平成28年夏 「かながわの水がめ」の状況

掲載日:2017年3月30日

 平成28年6月から8月の台風9号までのあいだ、神奈川県内のダム上流域では少雨が続きました。

 ダムに流れ込む水量が少なくなる中、水道取水などの必要水量を確保するため、相模川水系では、相模ダム・城山ダムと国の宮ヶ瀬ダムが、それぞれの特性を活かした運用(総合運用)を行うとともに、比較的流況が安定していた酒匂川水系の三保ダムでは、このまま少雨が継続した場合に、相模川水系のダムの貯水量が低下することを抑制するために行う運用(水系間の連携)に備え、平年以上の貯水量の確保に努めました。

 この期間中に、これら県内の4つのダムでは貯めておいた水を放流(総量で58,616千m3、横浜スタジアムの約200杯分)することにより、少なくなった川の水量を補い、水の安定供給を図りました。

  

 総合運用のしくみ

 相模川本川にある相模ダム及び城山ダムは集水面積が大きく流入量が多い割に貯水容量が小さいのに対し、宮ヶ瀬ダムは集水面積が小さく流入量が少ない割に貯水容量が大きいという特性があります。

 宮ヶ瀬ダムと相模ダム・城山ダムを道志導水路、津久井導水路の二つの導水路で連絡し、相互に連携した運用を行うことで水資源の有効活用を図るものです。

神奈川県の水運用のしくみ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総合運用のしくみの画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水系間の連携のしくみ

 

 酒匂川水系の飯泉取水堰から川崎市内をつなぐ長大な水道の導水管と、その途中伊勢原市で連絡している相模川水系の相模大堰からの導水管を利用することで、両水系の水利用に対してバックアップが可能となり、相模川水系と酒匂川水系の2水系間の水を相互に融通するものです。

水系間の連携の画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ 『かながわの水がめ』(リーフレット、パネル)はこちら

○ 水利用と総合運用についてはこちら

○ 水系間の連携についてはこちら

 

1 県内ダムの貯水量

(1)県内ダム貯水状況の推移

 県内の4ダムの合計貯水量は6月17日の249,605千m3・貯水率94%から、8月20日の貯水量190,989千m3・貯水率72%まで低減しましたが、ダムへ流れ込む水量が少なくなる中、ダムに貯めておいた水を活用することで水道取水などの必要水量を確保し、ダムの効果を発揮しました。

平成28年6月~8月の4ダム貯水量と降水量

その後、台風9号及び10号の通過に伴う降雨等により、8月31日時点で合計貯水量237,802千m3・貯水率90%まで回復しました。

(参考)台風9号により宮ヶ瀬ダムでは、約16,620千m3の洪水をため込みました。→運用実績はこちら

(国土交通省関東地方整備局相模川水系広域ダム管理事務所ホームページ)

 

(2)相模川水系のダム貯水状況の推移

 相模川水系の3ダム(相模ダム、城山ダム、宮ヶ瀬ダム)は、城山ダム上流域平均降水量が、10ヵ年平均に対し6月が55%、7月が49%、8月の台風前まで58%であったため、3ダム合計貯水量は6月17日の206,759千m3・貯水率93%から、8月20日の151,999千m3・貯水率69%まで減少しましたが、この水量54,760千m3を補給することで水道用水などの安定供給を図りました。

平成28年6月~8月の相模川水系3ダム貯水量と降水量

 

(3)酒匂川水系のダム貯水状況の推移

 酒匂川水系の、三保ダム上流域平均降水量は、10ヵ年平均に対し6月が71%、7月が40%、8月は台風前まで40%となっていましたが、流入量が比較的維持されたため、水道取水などの必要水量を確保しつつ、10ヵ年平均を上回る貯水量を維持し、このまま少雨が継続した場合に、相模川水系のダムの貯水量が低下することを抑制するための水系間の連携に備えた水運用に努めました。

平成28年6月~8月の酒匂川水系三保ダム貯水量と降水量

 

○ 降水量の状況はこちら→相模川水系(城山ダム上流域)酒匂川水系(三保ダム上流域)

○ 県内貯水状況はこちら

○ 貯水量のグラフはこちら → 相模川水系 ・ 酒匂川水系

 

 

2 県内ダムによる水の安定供給

(1)県内4ダムの実績

 県内の4ダムは、少雨によりダムへ流れ込む水量が少なくなった6月17日から8月20日までの期間において、10ヵ年平均では12,633千m3の補給でしたが、その約4.6倍にあたる58,616千m3の水をダムから補給し、水道などに必要な水量の安定供給に貢献しました。

10ヶ年平均と平成28年の貯水低減量の比較(6月17日~8月20日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)相模川水系の総合運用

 同期間において、相模川水系のダムで水の安定供給に活用した貯水低減量(54,760千m3)の割合は、相模ダム、城山ダム、宮ヶ瀬ダムで次のとおりです。

平成28年の相模川水系における貯水低減量の内訳(6月17日~8月20日)

 

  相模川水系においては、総合運用ルールに基づき、道志川から道志導水路を経由した宮ヶ瀬ダムへの補給により宮ヶ瀬ダムを優先して貯留しますが、補給は相模ダム・城山ダムの水を優先して利用した後、宮ヶ瀬ダムから津久井導水路を経由した城山ダムへの補給や、下流の中津川を経由した相模川への補給、相模ダム・城山ダムによる補給をきめ細やかに実施することで、水の安定供給を維持することができました。

 

(3)相模川水系と酒匂川水系の連携

 酒匂川水系三保ダムでは、少雨傾向にありながらも流況が平年より良好であったため、7月中旬から貯水量の確保を図る運用を行い、相模川水系のダムの貯水量が低下することを抑制するため、酒匂川水系の水を融通し、相模川水系をバックアップする水系間の連携に備えました。

 このため、平年に対し約1,500千m3を上回る貯水量を確保していました。

平成28年6月~8月の酒匂川水系三保ダム貯水量と降水量

 

 

 

 3 もしも宮ヶ瀬ダムがなかったら・・・

 6月17日から8月20日までの期間において、必要水量を確保するため、宮ヶ瀬ダムを含めた県内の4ダムでは、58,616千m3の水量が水の安定供給に活用されましたが、仮に4ダムではなく宮ヶ瀬ダム完成前の、相模ダム・城山ダム・三保ダムだけだった場合、この活用した水量が貯水率にどれだけ影響してくるかを検証すると、相模ダム・城山ダム・三保ダムは貯水率42%になっていたと想定されます。

 このため、台風等による降雨が無く更に少雨が続いていたならば、宮ヶ瀬ダム完成前であった平成8年の異常渇水時のような、知事を筆頭に異常渇水対策本部が設置され、給水制限などの実施により一部地域が減水・断水し、県民の皆様へ影響がでる可能性がありました。

貯水量・貯水率の試算グラフ

 

 

 

○ 平成8年の渇水はこちら(政策局政策部土地水資源対策課ホームページ)

 

相模ダム・城山ダム・三保ダム・宮ヶ瀬ダムすべてがそろっているから安心!

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