審議結果(第3回県有施設の整備に係るPFI検証委員会)

掲載日:2013年5月31日

様式3-2

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称第3回県有施設の整備に係るPFI検証委員会
開催日時

平成24年2月7日(火曜日) 10時00分から12時00分

開催場所神奈川県東京事務所会議室

(役職名)出席者

(◎:委員長)
(◯:副委員長)

◎山内 弘隆(一橋大学大学院商学研究科教授)

○光多 長温(鳥取大学特任教授)

 金井 利之(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

 西川 知雄(西川シドリーオースティン法律事務所・外国法共同事業弁護士)

 小宮 一真(みずほ総合研究所株式会社研究開発部PPPアドバイザリーグループ・グループ長)

次回開催予定日平成24年3月22日(木曜日)
問い合わせ先

総務局施設財産部財産経営課調整グループ 尾崎

電話番号 (045)210-2553

ファックス番号 (045)210-8811

下欄に掲載するもの

議事録

議事概要とした理由
審議経過

≪開会≫

 ・開会挨拶:小川財産経営課長

 

≪会議公開の決定、傍聴者なし≫

 

≪議題1 県有施設の整備に係るPFI導入効果の検証について

議題2 今後のPFI活用に向けて≫

 

≪事務局から資料1から7に基づき説明≫

 

山内委員長

 どうもありがとうございました。議題1から2までご説明いただきました。

基本的に、前回までご議論いただいた点をもう一度精査あるいは詳細を調べて資料を作成したということですね。ご質問あるいはご意見などの発言をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

西川委員

たぶん今ご説明ならなかった資料8、これが最後のプロダクトですよね。それに反映するために作成したということだから、ここまでの資料がきちんと資料8に反映されているかどうかが一番重要。僕は資料8をまだ読んでいないので分からないのですけれど、以前からずっと言ってきたことと、もう少し具体的なことを言わせていただきたい。

僕は、PFIは競争原理が働かないと意味がないから、例えば建設して維持管理運営を始めた後、何年か経って、パフォーマンスが悪かったらそれを変更する。どういう方法でやるかは議論があるところですが。そういうことをずっと言ってきた。そのへんのところは盛り込まれているのでしょうか。それが1点目です。

2点目は、民間の創意工夫についてですが、資料では、当選した提案者の提案は入っているのですが、いま説明があったように、落選した者の提案にも良い工夫があった、だけど総合的に評価した結果は当選できなかったということだけれども、たぶんそういう提案も取り入れれば非常に良い提案が実現されると思うのですが、そういう試みは果たしてなされているのでしょうか。

それから、モニタリングについて、どういう体制でどういう観点からどのようにして実施しているのか。要するに、時代の要請というものはどんどん変わってくるものなので、それに応じて見直しているのか。そういうことが、素案に入っているのかどうか。また、具体的に実態としてどうなのか、教えていただきたい。

 

事務局

 この後、資料8についてはご説明させていただきますが、西川委員がおっしゃられたように、資料1から資料7で書いてあることを資料8に反映させて、整合性がとれるように事務局として留意して作成しております。

 落選者の提案における創意工夫を取り込める仕組みがあるかどうかについてですが、基本的には、著作権や特許権に準じるような、提案者のノウハウの根幹部分につきましては、流用することができないと認識しております。これまでの6事業でもそのような取扱いでした。そういうものに該当しない、ちょっとしたアイディアやちょっとした視点のようなものにつきましては、非常に限定的となってしまいますが、提案審査講評で公表している一般的な範囲での活用に限られると考えております。ノウハウの根幹部分については、提案者に権利が帰属するものなので、県としてそれを取り込むことはできないと考えております。

 

西川委員

 そんなことはないでしょう。特許権とか意匠権とか商標権とは関係ない提案がPFIに入っているはず。理論的にはそういうことが言えるのかもしれないが、実際は必ずしもそういうことはないですよね。

 

事務局

突き詰めていけばどの程度可能なのかということですけれども、入札公告時点で、入札説明書等でそうした取扱いを明確に示しておくといったような工夫は必要になると思われます。ただ、当時の6事業においては、一般的な着想、ノウハウの根幹に関わらない部分についてのみの取扱いに限られていたのだと考えておりますが、この点、事務局として追求しきれていなかった面もあります。

 3点目のモニタリングについて、時代の要請に応じてモニタリング方法等を見直しているのかというご質問でした。資料6でモニタリングについてまとめておりますが、6事業を時系列に沿って見ていくと、ペナルティポイントが導入されるようになったり、モニタリング実施計画書を作成してノウハウを蓄積したりといった工夫が時系列に沿ってされてきております。ただ、それぞれの事業について見た場合に、時代の要請や社会環境の変化に応じて見直してきているかというと、事業所管課ごとに検討することとなっております。一部については、例えば提出書類を見直して提出を不要とするなど、関係者協議会において実務的なレベルで改善を図ってきていると認識しております。また、契約書に書いてあることや要求水準の変更を伴うようなモニタリングに係る大きな変更は、特段見られていないと認識しております。今後は、西川委員がおっしゃられたようなことを課題認識として持つことが重要だと考えておりますので、資料6の考察部分で、事業の特性に応じてより適切に業務の履行状況やサービス水準を判断できるようなモニタリング指標の設定について、継続的に留意していくことも重要であると考えられる、と意見を付記させていただいております。この点については、資料8でも反映しております。

 

事務局

 1点目として西川委員がおっしゃられた、事業者に競争原理が働かないという点についてですが、やはり入札当初の前提条件として、事業期間や業務範囲等を示した上で価格による競争入札を行っていることを踏まえ、その後の業務の水準確保については、モニタリング及び物価改定を反映させた支払という仕組みをつくって図ってきております。事業期間の途中で事業者を入れ替えるような仕組みを組み込んでいくことについては、現行の6事業ではそうした契約になっていないことから、難しいと考えております。

 

西川委員

 この検証は、振り返って、今後に活かすものでしょう。今の説明を聞いても、このモニタリングというのは契約が履行されているかを確認する当たり前のことをやっているわけで、施設を取り巻く状況の変化や新しく出てきた問題への対応、プロフィットをどうやって上げていくか、そうした視点が入っていない。

 資料2で、設計・施工・維持管理を一括して民間事業者が請け負うことにより、効率的で機能的な施設となることが期待できると書かれており、ここがPSCと比較したPFIの利点とされていますが、逆にこのとおり一括することによって、競争原理が働くのは最初だけで後は独占のような形になってしまって、競争原理が働かず改善もされにくくなるわけでしょう。だから、例え一括発注による効率的で機能的な施設運営という創意工夫が図られると言ったとしても、維持管理運営の段階で競争原理が入っていかないとPFIのメリットがあまりないのではないかと思います。今の契約でそういうことができないのならばそれは仕方ない話ですが、契約の変更を求めるか、今後はこの点を注意するといった視点を入れてほしいと思います。

 

事務局

 委員ご承知のとおり、公の施設ですと指定管理者制度が導入されております。本県の場合は3年から5年といった期間を設定して事業者を選定しておりますので、時代の変化による影響が大きいような案件については、指定管理者制度を導入して定期的に事業者を選定して競争原理を働かせるといったことができます。こうしたことを踏まえて、どの手法を採用するかについては、事業の特性や内容に応じて、選択していくこととなると考えております。

 PFIの場合、本県では30年ないし20年という長期にわたっておりますが、PFIで3年から5年といった事業期間になるとPFIの特長がそがれてしまうとも考えられますので、指定管理者制度など他の手法も含めて、事業の特性等に応じて総合的に判断していくこととして、今後のPFI活用に向けた視点として資料8のとりまとめ素案に入れさせていただいております。

 

光多副委員長

 そろそろとりまとめにかかってきておりますが、全体の構図として、事務局はもう少し客観的立場で取りまとめてもよいのではないかと感じます。全体的に擁護する構図になっているんですよね。検証委員会として望ましい構図になっていない気がします。

 神奈川県のPFIの特徴を客観的に言うと、私の感じ方としては、1つは事務局がしっかりしていたので県主導で実施されてきたということです。コンサルをうまく使うことができる。それは、神奈川県の場合、PFI専任の職員がいるから職員が詳しいわけです。他自治体ではこうはいかないこともあるわけです。例えば、バリュー・フォー・マネーについても職員がしっかり関わっていたりして、県主導型であったと言えると思います。

 2つ目は、PFIを導入した経緯についてですが、私の考えでは、案件ごとに時代背景も異なっていて、経緯も若干違っているのではないかと思うんです。例えば当初は、財政状況を考えると、事業コストが少なくて延払いができるという点が大きかったのかもしれません。最初の案件である保健福祉大学の審査結果で、提案価格が最も安かった者が選定されなかったことで当時抗議があったと思いますが、その後のPFI事業では落札者決定基準における価格配点を高くしているんですよね。よっぽどのことがない限り、入札価格を低く抑えた者が落札されるような感じがして、そういうことから考えると、当初の目的としては事業コストの削減と延払いにあったのではないでしょうか。あとは、財務・経営的に安定しているかどうかを重視して、ファイナンスの部分をしっかり評価していたと思います。

 3つ目ですが、神奈川県はかなり法令遵守を意識していたということです。指定管理者制度ができる前、公の施設へのPFI導入について神奈川県は地方自治法の規定をしっかりと遵守して、近代美術館のように運営業務まではPFIに含めなかったんですが、他団体ではそうでなかった事例もあったんです。だから法令遵守型だったということができるんじゃないでしょうか。

 そういった意味では安定型で価格重視型という特徴があったのではないかと思います。

 PFIのプロセスについては、当時として精一杯のことはやっていたのではないかと思うんですよね。法令遵守についても律儀だったと思いますし。例えば競争的対話についてある程度実施されていると説明がありましたが、これも法令の範囲内でやっている。要するに今、議論されているCompetitive Dialogue(コンペティティブ・ダイアログ)まではやられていないんですね。説明会という位置づけでやっておられるので、対話のなかで選定していくという考え方とは位置づけが違うんです。他団体では、実施された事例もあるんですけれどね。

 神奈川県の場合、これもどう評価するか議論のあるところですけれども、水族館は一者提案だったんですね。一者だと競争が働かずに、提案者との条件交渉のような形になってしまいますね。まさに、審査イコール対話だったんですね。その意味で、海洋総合文化ゾーンでは少し状況が違いますけれど、基本的に法令遵守で対話を実施してきたんだと思います。

 

山内委員長

 おっしゃるとおり、ある意味でPFI先進県という自負を持って、ノウハウの蓄積や法令遵守に強い意識があったんじゃないかと思いますね。

 

光多副委員長

 そういう特徴が神奈川県のPFIにあったとするならば、その特徴を踏まえて、西川委員がおっしゃられるような競争原理についてどう捉えていたのかとかを振り返っていくことになるんじゃないでしょうか。そういう前提がないと、今のとりまとめでは問題ないという構図となっていますが、その問題意識についても変わってきちゃいますよね。

 

 

山内委員長

 西川委員がおっしゃられたような、そうした問題意識については、課題としてとりまとめに盛り込んでいく必要があるということですよね。

 

小宮委員

 私が感じたことは、今日は事務局からの所感がいろいろとあったので、そのあたりの思いというのは少し分かったという気がします。委員会もあと1回しかないので、そろそろとりまとめの素案を出していただいて、それを基に議論していきたいと思っていたところですが、後ほど資料8についてそうした議論ができると思っています。

 先ほど西川委員がおっしゃられた3点について、私が知っている範囲で、現状から私自身が感じていることを少しコメントさせていただきたいと思います。まず、競争原理の発揮についてですが、よく議論になるのは応募者提案が1者のみだった場合でして、この場合、自治体のスタンスとして、競争原理の発揮がないという認識から募集をやり直すという意思がはっきりあれば、その旨を募集要項に書いて手続きとして明文化してしまうケースがあります。ただ、なかなかそのあたりが難しい場合には、そこははっきり書かずに審査していくことが現実的な扱いのようです。とはいえ、やっぱり一者提案ですと競争しないものですから、なかなか要求水準を上回る素晴らしい提案が出にくいことが多いのかなと思います。

 

光多副委員長

 相対評価ではなく絶対評価になってしまう。

 

小宮委員

 そうなんです。価格も上限価格にビタッと貼りついた形になるかと。現実的にはこういったことが起きていることが多いように思います。

 2点目の、他の提案者からのイイトコ取りについてですが、私の理解でも原則としてはしないものと認識しています。基本的に、募集要項に、著作権などの権利は提案者に帰属すると一文書いていると思います。提案のなかには、一般的な提案の範疇でしかないものもあるのかもしれないですけれども、基本的には、落選した提案者の提案を取り上げるようなことはしていないと考えています。

 少し話はずれるのですが、我々のなかでは、提案者を選んだのか提案を選んだのかということが議論になることがあります。提案を選んだのであれば、基本的に提案内容から大きく変えることはできないこととなる。審査講評には提案内容が一部書かれていて、場合によっては書かれていることがいろんなところで使われていく可能性があるわけですから、事業開始後に大きく提案内容が変更されると、審査過程が問題視されかねないという議論になったりします。それで、提案を選んだということで大きく変えないことが一般的なのかなと思います。ただ、プロポーザル方式では、自治体によっては、提案者を選ぶ手続きとしてガイドライン等を定めている場合があり、提案内容を協議により変更もしていくといった取扱いもあるようです。

 3点目のモニタリングについてですが、要求水準というものは事業期間全体を通じての約束ごとであるという理解に基づいて、これを変更すると契約変更だと捉えられるため、なかなか難しい場合が多いように感じます。この点、事業期間を通じてどうやって対応していくかということですが、PFIでは毎年度、事業者から事業計画書を出させています。この計画書を、要求水準書とは乖離しない範囲で毎年度の状況変化に応じて作って、こうした計画書のやりとりのなかで対応している自治体があると認識しています。

 それから、神奈川県の場合は、事業期間が長期のものが多いので、大規模修繕の問題があるのではないかと思います。経常的な修繕に加えて、大規模修繕に関してきっちりモニタリングをする必要があると思うのですが、事業期間を通じてこれをうまくモニタリングする手続きをしっかり用意しておかないと、契約終了までの間で、履行状況について判断が難しくなることもあるのではないかと感じているところです。

 

光多副委員長

 神奈川県のPFIの場合、包括的な管理運営委託という形ではなくて、業務委託の積み上げが多かったんですね。そういう意味では、価格重視で運営面の提案で差がつかないから、総合的な競争原理が働きにくかった面もあると思うんです。例えば今だったら、近代美術館の運営業務までPFIでやらせることもあり得るわけですよね。確かに、文化行政との役割分担はあるとは思いますが。

今思うと、価格重視で法令遵守型ということが神奈川県の特徴だったとも思えます。

 

山内委員長

 近代美術館は設計まで県が実施した上でVE提案を求めたものだったけれども、確かに今だったら、VE提案の後に運営をどう任せるかという議論になるでしょうね。

 

西川委員

 今の点は、金井委員が当初からおっしゃっていたような重要なポイントと関係する気がするんですよね。要するに、こういう施設が本当にPFIのコンセプトに合致する適切なプロジェクトであったのかということです。従来型の公共工事がしにくくなった代わりとしてPFIという形をとったため、創意工夫が発揮されにくい形となって、7割以上が価格に配点され、その他の提案に創意工夫の差はみられなくなってしまった。

 先ほど、創意工夫に係る権利の話や要求水準とモニタリングの話があって、それは説明として分かったのですが、だけど現実としては、著作権に触れるものや特許権に触れるようなノウハウはそうそうないはずなんですよ。以前に私がこの点について尋ねたときには、水族館の通路部分で利用者の興味を引く展示の工夫をしているというような説明があったが、そうした工夫は、著作権などと大それた言い方をするほどの次元の話ではないのかなと思うんですよ。

 もう一つ、小宮委員がおっしゃったとおり、確かに契約書で書かれていることは一方的に変えられないのだけれども、最初に契約を締結する時点で、例えば何年か後に審査をして事業がうまくいっていなければ事業者を変えるといった条項を入れておくことはできるんじゃないですか。イギリスの事例のように、SPCの株式を市場で売買できるようにするとか、いろいろ考えられることもある。今のPFI事業で契約変更が難しいのであれば、今後に向けた取組みとしてとりまとめ素案のなかに分かりやすく書いていくべきでしょう。分かりやすい言葉で書く。この素案にはいろいろな視点でよくまとめられているとは思うけれども、たぶんそれだけじゃなくて、もっと課題とか、今後に向けたことをやさしく平易な言葉で、大きく書いてくれるといいんじゃないでしょうか。

 

光多副委員長

 近代美術館は今、指定管理者制度を導入しているんですか。

 

事務局

 導入しておりません。

 

光多副委員長

 実際の展示企画とかは誰がやっているんですか。

 

事務局

 県の職員が直接実施しております。

 

光多副委員長

 そうすると、モニタリングはうまくいくはずなんでしょうね。やっていることは業務委託の積み重ねだから、清掃とか警備とか、そのレベルではほとんど業務不履行は起きないでしょう。施設の現場にいる職員の声として、思いがSPCに伝わりきれない部分もあるんだと思います。

これは私からの提言になってしまいますが、今までのPFIとは違う、運営重視に練り直した第2次PFIのようなものを今後検討してみてはいかがでしょうか。

 

事務局

 資料6のモニタリングの考察部分で、そのあたりのニュアンスを事務局として示させていただいたつもりでして、今後に向けて事業範囲に運営を含む業務を中心にインセンティブを組み込むといったように、事業者の努力を引き出す視点を持つことについて書かせていただいております。あとは、モニタリングの結果、事業が適切に実施されなければサービス購入料の減額という形でペナルティが課せられまして、それでも改善されない場合には最終的に事業者を変更する処置まであり、要求水準が担保される仕組みとなっていると認識しております。こうした仕組みにより、事業期間を通じて一定程度、SPCに事業改善を促すような仕組みが確保されていると考えております。そうしたなかで、今後に向けては、運営業務を含むPFIではインセンティブを組み込むことなどを検討することを書かせていただいております。

 

光多副委員長

 業務委託の積み重ねではインセンティブは働かないんですよね。

水族館はBOO方式でしたか。

 

事務局

 BOO方式です。

 

光多副委員長

 これは民間が主体となって実施する事業を県が補助したものと考えることができるわけで、インセンティブの発揮云々というよりも独立採算として事業者の責任で全てがんばってください、という類のものですよね。

 だから、検証を行うには、法令遵守型で価格重視型だったとか、過去の状況を振り返った上で、場合によっては運営までPFIに含めることも考えられたといったことを盛り込んでいく必要があるんじゃないでしょうか。

 

山内委員長

 書き方が難しいですけれども、そういったニュアンスのことをうまく表現していくんでしょうね。

 

金井委員

今回の検証委員会の報告書へのスタンスというか、何を目指しているのかがよく分からなくなってきています。つまり今まで10年間PFIをやってきたけれども、今後もっとより良く活用していきたい意図なのか、これまでの取組みを弁明してうまくいっていると言いたいのか、どうもよく分からない。普通こういう委員会は、いろいろ障害はあるけれどもそれらを突破する何か新しい方法を打ち出したいとか、あるいは政権交代したことを踏まえた見直しの機会だからとか、いろんな思いが委員会としてあるはずなんですね。どうも聞いていると、うまくいっていると言いたいのかどうか。そうでないのであれば、光多副委員長委員がおっしゃるように、課題として少し突き放した言い方をしていく必要があるんじゃないかなと思います。

委員会のスタンスが分からないので何とも言えないのだけれど、最終的に、ひとつは知事に対するものとして、もうひとつは実際にサービスを提供している所管部局に対するものとして報告をどうとりまとめたいのか。財務上は効果があったけれども、サービスの向上につながっていないからもっとしっかりやるよう指摘するために使いたいのか、財務さえうまくいっていれば、あとは委託の積み重ねなんだから安ければそれでいいというためのものなのか。本当のねらいがまだよく分からない。それによって報告書の書き方も資料の作り方も変わってくると思うんですよね。資料から虚心坦懐に結論が出るなんて甘いことはないわけで、ある程度言いたいことがあって、そのために根拠を出して立証していくわけですよね。そのあたりはどうなんですか。

 

事務局

 10年という一定の時期が到来して、委員の皆様がおっしゃられたとおりいろいろな手法が出てきたなかで、もしPFIを使っていくのであればどうやって使っていくか、要するに今の課題について明らかにすることと、PFIを使うのであればこういった場合に使っていくということ、そうした現在のPFIの位置づけをはっきりさせたいというのが大元なんです。

金井委員

 ということは、委員会として、過去のPFIの限界や問題点を指摘して全然かまわないわけですか。10年前の当時について課題があったことはしょうがないけれども、今後は改善しましょうといった話であればいいわけですよね。

 ただ、PFIで問題になるのは長期契約だから、過去の問題を掘り起こすと、じゃあこれから先10年20年も続くので、どうするんだという話になってしまう。それが変えられないという硬直的な問題だとするのならば、PFIは安定性や予見可能性を与えたけれども、そのせいで30年という財政硬直要因を作ってしまったわけですよね。それで、今のPFIをどう見直すのかという話につながってくるのですけれども、PFIのせいで見直しができない仕組みになっているとなると、これは今後に向けた改善策を言いにくいわけですよね。そうなると、PFIの最大の問題はここなんじゃないか。それをちゃんと言って、西川委員がおっしゃるように、もっと柔軟なPFIにしない限り、今後は使えないものということになってしまうわけです。30年も財政硬直化の要因を作って、人口が減少していく社会でやむを得ず支払を続けなければならないということは非常に迷惑な話ということになってしまう。場合によっては、今やっているPFI事業で契約を変えられないという話になると、虚心坦懐にミスだったと認めざるを得ない場面も出てくると思うんですね。そうじゃなくて、枠組みは変えられるということであれば、毎年状況に応じた計画を出させて柔軟に対応できる余地があるんだと、現状でも硬直的なPFIではないと言うのであれば、十分打ち出せるのかもしれない。スタンスに関わってくることですね。

 

光多副委員長

 神奈川県のPFIは、法令遵守型で価格重視型で、PFIの良いところを発揮しきれていないんじゃないかという気もします。業務委託の積み重ねでどうしてこんなに金利が高いのか疑問なんです。大阪で市場化テストをやっていますけれど、生かすも殺すもモニタリング次第なんです。

 確かに、日本のPFIの契約は堅いところがあって、イギリスだとSPCの株価も変わるし金利も変わります。業務委託の積み重ねではリスクなんてほとんどないわけですから、それではモニタリングのなかで金利を変えたらどうかとか、よりよいスキームに変更するとか、攻撃的といいますか、もっとポジティブなモニタリングをしてもいいんじゃないでしょうか。

 

西川委員

 金井委員がおっしゃった委員会のねらいについては、委員就任の依頼を受けたときにも尋ねたんですが、そのときの説明のニュアンスとちょっと違う気もします。議会で質問があったんですか。

 

事務局

 監査ですね。監査では、PFIを制度化して10年が経ったので、客観的に振り返ってほしいという趣旨でしたので、監査を受けて何か問題点が明らかになったというわけではないです。これを意見として受け止めて、我々としても事業が立ち上がってきて以降、全体を横串を通して見るということをやってこなかったものですから、それぞれの事業所管課がそれぞれの立場で事業を実施してきた状況なわけです。そうしたなか、全体の状況を把握するために我々がこうした機会を設定させていただいて出発した次第です。ただ、委員の皆様のご意見を踏まえて、今後のPFI活用に向けた課題が見つかればそれは取り入れていくということが、現在の我々のスタンスとなっております。

 ですから、過去を振り返った自己否定のような形になってしまうと、当初の出発点における趣旨とは異なってきてしまいまして、今後の課題について報告に盛り込んでいくことはありがたいのですが、それを今の事業に反映させるとなると、当初の趣旨にはなかったものですから、今後に向けた整理という形になるかと存じます。

 

西川委員

 この委員会報告は、議会に報告したりホームページで公表したりして、県民が分かるようにするんですよね。

 

事務局

 そうです。

 

光多副委員長

 委員会報告は誰の名前で出すのか。委員会の名前で出すとすれば、あくまで我々の意見として示すこととなるので、それをどのように受け止めるかは県側の問題となりますね。

 要するに、今のとりまとめでは、問題がないことが問題なわけでして、価格重視型で業務委託の積み重ねでやっているから、問題が起こっていないんですよ。だから、もう一度PFIのいいところを発揮させるために、今の事業も見直すよう指摘する意見もあるということを示すわけで、それを受け止めて採用するかしないかは別途あるわけです。ですから、報告書をどのように位置づけるかということですよね。

 

山内委員長

 時間の関係もあるので、すでにだいぶとりまとめ素案に踏み込んだ議論にもなっていますが、一旦、事務局に説明をお願いしたいと思います。

 

≪議題3 県有施設におけるPFI導入に係る効果等に関する検証結果について≫

 

≪事務局から資料8に基づいて説明≫

 

山内委員長

 ありがとうございました。

 

西川委員

 ちょっといいですか。この報告は検証委員会の名前で出すということですけれども、まず結論的に言うと、だいぶ書き直さなければいけないと思います。

それからですね、検証結果をまとめるには50ページぐらいのボリュームになるかと思ったのですが、これはそれのサマリーなのですか。どうもそうじゃないようなので。4回も委員会を開くわけだし、議論がいろいろ出ているのに反映されていないように感じられるのはちょっとね。

それからさっき言ったように、すごく難しく書いてありますね。何を言っているか分からないところがたくさんある。

それから最も気になるところはですね、VFMがあるとかなんとか書いてあって、しかも計算まで最初していますよね。それぞれの事業の説明や最初の一覧表かな。それで、それが本当にあったのというのが、全然よく分からない。例えば、PSCの県債の金利の方がPFIの適用金利より低いはずなのに、何でVFMがあるのか、普通の人が見たときによく説明ができないだろうなと。それは説明するんでしょうけれどもね。

それと、創意工夫がなされているとか、県営でやった場合には分からなかったような創意工夫があると、花と緑のふれあいセンターで書いてありますけれど、光多副委員長がよくおっしゃるように、これは本当なのかよく分からない。これは、さっきの競争原理のモニタリングも、契約の硬直性とかそういうことも含めていろいろと書かないといけないですね。これでは結局3ページでさっとまとめてあるだけですね。まとめたことはまとめたんだけれど、これではちょっとまずいのではないかと思います。

この3ページはまとめで、ここでこんなに時間を使っているのですけれど、専門家がいろいろと議論してきて、いろいろいい問題点が出ているんですよ。この委員会はレコードも全部取っていらしているし、もう一度見直して問題を整理して、10年の節目ですのでもっとちゃんと後世にも残るようにやっていただきたいというのが結論ですね。

 

光多副委員長

 先ほど申し上げた検証のきっかけですけれど、17ページですかね。花と緑が問題になっているように思われるのですが、そういう理解でよろしいんですか。

 

事務局

そういうことではないです。

 

光多副委員長

 全体を見ると花と緑をかばっておられて、そこだけが目立っちゃうのですよね。例えば、前から西川委員がおっしゃっているように、民間の創意工夫が何であるかということについて、6行の中に3個ほど書いてあるのですが、これが極めて重要で、例えば近代美術館で展覧会と連動した食事を出すということが独創的だというのですが、例えば今までの形だと民間に目的外使用許可でやっているところもありますよね。そういうところであっても、展覧会にあわせたメニューを出しますよね。

だから、運営と一体化していない業務委託の積み重ねという形のPFIで何が言えるかですよね。この形で検証すると、PFIによって3つの効果が上がったかというと、むしろネガティブな結論になってしまいますよね。本音の議論を分けるということも考えられますが、西川委員がおっしゃるように、このままだとスカスカで我々が一生懸命議論したことが入っていない感じもしちゃいますね。

 

金井委員

 監査委員がきっかけで始めたというのはいいと思うんです。ただ、県執行部として自己評価はやったけれど、まあ問題ないですよという答えだと、監査委員からすると、むしろ自己評価自体が何なのかという話になってしまうかと思うのですが。場合によっては我々が直接評価せざるを得ないだろうという話にもなりうる問題なので、ちゃんとやったほうがいい。いい点と悪い点を含めて。

そういう意味で、これしか創意工夫が出なかったとすると、率直にPFI自体に限界があったということになる。いろいろやむを得ないこともあったであろうけれども。そこは率直に認めて構わないと思うんです。今後に向けてちゃんと伝えて、今やっている事業に創意工夫を反映させていくことは別途考えないといけないと思います。そういうのは、虚心坦懐に考えていてはいけないと思うのですよ。

それから所管部局の関心が事業コストとか財務上の関係にあるのだとすると、サービス内容にはあまり関心がないという可能性もあるわけですよ。それはそれで良いわけです。財務上の問題に限定するのであれば。

そのあたりも、所管部局にきちんとサービス内容までやらせたいと思うのであれば、やっぱりもう少しそのあたりを検証しないといけないかと。

、かね。たがやっぱりもう少しそこらへすけれど、すると、これ事体た それから、光多副委員長の重要なご指摘にもありましたが、神奈川県の意思決定の特色とか、職員のあり方とか、内部の意思決定のあり方、ガバナンスのあり方とかの自己検証はあってもいいかもしれないですね。

それからそもそも横串で検証をやるということは、個別のサービス内容に関してはよく分からない。所管部局がちゃんとやっているのかとなると、モニタリングでちゃんとやっていて何も問題もないとされているけれど、攻撃的ではなくディフェンシブにやる形になっているから、公共サービスが向上できるような県のガバナンスになっていないわけじゃないというわけです。だったら、サービス内容については所管部局がもっと積極的にやりなさい、という方向がありえます。むしろそういったことはあるかと思います。せっかく知事も変わったんですし、知事まで最後は話を持っていくのであれば、ここを財政当局、施設当局として積極的にチャンスを使って欲しいという率直な気持ちはありますけれど。

 

小宮委員

 私も先生方のおっしゃることはもっともであると思ったのですが、具体的には17ページ以降ですね。趣旨は分かったんですが、事務局案が、最初の資料との整合性にこだわり過ぎている。公共サービス水準の向上とか事業コストの削減とかは書いていいと思うのですが、その前に総括としてメッセージがあるといいのかなという感じがいたします。これで10年振り返って、問題点とかにも触れる構成にしていただければ、よいのではないかと。

 それから、個別事業の評価に触れるのだとすると、ちょっと花と緑は気になる部分がありますね。書ける部分と書けない部分はありますけれど、例えば15から16ページだけですと、割といいことが書いてあるんですよ。それで、17ページの下のところにさらっと2行ぐらいで若干改善しなければならないという形で書いてありますけれど、さっきの財務諸表の動きなんかを見ていると、余裕がないような気がするのですが。そのあたりももう少し分析するのか、もう少し踏み込んで書くのか。あんまりいい部分にだけ焦点をあてるとよくないのではないかと。

 

金井委員

 花と緑は人数が集まっていないというのは誰が見てもはっきりしている。そう言わざるを得ない。時期が遅いことについては、何でこの時期にこれをPFIでやらなくてはいけなかったのかというのが、どうもよく分からない。その上、PFIで一番私が気になっているVFMですが、そもそもこれはやるという前提が成り立っていればの話であって、やらないという意思決定を含めて考えるには、VFMというものは使えないわけですよね。やるとしたら安くなるけど、そもそもこんな事業やらなくてもいいじゃないかということには何の反論にもならないわけですよね。花と緑は本当に県でやらなくてはいけないのか。衛生研究所とかは必要でしょう。金がかかってもやらなくてはいけない。けれどもこのセンターがこの時期に本当に必要であったかというと、本当は意思決定のプロセスを相当検証しなければならないし、監査なんかはそれをやると思いますよ。個別に監査するとなるとね。

やっぱりこれはちょっと特出しせざるを得ない。いろいろな問題をはらんでいると。そういう印象があるわけですよね。これはちょっときつめのことを言っておかないと、委員会としても節穴と言われるのは本意ではない。そういう思いはたぶん諸先生方もあると思いますね。だから、これはちょっと気になりますよね。

 

光多副委員長

それに、期待したいという表現は、この委員会の報告としてはなじまない。

 

西川委員

 さっきの創意工夫も重要なんですけれど、それと同時に、さっき言ったVFMの話は、光多副委員長も一回目の委員会でおっしゃっていまして、私も初めから皆さんに言っている。これが1ページ目に出てくると、さっき言ったように、本当にPFIっていいんだ、PFIでやると創意工夫はあまりなくても安くできていいんだ、ということがここに書いてあることだとみんな受け止めると思うのですが、本当にそうなのかということだと思うのですよ。

さっき言ったように、県債の方が金利が安くて、民間の調達金利の方が高いのに、何で安くなるのかと。それは事業を一括して請け負うからという理由なんですけど。それとどう関係があるのという話なんですよね。それは、そもそも公共工事自体をやると昔から3割ぐらい高いと言われていたから、ここが3割安くなるという話がありましたけれどね。その話と間接的には関係があるのかもしれませんが、だけど、これをちょっと出して、議会で質問が出て、県債の金利は何パーセントです、民間の金利は何パーセントですと答えたときに、民間から借りたほうが高いじゃないか、何でVFMが出るのかと聞かれて、どう答えるのか。1ページ目からそれが出ているので、それが気になる。

あとは、公共サービス水準の向上とかいろいろ書いてあるが、ここだけ見てもちょっと大丈夫か心配になる。山内先生を委員長として、我々もそういうことがいいことだという雰囲気で書かれているので、これについて説明するんだったらちゃんとやらないと、議会で質問されたら答弁で困るんじゃないかというのが私の印象です。

 

光多副委員長

 保健福祉大学とか衛生研究所とかは、たぶん知事が変わって、これはやらざるを得ないというプロジェクトだったんでしょうかね。財政がとにかく厳しくて、とにかく何とかしなくてはいけなかった。例えば、DB方式の工事延払方式をやってもいいからやらなくてはいけない。そこにPFI方式があったので、うまく使って対応したんでしょうね。つまり目的は果たしたんでしょうね。この辺はたぶん、知事の約束されたことなんではないかと思います。それをやるという形で、県主導型なんだけれども、実際には原局ではなく財産管理課が財産問題としておやりになって、延払方式で、業務委託の積み重ねとしてやってきた。そこはマイナスではなくて、相当貢献したと思うのですね。PFIを活用することによって、県はそれだけのことをやってきた。そこはまずいということでなくて、本音で書いてもいいと思うのですね。

 

 

金井委員

 私もそこは歴史的意義があったと思います。当時も第二公共事業と言われたが、ある時期はやらなくてはいけない政治判断があって、やらざるを得なかった。少なくともその時点ではやむをえなかったのかもしれない。

ただ、その後、それがどうだったのかを、ずっと後にまでなって弁護し続ける必要はなくて、そうは言うけれども、いろいろと問題はあると。

端的に言えば、高い金利を払っても金額は安い。その意味では創意工夫がなくても、県にはメリットがある。けれども、分配上の問題からすると、金融機関を助けて、土建業への支払を減らしたということですよね。分配の問題も県としては重要です。本来目的として産業振興というものもあったわけですよね。県議会でも一番関心があるのは、地域内の産業に貢献があるのかということであって、その結果は、端的に言えば、金融機関に金は流れて、土建業などで食っていたところは買い叩かれて分配が減りましたとなると、県民の負担が減ったのは全体としてはマイナスでないかもしれないが、少なくとも分配上の問題は引き起こしているということになる。しかも県債で借りられれば本当はもっと安い金利で借りられたにも関わらず、PFIで資金調達した。この時期の金融資本主義的な考え方が如実に反映されていた。それはちょっと見直しをせざるを得ない気がするんですよね。

それから、近年では公共工事も買い叩かれていくようになりましたよね、市場の関係で。土建だって昔ほど高くはない、むしろ安くて問題になっているくらいなんですよね。そのあたりは導入効果としての産業振興を今回は検証しませんでしたよね。今さらながらですけど、何で検証しないのかなという気がします。

 

光多副委員長

 それは非常に難しい問題で、九州とかになると、地元企業を優先させるという形で、地域振興をはかっているんですよね。神奈川県の場合も、地元ゼネコンからの反発がものすごいですよね。立地条件からして全部東京資本がきちゃって、だから保健福祉大学で反発があったのは、何で今まで地元のゼネコンがやっていたものを東京のゼネコンがきたのか、PFI帰れ、ゼネコン帰れとなったわけですよね。

ここで、産業振興をさらっと書いてあるわけですけど、神奈川県の立地条件からするとちょっとやむを得ない面もあったのだけれども、むしろ東京とか神奈川とかの方が地域ゼネコンからの反発が強かったんですよね。要するに、東京から人がすぐ来るから。九州とかになると、管理運営がある程度の規模になると地元の人を入れないとできないんですよね。東京とか神奈川とか埼玉とかになると、大手ゼネコンが全部やっちゃうんでね。

産業振興の面は、立地上の問題から、色々問題があるというのが実態だと思うのですがね。沖縄のPFIは地元企業を義務付けていますからね。

 

金井委員

 むしろ、そういうふうに硬直化していた官公需の公共事業・土建業に風穴を開けるという意味で、PFIには意味があったとするならば、それはそれで意味があったと思います。そういうあまりに硬直的な公共事業だと困るし、高止まりして困ったというのも事実ですし。それについても、状況に合わせて見直していかないとね。

 

光多副委員長

 本音ベースで一回書いてみて、これはまずいという意見があったら、それは直すということにしてはいかがでしょう。問題がないことをオーソライズするのが我々委員会の役割だとしてしまうと、それでは今までの議論が生かされない。やはり表現が気になりますよね。何か言い訳をいっぱいされていて、今後に期待したいとだけ言うような。

 

金井委員

 率直に言うと、何で平成19年にもなってこういうことをやったんですか。PFIは、どうしてもやらなければいけない事業を安くやりたいというなら分かるんですが。だって、やらなければ支出としては0だから、その意味ではVFMが一番良いわけですよ。

事務局

そのあたりは、平成14年度あたりだったと記憶しておりますけれども、その頃から、花と緑に触れ合えるところを作るという構想がありました。ただ、その構想に基づく具体的な意思決定や事業化過程の妥当性については、今この検証委員会では立ち入らない領域であると整理しております。

 

金井委員

 僕は政治学者だから、どうしてもそっちのプロセスが検証されるべきだとは思いますが、この委員会はそうでもないとしても、やはり異質に感じますね。着手の時期が財政状況の苦しい時期で、これを乗り越えるために、指定管理者制度といった他の手法がなかった時期にやられているのなら方法論的に意味があったし、公共工事の凝り固まったものを解体するには意味があったという言い方は、ある時期のPFIには重要だと思いますが、平成19年にもなれば、雇用崩壊も進んでいて、構造改革の時代ですね。無駄なものは作らないという時代になっている。花と緑に触れ合うことはいいんですけどね、お金が潤沢にあるならば。ただ、それによって財政負担が平成41年までずっと続いてしまうわけでしょ。

 

小宮委員

 西川委員のおっしゃっていた、最初の2ページ目に出ているVFMですけれど、私もそれが気になっていたんですけど、VFMの結果というのは、今までの事業をやってきた中での一応の結果としてなので、最初の頭紙にこなくてもいいと思います。冒頭で示したいのは、保健福祉大学はいつ頃つくられて、どのような事業をやりましたということであって、概要が書いてあればそれでいいのかなという気がします。

 それから各論のところ、検証結果の詳細についてですが、5ページ目以降の各事業を何故始めたかという経緯について少し書いていただいて、花と緑の件についても、何故事業を始めたかというところから今どういう状況であるかということを書いていただいたほうがいいのではないかと思います。17ページの一連の流れの中で、「期待したい」という記述がありますけれど、花と緑は個別の事業の記載箇所で記載するほうがいいのではないかという気がします。見開きでの見せ方にこだわらないのであれば、事業の評価は該当する事業の中で記載していただいたほうが読みやすいと思います。

 

西川委員

 さっきのね、監査委員から一度調べるよう言われたということの重さが、私にはちょっと分からないのですけれど、普通こういうことをやるときには、6つの事業なら6つにですね、委員が視察に行って見てきて、どうなったというようなことも一応やるんじゃないでしょうかね。

それと、さっき言ったように、報告書ももっと厚く、50ページくらいあるもっと詳しいものに普通はなるんじゃないかなと。

検証委員会の委員である我々からすると、できればもっときちんとしたものを書いていただいて、そして今の時点ではっきり分からないことについては、今後いろいろ検証していく必要があるのではないか、という書き方もしていいと思うのですが。あと1回しかないですからね。そのあたりがどうなのかというのは、ちょっと計りかねているということがあって。

財政難のときに公共工事の代わりとしてPFIをやったというふうに見られてもしょうがないという面もあると思います。要は書き方なんですけれどね。それをどういうふうに書くかということが重要になってきて、誰がどういうふうに書くか分かりませんけれど、けっこう大変な仕事だと思います。

監査委員会に出すためにこれをまとめるわけでしょ。この結果はどうするのですか。ホームページに載せて、誰かに提出するわけでしょ。ここだけで終るんですか。どうするんですか。

 

事務局

検証結果を踏まえて、私どもの方で、PFIの活用指針に反映していくつもりです。

 

事務局

3ページ目の冒頭に記載がございますけれども、神奈川県におけるPFIの活用指針は平成12年に定めておりまして、これまでのPFI事業はこの活用指針に基づいて、庁内的にも指針に照らし合わせてチェックして実施してきているわけですね。

もともとのきっかけは西川委員がおっしゃったように、監査委員から投げかけがあったことなのですが、監査委員からは、この委員会のように第三者から意見を聞いて報告せよとまでは求められておりません。要するに、我々事務方に対して、10年の節目だから、内部的にも検討してみてはどうかと意見があったということでございます。

 ただ、我々としては、そのようなきっかけを監査委員からいただきましたので、しっかりと第三者の、専門家の意見をいただきながら、この活用指針を改定していこうと考えております。

 

西川委員

 この報告は誰あてに提出するのですか。

 

事務局

知事あてです。

 

西川委員

 行政のヘッドですね。そうなると、行政機関に渡すということですね。

 

事務局

そうです。

 

西川委員

 ということならば、当然のことながら、これはホームページにも公開して、県民も見ると。

 

事務局

そうです。

 

西川委員

 今、国会でも財政のことがいろいろと言われていますよね。県についても言われているけれど。それをみんなが読むという話ですよね。当然議会でも、関心のある方がいれば、取り上げるという話ですよね。

 

事務局

そうでございます。

 

山内委員長

 だからこのような報告書の形になったんだと思うのですがね。

 時間がないのでまとめますと、今日の議論を伺った限りでは、今までのスタンスではまずいよねということ。さっき、光多副委員長からの投げかけとして、もうちょっと突き放して書いたほうがよいのではないかという話があったけれど、そう書かないといけないよね。それで、どこまで書くかということなんです。

もおっしゃったように、たぶん書けないところがいるかと思いますので ここで議論したことは、かなり重要な視点が含まれているかと思いますので、それは無視してはいけないのですが、ただ、西川委員がおっしゃったように、たぶん書けないところもたくさんあると思うのですよ。一つ書けることは、ここで議論した中ですごく重要なこととして、PFI制度そのものの限界があることが言われたんですよね。PFIでやったらこうなっちゃうということ。あるいは、一番重要なのは、社会環境とかニーズとかが変化する中で、PFIというのはかなり硬直的なので、どのように柔軟に対応させていくかということが永遠の課題だったんですよね。

それで、さっきモニタリングの話とかいろいろヒントが出てきたので、とても重要な情報を我々は共有できたと思うんですよね。PFI制度全体のこととして、そこは書けるんじゃないかな。それは重要な議論をしたので、書いていただきたいと思いますし。

それから、個別事業の案件に関しても、ご議論やご指摘は可能な限り受け入れて、記述を膨らませないといけないですよね。これは難しいと思いますが、要するに書き方とするとね、ほじくられるような書き方はしたくないと思うんですが、やっぱり反省に立って、うまく前進していく必要があるとかそういう書き方をするのでしょうね。

もう一つは、かつての財産管理課がやろうと思ったことと、原局が実際にやっていることが違うということも考えられるので、原局はもっとしっかりやるようにという形で書けるかもしれないですね。難しいかもしれないけれど。

そういう書き方で、諸先生方の言われた個別の問題点を指摘するというのはありますよね。それでまとめていくのかなと思います。

さっき、西川委員がおっしゃったように、今まで作成してきた資料がこれにどう反映されるのかということですが、膨大な資料を作られたので、うまく作られるとしっかりした報告書になるということですね。

そうした形でお願いできないですかね。

 

光多副委員長

 時間がないところすみません。

 やはり、PFIというのは手法なんですよね。例えば近代美術館でいうと、PFIを使うことが目的なんじゃなくて、近代美術館が本当に必要なのか、行政としてちゃんとやるというのが目的であって、うまくやるための手法としてたまたまPFIを使ったということであるはずなんです。何か、目的と手法が逆転しちゃうとまずいですよね。県として、これだけの施設整備をやれというのがまずあって、それをPFI方式でどうやって課題をクリアしてうまくやったかという、視点としてはそこなんでしょう。PFIの目的というのはね。

私、PFIの活用という言葉はどうも引っかかるんですよね。PFIの導入というならばいいんだけど。活用というよりも、行政のいろいろなプロジェクトをやるための単なる手法なんですよね。

 

山内委員長

 そろそろお時間ですよね。

 それでは皆さんのご意見を反映させるようにということですね。

 閉会の挨拶は事務局でお願いいたします。

 

≪閉会≫

 ・閉会挨拶:小川財産経営課長

会議資料

議事次第 [PDFファイル/34KB]

【資 料】

資料1 財政支出の平準化に関する補足について [PDFファイル/331KB]

資料2 PFI事業における民間事業者の創意工夫等の整理について [PDFファイル/466KB]

資料3 公民連携(PPP)手法について [PDFファイル/504KB]

  別添 神奈川県民間活力活用指針 [PDFファイル/634KB]

資料4 PFIの適正をはかる視点等について [PDFファイル/248KB]

  別紙1 他自治体等における導入検討段階での考え方 [PDFファイル/298KB]

資料5 PFI導入過程について [PDFファイル/339KB]

資料6 モニタリングについて [PDFファイル/538KB] 

資料7 SPCの財務・経営状況に関する財務モニタリングについて [PDFファイル/160KB]

資料8 県有施設におけるPFI導入に係る効果等に関する検証結果について(素案) [PDFファイル/1.05MB]

 

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このページの所管所属は 総務局 財産経営部 施設整備課 です。