大気環境に係る目標は十分に達成されていない。また、本県では平成21年10月1日に神奈川県地球温暖化対策推進条例が一部施行され、川崎市及び横浜市においても地球温暖化対策に係る取組が進められているところである。

本件事業は、このような状況下において発電所の出力を増強するものであり、発電所全体として発電電力量の増加により、窒素酸化物及び二酸化炭素の総排出量の増加が想定される。

以上を踏まえ、事業の実施に当たっては、窒素酸化物及び二酸化炭素の総排出量の将来にわたる低減対策を検討するなど、最大限の環境保全措置を講ずる必要がある。

したがって、環境影響評価準備書の作成に当たっては、次の審査結果を十分に踏まえ、適切な対応を図る必要がある。

1 事業の必要性について

二酸化炭素については高効率の発電設備を採用することにより発電電力量当たりの排出量は低減し、窒素酸化物については高性能の低NOx燃焼器により当初計画の発電設備と同等の排出濃度に抑制するとしているが、それらの総排出量は、本火力発電所全体としては発電電力量が増加することにより増えると想定される。したがって、発電電力量を増加する必要性について会社全体の火力発電設備の現状等を明確にして丁寧に説明するとともに、発電設備1軸当たりの諸元を整理した上で、当初計画との比較を排出量等の対比によりわかりやすく説明すること。

2 環境影響評価の項目の選定について

(1) 大気質

タービン等の大型機器は海上輸送し搬入する計画であることから、船舶からのばい煙による大気質への影響についても予測の対象とする必要がある。なお、予測に当たっては、使用する船舶数、ばい煙排出量等を明らかにした上で、大気質へ影響を及ぼすおそれがある場合には、拡散計算式による濃度予測及び評価を行うこと。

(2) 騒音及び振動

施設の稼働に伴い発生する騒音及び振動について、騒音では実施区域が工業専用地域に指定され騒音規制法に基づく規制基準が適用されていないこと及び住居系地域から約2キロメートル離れていることから、また、振動では最寄りの住居系地域とは運河で隔てられていることから、評価項目として選定していないが、地域における生活環境の保全に努めることが工業専用地域においても求められているので、評価項目として選定した上で予測及び評価を行うこと。

3 調査、予測及び評価の手法について

(1) 大気質

1号系列及び2号系列1軸が稼働している状態を「現状」と定義しているが、2号系列1軸については現在工事中であることから、工事中に行われる現況の大気汚染物質濃度の調査結果には当軸の稼働に伴う影響は含まれず、工事に伴う影響は含まれることになる。したがって、バックグラウンド濃度を適切に設定した上で予測及び評価を行うこと。

(2) 水質

施設の稼働に伴い発生する排水については、総合排水処理装置から排出する排水中の化学的酸素要求量、全窒素及び全燐の濃度並びにそれらの負荷量を把握し、類似事例を参考に海域への影響の程度の予測及び評価を行うとしているが、排出先の東京湾では、化学的酸素要求量等の総量の削減に向けた取組が進められていることから、可能な限り負荷量の削減に努めるとともに、数理モデルを用いた予測及び評価を行うこと。

(3) 景観

発電設備増設に伴い建屋等が大きくなることで圧迫感を受けるおそれがあることから、近景域における眺望の変化が適切に把握できる調査地点を追加した上で予測及び評価を行うこと。

(4) 廃棄物等

発電設備の運転に伴い発生する産業廃棄物については、事業計画等に基づき種類ごとに排出量等の予測及び評価を行うとしているが、可能な限り再資源化に取り組むとともに、具体的な再資源化量等について明らかにすること。

4 緑化計画について

緑化計画の策定に当たっては、地域環境になじむ在来種を主体として選定し、緑化の効果が発揮できるよう植栽の配置について十分検討した上で、平面図及び断面図を用いて具体的に示すこと。

5 その他

陸生動物を評価項目として選定していないが、既存資料において実施区域及びその周辺で重要な種が確認されている。したがって、選定しないという判断に至るまでの検討経緯を明らかにするとともに、現況把握の目的で実施している現地確認調査の結果を踏まえ適切な環境保全措置を検討すること。

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