高圧ガス自主保安ガイドライン

掲載日:2018年3月23日

第一 総則

1 背景

高圧ガスの保安は、これまで行政による一律取締型の規制により確保されてきた。規制緩和、国際化等の流れの中で法の名称も「高圧ガス取締法」から「高圧ガス保安法」に変わり、保安に対する考え方も事業者の自己責任原則を重視した中で、高度で合理的な保安確保体制を構築し、取組みを促進することとなった。

この新しい保安時代にあっては、「保安は企業活動の全てに優先する」という基本理念を再認識し、事業者自らが様々な自主保安活動を通して安全の確保を図っていくことが重要となる。

2 目的

自主保安活動の取組み状況は、事業所の規模や業態によって大きく異なっているのが現状である。そこで、この事業所間格差をできるだけ小さいものとし、業界全体の保安のレベルアップを図り、保安の質を向上させることを目的とする。

このガイドラインの考え方に基づき、有効な取組みが行われた場合には次のような効果が期待される。

事業所において自主保安推進システムが構築され、高度で合理的な自主保安活動が実施される。

  1. 保安団体における自主保安支援活動体制の構築に向け、事業者支援の方向性が明確になる。
  2. 業界全体の自主保安レベルの向上が図られるとともに、高圧ガスの保安に対する社会的理解が促進される。

3 用語の定義

このガイドラインにおいて、次に掲げる用語の定義は、該当各号に掲げるとおりとする。

  1. 保安

    事業者及び住民の社会生活に損失または障害をもたらし、あるいはその可能性を有する高圧ガス等に起因する不測状態を未然に防止し、事業者及び住民が安心して生活できる環境を確保すること。

  2. 自主保安活動

    法令で定められた保安の水準を超えて、自らの判断と決定に基づき事業者が自主的に実施する保安を推進する活動をいう。

  3. 事業者

    4「対象範囲」に規定する事業所の長。

  4. 保安団体

    県下で高圧ガス等に関する事業を行う者で構成され、事業者が行う保安のための活動を支援し、もって関係業界の健全な発展と公共の安全を確保することを目的として設立された団体。

  5. 自主保安推進システム

    自主保安活動実施のための仕組みとして、自主保安活動方針のもと、必要に応じて改定を行い、実施していくための組織体制を作り、これに基づき自主保安活動の具体化を行うための組織、活動方針、取組み、評価、対策等に至る一連の手段。

  6. 自主保安活動方針

    自主保安活動の目標に向けて事業者の保安目標、取組みの方向等の自主保安活動の推進に関する考え方を提供するための自主保安活動の推進に関連する包括的な意図及び基本原則についての企業あるいは企業内組織等による声明。

  7. 自主保安推進体制

    自主保安推進システムを具体的に推進していくために必要な組織体制。

4対象範囲

このガイドラインは、高圧ガス保安法または液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律が適用され、この二法に規定される技術上の基準を遵守することが義務づけられている全ての事業所を対象とする。

5事業者の役割

  1. 事業者は、事業所の従業員及び事業所と関わりを持つ全ての利害関係者に対して、あらゆる事業活動によって生じる不利益を排除し、安全を確保すべき社会的使命を有する。この社会的使命の達成は、適切な自主保安活動の実施によってなされるべきである。
  2. 事業者は、高度で合理的な自主保安活動を行うために、事業所ごとにその事業所の規模、業態等に見合った適切な自主保安推進システムを構築することが望ましい。
  3. 事業者は、保安団体及び県等から提供される各種の情報または支援事業を積極的に活用し、効率的な自主保安活動を実施する。

6保安団体の役割

  1. 保安団体は、事業者が適切な自主保安推進システムを構築するために利用できる支援事業または有益と考えられる情報を事業者に提供するとともに、県と協力して自主保安推進システムの普及に努める。
  2. 保安団体は、自主保安活動の具体的な実施方法について検討を行なうとともに、その結果に基づいて事業者を支援する。

7行政の役割

県は、保安団体が事業者に対して実施する自主保安活動の支援に関する基本的事項を定めるとともに、保安団体と協力して自主保安推進システムの定着と促進を図る。

8情報の共有化

  1. 県、保安団体及び事業者は、自主保安活動を展開するうえで必要となる保安並びに安全に関する広範な情報を相互に提供し、共有化することに努め、これを適切に推進するため積極的に情報開示を行う。
  2. 事業者は、自主保安活動を行うためには住民の意識を反映させることが重要であり、そのために住民の視点に立った情報ニーズを汲み上げることに努めるものとする。
  3. 事業者間及び保安団体間の情報交流を促進する。

第二自主保安推進システム

1自主保安活動方針

  1. 自主保安推進システムの構築に際し、理念の明確化を行う。
  2. 自主保安活動の理念は、企業の繁栄に寄与することにとどまらず、企業と関わりを持つ顧客や消費者、住民などを含めた全ての利害関係者に利益をもたらすものであることを基本とする。
  3. 設定した理念を踏まえ、期間を定めて、事業所の実態に即した自主保安活動の取組みの方向または活動目標を設定することが望ましい。

2自主保安推進体制

  1. 自主保安活動の高度で合理的な実施を確保するために、事業所ごとに規模、取扱う高圧ガスの種類や量等に応じて適切な自主保安推進体制を構築する。
  2. 自主保安推進体制は、法に基づく安全等の組織がある場合には、これとの整合性を考慮するものとする。
  3. 自主保安活動の活動体系(具体的な活動計画の企画立案など)及び保守体系(実施状況の評価方法など)を明確化する。

3実施方法

自主保安推進システムにおいては、次の項目について具体的な実施方法を定めることが効果的である。

  1. 規程類の整備の方法
  2. 自主保安活動実施計画の策定及び実施の方法
  3. 教育体制の整備の方法
  4. 活動記録の方法
  5. 監査体制の整備の方法
  6. その他、事業者間、保安団体及び県で必要と認められた事項

4検証と展開

  1. 自主保安推進システムを効果的かつ効率的に機能させていくためには、事業所を取り巻く技術や社会的環境の変化を常に注視するとともに、適切な方法により自主保安活動の実施状況を検証して、システムの見直しを行うことが重要である。
  2. さらに高度で合理的な自主保安推進システムをめざして、次の項目について積極的な情報収集活動を行うとともに、適切な方法でその技術や情報を自主保安推進システムに生かすべく努力することが望ましい。
    1. 技術革新への対応
      • 事故時の対応を含めた新設、既存の設備や機器の安全性評価を基本とするリスクマネージメントの手法について
      • 保有設備や機器の安全かつ経済的な管理を行うために必要な余寿命管理技術の手法について
      • 保安設備や安全機器の普及と促進について
    2. 事業所を取り巻く環境への対応
      • 危険予知活動(KY活動)やヒヤリハット活動をはじめとする現行の小集団活動を含むヒューマンエラーの防止対策について
      • 他社の事故事例を含めた事故の事例解析及び無事故優良事業所の情報収集について
      • 自主保安活動に関する効率的な普及啓発の方法について
    3. 安全教育への対応
      • 企業や組織と関わりを持つあらゆる利害関係者を視野に入れた社会教育としての安全教育の手法について
      • 安全教育のツールの充実を基本とした体験型教育の体制について
      • 管理者教育や階層別教育への配慮及び関係保安団体をはじめとする人材育成機関の活用を視野に入れた事業所内教育の充実化について
    4. 安全監査制度への対応
      • 外部監査の導入を含めた事業所の実態に見合った安全監査体制について

ガイドライン運用にあたっての配慮事項

  1. このガイドラインは、自主保安活動の理念を述べ、活動の実施方法を例示したものであり、事業者及び保安団体が自らの規模、業態等を勘案して決定した独自の自主保安活動の実施を支援するものである。
  2. 事業者は、法で定められた保安の水準を超える保安を経済的及び社会的な要員を考慮に入れながら、自主保安活動を展開することに努める。
  3. 保安団体は、事業者が自主保安活動を行うことができるような支援体制の整備に努める。
  4. 行政は、従前の規制主導の行政から事業者の自主保安重視型の行政へと大きく転換したことに伴い、事業者等のとまどいと混乱を避けるために、ガイドラインを参考に呈示するものである。また、事業者及び保安団体の自主的な取組みを支援するため、積極的な保安情報の提供に努める。

平成9年10月23日

高圧ガス自主保安ガイドライン検討委員会

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本文ここまで
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