グランデ等不当労働行為救済申立事件の命令について

掲載日:2020年1月8日
2020年01月08日
記者発表資料

神奈川県労働委員会(会長 盛誠吾)は、標記の事件について、本日、申立人の不当労働行為救済申立ての一部を救済する命令を発しましたので、お知らせします。概要は次のとおりです。

1 当事者

申立人 神奈川シティユニオン(組合)
被申立人 株式会社グランデ(グランデ)
同 株式会社ソーシン(ソーシン)

2 事件の概要

申立人が組合員Aの雇用問題等について、グランデ及びソーシンに団体交渉を申し入れたところ、両者がこれに応じなかったことが、労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第2号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てがなされた。また、その後に行われた団体交渉におけるグランデの回答と同日行われた本件申立てに係る調査におけるグランデの回答が異なっていたことが、労組法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であるとして、追加申立てのあった事件である。

3 命令の概要

(1) 主文

ア ソーシンは、本命令受領後、陳謝文を速やかに申立人に手交しなければならない。
イ その余の申立てを棄却する。

(2) 主な争点及び判断の要旨

(争点1)
グランデが組合の申し入れた団体交渉に応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たるか。

(判断の要旨)
グランデは、組合の団体交渉などを求める要求文書に対し、FAXにて組合の指定する日までに回答し、団体交渉の候補日を再提案した。その後、組合からの回答がなかったため、グランデは組合担当者から連絡をしてほしい旨、組合事務所へ電話連絡をしたが、何ら回答がなかった。
以上から、グランデが組合から申し入れのあった団体交渉に正当な理由なく応じなかった事実は認められず、団体交渉を拒否したとはいえない。

(争点2)
ソーシンは、Aとの関係において労組法第7条の使用者に当たるか否か。また、使用者に当たる場合、ソーシンが組合の申し入れた団体交渉に応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たるか否か。

(判断の要旨)
妊娠したAの配置転換と就労の継続の可否については、派遣先であるソーシンの受入体制が不可欠であるという状況の下ではソーシンが深く関わり、決定に関与してきたといえる。
したがって、ソーシンは、団体交渉事項に関し、Aの雇用主であるグランデと部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあったということができ、その限りにおいてソーシンは労組法上の使用者に当たる。
さらに、ソーシンが妊娠中の労働者を軽易な事務に転換させることが不可能であったとしても、事情を説明することができたはずで、組合の申し入れた団体交渉に応じなかったことは正当な理由のない団体交渉の拒否に当たる。

(争点3)
その後に行われた団体交渉におけるAの労働問題に対するグランデの回答と、同日行われた調査期日における回答が異なることが、不誠実な団体交渉に当たるか否か。また、そのことが組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。

(判断の要旨)
団体交渉におけるグランデに対する組合の和解案の説明は、内容について重要な点まで明確に主張されたとは言い難く、グランデの団体交渉における回答と同日行われた調査期日における回答が異なることが、いかなる意味で不誠実な団体交渉に当たり、支配介入に当たるのか組合からの具体的な主張・立証が一切されていないため、不誠実な団体交渉に当たらず、組合の運営に対する支配介入にも当たらない。

※不当労働行為

使用者は、労働組合法第7条により、次のような行為が禁止されている。

不利益取扱い(同条1号):組合員であることや労働組合の正当な行為をしたことを理由に、労働者に対して解雇などの不利益な取扱いをすること。

団体交渉拒否(同条2号):正当な理由なく団体交渉を拒否したり、不誠実な団体交渉をすること。

支配介入(同条3号):労働者による労働組合の結成やその運営を支配したり、これらに介入すること。

報復的不利益取扱い(同条4号):労働委員会に申立てなどをしたことを理由に、労働者に対して不利益な取扱いをすること。

問合せ先

神奈川県労働委員会事務局審査調整課

労働関係調整担当課長 菅居
電話 045-633-5445

審査調整グループ 北田
電話 045-633-5447