強度行動障害支援集 こだわり

掲載日:2018年4月3日

こだわり

シーツ交換へのこだわりが強いです

30歳代後半


どうして

シーツ交換の日とそうでない日が分からないようです。

こうやってみよう

シーツの写真に×印を書き本人に見せました。

説明

シーツへのこだわりが強く、毎日、昼夜を問わずシーツを交換する要求が頻回にあり、対応者の腕を強く引っ張る事や追いかけてくることがありました。本人から要求があったときに、シーツの写真に赤い×印を書いて見せたところ、要求も見られなくなっています。この他の場面でも本人の要求に応じることが出来ない時に×印を見せると本人からの要求の頻度は減ってきています。

 

 

津久井やまゆり園

共有スペースでの居場所について

不特定多数


どうして

相手を理解出来ないことでの不安、共有スペースで自分の座る場所が決まらないことで不安になる方がいると考えます。

こうやってみよう

共有スペースのベンチ、長イス(長ソファー)を片付け、一人掛けのソファーを設置します。

説明

共有スペースのベンチ、長イス(長ソファー)で過ごす際に利用者同士のトラブル(相手を叩く、押しのける等)になります。

一人掛けソファーを用意することで、適度に人との距離が保てること、自分の座る場所が確保できることでトラブルが減少しています。

愛名やまゆり園

気になる物があると、動くことができない。

20歳代前半


どうして

物の位置を気にし、納得するまで位置の修正を行っているようです。

こうしてみました

気になる物が視界に入らないように、対象物をシーツで覆い目隠しをします。

説明

入浴時に脱衣場にあるタオルや他利用者の着替えやカゴ、洗濯機等の位置が気になり、納得

するまで位置の修正を行い、その場から動けなくなることが多く見られました。そこでシーツで

対象となる物を覆い目隠しをしました。その結果、見えなくなった事で気にすることもなくなり、ス

ムーズに移動することができるようになっています。

津久井やまゆり園


日中活動で作業している時に動作が止まってしまう。

20歳代前半


どうして

同じ内容の作業を毎日繰り返している中で、手作業のより細かい部分が気になってしまうよう

です。

こうしてみました

作業内容を目新しい物に変えています。

説明

部材の持ち方や組み立て方など、一つ一つの動作に細かく拘ってしまい作業がなかなか先に

進まず、時には、まったく動作が止まってしまう(20分から40分)ことがあります。そのような状態

の時、新しい作業や工程を変えるなどいつもとは違う対応を敢えてしています。そうすると気持ち

が切り替わるようで、作業場面に限らず拘り方が弱まりスムーズに動けることが多くなっています。

 

ひばりが丘学園


食事中、何度も水を汲みに席を立つ。

30歳代前半


どうして

ご飯に水をかけて食べたいようです。

こうしてみました

食席を変更し、本人専用ポットを用意します。

説明

ご飯に水をかけて食べるのが好きなので、水汲みのために何度も席を立つ行動がみられました。

そこで、食席を洗面台から離れた所に変更し、500cc程度の水を入れた専用ポットを事前に席に

置くようにしました。また、ポットが空になったら終了とし、水が欲しくて席を立った時には、席に戻る

ように促しました。最初は混乱が見られましたが、現在は定着しています。

 

三浦しらとり園


こだわりから靴下を替えられず、清潔さを保てない。

40歳代前半(てんかんのある重度知的障害者)


どうして

好みの靴下をずっと履きたいようです。

こうしてみました

靴下を写真に撮り、曜日毎に靴下を指定し、一週間分の一覧表を掲示しました。

説明

特定の靴下を何日も履いてしまい、脱がそうとするとパニックになり洗濯ができませんでした。

そこで以前、他利用者の日替わりシーツの色が、当該日でないと気にする発言をしていたこと

を参考に一週間分を一覧表で掲示してみたところ、指定した靴下を履くことができ、洗濯ができ

るようになっています。

 

三浦しらとり園


トイレで排尿しない。

非公開


どうして

場所のこだわりがあるようです。

こうしてみました

洋式トイレに誘導していましたが、和式トイレに誘導しています。

説明

座りやすい洋式トイレに誘導していましたが、排尿することはほとんど無く排尿の失敗が多く見られ

ました。和式に誘導してみたところ、そこで排尿するようになっています。和式便器の前に手すりが

あり、そこを握り排尿しています。座りづらいと思っていましたが、和式のほうが良かったようです。

 

七沢学園


水飲みの繰り返しにより、水分を取りすぎる

30歳代前半


どうして

行動特性の一つに、動作の繰り返しがあり、水飲みを何度も行う。

こうしてみました

コップを紙コップに変更します。

説明

飲み終わったコップを片付けても何度も職員に持ってくるように要求し、水飲みを繰り返し行うため、

プラスチックのコップを紙コップに変更してみました。水飲みが終わったら、紙コップを本人に破いて

もらい、動作に区切りをつけることで飲みすぎがなくなっています。

 

中井やまゆり園


室内活動中、立ち歩くことが多い。

30歳代前半


どうして

間仕切りがあることで周囲が確認できず、不安になるようです。

こうしてみました

間仕切りをはずしてみました。

説明

室内活動中、立ち歩く事が多い利用者に対して、間仕切り板等を用いて、刺激を制限するアプ

ローチを行なっていましたが、改善しませんでした。間仕切り板をなくし、周囲が見えるようにした

ところ、落ち着いて座って活動できるようになっています。

 

三浦しらとり園


外泊中に一人で親戚の家に行ってしまう。

30歳代前半


どうして

帰宅中に訪れた場所が印象に残り、「帰宅中はその場所に行く」と誤って理解したためと思わ

れます。

こうしてみました

帰宅中のスケジュールを作成します。

説明

ご家族と相談して帰宅中に気になる場所に出かける日を決めて、帰宅スケジュールを作成します。

帰宅の予定が決まり次第、本人にスケジュールを掲示し、帰宅中の日課が分かるように支援し

ます。その結果、帰宅中に一人で外出することがなくなっています。

 

津久井やまゆり園


定期的な環境の整備

20歳代前半 男性


どうして

ご本人の障害特性かと思われます。

こうしてみました

定期的に環境を変えてみました(活動内容・活動場所等)。

説明

日常生活の中で、本人が対象物を見つけて気になってしまうことでその場から動けなくなってし

まい、儀式的な行動に発展し、日常生活に支障をきたしていました(机のキズ・床の線・水洗ト

イレのレバーなど)。このような本人の特徴から、特に日中活動場面で活動内容や、活動する席

の位置などを定期的に変更することで本人がこだわりの対象を見つけて没頭せずに安定して活動

に取組めるようになりました。本人も、こだわりから動けなくなってしまい苦痛を感じていたようで、

上記のような支援に切り替えたことで、生活全般において穏やかに過ごすことが出来るようになり

ました。

 

津久井やまゆり園


次々と繰り返す衣類濡らしへの強いこだわり

30歳代後半


どうして

強迫性障害の傾向があるため、タンス内に衣類がある限り止められない。

こうしてみました

タンス内の衣類は本人には見せずに、その都度職員が一組ずつ服を出して置くようにしました。

説明

着ていた衣類を濡らすことにこだわり、タンスに衣類がなくなるまで、更衣→衣類濡らしを強迫的

に繰り返していました。当初、タンス内の衣類を三組に限定したところ、一時的に衣類濡らしは

減少しましたが、次第に三組もなくなるまで濡らさずにはいられなくなった為、タンス内の衣類を本人

に見せる事は止め、本人のいない時に職員が服を出して置くように変更しました。視界から外したこ

とで強迫観念が薄らいだのか、衣類濡らしはかなり減少しました。現在では、更衣の際本人がタンス

内の衣類を見る場面もありますが、故意の衣類濡らしには発展せず安定しています。

 

中井やまゆり園


日中活動に参加したがり、ないとイライラします。

30歳代半ば


どうして

日中活動がある日なのか、休みの日なのか理解できません。

こうしてみました

活動のある・なしをカードで掲示する。絵は単純なものとします。カードは色分けします。

説明

日中活動がある日は〇カード・ない日は△カードを居室に掲示しました。活動日は掲示された

〇カードを持ち、活動室へ行き所定の場所でマッチングさせ、ない日は、寮内での課題を行う

ときに△カードを課題の入っているカゴの決められたところにマッチングさせます。カードの掲示

で日中活動があるのか、ないのか見通しが持てるようになり、この事についてのイライラが減り

ました。一日のスケジュールの理解は難しく、日中活動のみに絞った、簡単な絵カードの掲示を

行いました。

 

中井やまゆり園


広告交換要求がエスカレートする

30歳代前半


どうして

広告を見ることがお好きなんですが、落ち着かない状態の時は広告を見ることよりも交換すること

にこだわってしまうようです。

こうしてみました

ご本人の要求のままに交換することをやめ、カードを使い交換方法を統一しました。

説明

広告(1セット10枚程度)の入ったロッカー内に交換カードを2枚提示しておき、交換はカードと引き

換えに行うこととしました。交換は1日2回として、交換する時間は本人にお任せしました。最初の

うちは、カードがなくなっても交換要求されることがありましたが、カードと引き換えであること、カード

がなくなったら交換はしないことを繰り返し伝えたところ定着したようでした。定着してからは、交換

要求がない日もあるなど、一定の枠組みの中ではありますが、落ち着いた状態で、意思表示ができ

るツールにもなっています。

 

中井やまゆり園


作業の終わりが中々区切れない。

20歳代前半


どうして

いつ職員が、迎えに来てくれるのかが分からなくて不安になっているようです。

こうしてみました

作業が終わったら、物品を受け取り、ドアの鍵を閉めずに支援員が外で待つようにしました。

説明

作業が終わったら、必ず迎えに来てくれるという安心感をもってもらうように配慮しました。また作業

物品を引き上げることで、視覚的にも作業が終わったことを認識していただきやすいようにしました。

 

中井やまゆり園


日課を早く進めたくなってしまう

20歳代後半


どうして

先の見通しが立たないと、自分の判断で動いしまいます。

こうしてみました

スケジュールカードを利用して、日課の流れをきちんと提示していきます。

説明

絵や写真を使ったスケジュールカードを順番に提示して、先の見通しをつけるようにしていきます。

同時に、タイマーを使用することで、次の動作のスタート合図として、日課が流れていくよう、支援

を行います。

 

中井やまゆり園


一日おきに食事を辞退する

20歳代後半


どうして

今までの生活の中で食事を食べる習慣について誤った理解をしていました。

こうしてみました

切り替えのきっかけを職員側が操作します。

説明

一日おきに食事を食べる、食事を食べないという行動パターンを繰り返していました。食べる・食

べないという行動パターンのリズムは更に刺激に過敏に反応し攻撃的な状態とほとんど居室から

出てくることがない状態という4日サイクルのリズムを生み出していました。絶飲食は脱水など健康上

のリスクを高めるため、改善していただく対象として取り組みました。

職員の支援方法の統一を進めました。起床時に「スケジュールをセットし、着替えを居室内

テーブルに置き、お水飲んでいいよと声かけをする」という標準的な支援方法を決めました。

絶飲食時、激しい興奮状態が見られる場面で、切り替えの手段として、起床時の支援に準じ

て着替えを促すことが有効であることが確かめられました。

・夕食を食べることができるように、更衣を促す時間を夕食前の時間帯に変更した。行動が

安定し、夕食を食べることができました。

行動の変化を確かめながら、一年程度の時間をかけ、昼食前、朝食前と更衣を促す時間を

変更しました。毎日3食食べることができるようになりました。

 

中井やまゆり園


ジュース購入

30代後半


どうして

お金があればあるだけ使ってしまう。

こうしてみました

毎日小遣いの提供

説明

園に自動販売機ができ本人が好きなときに好きなだけジュースを買えるようになりました。しかし

制限なく飲んでしまうため、健康上の問題が出てしまう前に対策を考えました。販売機に「1日1本」

という紙を張ったり、本人が好んで買っているジュースをなくしてもらったが、効果は見られませんで

した。そこで今までは毎月まとまった小遣いを本人に提供していましたが、職員の方から毎日ジュー

スが買える最低限の小遣いを提供することにしました。本人の楽しみを取ることもなく現在はジュー

スの制限もできるようになりました。

 

津久井やまゆり園


こだわりのため行動が止まり、クラスに参加できない

30代半ば


どうして

こだわりが各日課のいたるところにあり、動けなくなってしまう。

こうしてみました

起床からクラス活動まで支援者の関わりをシンプルにし、こだわりからくるつまづきが起きる前に

本人をわかりやすく誘導しました。

説明

起床は目覚まし時計を使用。支援者は見守りに努めました。更衣後は、すぐ声かけでトイレに誘導

し、排泄が済むとすぐに声かけで食事に誘導します(食事にも独特のこだわりが多く、1時間以上か

かります)。食事を終える頃からクラス参加を促しました。本人がこだわりからくるつまずきを起こす

前に、職員が次の行動を促すことで日課と日課の間を極力なくすことにより、行動が止まることが

減り、クラスへの参加が増えました。

 

三浦しらとり園


他害などの行動障害が連鎖してしまいます

30代前半


どうして

ひとつの行動障害が本人には「失敗」として自覚され、そのことで不安を生み、新たな行動障害が

生じ易くなります。また職員が怒っているのではないかとの不安も行動障害を生じ易くさせます。

こうしてみました

行動障害があったらその事態を、その場・その時で、完全に終息させ、職員との関係性も回復させ、

不安を残さないように配慮します。

説明

粗暴などの行動があったら、本人が対応可能な状態を回復するまで居室などで過ごしてもらい、

話が出来る状態になったら書面を交えて話をして事態に関して今後は行わない約束をします(約

束は守られないことは承知の上で)。また、行動制限などの対応が必要であった場合には職員と

の関係に不安を抱きやすくなりますので、約束ができるなら職員は仲良く出来る旨説明します。

本人が不安を引きずらないような配慮を行っていくことが重要です。

中井やまゆり園