YANO-J・R-C等不当労働行為救済申立事件の命令について

掲載日:2019年12月11日
2019年12月11日
記者発表資料

神奈川県労働委員会(会長 盛誠吾)は、標記の事件について、本日、申立人の不当労働行為救済申立ての一部を救済する命令を発しましたので、お知らせします。概要は次のとおりです。

1 当事者

申立人 神奈川シティユニオン(組合)
被申立人 合同会社YANO-J・R-C(YANO)
 同 東京フラッグ株式会社(東京フラッグ)
 同 株式会社IHIインフラシステム(IHI)

2 事件の概要

本件は、組合が、組合員Aの労働災害問題を主な議題とする団体交渉を申し入れたところ、YANO及び東京フラッグが、事実関係の調査などに時間が必要であることを理由に組合との団体交渉の日時や開催場所について改めて協議したい旨を回答したこと、また、IHIが、Aを雇用しておらず、就労場所で具体的な指示命令をした事実もないなどとして団体交渉に出席致しかねると回答し、団体交渉に応じなかったことが、労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第2号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てのあった事件である。

3 命令の概要

(1) 主文

【1】 YANOは、本命令受領後、速やかに陳謝文を手交しなければならない。
【2】 IHIは、本命令受領後、速やかに陳謝文を手交しなければならない。

(2) 主な争点及び判断の要旨

(争点1)
組合の団体交渉申入れに対するYANOの対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

(判断の要旨)
団体交渉の日時等について改めて協議すると回答した以降、約4か月間組合に連絡をしていないYANOの対応は、事実上組合との団体交渉を回避しているものであって、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

(争点2)
東京フラッグは、Aとの関係において、労組法第7条の使用者に当たるか否か。

(争点3)
東京フラッグが使用者に当たる場合、組合の団体交渉申入れに対する同社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

(判断の要旨)
東京フラッグがAの労働条件等について支配、決定しているという組合の具体的な主張、立証はなく、同社は労組法第7条の使用者とはいえないため、争点3については判断するまでもない。

(争点4)
IHIは、Aとの関係において、労組法第7条の使用者に当たるか否か。

(争点5)
IHIが使用者に当たる場合、組合の団体交渉申入れに対する同社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

(判断の要旨)
IHIは、労災保険法における事業主に当たることから、組合の申し入れたAの労災保険手続に係る団体交渉事項について、労組法第7条の使用者に当たる。
したがって、IHIが、Aの使用者でないことを理由として団体交渉に応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

(3) 救済の方法
前記で判断したとおり、YANO及びIHIの対応は、労組法第7条第2号の不当労働行為に当たる。しかしながら、Aの労災に係る手続は完了していること、加えて、組合が、YANO及びIHIに対し、結審日現在まで改めて団体交渉を申し入れていないことから、団体交渉を命ずるまでの必要はないが、両者は一貫して団体交渉に応じる姿勢を示しておらず、同様の対応が今後繰り返されるおそれがあるため、主文のとおり命ずることとする。

※不当労働行為

使用者は、労働組合法第7条により、次のような行為が禁止されている。

不利益取扱い(同条1号):組合員であることや労働組合の正当な行為をしたことを理由に、労働者に対して解雇などの不利益な取扱いをすること。

団体交渉拒否(同条2号):正当な理由なく団体交渉を拒否したり、不誠実な団体交渉をすること。

支配介入(同条3号):労働者による労働組合の結成やその運営を支配したり、これらに介入すること。

報復的不利益取扱い(同条4号):労働委員会に申立てなどをしたことを理由に、労働者に対して不利益な取扱いをすること。

問合せ先

神奈川県労働委員会事務局審査調整課

労働関係調整担当課長 菅居
電話 045-633-5445

審査調整グループ 谷口
電話 045-633-5449