(タイトルなし)
様式3
審議結果
次の審議会等を下記のとおり開催した。
審議会等名称 | 平成17年度 神奈川県環境放射線監視委員会 |
開催日時 | 平成17年5月20日金曜日10時から12時 |
開催場所 | 県庁第二分庁舎6階 災害対策本部室 |
出席者 ※会長等◎ 副会長等○ | ◎ 岩島 清 国立保健医療科学院特別研究員 岡野 眞治 (財)放射線影響協会研究参与 阿部 史朗 独立行政法人放射線医学総合研究所 名誉研究員 |
次回開催予定日 | 未定 |
問い合わせ先 | 所属名、担当者名 安全防災局災害消防課 杉原、伊藤 電話番号 045-210-3430 メールアドレス saigaitaisaku.0311@pref.kanagawa.jp |
下欄に掲載する もの | ・ 議事録全文 ・ 議事録要約 | 要約し た理由 | |
審議経過 | 議題 (1) 平成16年度原子力施設稼働状況等について(報告事項) (1) (株)東芝原子力技術研究所から説明があった。 (2) (株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(以下「GNF-J」)から説明があった。 (3) 立教大学原子力研究所から説明があった。 (4) (株)日立製作所電力グループ原子力事業部王禅寺センタから説明があった。 (2) 平成16年度県環境放射線モニタリングデータの評価について(審議事項) 資料に基づき事務局から説明があった。それを受け委員が審議を行った。 【岩島委員】 それでは審議に入っていただきますが、どうですか。 【阿部委員】 皆さんの報告を見ると、モニタリングという本来の目的を達していると思いますが、いわゆる管理報告的な面が非常に強いですね。なぜ、そんなことを言うかといいますと一番最後のまとめはグレイで書いてありますが、途中の報告はシーベルトで報告してあります。このシーベルトはまさしく場所、時間が決まっているところで働いている人たちの線量を決めるために、そこでの人体被ばく表現用線量率を使っていることになっていますから、つまりシーベルトには完全に物理的な意味はないんです。被ばく線量的な表現です。まあ、しょうがないんであろうと思いますがね。最後にグレイのほうでまとめてくれてるから、いいのかなと思いますけどね。 本来なら、我々の目にはグレイが出てくるべきではないかと、ちょっと気がついたのでそういうことを言います。さきほどの説明中、GNF-Jの関係で、ウランの搬入の数字が上がってますね。そこで、私ちょっと気になったことがあります。このウランというものはどんな物ですか。天然ウランですか。なぜそんなことを言いますかというと、JCO事故の時、あまり経験のない測定者がニュートロンの測定器を持って、あの場所に、だいぶ時間が経ってから行ったら、ニュートロンの値が少々高くなったことに驚いていました。それは自発核分裂があるからです。だから私には量が気になりました。 【岩島委員】 何かご意見ございますか。 【GNF-J】 この資料2につきましての数値で出てくるのは、ほとんどが濃縮でございます。特に入出荷は濃縮なんですが、在庫量の例えば、年末327トンの中には天然分がたしか5トンぐらい、ほんのパーセントでも低いレベルでございます。 【阿部委員】 それはよろしいことにして、今の施設の「排水・排気実績」というところの、数値なんですね、これは、ここに書いてある文字を使えば測定限界値が3×10の-4乗ということなんですね。 【岩島委員】 というふうに読めますね。 【阿部委員】 このへんは、やっぱり、ちょっと表現の問題がありますね。 【岩島委員】 問題がね、ありますね。 【阿部委員】 実は、私は測定限界と言うのを使うのは嫌いなんですけど、まあ、しょうがないでしょうね、世の中そうなってるから。本当は、測定下限値、それで未満とすべきなんでしょうね。 【岩島委員】 計れないですからね。それでは、こちらに移していいですか。 【阿部委員】 今の「3 敷地境界における空間放射線測定」結果、ここで7、8、9、10、11、12とレベルが上がっているのはどういう訳か質問しようと思ったけど、今の説明でわかりました。それで、わたしは、計ったものをそのまま出すという点では、これはいいんでしょうけどね、最後にまとめるときも、やっぱり、これそのまままとめてますね。 【岩島委員】 それについては、ここだけではなくて、県のモニタリングポストの報告でも、上がった時がありますね。その時には、ご説明はエックス線発生装置による非破壊検査の影響ですとおっしゃった。それが注としてなければ一般県民なり公表する場合に、不十分ですよね。やっぱり、簡単でいいですから、そういう注を付けるのが本当ですね。それで、解析の方法はいままで何回もやられてるから省略されるのは、私はいいと思うけれども、それだけのことは書いておかないと、今の阿部委員がおっしゃたのもそうです。 【阿部委員】 それで、本来なら、施設側の責任ととられかねないわけです。あとで、もし何かあった場合には、判断の材料になるわけですから、こういう風に施設外の原因ということがはっきりしているものは、除いておけばいいんじゃないですか。 【岩島委員】 なるほど、そういう考え方もありますね。 【阿部委員】 最後のまとめでも、わたしは気になりましたね。やはり、我々は、そういうのを見てくるんでしょう。 【岩島委員】 そうですね。今の、阿部委員の、ご意見は非常に私は重要だと思っています。施設内のことについて、要するに、施設外へどのくらい何が放出されたか、影響があったとか、それから、周辺住民がどれだけ被ばくして、それ以下であったとか、と言うのが、ここでの我々の役目ですね。ですから、その中での、いろんな解釈について参考資料として出されるのもいいし、この形でもいいでしょうけれど、統一的なまとめかたではないと私は思います。岡野委員どうですか。 【岡野委員】 先ほどのですね、燃料の搬出の関係についてあれなんですけど、燃料からガンマ線が出ると言うことはですね、もう少しちゃんと言った方がいいと思うんだけど、どうもそういう感覚がないもんで、ウランというものは、天然ウラン、濃縮ウランは185keVしか出ませんから、あんまり表にガンマ線が出ないんですけど、天然ウランは約900keV、約1MeVのガンマレイが出るんですね。それが側を通ると増える訳です。これは、先ほどのモックスとか使用済み燃料なんかは、中性子が出ますけれど、新しい新燃料は中性子は出ないで、ガンマ線の1MeVが出て、それが引っかかると言うことで、さきほどのモニタリングステーションとかが、時々大きくなると言うことがあるわけです。これは、さきほど阿部委員が言われた施設の中でそういうことが起こるのはかまわないけれど、公道は車が走っているわけですからね、そう いう意味では、その車の周りのモニタリングのそういう施設があれば当 然そこで引っかかるわけなんですけど、その辺のところは、どういうようなことで、扱いをどう扱うか、つまり、もう少しちゃんとPRして、こういうもんだって言うのが本当なのか、それとも、 このデータはこのデータで、そういうことで増えましたと言うことで収めるのか、その辺のところは、行政と、それから、施設の方との判断で考えて頂けるとありがたい。 【岩島委員】 私から言うのは筋違いかもしれません、阿部委員がお答えとか、ご意見を言うのが本当かもしれませんが、総括的に考えてみますと、今、岡野委員が言われた、もう少しPRというのは、これは原子力産業なり原子力発電の歴史を見て見ますとね、一番最初の、今から何十年前に原子力発電所が一つ二つできたころには、ほとんど物を出さないんだよって言う話、だいたい、住民や県民に話していたわけです。ですけれども、出るものは出るわけですし、形状状態によっては安心なんですよと、歴史の中で学んできたんですよね。ですから、今の問題も、岡野委員がおっしゃることをお考えいただいて、そういうもんであることをPRすることも大事であろうと思います。岡野委員がおっしゃたことで、阿部委員が言われたことと違うこと、私が理解したことで、それが良いんだと言うのではなくて、敷地内の様相のまとめ方、どういうふうに考えてどういうふうにまとめて報告するか、施設外への影響と違って考えても良いのではないか、と言うことを発言されたのではないかと思います。特に二人の意見が違うとは思いません。そのほかにございませんでしょうか。 【阿部委員】 せっかく土壌とか測ってるんですから、空間放射線だけではなくて、そういうのも含めて、ここに出てくるべきではないじゃないですか。もうフォールアウト等の影響が相当低いのは解り切ってますから。それが当然だと思います。そうしなければ、モニタリングっていうのは完成しない。なにか将来何十年も経ってから、なんかあった場合に、問題とならないように、今から気をつけていただいたらどうでしょうか。 【岩島委員】 と言うのは、放射能のほうで、河川とかいろんなところで一部分出てる、立教大学の方でも、若干放出口のデータを若干出された方が良いのではないかと言うご意見だと思います。それでは、あといくつか大きな課題がありますので、事務局が報告したように、環境への影響、周辺住民への被ばく線量から言って、十分限度を守っているという結果であったことだろうと言うことを、ご理解いただけたと思います。それでは、事務局の方で用意した、皆さんに承認をいただく用紙を配ってください。 (事務局からコメントの配布) 【岩島委員】 それでは、事務局の方から読んでくださいますか。 【事務局】 それでは、事務局から、ただいまお配りしました案について朗読させていただきます。「平成16年度神奈川県環境放射線モニタリングデータの評価結果について」神奈川県環境放射線監視委員会において、検討評価した結果は次のとおりである。 1 県内原子力施設起因の放射線による施設周辺住民等の被ばく線量は、公衆の年線量限度(1mSv)を十分に下回っており、周辺住民等の健康ならびに安全上、問題となるものではない。 2 原子力施設からの放射線による環境への影響は認められない。 【岩島委員】 いかがでしょうか。なにかご意見はございますでしょうか。 【阿部委員】 1については問題がありません。2について、環境っていう言葉については、いつも私は考えちゃうんですね。これ、どういう意味ですか。意味もわからないで、私、はいそうですかと言うわけにはいきませんので。 【岩島委員】 県のほうで、ここを書かれた意味をお話できますか。 【事務局】 環境ということなんですが、いわゆる周辺のバックグラウンドと申しますか、自然界への影響と言う意味で書いたつもりなんですが、いかがでしょうか。なにかご指導があればたまわりたいのですが。 【阿部委員】 私はね、昔から自然界、環境というものは一定普遍ではない。だから保全というのはおかしいと思ってます。必ず変動していく。長い年次で見たら確かにそうと思われるでしょうけど、短い期間期限で見ても相当変わります。そういう意味から言いますと、こういう言葉を使うには、きちんとした資料が必要なんではないかと考えてます。厳しすぎる言い方だとは思いますが。しかし一般的には、なんか、見たところ環境に影響するほどの量ではないということであれば、それはそれで良いと思います。 【岩島委員】 ある程度、正確にしたほうが、私は良いと思います。というのは、あの指針のところで環境に影響はないと言うんではなくて、変動の範囲内である、変動に影響を与えていないという表現をたしかとっていると思うんです。要するに環境の変動はだんだん変わるけれども、この場合にはエックス線の発生装置に使われたり、なにか運んだりして、その周辺の放射線レベルの変化がみられた。しかし、トータルの線量ということと、それから一つは環境の放射線レベルの変動ということで、影響と言うのをそういうふうに意味しているとすれば、阿部委員はいいんですよ、とおっしゃったと思うんです。ですから、皆さん特にどうですか、なおした方が良ければ直したほうがいいし、次回から言葉の問題だし、問題と言っても内容の問題ですから、これは非常に大事なことだと思うんですね。ですから次回、考えを統一して整理して、書き換えていく。今までは、こうなってたんですか。どうですか。 【事務局】 昨年も同じ内容です。 【岩島委員】 ということは、我々の責任もあります。次回からで、よろしゅうございますか。そういう整理のしかた。それで、皆さんご理解いただいたということで、よろしくお願いいたします。 (3) その他 (1) NCA自動停止について(報告事項) 資料に基づき(株)東芝から説明があった。 【岩島委員】 これは当委員会への報告事項として、この議事録といいますか、情報の公開のほうに入るわけですね。要するに、この委員会でもって確かに了承しましたと、ご報告を受けて了解をしましたということでございますね。管轄が文部科学省ほかで十分なされたということで、疑問点があればお話を伺うということで、いかがですか。 【事務局】 このご報告については情報提供ということで、審議内容とは違うということでご理解いただきたいと思います。 【岩島委員】 ありがとうございました。 (2) 放射線測定設備に関する情報提供のお願いについて(報告事項) 資料に基づき事務局から説明があった。 (3) 久里浜局の移設が実施された場合の候補地について(審議事項) 資料に基づき事務局から説明があった。それを受け委員が審議を行った。 【岩島委員】 横須賀市の方、特に補足することはございますでしょうか。 【横須賀市】 市としまして、土地の問題は横須賀市の土地ですからクリアできるのですが、この場所が方位や距離的に問題ないのか、専門的な立場でご審議いただけたらと思います。 【岩島委員】 ということを踏まえて、委員の方、いかがですか。 【阿部委員】 こういうのが適切かどうかというのは、そうですね、理想と現実は意味が違うんで、理想の場合は言えますが、現状案に対してそれを変更することは、私にはそう簡単に言えません。しかしこの場合を見ますと、高さも同じだし、まあ距離がちょっと問題だけど、それだって現状案が必ずしも完璧なものではないということをよく知ってますので、私は良いんじゃないかと思います。 【阿部委員】 こういうのが適切かどうかというのは、そうですね、理想と現実は意味が違うんで、理想の場合は言えますが、現状案に対してそれを変更することは、私にはそう簡単に言えません。しかしこの場合を見ますと、高さも同じだし、まあ距離がちょっと問題だけど、それだって現状案が必ずしも完璧なものではないということをよく知ってますので、私は良いんじゃないかと思います。 【岩島委員】 どうもありがとうございます。たいへん今日は阿部委員は遠慮してお話されてまして、阿部委員はこういうポストのある意味では評価の専門家でいらっしゃるわけで、どういうところ、さきほど横須賀市の方がおっしゃったように、方位の問題、人口密度の問題、その他周辺の問題等、非常に綿密に考えていらっしゃる委員が、現状を考えた上で、しかも写真や地図を見て、まあ、このくらいは妥協するところではないだろうかと言うのが阿部委員の意見であったと思うし、私もそう思います。岡野委員はどうですか。 【岡野委員】 現在の場所が移転せざるを得ないという、どこが良いかと言うと、いくつか問題があって、一つは阿部委員が言われたとおり、モニタリングとして本来どういうところに置くべきかという本質的は問題を踏まえて考えるか、それとも現実問題として、市がもっている自由に使える土地に置くのかと、もう一つはですね、GNF-Jの近くにあるわけですね。それは、一応こういうところに置くと言うことは、モニタリングの本質から考えると必要な面があるわけですけれど、そういうものを置くことによって、さきほどの燃料運搬のときに、こう通ったときに、増えたりなんかして、そういう情報が出たときに、どういう扱いをしたらいいかということを、あらかじめ頭に入れておかないと、置いたらいいけど、しょっちゅうそういうので引っ掛かってくるという問題がおこって、いったいどうしてそこに置くんだと言われることに跳ね返ってくると困るんで、そのへんのところはGNF-Jの方はどういうふうなお考えを持っていらっしゃるんですか。燃料の搬出のときにそういう可能性があるかどうかっていう判断はいかがでございますか。 【GNF-J】 今日初めてここに移設する可能性があるという話をお伺いしたので、事前検討は何もしておりませんが、当社のモニタリングポストの1番とか2番の位置はですね、燃料体を積み込みましたトラックをですね、1台ではなくて十何台のトラックに積み込みます。一番最初のトラックに積み込んだものを待っている、最後のトラックに積み込むまでの間待っている必要がありましてですね、そのトラックがモニタリングポスト1番のそばに比較的長い時間、十何時間とかですね、止まっているために、その間モニタリングポストの値が上がります。その距離は10メートルないし、5メートルぐらいのところに止まっている場合があります。それに比べますと、今回考えておられますポンプ場の横のところはですね、入荷した燃料用の粉末を置く倉庫と廃棄物倉庫でございまして、基本的にここは遮蔽もそれなりにありまして、トラックに積み込んだ燃料体を出荷する影響は少ない場所になると思いますので、この付近、当社の敷地境界のすぐそばでありますので、このあたりの空間線量率が燃料の積み出しとかに影響があるものかどうか、サーベイメータ等を使ってですね、測定して県のほうに連絡したいと思います。 【岩島委員】 結局モニタリングポストというのは、その辺の周辺住民がどういう被ばくを受けるかってことの一つの指標に使う訳ですから、施設から距離が離れる必要がある場合というのは、なにか大気のほうへ放出するとか、それの最大着地濃度地点とか、ここはそういう所ではないわけですね。そのへんはどうですか。 【阿部委員】 私は特に考えなくては良いんじゃないでしょうか。つまり、今までのモニタリングのシステムに対して、どれだけ上がるか、どれだけ下がるか、そういう観点からしますと、私は同等だと思います。建物が側にあることが少々気になりますが、だけど、そういうことも含めて、私は、ほとんど同等だと思います。 【岩島委員】 ほぼ、両委員としては了解したということで、ご理解をいただきたいと思います。特にご発言がなければ事務局のほうに司会をお返ししたいのですが、よろしいですか。 【事務局】 岩島委員長、長い時間どうもありがとうございました。これを持ちまして、平成17年度神奈川県環境放射線監視委員会を閉会致します。本日は、委員の皆様、並びに関係者の皆様、どうもありがとうございました。 |