ホーム > 産業・働く > 業種別情報 > 電気ガス等危険物取扱業 > 高圧ガス配管外面腐食検査に係る技術資料について
更新日:2022年4月4日
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配管腐食
高圧ガス配管の外面腐食が進行し、高圧ガスが漏えいした場合、重大な事故に進展することが懸念され、統計上も外面腐食による事故が散見されています。
そこで、神奈川県では、外面腐食に起因する事故の多発や事業所の対策の実施状況を踏まえ、高圧ガス配管の外面腐食に対する検査方法や検査周期等を選定するために必要となる各種技術的知見の収集を目的として、平成16年度から平成17年度までの2ヶ年計画で(社)神奈川県高圧ガス協会に調査を委託しました。
その成果として、平成18年2月に、標準的な配管外面腐食検査手法等についての「高圧ガス配管外面腐食検査手法調査報告書」が同協会から提出され、県では、この報告書の内容を基本として、「高圧ガス配管外面腐食検査に係る技術資料」(以下、「技術資料」という。)を作成しました。
みなさまの事業所におかれましては、この技術資料を参考として、設備の実情に合わせ適切な対応を実施していただき、高圧ガス配管の外面腐食による事故の未然防止にお役立てください。
神奈川県では、平成21年度にコンビナート則適用事業所における立入検査を実施し、その中で技術資料の活用状況について調査を行いました。
その結果、多くの事業所で技術資料を参考にして検査要領等にその考え方を採り入れ、実際に外面腐食の発見につながった事例も見られるなど、技術資料が活用されていることが確認できました。
次に技術資料に基づいた、ある事業所の高圧ガス配管のリスク評価に基づく検査周期の設定事例についてご紹介します。ここではリスク評価を条件の異なる配管系毎に行っています。
図1はある配管系における漏えい時の影響度による評価事例を表しています。漏えい時の影響を、火災・爆発性、人体への影響度、漏えい時の影響度、外部への影響度及び経済性の各項目に分けて評価を行い、その合計をこの配管系の評価点数としています。この事例では漏えい時の影響度は「12点」となり、「重大」という評価になっています。
次に表2では腐食の起こりやすさによる評価と重要度の決定事例を表しています。腐食の起こりやすさを、設置場所、材料、保温・保冷の有無、運転温度、運転形態及び防食措置の各項目に分けて評価を行い、この配管系の評価点数としています。この事例では漏えいの起こりやすさは「5点」となり、「中」という評価になっています。
さらに、先ほど評価した漏えい時の影響度による評価と漏えいの起こりやすさによる評価の交点がこの配管系の外面腐食によるリスク評価になります。この事例では重要度「2」という評価になっています。
最後に、決定された重要度から図3により検査周期の設定を行います。この配管系では、重要度が「2」という評価なので、表より検査周期は「6年」に設定しています。
以上のように、この事業所では技術資料に沿った内容でリスク評価を行って検査周期を設定し、保温・保冷材を有する配管については、設定した検査周期内に保温・保冷材を解体して、配管外面の目視検査を実施する計画を立てています。さらに、計画により実施した検査結果(知見)を基にリスク評価を見直して行くことが検査の有効性を高める上で重要です。
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