GIFT等不当労働行為救済申立事件の命令について

掲載日:2019年10月11日
2019年10月11日
記者発表資料

神奈川県労働委員会(会長 盛誠吾)は、標記の事件について、本日、申立人の不当労働行為救済申立てを棄却する命令を発しましたので、お知らせします。概要は次のとおりです。

1 当事者

申立人 神奈川シティユニオン(組合)
被申立人 株式会社GIFT(GIFT)
 同 株式会社梁瀬産業社(梁瀬産業社)

2 事件の概要

本件は、組合が、GIFT及び梁瀬産業社に対し、組合員A及びB(以下両名を併せて「Aら」という。)の解雇撤回、社会保険への遡及加入及びBの就労中の事故問題等を交渉事項として団体交渉を申し入れたところ、【1】GIFTが社会保険に遡及加入する前提として、社会保険料本人負担分を即時払いすることをAらに求めたことが労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第1号及び第3号に、【2】団体交渉におけるGIFTの対応が不誠実であること及び【3】梁瀬産業社が、組合の団体交渉申入れに応じなかったことが同条第2号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てのあった事件である。

3 命令の概要

(1) 主文

本件申立てを棄却する。

(2) 主な争点及び判断の要旨

(争点1)
GIFTの、社会保険遡及加入に関する一連の対応は、組合員に対する不利益取扱い及び支配介入に当たるか否か。

(判断の要旨)

当初、GIFTは、Aらの社会保険遡及加入に先立ち、同人らの社会保険料本人負担分を預けるように求めたが、組合との団体交渉後、GIFTが社会保険料本人負担分を立て替えて年金事務所に支払うことを前提に、Aの社会保険遡及加入手続を行った。
以上の経過をみると、GIFTがAらに不利益を与えた事実は認められず、組合の運営に対する支配介入を行ったと認められる事情もないため、組合の主張は採用できない。

(争点2)
団体交渉におけるGIFTの対応は、不誠実な交渉態度に当たるか否か。

(判断の要旨)
団体交渉において、GIFTは、解雇撤回の要求には応じなかったものの、その理由について根拠となる資料を提示して組合の理解を得ようと努めており、また、社会保険の遡及加入については、同社が社会保険料本人負担分を立て替えた上で返済計画書の提出を求めるなど、組合の要求に沿おうとする姿勢が認められる。Bの事故については、GIFTが事故の発生日を組合に質したが、組合はBに確認することもなく無回答であり、その後の交渉は進展しなかった。
以上のことからすると、GIFTの対応は、不誠実な交渉態度であったとは認められない。

(争点3)
梁瀬産業社は、Aらとの関係において、労組法第7条の使用者に当たるか否か。

(判断の要旨)
ア 組合が送付したAの労働条件等に係る団体交渉要求書に記載されていた事項は、解雇撤回や社会保険遡及加入等などのGIFTが対応すべき事項であり、梁瀬産業社が対応すべき事項の記載はなかった。
イ 組合が送付したBの労働条件等に係る団体交渉要求書には、上記の事項のほかに、Bの就労中の事故の簡単な経過が記載されていた。組合は、このことについて安全配慮義務を理由に梁瀬産業社の使用者性を主張しているが、Bの労働条件に関して、梁瀬産業社に対し何を求めているか具体的な記載はなかった。よって、団体交渉の申入れとして不十分というべきであり、梁瀬産業社の使用者性を判断することができない。
ウ 以上のことからすると、Aらとの関係において、梁瀬産業社は、労組法第7条の使用者に当たるということはできない。

※不当労働行為

使用者は、労働組合法第7条により、次のような行為が禁止されている。

不利益取扱い(同条1号):組合員であることや労働組合の正当な行為をしたことを理由に、労働者に対して解雇などの不利益な取扱いをすること。

団体交渉拒否(同条2号):正当な理由なく団体交渉を拒否したり、不誠実な団体交渉をすること。

支配介入(同条3号):労働者による労働組合の結成やその運営を支配したり、これらに介入すること。

報復的不利益取扱い(同条4号):労働委員会に申立てなどをしたことを理由に、労働者に対して不利益な取扱いをすること。

問合せ先

神奈川県労働委員会事務局審査調整課

労働関係調整担当課長 菅居
電話 045-633-5445

審査調整グループ 北田
電話 045-633-5447