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更新日:2023年11月24日

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警察署長会議における訓辞

神奈川県公安委員会

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警察署長会議における訓辞

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警察署長会議における訓辞

 

令和5年10月4日 定例警察署長会議 

 公安委員の岡田です。公安委員を拝命して、5年6か月になります。

 神奈川県警がぜひ女性も活躍できる場であってほしいと願いながら、組織のありようを見てまいりました。

 

 私の印象は、強固な縦型階級社会、必要以上の秘密主義、そして、落胆のため息が出るほどの男社会です。

 もちろん、命を懸けた仕事ですから、階級毎の責任の重さは明白です。

 でも、それゆえに、パワーハラスメントとリーダーシップの違いに鈍感になってはいませんでしょうか。女性の離職率が高い社会は、まず、セクハラが疑われます。決して皆さん方を鍛えた先輩方を否定するつもりはありませんが、今、変わらなければ、組織の発展はないと思います。もっと風通しの良い組織としていただきたい。

 秘密主義については、少し変わってきたと実感はしています。捜査中の情報を公開してほしいと言っているわけではありません。もちろん、被害者の人権はしっかり守っていただきたい。そのうえで、県民の治安意識を醸成するために、事件、事故の背景について、機会を作って公表してほしいと思います。情報がなければ、理解は生まれません。理解がなければ信頼も協力も支援もありません。

 

 さて、県警の女性活躍推進についてですが、神奈川県警の女性警察官の採用も着実に増えてはきました。現在、女性警察官は11パーセント。これは10人に1人以上は女性です。民間会社では社内取締役に女性がいないと株主に厳しく批判されます。公の組織では、幹部職員に占める女性の数と割合が求められます。警察も同様です。

 神奈川県警に女性警視が誕生して15年が経ちます。あの時は、さすが神奈川と誇らしかったことを覚えています。

 しかし、今、公安委員会会議に県警女性幹部の姿はありません。警部以上で1.6パーセントです。女性のロールモデルが非常に少ない。なぜ、ここ神奈川では女性幹部が育たなかったのか、あるいは育てなかったのか、ぜひ考えていただきたい。

 女性が働き続けるための制度は、それなりに整って参りました。でも、その制度が活用されやすい組織かどうか。交番などの施設整備も遅れています。トイレや更衣室、「いまどき」と驚きます。移動手段、情報処理、記録方法など、仕事の仕方は日々、進化しています。ぜひ、職場の環境整備も急いでほしいのです。

 県民の半分は女性、被害者の多くが女性です。県民の安全を守る組織をマネージメントし、ことの対応方針を決める立場に女性がいないのは実におかしいです。

 

 長い時間をかけて培われてきた組織風土は、何もしなければ変われません。変わらなければ、人材は育ちません。ぜひ、女性も男性も共に働きやすい組織風土を積極的に作っていただきたいと思います。

 

 

 

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