代表的な動物由来感染症について

掲載日:2017年7月25日

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

病気の特徴(症状)

 発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主徴とし、ときに、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴います。血液所見では、血小板減少(10万/㎣未満)、白血球減少(4000/㎣未満)、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められます。致死率は10から30%程度です。

感染経路・感染状況

 主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺咬されることで感染します。

予防

  • 草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことなど、マダニに咬まれない予防処置を講じましょう。
  • また、ペットに付いているマダニに触れたからといって感染することはありませんが、マダニに咬まれれば、その危険性はあります。

  マダニ類はイヌやネコ等、動物に対する感染症の病原体を持っている場合もありますので、ペットの健康を守るためにも、ペットのマダニは適切に駆除しましょう。ペット用のダニ駆除剤等がありますので、かかりつけの獣医師に相談してください。散歩後にはペットの体表のチェックを行い(目の細かい櫛をかけることも効果的です)、マダニが咬着している(しっかり食い込んでいる)場合は、無理に取らず、獣医師に除去してもらうのがよいでしょう。

Q&A

問1 ネコやイヌからSFTSウイルスに感染する危険性がありますか?

答 健康なネコなどからヒトがSFTSウイルスに感染することはないと考えられています。また、屋内のみで飼育されているネコについては、SFTSウイルスに感染する心配はありません。現時点においてはまれですが、SFTSウイルスに感染し、発症している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。なお、ヒトのSFTSで認められる症状を呈していたネコに咬まれたヒトがSFTSを発症し、亡くなられた事例が確認されていますが、そのネコに咬まれたことが原因でSFTSウイルスに感染したかどうかは明らかではありません。

問2 ネコなどの動物からSFTSウイルスに感染しないようにするためには、どのように予防すればよいですか?

答 SFTS以外の感染症に対する予防の観点からも、

・動物を飼育している場合、過剰な触れ合い(口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝ることなど)は控えてください。動物に触ったら必ず手洗い等をしましょう。また、動物のマダニはかかりつけの獣医師に相談し適切に駆除しましょう。飼育している動物の健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診してください。

・野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。野生動物との接触は避けてください。

・体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診してください。受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態、また動物との接触状況についても医師に伝えてください。

問3 全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているのですか?

答 いいえ、全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではありません。日本国内では、ウイルス保有率は地域や季節によりますが、0から数%です。

問4 マダニに咬まれたら、どうすればよいですか?

答 マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科など)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。

参考

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html

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オウム病

病気の特徴(症状)

 突然の発熱(38度以上)で発症、咳が出て、たんを伴います。全身の倦怠感・食欲不振・筋肉痛・関節痛・頭痛などインフルエンザのような症状となります。重症化すると呼吸困難・意識障害などを起こし、診断が遅れるとまれに死亡することもあります。

              

感染経路・感染状況

 セキセイインコ、オウム、ハト等の糞に含まれる菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えることによっても感染します。これまでにわが国の動物展示施設で2件の集団感染がありました。

              

予防

  • 鳥を飼うときは、羽や糞が残らないよう常に清潔にすることをこころがけてください。
  • 口移しでエサを与えないなど節度ある接し方が大切です。
  • 鳥を飼っている人が重い風邪の症状を感じたら、オウム病を疑って専門医に受診し、鳥を飼っていることを医師に説明してください。
  • 信頼のおけるペットショップで健康な鳥を購入しましょう。

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狂犬病

病気の特徴(症状)

 平均30日の潜伏期間の後発症します。初期は風邪に似た症状で、かまれた部位に知覚異常が見られます。その後、不安感、恐水症、興奮、麻痺、錯乱などの神経症状が現れ、数日後に呼吸麻痺で死亡します。発症してしまうと100%死亡するといわれています。

              

感染経路・感染状況

 感染した犬、猫、アライグマ、キツネ、スカンク、コウモリなどにかまれたりして、だ液中のウイルスに感染します。日本では1957年以降発生していませんが、アジア、アメリカ、ヨーロッパなどの外国では、今でも発生があり、世界で年間3から5万人の死亡者が出ています。

              

予防

  • 万一の発生に備え、日本では飼い犬に必ず年1回、ワクチンの予防接種を受けさせることになっています。(4月から6月)
  • 飼い犬は市町村の窓口で登録します。(犬の取得時に1回)

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エキノコックス症

病気の特徴(症状)

 日本では主に北海道で患者の発生が見られます。虫卵が口から入ることで感染し、虫卵は腸の中で幼虫になり、その後肝臓に寄生します。感染後、数年から数十年ほどたって自覚症状が現れます。初期には上腹部の不快感・膨満感の症状で、さらに進行すると肝機能障害を起こします。

              

感染経路・感染状況

 北海道のキタキツネが主な感染源で、糞中に病原体であるエキノコックスの虫卵を排出します。北海道で放し飼いをして感染した犬もキタキツネ同様に感染源となります。人はエキノコックスの虫卵を手指、食物や水などを通して口から入ることで感染します。ここ10年くらいは毎年10人前後が新たに患者となっています。人は血清などで検査できますが、治療は外科手術となります。犬は糞で検査可能です

              

予防

  • キタキツネなどとの接触を避け、外出後は手を良く洗いましょう。
  • キツネを人家に近づけないよう、生ゴミなどは放置せず、エサを与えたりしないようにしましょう。
  • 沢や川の生水は煮沸してから飲むようにしましょう。
  • 山菜や野菜、果物などはよく洗ってから食べましょう。
  • 犬も感染した野ネズミを食べて感染するため、放し飼いはやめましょう。

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パスツレラ症

病気の特徴(症状)

 パスツレラは、犬や猫の口の中にふつうに見られる細菌で、咬まれたり、ひっかかれたりした場合に人が感染することがあります。通常は咬まれたりした場所が赤くはれたりするだけの軽症ですが、傷が深い場合には、骨髄炎になることもあります

              

感染経路・感染状況

 厚生労働省の調査では犬の75%、猫の97%の口の中、また猫の爪の20%にパスツレラがみられます。人が感染する場合の約半数は犬、猫の咬み傷やかき傷によるものです。
 最近の調査によれば、鼻や口からの呼吸感染も報告されています。

              

予防

  • 犬や猫に咬まれたり、ひっかれたりしないように注意し、傷を受けたときは石けんでよく洗いましょう。

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Q熱

病気の特徴(症状)

 感染者の50%は症状が現れません。軽い呼吸器症状で治ることも多いですが、急性型では、インフルエンザに似た症状で、悪寒を伴う急激な発熱(38から40度)、頭痛、眼球後部痛、筋肉痛、食欲不振、全身倦怠感などが見られます。肺炎症状、肝機能障害なども見られ、心内膜炎に移行するなどの重症例もあります。多くは2週間程度で自然治癒し、死亡例はまれです。

              

感染経路・感染状況

 野生動物、家畜、ペットなどが感染している場合があります。感染した動物の尿や糞、羊水、獣皮や毛皮類などに含まれる病原体を吸い込んで、気道感染することが最も多く見られます。また殺菌されていない牛乳(未殺菌乳)を飲んだり、感染した動物の肉を食べることでも感染します。ダニが病原体を媒介することもあります。

              

予防

  • 野山では長袖を着用するなど肌の露出を避け、虫除け剤を塗るようにします。
  • 未殺菌乳を飲まないようにします。

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神奈川県

このページの所管所属は 保健福祉局 生活衛生部 生活衛生課 です。